ERP開発に重要なRFPとは?意味や作成のメリットをわかりやすく解説

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  • RFPはシステム開発において必要な要件や条件を記載する書類で、ERPにおいても重要
  • RFPにより自社の希望要件を正確に伝えられ、優良なシステム開発会社を見極められる
  • RFPを作成する際は、情シス部門に丸投げせず、必要要件はすべて記載すべきである

RFPとは日本語で「提案依頼書」という意味です。システム開発をベンダーに依頼する際に必要な要件を記載する書類で、ERP開発においても重要な役割を果たします。この記事では、ERP開発におけるRFPのメリット・デメリットや作成の流れ、注意点などを解説します。

目次

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  1. ERPは自社の要件に合った機能を搭載できるかで選ぶのがおすすめ
  2. RFPで自社に最適なERPを導入
  3. RFPとは
  4. RFPが必要な理由
  5. RFPのメリット
  6. RFPのデメリット
  7. RFPに記載すべき内容
  8. RFP作成の流れ
  9. RFPを作成する際の注意点
  10. 自社に適した機能だけを利用できるクラウド型ERPシステム
  11. まとめ

ERPは自社の要件に合った機能を搭載できるかで選ぶのがおすすめ

ERPシステムを導入する方法として、システムを開発する方法とすでに機能が搭載されたERPを導入する方法があります。しかし、開発する場合は高額なコストが発生したり、後者は標準機能をそのまま利用するケースが多く、自社の要件に適したERPの導入が難しい企業も多いと思います。

ZACは、案件ごとに販売・購買・勤怠・工数・経費を一元管理できるクラウド型ERPシステムで、ベンチャーから上場企業まで多くの企業で導入されています。一度データを入力すれば重複入力がいらないシングルインプット設計のため、部門間の連携をスムーズにし、企業全体でスピーディーに情報を共有できます。

ZACはクラウド型である一方で、自社に合わせて搭載機能を選べたり、機能パラメータを調整できて、柔軟性と拡張性に優れていますライセンスも必要に応じて拡張・縮小できるため、無駄なコストの発生や機能の持て余しを防いで、自社に最適な状態で利用できます。自社の要件に合わせて導入するなら、ZACの検討がおすすめです。

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RFPで自社に最適なERPを導入

ERPとは「Enterprise Resource Planning」の略で、日本語で「経営資源計画」を意味する統合型の業務システムです。

ERPは「ヒト」「モノ」「カネ」といった企業全体の資源を一元管理するためのシステムですが、その導入効果を得るためには自社に最適なERPでなければなりません。そこで重要となるのが、「RFP」です。

RFPを作成することで、自社がどういったERPを希望しているかがシステム開発者側に正確に伝わり、製品のミスマッチが発生しにくくなります。この記事では、ERPの導入において重要となる「RFP」について、その概要や作成の流れ、注意点などを解説します。

ERPとは?機能やメリット・デメリット、選び方を解説

ERPとは、販売、人事、生産管理などの企業経営の基本となる資源要素を有効活用する考え方です。本記事では、ERPシステムをよく知らない・導入を検討している方に向けて、ERPシステムの種類や選び方、メリット・デメリットを解説しています。

RFPとは

RFPとは、「Request for Proposal」の略で、日本語では「提案依頼書」の意味を持ちます。システムのユーザーである企業が作成し、システム構築を行う発注先ベンダーに提示する文書を指します。

RFPにはシステム開発における必要な機能要件をはじめ、調達に関する要件をまとめて記載します。開発会社はそれを見て、実際のシステム開発プロジェクトを提案します。

発注先ベンダーにシステム開発を依頼する前に、予算や期間などに関してユーザーである企業側で条件をまとめておかなければなりません。それにより、発注先ベンダーは的確なシステム開発提案が可能になります。この時、それらの条件を伝える書類がRFPです。

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RFPとRFIの違い

RFPとよく似た用語に、「RFI(Request for Information)」という言葉があります。RFIとは技術情報や製品・サービス情報を収集するための書類で、日本語で「情報提供依頼書」と訳されます。

システムの発注者である企業がSIerやベンダーに対して、開発側の企業情報・実績・提供するサービスに関する情報など、提案依頼に関する必要な情報の提示を要求するために作成します。

簡潔に言うと、RFIはシステム開発の依頼を検討しているSIerやベンダーの情報を知るために作成される書類、RFPはRFIを受け取った後に候補ベンダーから実際に依頼するベンダーを選定するための書類と言えます。

RFPとRFQの違い

RFQも、RFPと混同されやすいものです。RFQは「Request For Quotation」の略で、日本語では「見積依頼書」です。見積り依頼書は、開発会社に対して見積もり額やその内訳などの提示を依頼する書類です。

システム開発では当然のことながら費用についての打ち合わせも必要になりますが、その際にRFQが役立ちます。

システムの要件が明らかにならないと見積もりも出せないため、一般的にはRFPの後に作成する書類ですが、中にはRFPにRFQを含めるケースもあります

RFPと要件定義書の違い

システム開発を発注する際に作成する書類として「要件定義書」もあります。要件定義書には、システム設計の詳細な要件を記載します。これだけ聞くとRFPの内容と被ると思われるかもしれませんが、RFPよりも詳細な内容を記載するのが特徴です。

確かにRFPと重複する内容も多いですが、要件定義書は実際にシステムを設計する際の土台となるものなので、開発の作業に則したものでなければなりません。

RFPの最終的な目的が「適切なベンダーを選定すること」であるのに対し、要件定義書の目的は「システムに対する要求を技術的観点から整理すること」です。一般的にはベンダー側の支援を受けながら、実際の開発工程を想定して作成していきます。

RFPが必要な理由

RFPには、発注側の考え・希望・課題をシステム開発会社に正確に伝え、発注側とシステム開発会社の認識の食い違いをなくすといった目的があります。

RFPの作成をせずに口頭で要件を伝えたり、書面の内容が不明瞭だったりすると、自社の意図や要望がシステム開発会社に十分に伝達されず、発注者側のニーズに合った提案が出てこない可能性があります。

複数のシステム開発会社から相見積もりを取る際も、提案内容はシステム開発会社ごとにばらつきがあります。そこで、RFPを作成して明確な内容を提示し発注側の考えを正しく把握してもらうことで、開発会社から適切な提案が受けられます。

RFPのメリット

ITシステムの開発やWebサイトの構築を外部企業に依頼する場合にRFP作成が重要になる理由は、RFPにはプロジェクトを成功に導く多くのメリットがあるからです。

RFPへの回答を受け取ることにより、発注側はベンダーや導入するシステムを適切に選定ができます。一方で、RFPの作成をしなかった場合、ベンダー・システムの選定に失敗する可能性が高まります。ここでは、RFPの作成で得られる具体的なメリットを4つ解説します。

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要望を正確に伝えられる

RFP作成の最大のメリットは、自社の要望をシステム開発会社へ正確に伝達できる点です。口頭による伝達だけでは要件の漏れや認識の食い違いが発生し、システム開発会社側から見込み違いの提案を受ける可能性が高まります。

それにより、提案内容の修正をするために余分な時間や労力を要し、両者にとって重大なストレスにつながります。RFPを前もって用意しておくことで、自社の課題や今後を見据えた満足のいく提案を受けられ、その後のシステム開発もスムーズに進行します。

トラブルを回避できる

システム開発についての自社の要件をRFPに要約することで、要望を不足なく伝えられます。そのため、自社には不要の機能が搭載されている、システム導入後に現行システムとの連携ができない、などといったトラブルが生じにくくなります。

システム開発に際しては、見積もり・納期に関してのトラブルが発生しがちです。例えば、予算が少なくて開発規模にそぐわないといった場合、システム開発が停止してしまうかもしれません。また、納期が短いという場合、開発側が負担を強いられます。

急速なシステム開発は、システムの欠陥・不備を誘発する恐れがあるため、納品後に重大なトラブルを引き起こすかもしれません。現実感のある見積もりや納期をRFPのやり取りで事前に調整することで、こういったトラブルの防止が可能です。

優良なシステム開発会社を見極められる

システム発注前に、RFPを複数のシステム開発会社へ提出することも可能です。それぞれのシステム開発会社からまったく同じ要件をもとにした提案書を受け取れるため、評価基準をまとめやすくなり、それぞれの提案比較がスムーズに行えます。

RFPがない場合は提案に大きなばらつきが出てしまう可能性があるため、評価も難しくなり要件にマッチしたシステム開発会社の選定が難しくなります

候補に挙げられるすべてのシステム開発会社に同じ内容のRFPを提出することによって、各システム開発会社からの提案に大きなばらつきがなくなり、適正な価格相場が把握できます。さらに、提案力のあるシステム開発会社を見極めやすくなります

自社の状況を見直すきっかけになる

RFPを作成するには、何のためにシステムを導入するのか、システムでどういった課題を解決したいのか、といった根本的な部分を明確にする必要があるため、自社の状況を見直すきっかけにもなります。

自社課題の洗い出しを進めていくうちに、今まで気づかなかった課題にも気づけるかもしれません。 また、しっかりしたRFPを作成して提出できれば、自社側だけでは洗い出しきれなかった課題についてシステム開発会社が代わりに指摘をしてくれることもあります。

いずれにしても、RFPの作成は自社の現状把握・課題発見・今後の理想像の明確化に大いに役立つと言えます。

RFPのデメリット

RFPを作成するデメリットを強いて述べるなら、RFP作成に時間と手間を要する点です。しかし、RFPを作成せずにシステムの開発を依頼すると、自社の課題や要望がシステム開発会社に正しく伝達されない不安があります。

その場合、認識のズレを埋めるためにより多くの手間と時間を費やす結果になるでしょう。最悪の場合、自社の課題から大きくかけ離れたまま開発が進み、システム開発自体が無駄になる可能性があります。

RFPの作成は、一見して遠回りに見えるかもしれませんが、自社のニーズに合ったシステムを開発してもらうためには、不可欠の工程です。

RFPに記載すべき内容

RFPの作成を行う際に、どういった構成で作成すればよいのかわからない方も多いかもしれません。

RFPの様式に特別な決まりはありませんが、システム開発会社に要望を正しく伝えるためには情報を過不足なく伝えなければなりません。以下のような内容を盛り込めば、必要最低限の情報は網羅できるでしょう。

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プロジェクトの概要

まずは、どういったシステムの開発を依頼したいのかが開発会社に伝わるように、プロジェクトの全体像をまとめます。プロジェクトの内容によっては公表できない情報もあるかもしれませんが、できる限り具体的な内容の記載をおすすめします。

プロジェクトの全体像が分からないと、なぜこの業務が生じるのか、この業務がどのような目的を持っているのかといった、システムを開発する上で重要な部分が分かりません。以下のようなプロジェクト情報共有することで、開発会社は適切に要望に応えることができます

プロジェクトの目的・背景

何のためのシステム開発なのか、なぜシステム開発が必要なのか、といった部分を明確にするために、プロジェクトが発足した背景を伝えます。自社の事業内容や会社規模、組織図といった会社情報もあると良いでしょう。

必要に応じて市場の動向やユーザ調査の結果、競合に関する情報など、具体的なデータを用いることで、プロジェクトの主旨がより分かりやすくなります。

現状の課題とプロジェクトのゴール

現在利用しているシステムやサーバー・PCの情報、また、自社の運用体制に関する情報などとともに、抱えている課題についても具体的に記載しましょう。現行どのように業務を行っているのか、そこでどのような問題が発生しているのかを明記します。

また、具体的な数値を用いてプロジェクトのゴール(目標)を示すことも重要です。例えば「売上昨年度比〇%アップ」といった目標、また、システムに求めるクオリティや開発にかけられる予算、納期などが挙げられます。

依頼要件

依頼要件はRFPにおいて最も重要な内容で、システム開発会社にどのような提案を依頼したいのか記載します。具体的には、依頼したい範囲・搭載してほしい機能・開発チームの体制などです。以下が代表的な依頼要件の内容です。

依頼範囲システム開発だけの依頼か、運用・保守まで含めた依頼か、など
機能要件システムに必要な機能、不要な機能など
非機能要件システムの性能、可用性、拡張性、セキュリティなど
体制要件開発側の要員に求める実績やスキル、マネジメント方法の明示など
テスト要件システムのテスト段階における要望など
移行・教育要件現システムからの移行時の要望や、新システムについての自社メンバーへの教育に関する要望など

その他の条件

その他の条件として、契約条件や保守義務などの法務条件、資料の貸し出しや貸与物に関する取り決めなどが必要な場合は記載します。

また、開発の実施場所に関する要件があれば記載します。例えば、本社ではなく、システム部門が位置する〇〇県での作業が必要といった場合は、要件として記載する必要があります。

選考について

RFPは、候補となる開発会社に回答として提案書を提出させ、それを見たうえで実際に依頼するかどうか決めるためのものです。そのため、具体的な提出物やそれらを受け取ったあとのスケジュールについても記載する必要があります。

  1. RFPの回答として提出してもらいたい提案書などのドキュメントについて
  2. ドキュメント提出の期限、選考結果の連絡日といったスケジュールについて
  3. ドキュメントの提出方法、宛先などについて
  4. 提案書の評価基準について

以上のような内容を基本として、提案書の受け取りとその後の流れについて明記しておきましょう。

RFP作成の流れ

RFPを作成する際は、以下の流れで進めるのが一般的です。RFPの作成段階から、計画的にプロジェクトを進めるようにしましょう。

  1. 社内検討
  2. プロジェクトチームの発足
  3. 課題や目的などを社内で精査
  4. RFPの策定
  5. RFP提出、ベンダーの選定

最初に社内で、システム導入・構築規模・スケジュール・コストなどを検討します。次に、プロジェクトチームを発足させ、関係部署間でミーティングを行い、現状の課題・システム導入の目的・目標などを決めます

必要に応じてRFIも作成し、RFP作成に必要な情報が集まったら提案書を作成します。RFPが完成したらベンダーに提出し、その回答として得られた提案書をもとに開発を依頼するベンダーの選定を進めましょう。

RFPを作成する際の注意点

ここまで、RFPの概要やメリットについて解説しましたが、作成の際に特に注意しておくべきことがあります。理想的なシステムを構築するために、RFP作成において気をつけたい注意点は下記の2つです。ここでは、それぞれの注意点について解説します。

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要求はすべて記載する

RFPにはシステムに必要な要件を細大漏らさず記述します。例えば、システムトラブルに対するサポート体制、データのバックアップなどの機能以外にシステム開発会社に依頼する要求も含める必要があります。

また、RFPに記述していない要求を後から追加することは避けなければなりません。後から要件が増えると、費用が変わるのはもちろん工期も延びてしまうからです。そのため、RFPには、補足事項も含め必要と思われる要件はすべて記載しておく必要があります。

情報システム部門以外からも意見を募る

RFPを作成する際は、システムを必要としている部門へのヒアリングを参考にして情報システム部門が作成するのが通例です。しかし、開発されたシステムを業務で実際に使うのは情報システム部門以外の人員です。特にERPは社内全体で部門を横断して使われるものです。

情報システム部門がユーザーのニーズについてよく理解しておかないと、必要な機能や業務フローなど、システムの仕様についての理解にずれが発生してしまいます

こういったずれを埋めるためには、RFPを作成する際に情報システム部門へ丸投げするのではなく、実際にシステムを必要としている部門も一丸となって作成する必要があります。

機能面以外にも、運用方法・現場教育など多角的な観点で一緒に考えながら、可能な範囲で理想的な運用ができるよう検討しましょう。

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まとめ

RFPは提案依頼書とも言われ、システムの導入・構築を行う際に、発注側の企業が、受注側であるSIerやベンダーに向けて作成する書類です。

このRFPの作成で、発注側と受注側の相互理解が深まり、自社にとって最適なシステムの導入・構築が可能になります。さらに、認識のズレや誤解によるシステムトラブルを、事前に防止できます。

なお、RFPを作成する際には、情報システム部門以外にも、実際にシステムを業務で使う部門経営陣一緒になって具体的な予算やスケジュールを決めるようにしましょう。そうすることで、よりスムーズなRFPの作成が可能です。

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