医療業界向けERPシステムおすすめ4選を徹底比較!病院・医薬系業務における課題とは
Check!
- 組織全体の資源を一元管理できるERPシステムには、医療業界向けのものもある
- 医療機器の在庫管理や異なる診療科間の情報共有をERPで効率化できる
- ERPシステムを選ぶ際は、操作性やセキュリティ・サポート体制などを確認する
組織全体の資源を一元管理できるERPシステムには、医療業界向けのものもあります。ERPの導入によって機器の在庫管理や異なる診療科間での情報共有の煩雑さを改善可能です。本記事では医療業界向けERPの選び方とおすすめ4選をご紹介。病院・医薬系業務における課題も解説します。
目次
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ERPシステムの始め方
ERPシステムの導入担当者の方にとって、最適なERPシステムを判断するのは容易ではありません。ERPシステムは経営・業務管理などの企業運営において極めて重要であり、正確かつ各企業に合ったものを選ぶことが求められます。
ERPシステムの多くは資料請求をすることで、運用を開始できます。これは公式サイトから検討した場合も同様です。本サイトでは複数のサービスをまとめて比較・資料請求することができます。資料請求は無料なので、複数の製品を比較して自社に最適なERPシステムを選びましょう。
おすすめの医療業界向けERP4選
ここでは、数あるERPシステムを比較して判明した、おすすめの医療業界向けERPシステム4選を紹介します。商品の特徴も紹介しているので、資料請求と合わせて自社に最適なサービスを検討しましょう。
中小~中堅企業向け!医療機器保守業務にも標準で対応した「Plaza-i」
GOOD
ここがおすすめ!
- 英語にも対応しており、貿易からIT・家具といったさまざまな業種に導入しやすい
- 「オールインワンERPパッケージ」で時間もコストも無駄なくスピーディーに完結
MORE
ここが少し気になる…
- 検索の精度が低く、日本語での検索がうまくヒットしない場合がある
医療業界向けソリューションありでマルチな業務に対応可能な「SAP Business One」
GOOD
ここがおすすめ!
- 銀行報告書・支払・照合といった「銀行業務」も行える
- 見込み客を「顧客」に変えられるようなマーケティング活動の管理や分析が可能
- レポート作成のカスタマイズ性がよく、多方面から分析できる優れた機能が魅力
MORE
ここが少し気になる…
- 初期費用や月額費用は問い合わせる必要があり、価格帯をすぐに知りたい方には不便
医療業界での導入実績あり!大量データの取り扱いにも強い「SAP S/4HANA Cloud Public Edition」
SAP ジャパン株式会社
SAP S/4HANA Cloud Public Edition
GOOD
ここがおすすめ!
- 低コスト・短期間で導入できる
- 独自のデータベースにより大量データの高速処理が可能
- AI 機能やアナリティクス機能で業務効率化につながる
MORE
ここが少し気になる…
- 導入において独自の制限や制約が多く、業務に合わせて自由に運用したい場合には不向き
医療系業務ソリューションあり!幅広い業務をマルチにこなす「GRANDIT」
GOOD
ここがおすすめ!
- 自社に必要な機能を組み合わせて柔軟に導入でき、後からの拡張も可能
- 業務データのモニタリングやセキュリティ設定により内部統制を強化できる
- 国産ERPのため日本の商習慣に適合しており使いやすい
MORE
ここが少し気になる…
- 必要とする機能が多い場合、コストが高くなる可能性も
医療業界向けERPシステムのおすすめ比較一覧表
サービス名 |
Plaza-i
|
SAP Business One
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SAP S/4HANA Cloud Public Edition
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GRANDIT
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資料を無料ダウンロード | 資料ダウンロード | 資料ダウンロード | 資料ダウンロード | 資料ダウンロード |
価格(税別) |
問い合わせで確認
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問い合わせで確認
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問い合わせで確認
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問い合わせで確認
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中小向け |
○
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-
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-
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○
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中堅向け |
○
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◯
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-
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○
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大企業向け |
-
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-
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○
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○
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業界特化向け |
業種別モジュール有り
|
-
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-
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業界別ソリューション有り
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導入形態 |
・クラウド
・オンプレミス |
・クラウド
・オンプレミス |
クラウド
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・オンプレミス
・サブスクリプション |
財務会計 |
○
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◯
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○
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○
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管理会計 |
○
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◯
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○
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○
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予実管理 |
○
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◯
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-
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○
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経費管理 |
○
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-
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-
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○
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債権・債務管理 |
○
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◯
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○
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○
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資産管理 |
○
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◯
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○
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○
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採用管理 |
-
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-
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-
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-
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人事・労務管理 |
○
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-
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-
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○
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販売管理 |
○
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◯
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○
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○
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受注管理 |
○
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◯
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○
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○
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在庫管理 |
○
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◯
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○
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○
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生産・開発管理 |
-
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-
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○
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○
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スマホ対応 |
-
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◯
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機能により対応
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○
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多言語 |
英語
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英語
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○
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○
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CRM・SFA連携 |
○
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◯
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○
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-
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ERPとは
ERP(Enterprise Resourse Planning:企業資源計画)とは、組織全体の経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を一元管理する経営手法、またはこれらを一元管理するシステムのことです。本記事では、「ERP=ERPシステム」として解説していきます。
ERPを導入することにより、財務管理・人事・生産管理・販売管理・購買管理・在庫管理などの基幹システムを連携し、異なるシステム間での情報共有が可能になります。
ERPは製造・小売・物流・金融といった業界で広く利用されていますが、最近では医療業界向けのものも登場しています。医療業界向けERPの導入メリットは、医療機器の在庫管理が容易になり、異なる診療科間での情報共有がスムーズになることです。
多くの管理業務でさまざまな課題を抱える医療業界において、DXの実現にはERPの導入が必要不可欠であることからも、需要は今後も増加していくと予想されています。
ERPとは、販売、人事、生産管理などの企業経営の基本となる資源要素を有効活用する考え方です。本記事では、ERPシステムをよく知らない・導入を検討している方に向けて、ERPシステムの種類や選び方、メリット・デメリットを解説しています。
医療業界にERPが必要な理由
ERPはあらゆる業界で活用されていますが、医療業界が抱える課題や問題の解消に役立ちます。ここでは、医療業界にERPが必要な理由を解説します。
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医療業界にERPが必要な理由
データの正確性が求められる
医療現場や福祉施設、医療機器・医薬品メーカーといった医療業界で扱う情報は、一番に正確性が求められます。医療情報はもちろん、医療機器や医薬品の管理は命に関わる問題に発展するため、正確なデータ管理が必要です。
しかし、データ管理を手作業で行う場合、業務プロセスが平準化できず、正確性の確保が難しくなります。そのため、業務プロセスの平準化・効率化を実現し、異なる診療科や複数のシステムの情報を一元管理できるERPの導入が進んでいます。
人手不足が深刻化している
医療業界は人材不足が顕著であり、現場の職員に対する業務負担が大きくなるほど、人為的ミスが発生しやすくなります。当然ながら、医療業界は命に関わる業界のため、小さなミスも許されません。
そのため、多くの業務の効率化に期待できるERPを導入し、現場職員の負担軽減を図る病院や施設が増えています。
業務プロセスが複雑である
医療機関は多岐にわたる業務を遂行しています。診療・看護・薬剤管理・患者受付・施設管理・経営など、さまざまな領域が連携して運営されています。
また患者の病状やニーズは個々に異なります。それに応じて診断・治療・ケアのプロセスも異なるため、複雑さが増します。
そして医療は人々の健康と生命に直接関わるため、人間の判断やコミュニケーションが欠かせません。人間が介在していることも、プロセスを複雑化している要因の1つといえます。
ERPは、これらの複雑化した業務プロセスを可視化して一元管理し、スムーズな治療のポートに貢献します。
情報共有が円滑に進まない
病院では、患者一人につき複数の看護師が対応することも珍しくありません。患者が複数の科を受診すれば、科によって対応する看護師も異なります。このような背景から、看護師間で情報が正しく伝達されないことや、伝達ミスが起きることもあります。
また、看護師は患者の診察や治療に関連する業務から療養生活のケアなどの幅広い業務を行いつつ、情報共有を行う必要があります。そのため、場合によっては申し送り業務の優先順位が下がり、情報の共有漏れが起こる可能性もあります。
ERPの導入により、このような患者に関する情報の伝え漏れや共有の遅れを防ぎ、スムーズな情報共有が可能になります。
医療業界にERPシステムを導入するメリット
医療業界にERPを導入することで得られるメリットはいくつか存在します。ここでは、医療機器の在庫管理、異なる診療科間の情報共有、セキュリティの強化などに着目しながら解説します。
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医療業界にERP導入を導入するメリット
医療機器の在庫を管理できる
医療機器の在庫・使用期限の管理は正確性が求められるため、時間と手間がかかるのが問題でしたが、ERPを活用すれば在庫管理が容易になります。
ERPでは、在庫管理・購買管理が同一システム内で行えます。リアルタイムで在庫数が把握可能であることから、必要なタイミングで物品の発注が行えるため、在庫切れのリスクを回避することができます。
ERPで在庫管理の業務が効率化されれば、現場の職員が本来の医療サービスに注力しやすくなり、医療サービスの品質向上にも繋がります。
スピーディーな情報共有ができる
病院によっては、患者が1日に複数の診療科を受診することがあります。例えば、整形外科を受診し、その後に消化器科を受診する場合、整形外科から消化器科への引き継ぎがスムーズに行われていれば、患者の満足度は向上します。
しかし、現実では異なる診療科間での情報共有は口頭・書面が主であり、時間と手間を要しています。そこで、ERPを導入すれば、異なる診療科間の情報共有がスピーディーに行えるため、時間と手間を軽減することができます。
最近では、病院を退院してから福祉施設に入居するケースが多く、病院の看護師・ソーシャルワーカーと福祉施設の担当者間での明確な情報共有が求められます。ERPで病院・福祉施設間の情報共有ができていれば、移動の際の申し送りもスムーズに行えます。
人材不足を補うことができる
現代の医療業界では、医師や看護師だけでなく、スタッフとして働く雇用者も激減し、深刻な人材不足が発生しています。その背景から、常に医療現場は切迫した状態が続いています。
そこで、ERPを活用して業務の効率化を図り、人材不足をカバーしようという動きがあります。また、情報をシームレスに共有できるために診療科間の連携が強化され、その橋渡しとして必要だった人材が不要となるケースもあります。
変化の激しさに対応しやすい
医療現場では、常に最新の病気・感染症などに対応した機器や技術などの習得・管理が必要となります。それにより、関連する情報量も膨大であり、情報の可視化や管理方法においても常に最適化されたものが求められます。
この点でERPは柔軟なカスタマイズが可能です。変化に合わせて業務フローを最適化できるため、新たな要件や環境変化に迅速に対応できます。また、医療機器メーカーの製造元から病院や福祉施設など、それぞれの規模感・体制によっても、適切に対応を変えられます。
そのため、環境や情報の変化が激しい医療業界においても、ERPは多大な効果を発揮することが期待できます。
セキュリティを強化できる
機密性の高い情報を扱う医療機関では、強固なセキュリティが必要とされます。電子カルテや受診履歴などの個人情報をERPで管理すれば、データ暗号化やアクセス制限などをかけられるため、情報セキュリティを強化することができます。
なお、クラウド型のERPであれば、ベンダーによってシステムが常に最新の状態に保たれるため、医療機関側で対応をする必要がありません。
製品の特徴を詳しく見る医療業界にERPシステムを導入するデメリット
ERPシステムの導入にはデメリットもあります。運用コストやシステム選定の難しさなどのデメリットについて、詳細に解説します。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
ERPシステムの導入デメリット
コストがかかる
ERPシステムの導入や運用にはコストがかかります。導入時の費用は、システムのカスタマイズ・データ移行なども影響します。また、運用コストにはライセンス料・ハードウェアの保守費用などが含まれます。
コストを抑える方法には、クラウド型やオープンソース型のERPシステムを選ぶか、オンプレミス型を選ぶ場合はベンダーとの交渉が挙げられます。また、コンポーネント型を選ぶなどして不必要な機能の導入を避けるのもコスト削減につながります。
システムの選定が難しい
ERPシステムの製品数は非常に多く、それぞれが機能や使い方が異なります。市場では数百以上のERP製品が存在し、大手ベンダーから中小規模のベンダーの製品までさまざまあるため、自社に合ったシステムを選ぶのは難しいです。
そのため、製品の特徴・価格・導入事例などを慎重に比較検討する必要があります。また、自社の業種や規模に合わせて機能の適切な組み合わせを考えるのも重要です。専門知識が必要なため、ERPコンサルタントやベンダーサポートの活用も視野に入れましょう。
導入に手間がかかる
ERPシステムを選定した後も、導入には手間がかかります。既存の基幹システムとの連携や業務フローの見直しなどさまざまな準備が必要です。
また、ERPシステムは幅広い業務に関わるため、全従業員を対象とした研修と部署ごとの研修の両方が必要です。ERPの導入目的に関してや、勤怠管理・経費管理など部署を問わず多くの従業員が使用することが想定される機能に関しては、全社的な研修を行わなければなりません。
生産管理や輸出入管理などの特定の部署が担当している分野は、該当部署のみの研修で十分ですが、研修漏れや不要な研修の実施は業務の進捗に影響するため、慎重に研修計画を練り、ERPシステムの定着を促しましょう。
ERPシステムの主な機能
ERPシステムには、企業内のさまざまな業務に役立つ機能が搭載されています。データを業務横断的に統合すると同時に、各機能はそれぞれの業務領域をサポートします。システムによって搭載機能に差はありますが、代表的な機能には次のようなものがあります。
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機能 | 主な内容 |
---|---|
販売管理 | ・商品の受注・在庫管理・売上データの管理など |
生産管理 | ・製品の生産計画・部品の調達・作業工程の管理など |
輸出入管理 | ・国内外の取引・通関手続き・輸出入の文書管理など |
人事管理 | ・社員情報の管理・給与計算・勤怠管理など |
財務会計管理 | ・会計データの入力や仕訳・財務諸表の作成など |
セキュリティ管理 | ・データのアクセス制御・権限管理・情報漏洩の予防など |
バックアップ管理 | ・データの定期的なバックアップ・データの復元・災害対策など |
販売管理
販売管理では、企業の販売活動を効率的に管理します。顧客情報や商品情報の管理が可能で、注文管理・在庫管理・受注処理などをサポートします。この機能を使うと、正確な在庫情報や注文状況をリアルタイムで把握できます。
受注から出荷までの一連の流れを効率化し、納期の遵守や顧客満足度の向上にも繋がります。また、販売データの分析や売上予測も行うことができ、戦略的な販売計画の立案や市場動向の把握に役立ちます。
生産管理
生産管理では、企業の生産活動を効率的に管理します。生産計画の立案・生産スケジュールの作成・材料の調達・作業指示の発行などが可能です。この機能を使えば、生産ラインの稼働状況や作業進捗をリアルタイムで把握できます。
材料や資源の適切な配分や在庫管理もでき、無駄な在庫の発生を抑え、コスト削減に繋がるのも利点です。生産予測や生産性の分析も可能であり、生産効率の改善や品質向上に取り組みやすくなります。
輸出入管理
輸出入管理では、企業の国際取引をサポートします。この機能により、輸出入に関する業務の効率的な管理が可能です。具体的には、輸出入の手続き・書類の作成・税関手続きの管理・輸送の追跡などができます。
取引先とのスムーズなコミュニケーションが可能になることが大きなメリットです。関税や税金の計算・規制や法律の遵守もサポートします。国際取引のリスクを抑え、正確かつ迅速な輸出入手続きが可能になります。効率的な物流管理やコスト削減にも貢献します。
人事管理
人事管理では、企業の人材に関する情報を効率的に管理します。従業員の基本情報・給与や労働条件・勤怠・評価や昇進・研修などの人事業務の効果的な管理が可能です。
具体的には、従業員の情報や給与明細の記録・勤怠管理や休暇申請の処理・能力や実績の評価・スキルマトリックスの作成などがあります。従業員のデータを一元管理し、人材の配置や育成に関する意思決定をサポートします。
また、勤怠や給与計算の自動化により人為的なミスを減らし、効率的な給与計算や報告書作成が可能となります。さらに、評価や昇進の公平性・透明性を確保し、従業員のモチベーションや組織のパフォーマンス向上に役立ちます。
財務会計管理
財務会計管理では、企業の財務情報を一元的に管理し、会計処理や財務報告をサポートします。収益や経費、資産や負債などの財務データを効率的に記録・分析し、財務状況や業績を把握可能です。
具体的には、仕訳や伝票の作成・締め日や決算日の設定・勘定科目や部門ごとの集計と報告・税務申告書の作成などを行えます。会計処理の効率化や正確性を向上し、意思決定や戦略の立案に役立つのが利点です。
また、法的な規制や会計基準に適合するための報告書や財務諸表の作成が簡単にできるため、税務申告の煩雑さを軽減します。
セキュリティ管理
セキュリティ管理では、ERPシステム内の情報やシステムを保護します。不正アクセス・システムの障害などから企業情報を保護することが可能です。具体的には、アクセス制御・認証の強化・データの暗号化・ログの監視などがあります。
これらの機能を使えば、セキュリティレベルが向上し、情報への不正アクセスの防止、機密情報の保護が実現可能です。また、セキュリティインシデントの早期発見・早期対応もしやすくなります。
バックアップ管理
バックアップ管理では、ERPシステム内のデータを定期的にバックアップし、災害やデータの紛失などのリスクに備えます。重要なデータが削除されたり、システムが故障したりした場合も、バックアップからデータを復元可能です。
具体的には、データの自動バックアップ・バージョン管理・データの複製・オフサイトへの保管などがあります。これらの機能を組み合わせれば、データの喪失を防ぐことができ、ビジネスが中断されるリスクに脅かされる心配はありません。
バックアップデータを利用して復元することで、業務の中断時間や復旧コストを最小限に抑えられます。
医療業界向けERPシステムの選び方
ここからは実際にERPシステムを導入するにあたり、どのように製品を選んだらいいのか、選び方のポイントについて解説していきます。
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費用と予算が見合っているか
デメリットでも述べたように、ERPシステムの導入は企業にとって大きな投資になることが多いです。そのため、費用はシステムの選定においても重要なポイントとなります。
ERPシステムにかかる費用は、種類によっても大きく異なります。本記事でも解説した各種類の特徴を参考に、自社で用意できる予算に見合ったシステムを選びましょう。なお、費用対効果を見極めるためには、以下で解説するポイントが参考になります。
業種・業態と合っているか
自社の業種や業態に適した機能が備わっているかも確認しましょう。例えば、製造業では生産管理や在庫管理が重要な機能で、小売業では販売管理やPOS連携の必要性も考えられます。
自社で行われている各業務に合わせて、ERPシステムに求める機能を整理・リストアップしておくと選びやすいです。自社が必要とする機能が製品に含まれているか、または拡張機能として利用できるかをチェックしましょう
業界固有の要件や規制に対応しているかも大切で、各業界に特化したERPシステムもあるため、選択肢に入れておきましょう。
不必要な機能も確認
必要とする機能だけでなく、余計な機能を持たないように選ぶことも重要です。不必要な機能を持つシステムを導入すると、システムを持て余してしまい、結果的に余計なコストが発生します。
また、不必要な機能によってシステムが複雑になり、効果的に活用できないリスクもあります。コストを抑え、誰でも使いやすいようにするためには必要最低限の機能を備えていることが重要です。
ただし、将来的に業務が変化したり事業が成長したりする可能性が高い場合には、システムが柔軟に対応できることが望ましいです。必要に応じて追加機能を導入できるシステムを選べば、無駄なコストを抑えられます。
使いやすさを確認
操作性も重要なポイントです。ERP上では多くの業務・データを扱うため、社員全体が使いやすい操作性かどうかを確認する必要があります。直感的なインターフェースやシンプルな操作ができるERPが望ましいです。
複雑でわかりづらい操作性の場合、操作方法を覚えるのに時間がかかったり、ミスも多くなったりするリスクがあります。システムを選ぶ際には、各製品のデモやトライアルを通じて実際に操作してから評価しましょう。
社員全体が使いやすいと感じるシステムを選べば、短期間でシステムに慣れ、効果的に活用できます。操作性は導入後の生産性にも大きく影響を与えるので、しっかり見極めましょう。
サポート・セキュリティを確認
サポートとセキュリティに着目して選ぶのも大切です。ERPシステムを提供するベンダーのサービスには、問題や疑問点に対応するサポートが含まれています。サポート内容や対応時間帯を確認し、トラブルが発生した際に迅速な対応が期待できるかを確認しましょう。
ERPシステムは企業の重要な情報を管理するため、セキュリティ対策も見逃せないポイントです。提供元がセキュリティについてしっかりと取り組んでいるかを確認し、情報漏えいや不正アクセスなどのリスクを最小限に抑えるようにします。
チェックポイントとしては、アクセス制限・データの暗号化・定期的なセキュリティパッチの適用などが行われているかなどが挙げられます。
導入実績を確認
ERPシステムを選ぶ際は、導入実績も確認しましょう。導入実績がないシステムでも、自社に適していれば導入すべきです。しかし、開発されたばかりで導入実績の少ないシステムは参考にできる情報が少ないため、より慎重に検討しなければなりません。
導入実績が豊富であれば、どのような課題を解決できるのかなど、自社が導入した際の効果などが具体的に見えてきます。自社と同じ業種の企業や競合他社の導入実績があれば、自社でも十分な効果が見込めます。
無料トライアルの有無を確認
無料トライアルを活用することで、導入後のスキームや起こりうる問題点などを具体的にイメージできます。これにより、導入を検討しているERPシステムが自社のニーズに合っているかの判断が可能です。
システムの費用や機能などは事前に把握できますが、実際の使い勝手や操作性は試してみるまでわかりません。導入後のミスマッチやトラブルを回避するためにも、無料トライアルを設けているシステムが望ましいと言えます。
ERPシステムのタイプ・提供形態・カスタマイズ性を解説
ERPシステムを選ぶ際は、システムのタイプ・提供形態・カスタマイズ性の高さなどのポイントに注目し、自社に合ったものを選びましょう。
ここからは、具体的な製品の特長に関するポイントを3点を取り上げ、それぞれについて詳しく解説します。
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ERPシステム選びに重要なポイント3つ
システムのタイプが自社に合っているか
ERPは企業の全体的な業務プロセスを一元管理できるシステムですが、その適用範囲はシステムごとに異なります。ERPシステムの効果を最大化させるためには、システムのタイプが自社に合っているか確認して検討することが重要です。
システムのタイプには、総合型・業務ソフト型・コンポーネント型に加え、アプリケーション型や業界特化型などが存在します。以下に、それぞれのシステムの概要や特徴を解説します。
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システムのタイプ
統合型ERP
総合型ERPとは、会計・人事・給与などをはじめとする総合的な基幹業務の機能を備えているERPシステムです。総合型ERPは機能性が高いため、価格が高額になる傾向があります。
また、多くの業務範囲をカバーしているため、導入しているシステムが少ない、もしくはシステムの総入れ替えを検討している企業におすすめです。
業務ソフト型ERP
業務ソフト型ERPとは、基幹業務の中でも特定の業務だけを専門的に行うためのシステムです。会計業務・人事管理・労務管理などのシステムがこれに該当します。対応可能な業務範囲が限定されているため、総合型に比べて費用が抑えられるのが特徴です。
業務ソフト型ERPは、導入が必要な業務にだけピンポイントで導入できます。そのため、中小企業における部門単位での業務改善に適していると言えます。
コンポーネント型ERP
コンポーネント型ERPは、複数の業務システムの中から必要なものを組み合わせて使用できるシステムです。1件からでも導入可能なため、将来的な導入範囲の拡張を検討している場合におすすめです。
コンポーネント型ERPは展開されているシステムの種類が広く、業務ソフト型よりも選択肢が豊富であるという特徴があります。業績や業務の状態に応じて必要なシステムを追加できるため、低コストから開始できる点もメリットです。
以上の特徴から、コンポーネント型は初期費用を抑えながら少しずつERPシステムの導入を進めたい小規模な企業に適していると言えます。また、業務規模や業務内容の変動が見込まれる場合にも柔軟に対応できます。
アプリケーション型ERP
アプリケーション型ERPは、システムによって業務効率を改善させるだけでなく、アプリを選択して使用できるタイプのシステムです。システムだけでなく機能のカスタマイズができ、現在の業務プロセスに合わせて導入できます。
自社のニーズにあわせて機能をカスタマイズできるため、特定の領域に特化した独自業務を手がける企業に向いています。
業界特化型ERP
業界特化型ERPは、特定の業界向けに開発され、業界特有の機能やプロセスに焦点を当てたシステムです。業界ごとの固有のニーズや、独自の業務形態に対応できるという特徴があります。
たとえば、製造業向けの業界特化型ERPは、生産管理・品質管理・原価管理などの機能を備えています。また、業務のグローバル化に伴い、多言語に対応できるサービスも展開されています。
業界特化型ERPは、製造業に限らずさまざまな業界向けの商品が多く存在します。自社の業界に合ったものを選ぶことで必要な機能をすぐに使用できるため、導入を急ぐ場合にもおすすめです。
提供形態を確認
ERPシステムの提供形態には、クラウド型・オンプレミスがあります。提供形態によって仕組みや特徴が異なるため、それぞれの概要を把握した上で自社に合ったものを検討しましょう。
ここでは、それぞれの提供形態についてメリット・デメリットを解説します。内容を確認し、適切な形態のシステム導入を目指しましょう。
クラウド型
クラウド型ERPシステムは、クラウドサービスによってERP機能を提供するシステムです。インターネット接続によってWebページにアクセスすることで、どこからでもERPシステムを利用できます。
クラウド型のサービスではベンダー側のサーバーを利用するため、自社のパソコンやサーバーなどへの設備投資が不要です。またソフトウェアの購入なども必要ないため、初期費用を安く抑えられます。
また、クラウド型ERPシステムは導入を決めてから実際の運用を開始するまでの準備期間が短く、迅速に導入を進められるというメリットがあります。
一方で、クラウド型のサービスは動作性がインターネットの環境に依存してしまう点がデメリットです。回線接続の不具合や停電などが発生した場合は、業務が停止してしまうリスクがあることも考慮しておきましょう。
オンプレミス型
オンプレミス型ERPシステムとは、企業が所有する自社のサーバー上にERPシステムを構築するタイプのものです。オンプレミス型のシステムは社内のローカル接続によってアクセスを行うため、オフライン環境でも使用できるというメリットがあります。
従来のERPシステムは、オンプレミス型による提供が主流でした。そのため、導入実績も多く、すでに運用しているシステムがある場合は、既存の環境を活かして機能をアップデートできます。
オンプレミス型のシステムは自社が必要とする機能を組み込んだ柔軟性の高さが魅力ですが、一から構築を行うため導入費用が高額です。また、維持管理のコストがかかることや、構築の準備期間が長いこともデメリットと言えます。
カスタマイズ性が高いか
標準的な機能を備えたERPシステムをそのまま使用することもできますが、企業の業種や規模によってはカスタマイズや追加開発が必要になる場合があります。
例えば、導入後に新たな部門が設立された場合や、業態の変更があった場合などは業務フローが大幅に変動します。カスタマイズによって、既存のデータを活用しつつ自社に合った機能を追加できます。
カスタマイズ性が高いERPシステムを選ぶことで、必要な機能を柔軟に選択することが可能です。また、使用していない余分な機能の見直しにより、動作性を高める効果も期待できます。
製品の特徴を詳しく見る医療業界におけるERPシステムの導入方法
ERPシステムは企業の業務の進め方に大きな変化をもたらすことが多いです。そのため、導入計画をしっかり立てて運用まで進めていくことが大切です。以下で、ERPシステムの基本的な導入の流れを解説します。
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ERPシステムを導入する際は
導入の目的を明確にする
ERPシステムを導入する前に重要なポイントとして、自社の課題や目的を明確にしましょう。どの機能が必要で、どのような問題を解決したいのかを明確にしておけば、自社に適したERPシステムを選べます。
目的が明確でない場合、自社が抱えている問題を解決することができない可能性があり、導入効果を十分に得られません。
体制を整備する
目的を明確にしたら、次は推進者とプロジェクト責任者を確定しておくのも導入時の大切なポイントです。導入を進める上で、全体の推進者や各プロジェクトの責任者を明確に定め、ERP導入プロジェクトの体制を整備しましょう。
推進者は経営陣や重要な関係者から構成され、導入の目標や方針を示し、プロジェクトを主導します。プロジェクト責任者には、ERP導入プロジェクトの遂行を担当し、スケジュールや予算の管理、チームの組織や調整を行う役目があります。
業務フローを構築する
業務フローの構築には、現在のシステムやツールの洗い出しと、ERPシステム導入後の業務の流れを考えることが含まれます。まずは、現在の管理や作業に使用しているシステムやツールを把握しましょう。
ERPシステム導入後にどのような業務の流れが望ましいかを考えます。例えば情報の入力や承認のプロセス、データの収集や分析方法などを検討します。これらの業務フローの構築もシステム導入の重要な要素です。
試験運用開始・マニュアルを作成
業務フローも構築できたら、いよいよ試験運用開始です。試験運用では、考えた業務フローの効果を確認し、本格運用に向けて改善点を見つけます。また、社員がシステムを使いこなせるように、業務フローや操作手順を分かりやすい社内用マニュアルにまとめましょう。
本格的な運用開始がスムーズに進むかどうかは、試験運用が影響します。ERPは多機能であることから、導入直後は混乱する従業員も多いことが想定されます。その混乱を最小限に抑えるために、試験運用は入念に行いましょう。
本格運用
試験運用の結果をもとに改善点を踏まえ、問題がなければ本格運用を開始します。本格運用前に試験運用で発見した課題や問題点を修正し、システムをより効果的に活用できるように運用しましょう。
導入したシステムを活用できなければ導入効果は小さくなり、導入失敗となってしまいます。コストをかけて導入しても活用できなければ意味がないため、問題点は迅速に修正しながらシステムを運用しましょう。
医療業界でERPシステムを導入する際の注意点
ERPシステムの導入には総合的な判断と慎重な計画が必要になります。自社の抱える課題を整理し、導入体制を整えることが重要です。また、導入後は従業員への研修を行うことでスムーズな運用を目指せます。
ここでは、ERPシステムの導入において特に重要となる注意点を取り上げ、詳しく解説していきます。
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ERPシステムの導入の仕方と注意点
自社の課題・要件を整理する
ERPシステムの導入を行う際は、自社の日常タスクを洗い出し、課題を把握しておくことが重要です。業務上の問題点や改善点を整理することによって、必要な機能や導入後の業務フローが明確になり、自社に合ったシステムを選べます。
自社が抱える課題や要件をクリアできないシステムを導入しても得られるメリットは少ないため、慎重に整理しましょう。
人数の増減を考慮する
クラウド型のERPシステムを導入する場合は、人数の増減を考慮してプランを選定しなくてはなりません。システムごとに料金形態は異なりますが、利用人数によって利用料が変動するシステムが多いです。
たとえば、導入時の人数でシステムを導入し、その直後に増員があった場合、特定の人数しかシステムを利用できないといった事態になり、研修をスムーズに進められず、業務の進行にも支障をきたします。
このような事態を避けるためには、人数の変更予定に合わせたシステムやプランを選定するだけでなく、プランや利用人数の変更をこまめに行えるかERPベンダーに確認することも重要です。
費用対効果を確認する
ERPシステムを導入する際は、費用対効果を十分に確認しておく必要があります。費用対効果とは、投じたコストに対して得られた効果のことです。ERPシステムは、一度導入したら長期的に運用されるケースが多いため、活用しやすく無理のない選択が求められます。
そのために重要なのが、機能とコストのバランスです。一般的に機能性が豊富なほど、システムでできることは広がりますが、導入コストやランニングコストが高額になります。まずは、自社の予算を明確に把握して、長期的な視点からシステムを選定しましょう。
導入体制を整える
ERPシステムの導入によって基幹業務が集約されると、経営に関するさまざまな情報が一元化されます。これにより、関係部署の業務体制に大きな変化が生じます。
全社的な業務フローの変更に対応するためには、業務規定の整備やセキュリティポリシーの改定などによって体制を整備しておく必要があります。導入後の運用をスムーズに行うためにも環境の整備を行い、導入による業務負荷を最小限に留めましょう。
既存システムとの連携性を確認する
会計ソフトや人事管理システム・労務管理ツールなど、自社で既に活用しているシステムがある場合は、ERP導入後にこれらの既存システムを置き換えるのか、連携させるのか、予め検討しておく必要があります。
ERPシステムは、基幹システムを意味する企業の根幹を担うシステムです。導入後にトラブルが発生しないよう、既存システムと連携させたい場合は、事前に連携の可否や連携方法をよく確認した上で、導入を決めましょう。
従業員への研修
ERPシステムの導入効果を最大限に引き出すためには、従業員にシステムの導入理由やメリットを周知し、理解を得ることが重要です。新しいシステムへの抵抗感を軽減することで、導入をスムーズにする効果が見込めます。
ERPシステムでは企業秘密に該当する情報を多く取り扱うため、従業員に対するセキュリティ研修も必要です。不正アクセスや情報漏洩に関する教育を実施し、各種規定やセキュリティポリシーなども共有しておきましょう。
また、導入したシステムを効果的に使用するためには、従業員への操作教育も必要になります。基本的な操作方法の指導を行うことで導入後の業務効率が向上します。
製品の特徴を詳しく見るまとめ
組織全体の資源を一元管理できるERPシステムには、医療業界向けのものも多数登場しています。ERPの導入で医療機器の在庫管理が容易になり、異なる診療科間での情報共有を効率化することが可能となります。
また、電子カルテや受診履歴などの個人情報をERPで管理すれば、データの暗号化やアクセス制限などがかけられるため、セキュリティの強化が図れます。
ERPシステムを選ぶ際は、操作性やセキュリティ対策、サポート体制を確認しましょう。システムのタイプが自社に合ったものか、提供形態やカスタマイズ性の高さも重要なポイントとなります。
ERPシステムの導入を検討する際は、本記事を参考にサービスを選定し、メリットを最大限に活かせる環境づくりを行いましょう。
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