電子消費者契約法(電子契約法)とは?概要をわかりやすく解説

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  • 電子消費者契約法とは、電子商取引における消費者の操作ミス救済などを定めた法律
  • 2020年の法改正により、契約成立のタイミングは「到達主義」へ一本化された
  • インターネットオークションなど、電子消費者契約法が適用されない取引もある

電子消費者契約法とは、インターネットショッピングを利用する消費者の操作ミスの救済などについて定めた法律です。2020年には改正もあり、契約成立のタイミングについても新たに定められました。この記事では、電子消費者契約法の概要や具体例などをわかりやすく解説します。

目次

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  1. 電子消費者契約法とは
  2. 電子消費者契約法が適用される具体例
  3. 契約の成立時期は「到達主義」へ
  4. 電子消費者契約法の対象外となる取引
  5. まとめ

電子消費者契約法とは

電子消費者契約法とは、電子商取引等において、消費者を救済するために定められた法律です。「電子契約法」とも呼ばれ、消費者の権利や事業者の利益損失を防ぐ目的で制定されました。

近年、取引量が増加しているネットショッピングにおいて、利用者・事業者ともに安心して取引できる環境整備を目的としています。

電子消費者契約法のポイントは大きく2つあり、操作中に起こった操作ミスの救済と契約締結のタイミングについてです。消費者が操作を誤って購入してしまった際に取引を無効にしたり、契約成立のタイミングを明確にすることで、ワンクリック詐欺から消費者を守ることが可能になります。

参考:電子消費者契約に関する民法の特例に関する法律|e-Gov 法令検索

電子消費者契約法が適用される具体例

電子消費者契約法はネットショッピング等で適用されるケースが多いです。次の章では、電子消費者契約法が適用される具体的な事例を紹介していきます。

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操作ミスで注文個数を間違えたケース

電子消費者契約法が適用されるケースとして、消費者の錯誤によって成立した取引を無効にできる場合があります。

例えば、ネットショッピングの際に、消費者の操作ミスで注文個数を間違えて注文してしまった場合が当てはまります。電子取引では、インターネット上の画面操作で誤って購入ボタンを押してしまったり、注文個数を誤入力してしまう場合があります。

消費者が意図せずに商品を購入してしまった際、注文内容を最終確認できる画面がない等の適切な措置をとっていなかった場合に限り、取引を無効にすることが可能です。

ワンクリックで購入になってしまったケース

ワンクリックで購入になってしまった場合でも、電子消費者契約法が適用されるケースがあります。近年、Web上に表示される広告をクリックすると、自動的に会員登録や請求を告知されるページに飛ばされるワンクリック詐欺が横行しています。

電子消費者契約法では、消費者が申し込みを行う前に、申し込み内容について確認できるよう、事業者側が措置を行う必要があります。

消費者の確認なく、ワンクリックで購入が完了してしまう場合、確認措置が不十分なため、電子消費者契約法が適用されます。

契約の成立時期は「到達主義」へ

2020年4月1日の法改正によって、契約の成立時期は到達主義に一本化されました。通常の契約成立のタイミングとしては、申し込みの意思を表示したタイミングで契約が成立します。

一方、到達主義では、事業者が申し込み内容を確認し、申し込みの意思表示をした消費者に商談の通知が届いた時点で契約が成立することになりました。

契約の成立タイミングが到達主義に一本化されたことで、ワンクリック詐欺等による利用者が意図しない購買を防止することが可能になります。

参考:電子契約法について|経済産業省

電子消費者契約法の対象外となる取引

電子消費者契約法の対象となる契約は、消費者と事業者間の契約に限られます。消費者間の契約は電子消費者契約法の対象にならないため、インターネットオークションやフリーマーケット等の消費者間の取引は適用の対象外となります。

まとめ

電子消費者契約法とは、インターネットショッピング等の電子商取引において、消費者の操作ミスや意図しない購入を救済するために定められた法律です。

ネットショッピングが普及している中で、消費者が誤って購入ボタンを押したり、注文個数を間違えてしまう場合に電子消費者契約法が適用され、取引を無効にすることができます。

また、2020年には法改正もあり、契約成立のタイミングについても新たに定められました。契約成立の時期については、消費者に通知が届いたタイミングで契約成立となる到達主義に一本化され、ワンクリック詐欺といった意図しない購入から消費者を守ることが可能になりました。

電子消費者契約法は、事業者と消費者間の契約で適用されます。インターネットオークションやフリーマーケット等の消費者間で行われる取引時には適用されない点には注意が必要です。

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