ワークフローシステムの自作方法|メリット・デメリットも解説

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  • ワークフローシステムとは、業務で発生する申請・承認・決裁の流れを管理するシステム
  • 自作すると自社のフローに合わせてシステムを構築でき、コストも抑えられる
  • 自作方法は、Googleフォーム・Excel・オープンソースを使う3つがある

ワークフローシステムとは、業務で発生する申請・承認・決裁の流れを管理するシステムです。ワークフローシステムの自作は、コスト削減やセキュリティ向上などのメリットがあります。本記事では、ワークフローシステムの自作方法や自作する際のポイントなどを解説します。

目次

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  1. ワークフローシステムとは
  2. ワークフローシステムを自作するメリット
  3. ワークフローシステムを自作するデメリット
  4. ワークフローシステムを自作する方法
  5. ワークフローシステムを自作する際のポイント
  6. まとめ

ワークフローシステムとは

ワークフローシステムは、組織内での業務プロセスを効率化するためのシステムです。申請、承認、決裁、完了といった流れを管理し、タスクの自動化や監視を支援します。

従業員はワークフローシステムを通じて業務に関する申請を行い、上位者や関係者は承認や決裁を行います。ワークフローシステムは、定められた手順やルールに基づいて申請の進行状況を追跡し、必要な承認者に自動的に通知します。

これにより、業務プロセスの効率化、タスクの追跡と管理、組織全体の連携を促進し、業務の円滑な進行と迅速な意思決定を実現します。

そもそもワークフローとは

ワークフロー(work flow)とは、仕事の流れを意味し、組織内の業務における一連の流れを効率的に管理するための手法です。具体的な業務プロセスにおいて、申請や承認、進捗管理などの手続きを定義し、それぞれのステップや責任者を明確化します。

ワークフローシステムを自作するメリット

ワークフローシステムを自作することには、いくつかのメリットがあります。ここでは、ワークフローシステムを自作するメリットについて解説します。自社独自の要件を満たす柔軟なワークフローシステムを構築するために、自作のシステムを検討しましょう。

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コストを抑えられる

既製のワークフローシステムを導入する場合、製品やサービスの導入費用がかかります。しかし、自作の場合は、それらの費用を抑えることができます。また、エンジニアの人件費もかからないため、開発に伴う経費を節約できます。

自社のニーズに合わせてシステムを構築するため、無駄な機能やライセンス料を支払う必要もありません。自作には、開発リソースや専門知識が必要ですが、長期的な視点で見ると、コスト面でのメリットが大きいと言えます。

自社のワークフローに合わせて作れる

自作により、独自の要件や業務フローを柔軟に実現できます。自社の特定のニーズやプロセスに合わせて、申請・承認のフロー、タスクの割り当て、通知機能などをカスタム開発できます。

これにより、効率的かつ効果的な業務遂行が可能となります。自社独自のワークフローに合わせたシステムを自作することで、業務プロセスの最適化や生産性の向上につながります。

情報漏洩が防止できる

自社内でシステムを開発・管理することで、セキュリティ対策を自社のポリシーに合わせて徹底的に実施できます。また、外部の人の目に触れることがないため、機密性が高まります。

自社独自のシステムなので、セキュリティに関する懸念や制約が他のベンダー製品よりも少なくなる傾向があります。これにより、情報漏えいリスクを最小限に抑えることができます。

ワークフローシステムを自作するデメリット

ワークフローシステムの自作は、メリットが多いですが、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、ワークフローシステムを自作するデメリットについても解説します。メリット・デメリットを考慮して、自作のワークフローシステムを検討しましょう。

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ワークフローシステムを自作するデメリット

  1. 高度なシステムを作るのは難しい
  2. サポートやフォローがない

高度なシステムを作るのは難しい

自作する場合は限られたリソースと時間の中でシステムを構築するため、簡易的な仕組みになることがあります。複雑な業務ルールや条件、さまざまな相互作用を処理するには、ITエンジニアの専門知識が必要です。

また、セキュリティなど、高度な要件を満たすためには高度な技術と経験が必要となります。そのため、自社で十分なITリソースや専門知識を持っていない場合、自作のワークフローシステムは、適切な機能やパフォーマンスを提供できない可能性があります。

サポートやフォローがない

自作の場合、トラブルや問題が発生しても、外部のサポートを受けることができません。既製のワークフローシステムは通常、ベンダーやサービスプロバイダーによるサポートが提供され、問題解決やアップデートが行われます。

しかし、自作の場合は自社内での保守・サポートが必要となります。担当者の不在やリソースの制約がある場合、問題解決に時間がかかったり、システムのアップデートが滞ったりする可能性があります。

自作のワークフローシステムを導入する際は、十分なサポート体制を確保することが重要です。

ワークフローシステムを自作する方法

ワークフローシステムを自作する方法には、以下の3つの選択肢があります。ここでは、ワークフローシステムを自作する3つの方法について解説します。利用環境やニーズに応じて、最適な方法を選択しましょう。

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Googleフォームを利用する

Googleフォームは、Googleアカウントがあれば無料で作成でき、インターフェースが直感的で使いやすいです。質問項目を設定し、申請や承認などのワークフローを作成できます。回答はスプレッドシートに集計されるため、データの管理も容易です。

また、通知設定やスプレッドシートとの連携も可能です。ただし、高度な操作や自動化には制約があり、承認フローの設計やルート設定は手動で行う必要があります。

Excelを利用する

Excelは広く利用されており、多くの人が操作に慣れているため、導入しやすいツールです。柔軟なカスタマイズ性があり、独自のワークフローに合わせて設計でき、承認や通知などの機能も組み込むことができます

自作方法は、Excelのシートを作成し、申請者や承認者の情報を入力するセルを設けます。関数やマクロを使用してワークフローの動作を制御し、条件やルールに基づいて処理を進めます。

承認の可否を判断するためのルールやボタンを設定し、通知や自動処理を行うためのスクリプトを組み込みます。以上の手順で、Excelを活用した独自のワークフローシステムを自作することができます。

オープンソースのシステムを利用する

オープンソースとは、ソフトウェアのソースコードが公開され、自由に利用・改変ができるプログラムのことです。オープンソースは、コミュニティの支援やバグ修正・機能拡張が活発であり、開発時間とコストを節約できます。

また、柔軟なカスタマイズ性があり、自社のワークフローに合わせて機能を追加・変更できます。自作方法は、オープンソースのワークフローシステムを選び、インストールやセットアップを行います。

その後、必要な設定やカスタマイズを行い、ワークフローのフロー設計や承認ルールなどを定義します。以上の手順で、オープンソースを活用した自社独自のワークフローシステムを構築することができます。

ワークフローシステムを自作する際のポイント

ワークフローシステムを自作する際は、企業のニーズに合わせた機能設計をする必要があります。自社の業務フローを理解し、要件を明確にすることで、効果的なワークフローシステムを自作できます。以下に、ワークフローシステムを自作する際のポイントを解説します。

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事前に必要な機能を洗い出す

ワークフローシステムを自作する際は、どのような機能が必要なのか、何を表示させたいのかなどを事前にヒアリングしましょう。ユーザーからの要件を正確に把握することで、効果的なシステムを設計できます。

また、ワークフローのフロー設計や承認ルール、通知機能なども具体化することが重要です。ユーザーとの密なコミュニケーションを行い、要件を明確にすることで、ユーザビリティや業務効率を向上させるワークフローシステムを構築できます。

必要な時間や人材を洗い出す

自作には時間と専門知識が必要なため、どの程度の期間がかかるのか、どのような知識が必要なのかを明確にしましょう。また、自作には開発者やエンジニアが必要ですが、それを担当する社内のITチームや外部の専門家など、人材を洗い出す必要もあります。

これらの要素を洗い出し、工数を見積もることで、自作の実現可能性やリソースの確保が見えてきます。プロジェクトの計画段階でこれらを考慮することが、スムーズなワークフローシステムの開発に繋がります。

他システムとの連携性を考慮する

ワークフローは勤怠や会計に深く関わるため、ワークフローシステムは他システムと連携することでより業務の効率アップが期待できます。

そのため、ワークフローシステムを自作する際は、勤怠管理システムや会計システムなどの申請・承認が発生するシステムとの連携性を考慮する必要があります

既存のシステムだけでなく、今後導入する可能性があるシステムや変更予定のあるシステムについても把握した上で自作しましょう。

スモールスタートする

システムが完成した直後は問題や課題が発生しやすいため、まずはスモールスタートしましょう。完成したばかりのシステムは、業務改善が実現するという確証はありません。

万が一業務改善が実現できない状態で全社に導入すると、混乱やトラブルを招き、自作が無駄となる可能性があります。そのため、全社に導入して問題ないクオリティに仕上がっているかどうかをスモールスタートにより確認しましょう

改良を重ねていく

完璧なシステムは最初から作り出せないため、少しずつ改良を重ねましょう。そのためには、カスタマイズ性を持たせておくことが大切です。柔軟な設計や拡張性を考慮し、将来のニーズに対応できるようなワークフローシステムを構築しましょう。

ユーザーからのフィードバックや現場の要件に対応しながら、機能やインターフェースの改善を行っていくことで、より効果的なシステムを実現できます。

継続的な改善を意識し、ユーザーとのコミュニケーションを大切にしながら、ワークフローシステムを進化させていきましょう。

使い方を共有する

自作したシステムを全員が効果的に利用できるようにするために、レクチャーやトレーニングの機会を設けることをおすすめします。ユーザーに対してシステムの操作方法や機能の使い方を丁寧に説明し、質問や疑問にも応えることで、効率的な利用を促進できます。

共有が不十分な場合は、システムを十分に使いこなすことができず、業務の改善が実現しない可能性があります。自作したシステムを活用できるよう、レクチャーやトレーニングを行いましょう。

まとめ

ワークフローシステムの自作には、メリットとデメリットがあります。自作のメリットとしては、カスタマイズ性やセキュリティの強化、コスト削減などが挙げられます。また、自社のワークフローに合わせた機能やルールを柔軟に実装できます。

一方、高度なシステム構築の難しさやサポートの不在によるトラブルのリスクには、注意が必要です。ワークフローシステムの自作方法としては、Googleフォーム・Excel・オープンソースの利用の3つがあります。

Googleフォームは、Googleアカウントがあれば無料で作成でき、簡易なワークフローシステムを構築できます。Excelは、独自のワークフローに合わせて設計・カスタマイズが可能です。

オープンソースを利用する場合は、既存のシステムを選び、カスタマイズや拡張を行います。自作する際のポイントとして、必要な機能や要件を事前に洗い出し、工数や人材を見積もることが重要です。また、改良を重ねていくことや使い方の共有も大切です。

ワークフローシステムの自作は、企業のニーズや要件に合わせたシステムを構築できる一方、高度な知識や時間が必要なことに留意する必要があります。適切な方法と計画を立てながら、自社独自のワークフローシステムを構築することが重要です。

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