NPSツールとは?ツールの機能やメリット・デメリット選び方も解説

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  • NPSツールとは、企業への顧客ロイヤルティを数値化するツールである
  • NPSツールで顧客体験価値を量ることにより、商品・サービス品質向上に繋げられる
  • NPSツールは、業種に合った調査方法や改善支援の手厚さで選ぶ

NPSツールとは、企業や企業のサービス・商品に対する信頼や愛着の度合いを調査して顧客ロイヤルティを数値化するツールです。NPSは、顧客の推奨度を指標にします。本記事では、NPSツールの機能やメリット・デメリット、選び方を解説します。

目次

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  1. NPSとは
  2. NPSの計算方法
  3. NPSツールの機能
  4. NPSツール導入のメリット
  5. NPSツール導入のデメリット
  6. NPSツールの選び方
  7. NPSを行う際のポイント
  8. まとめ

NPSとは

NPSとは、「Net Promoter Sore(ネットプロモータースコア)」の略で、企業や企業のサービスに対する顧客の信頼や愛着の度合いを指す「顧客ロイヤリティ」を測る指数です。顧客ロイヤリティを指数化することで、商品やサービスの品質向上に繋がります。

NPSは成長率に大きく関わってくる指数のため、欧米では3分の1以上の企業で導入されています。日本でもNPSを導入し、事業の品質向上のものさしとして活用する企業が増えています。

NPSは顧客の企業やサービスに対する推奨度を、アンケートの集計結果全体の推奨度の割合を算出して割り出します。算出されたスコアが高いほど、顧客ロイヤリティの割合が多く、企業評価が高くなるため継続利用者や、新規顧客の獲得が望める傾向が高いです。

顧客に対するアンケートやNPS指数を割り出すには、NPSツールの利用がおすすめです。ツールを選ぶ際は、業種に合った調査方法や、業績アップに対する改善支援の手厚さなどを比較検討しましょう。

顧客満足度(CS)との違い

NPSと似て非なるものに、顧客満足度(CS)「Customer stisfaction(カスタマーサティスファクション)」があります。顧客満足度は、商品やサービスを利用して、どれほどの満足度が得られたか調査する現時点・または過去の利用からのマーケティング指数です。

一方でNPSは、長期的な商品やサービスに対する顧客ロイヤリティを数値化したもので、今後の業績に相関する指数になります。実際に利用した商品を顧客が継続して利用したいか、また知人に推奨したいかわかるため、今後の業績を左右します。

顧客満足度は「満足」と答える割合が多い傾向があり、満足度が高くても業績への相関は低いケースがほとんどです。しかし、NPSは口コミなどへの影響力も伴い、顧客ロイヤリティの指数を把握できるため、今後の業績への相関が非常に大きいです。

NPSの計算方法

NPS値は、顧客が行う0~10段階評価のNPSアンケートによって集計されたスコアを、以下の計算式で割り出します。

「NPSスコア=推奨者の割合-批判者の割合」

例えば、10人の顧客にアンケートを取り、9〜10点をつけた推奨者が4人、0〜6点をつけた批判者が2人いた場合、60ー40=20となります。推奨者が多いとNPSは高く、批判者が多いとNPSはマイナスになることもあります

NPS数値の捉え方

0~10の11段階で評価するNPSの指数は、業績に大きく関わってきます。顧客にとって推奨度の高い「推し企業」となる、顧客ロイヤリティをアップするための指標です。アンケートに回答した顧客は、選択した数値によって3つのカテゴリーに分類します。

9~10点を「推奨者」・7~8点を「中立者」・0〜6点を「批判者」に分けます。これらのカテゴリーを基に、比率を割り出したのがNPS数値です。顧客ロイヤリティを計測して数値化することで、企業の成長性を明確にすることができます。

NPSツールの機能

NPSツールには、アンケートの作成・配信・集計・分析機能やレポート・アラート機能などがあります。NPSを算出から活用までスムーズに行える機能について解説します。

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機能特徴
アンケート作成機能NPSアンケートの設問を自由に作成可能
アンケート配信機能メール・SMSでのアンケート配信が可能
アンケート集計・分析機能アンケートの回答を即時集計・詳細の分析が可能
レポート・アラート機能集計結果をレポートで出力し、共有が可能。低評価の回答はアラート通知されるため、迅速な対応が可能

アンケート作成機能

NPSツールでは、NPSアンケートの設問項目を自由に作成できます。NPSツールのテンプレートを利用すれば、設問項目や選択肢を選ぶだけで簡単に作成が可能です。NPS計測の基準となる推奨度や満足度、コメント設問・選択設問などが設定できます。

アンケート配信機能

NPSツールには、オンライン・オフラインでさまざまな手段を利用したアンケートの配信方法があります。オンラインの場合、ツールを利用してメールの一括配信や、URLを発行して自社システムによるメール配信、WEBサイト配信を行うことができます。

また、SMSにて一括配信ができるツールは、メールアドレスがわからなくても配信が可能です。オフラインの場合は、郵送や対面によるアンケート調査を行います。回答者の識別の有無などを組み合わせて、最適な手段を取ることで回答率を向上させることが可能です。

アンケート集計・分析機能

NPSツールを利用した場合、アンケートの集計は回答が発生するたびに、リアルタイムで顧客の生の声が集計結果に反映されます。そのため、顧客のニーズをさまざまな視点から明確にし、売上アップの対策材料に役立てられます。

アンケートの集計結果は、店舗別や時間帯別、担当者別などのように細かく分析し、NPSに与える影響を深堀りできます。これにより、さまざまな課題が浮き彫りされやすく、課題の改善にも繋がるのがポイントです。

レポート・アラート機能

NPSツールの集計結果のレポートは、利用者が自由にカスタマイズできます。作成したレポートは、ダッシュボードなどで組織内での共有が可能です。分析された内容を数値やグラフで可視化することにより、各担当部署での改善点などを見つけられます。

また、アンケートに低い評価や悪いコメントの回答があった場合、アラート機能により通知されます。そのため、苦情などスピード感を要する対応を迅速に進めることが可能です。

NPSツール導入のメリット

NPSツールにはさまざまなメリットがあります。ツールを利用することによって業績・商品やサービスの向上、また自社のポジションを客観視できます。

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業績向上の指標になる

NPSの調査結果は、商品やサービスに対する顧客の期待度とのギャップを埋めるためのサポートツールとしても活用できます。例えば、エンジニアがサポートサービスを完了した後などは、回答の内容により顧客がどんな対応を期待していたのか把握できます。

NPSが業務に対する改善に役立ち、顧客ロイヤリティを高めるPDCAサイクルを回す参考材料になります。そのため、品質の向上を目的とするミーティングや社員教育の強力な参考資料にも活用できます。

商品・サービス品質の向上に繋がる

NPSツールを使用することで、自社の商品やサービスに対する良い点や改善点を知ることができます。顧客が自社の商品やサービスに対し、知りたい設問を設定することで、商品の良さをさらにアピールできます。

一方で、改善点は対策が反映されているかどうか進捗状況の確認が可能です。

自社のポジションを客観視できる

NPSのスコア値からは、業界内での自社の立ち位置が把握できます。また、NPSには業界の平均値が存在し、競合他社の中で自社が顧客からどう比較されているのか明らかになります。業種が異なると平均値も変わってくるためほかの業種の平均値は参考になりません。

NPSツール導入のデメリット

以上のように、NPSツールにはさまざまなメリットがありますが、一方で導入の仕方により、デメリットが発生する場合もあります。ツールを利用する際は、これらの事項にも注意しなければなりません。

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科学的根拠はない

NPSの指数は、あくまでも顧客は専門家ではないため、科学的根拠はありません。アンケートに回答する際は、個人の見解や感覚で行うため、偏りが生じるケースがあります。顧客ロイヤリティを向上させるひとつの目安の数値として把握すると良いでしょう。

日本ではNPS値が中立になりやすい

日本でのNPSは欧米に比べて、0~10段階評価のなかでも7~8点の「中立者」が多い傾向があります。また、日本ではどちらでもない5点を選ぶ人も多く、5点のなかには不満を持つ人もいます。そのため、欧米よりも日本のNPSはマイナスになりがちです。

日本でNPSを導入する際は、競合他社のなかでのポジションを知るひとつのツールとして活用するのが望ましいです。

NPSツールの選び方

以上でNPSツールのメリット・デメリットを解説しましたが、メリットだけでなくデメリットも踏まえたうえでNPSツールを選ぶことが重要です。ツールの利用が無駄にならないように、求める要素が備わっているかどうか、選び方を確認しましょう。

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業種に合った調査方法を選ぶ

NPSには「トランザクション調査」と「リレーショナル調査」2種類の調査方法があります。それぞれの調査は、質問する内容や調査のタイミングも異なるため、目的に応じて使い分けするのが良いでしょう。

トランザクション調査

トランザクション調査は、サービスや商品、特定のイベントなど顧客の体験ごとに、短いスパンで行われます。アンケートの設問設定をサービス体験をした顧客のみに特定し、体験ごとに細分化して評価を求めます。

顧客ロイヤリティの課題がどこにあるのか見つけやすく、改善策も取りやすいためPDCAを回す参考材料に繋がります。

リレーショナル調査

リレーショナル調査は、ブランドやメーカー全体のイメージを調査したい場合に行われます。調査のタイミングは、半年に1回や四半期に1回など長いスパンで行われる場合が多いです。不特定多数の人に回答してもらい、幅広い消費者全体の評価が得られます。

アンケートの設問は、「ブランドやメーカーを知人にどの程度薦めたいかどうか」といったシンプルな内容です。評価の理由も段階設定することで、NPS要因も獲得できます。ブランドのイメージをNPSスコアで数値化すると、競合他社との比較も可能です。

改善支援が手厚いか

NPSツールを選ぶ際は、改善支援の手厚さも重要な比較ポイントになります。スコア値が低い際、顧客が何に注目しているのか把握するための設問設定や、課題を発見して顧客ロイヤリティを上げる改善策を提案するなど、改善まで寄り添ってくれるサービスが理想的です。

また、NPS経験の多いコンサルタントのNPSセミナーを開催しているなど、ユーザーに対して、効果的な情報を発信しているサービスも注目です。

他ツールと連携できるか

NPSツールを導入する際は、他のツールと連携が可能かどうかも選ぶ際の比較ポイントになります。マーケティングに関する顧客管理に利用するMAツールと連携できれば、興味を持つ見込み客を逃さないためのアプローチが可能です。

また、NPSスコアはCRMツールにて顧客情報として管理すると、さらに顧客とのコミュニケーション効率が上がります。さまざまなマーケティング環境を可視化できるツールを連携させて、自動化させることでより顧客ロイヤリティを上げる要素を掴むことが可能です。

NPSを行う際のポイント

NPSを行う際は、設問の内容や数を工夫したり、データを分析したりするなどが重要になります。これにより、NPSを効果的に運用できます。ここからは、NPSを行う際のポイントを解説します。

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設問を工夫する

NPSにおける設問内容は、顧客が何を問われているかを理解しやすいよう具体的にしましょう。回答と一緒に理由やコメントが書ける欄を設けることで、後の分析や改善施策に繋げやすくなります。

また、設問数が増えるほどデータの信頼性は向上します。ただし、数が多いと顧客の集中力が途切れやすくなったり、ストレスが溜まりやすくなったりするため、設問は5分程度で回答できる量がおすすめです。

社内にフィードバックを行う

NPSで行った調査結果は、必ず社内にフィードバックしましょう。NPSを効果的に運用するためには、社内に適切にフィードバックを行い、PDCAサイクルを回すことが重要です。

また、フィードバックを行う際はスコアだけでなく、顧客が評価している点や改善ポイントも一緒に提示するのが効果的です。これにより、従業員のモチベーション向上に繋がったり、効果的な改善策を検討できたりします。

定期的に行って分析する

NPSは、一度行うだけでは意味がないです。定期的に行って調査結果を分析し、改善を繰り返すことが重要です。調査を積み重ねて、結果を時系列順に並べて分析することで、自社における数値を比較でき、効果的なマーケティング戦略が可能になります。

また、自社内だけでなく、競合他社との比較を行うのもおすすめです。競合と比較して分析することで、自社の強みと弱みが明確になり、業界内でのポジショニングを高めるための改善策を生み出すことに期待できます。

まとめ

NPAツールは、顧客がどれくらい自社に信頼や愛着を持っているのかという「顧客ロイヤリティ」を数値化できる便利なツールです。NPSスコアを知ることで、商品やサービスの品質向上に繋がります。

ただし、NPSを導入する際は、調査の目的を明確にして、導入から業務改善へ繋げるまでしっかりとサポートしてくれるサービスを選定しましょう。また、自社の既存システムとの連携性も確認しておくことが大切です。

NPSツールを導入して、自社のポジションを把握したり、課題を見つけて顧客ロイヤリティをアップさせる参考資料にしたりするなど、メリットを実感できる運用や環境づくりを行うことが重要です。

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