おすすめの物流業向けERPシステム2選|物流管理の課題も解説

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  • 物流業・物流管理の課題は、在庫数や種類を把握できずに欠品が生じやすいことなど
  • 物流業にERPシステムを導入すると、情報伝達が迅速化して業務効率化につながる
  • 物流業向けERPシステム導入の際は、導入目的の明確化や提供形態の確認がおすすめ

物流業・物流管理の現場では、作業が非効率的、在庫管理が不透明であることなどの課題を抱えています。そういった課題の解決には、ERPシステムの導入がおすすめです。本記事では、おすすめの物流業向けERPシステムや物流業にERPを導入するメリットを解説しています。

目次

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  1. 物流業・物流管理の課題
  2. 物流業・物流管理にはERPの導入がおすすめ
  3. 物流業・物流管理にERPを導入するメリット
  4. 物流業・物流管理にERPを導入する際の注意点
  5. おすすめの物流業向けERPシステム2選
  6. その他の物流向けERPシステムの選び方
  7. まとめ
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物流業・物流管理の課題

近年、EC市場の拡大によって法人・個人を問わずに物流の需要が高まっている中で、物流業・物流管理の現場では「作業が非効率的」「在庫管理が不透明」など、さまざまな課題を抱えています。

それらの課題を放置していると、企業の売上減少や機会損失につながり、社会全体の経済活動や国民生活にも大きな影響を及ぼします。そのため、物流業向けERPシステムを導入するなどの対策によって早急に課題を改善することが重要です。

物流業・物流管理にとって改善が必要な課題のうち、「作業が非効率的」「在庫数や種類を把握しにくい」点について以下で詳しく解説します。

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作業が非効率的

物流管理は業務が煩雑で、作業が非効率的になっているケースが多くあります。その原因には、「管理ルールが分かりづらい」「業務がシステム化されておらず作業が非効率的」などが挙げられます。

管理ルールが曖昧だと管理業務が雑になり、人的ミスや手戻りが発生しやすくなります。そうなると、作業に時間がかかり、コストもかさんでいくなどのデメリットが生じ、顧客満足度を低下させる原因にもつながります。

在庫数や種類を把握しにくい

在庫数や種類を把握しにくいことも、物流業・物流管理の大きな課題の1つです。倉庫内の在庫管理業務が不透明だと、在庫の場所・在庫数・種類の把握が難しくなります。

その結果、在庫ロスや欠品が発生し、売上の低下や機会損失が起こります。そうなれば、企業として損失は避けられません。

したがって、倉庫内の在庫の場所・在庫数・種類など、在庫状況を常に把握できるようにするためには、システム化を進めるなどの対策を講じることが重要です。

物流業・物流管理にはERPの導入がおすすめ

物流業・物流管理には、業務効率化に大きく貢献するERPの導入がおすすめです。ERPと似たようなシステムに、WMSもあります。以下で、ERPとは何か、ERPとWMS(倉庫管理システム)の違いについて解説します。

ERPとは

ERP(Enterprise Resource Planning)とは、企業の基幹業務を統合・管理するシステムです。販売管理・生産管理・在庫管理など、基幹業務のデータを統合して一元的に管理することで、経営の効率化と業務の標準化を実現します。

ERPは企業の業態に合った形でカスタマイズすることが可能であり、物流の煩雑な管理業務を効率化します。また、一元化できることにより、保守コストの削減やセキュリティの向上、人為的ミスの軽減にも寄与します。

スムーズかつ適切な物流管理を行うためには、ERPの導入によるシステムの効率化が欠かせません。

ERPとWMS(倉庫管理システム)の違い

ERPとWMSは、どちらも企業の業務効率化を目的としたシステムですが、対象とする業務や機能が異なります。ERPは企業の基幹業務を行うシステムで、販売管理・生産管理・在庫管理・財務会計などを行い、業務全般の効率化とコスト削減を実現します。

一方、WMSはWarehouse Management Systemの略で、倉庫内の在庫管理や物流業務を効率化するのに特化したシステムです。

在庫管理・入出庫管理・ピッキング管理・配送管理などを行い、倉庫内の物流業務を自動化・効率化し、作業のミスやロスを削減する手助けをします。

物流業・物流管理にERPを導入するメリット

物流業・物流管理にERPを導入すると、コストの削減やセキュリティ対策の強化など、さまざまなメリットが得られます。ERPの主な導入メリットには、以下のようなものがあります。

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迅速な情報共有が可能

物流業でERPシステムを導入すると、在庫管理・配送管理・輸送管理などの業務データを一元的に管理できます。これにより、各部門の担当者が迅速に情報共有することが可能です。

ERPでは、「人材」「商品」「金銭」など、企業が持つ全ての資産の動きが常に見える化されるため、市場動向の変化にも対応しやすくなります。タイムリーに欲しい情報を得られるようになれば、戦略立案や経営判断もスピーディーに行えます。

複数のコスト削減が実現

ERPの導入で、在庫管理のシステム化に合わせた作業効率の向上、輸送費の計算や集計作業の自動化による人為的ミスの軽減が可能です。これにより、無駄が多かった人的コストについても削減を図れます。

また、複数の運送業者の料金データを比較検討し、最適な運送業者をスピーディーに選択できます。そして、複数システムの運用において個別で発生していた保守費用も、ERPによる一元化で削減可能です。

物流プロセスの管理が楽

物流業における物流プロセスは企業によって異なり、運送ルートや運搬方法の管理などは煩雑化しやすいです。そこで、ERPを導入すると自社の物流プロセスが可視化されることにより、プロセス全体を見渡した効率化を検討できます。

例えば、運送トラックの位置情報をリアルタイムで把握し、時間の効率化が実現するルートを提案したり、在庫状況から関係企業へ迅速な輸送を行ったりもできます。これらにより、物流プロセスの管理が楽になり、さまざまな面での効率化が行えます。

セキュリティ対策の強化

ERPを導入せず、複数のシステムを管理していると個別のセキュリティ対策が必要であり、その結果セキュリティに穴が開きやすく、脆弱性を生む原因にもなります。

しかし、ERPを導入すれば、複数システムで行われていたセキュリティ管理の一元化が可能です。認証の強化やデータのアクセス制御、権限管理も容易に行え、社内からの情報漏洩対策においても万全な体制を整えられます。

ERPによっては、データ暗号化・ログ監視機能なども搭載しており、不正アクセスの防止や機密情報の保護も可能なことから、セキュリティインシデントにもいち早く対応できます。

メンテナンスが簡単

ERPは基幹業務が一元化されており、マスタをアップデートすれば全てのシステムがアップデートされるため、メンテナンスを容易に行えるのがメリットです。

また、スクラッチ開発せずにパッケージのみを導入したクラウド型のERPであれば、導入後の保守・メンテナンス・プログラム更新作業はシステム提供ベンダーが全て行います。よって、自社にシステムに詳しいITエンジニアを常駐させておく必要がなくなります。

メンテナンスを容易にし、メンテナンスの手間やコストを削減したいなら、ERPの導入を検討してみましょう。

人的ミスによる手間の削減

ERPシステムは、物流業界における在庫管理・輸送管理・発注管理などのさまざまな業務を一元管理します。そのため、業務の垣根を超えた相互的なデータ連携が可能で、輸送費の計算や運行指示書の作成、業務日報の入力などの自動化が可能です。

これにより、人為的な記載・入力ミスが削減されるため、不要な手間がかからなくなり、従業員の負担軽減や業務効率化に繋がります。

顧客満足度の向上

物流業界にERPシステムを導入することにより、多くの業務が一元管理され、物流プロセスが可視化・効率化されますが、これは、顧客サービスの質や顧客満足度の向上にも繋がります。

まず、適切な物流プロセス管理により、ミスや遅延を防止できるため、正確かつ迅速な輸送が実現します。また、ERPシステムでは、企業が持つ資産の動きが可視化されるため、市場動向の変化をリアルタイムで把握でき、移り変わる顧客ニーズの分析を助けます。

これにより、効率的な物流プロセスの安定した運営、また、顧客のニーズを反映した顧客サービスの実現が可能となり、顧客満足度を向上させます。

物流業・物流管理にERPを導入する際の注意点

ERPは多くのメリットをもたらす反面、デメリットも存在します。ERPを導入する際の注意点には、導入・運用コストがかかること、導入目的を明確にしないと機能や性能が十分に活かせないことなどが挙げられます。

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導入前の事前準備が重要

ERPシステムの導入に失敗しないためには、導入前の事前準備が重要です。具体的には、プロジェクトリーダーの選出やベンダー・システムのリサーチを行う必要があります。

プロジェクトリーダーには、ある程度のIT知識があり、自社の業務要件を十分に理解している人材が適任です。ただし、IT知識はベンダーのサポートも受けられるため、極めて精通していなければならないわけではありません。

また、ベンダー・システムのリサーチは、導入実績や口コミなどから信頼性を重視して候補となるシステムを絞り込む必要があります。カスタマイズの柔軟性やベンダーの技術サポートが充実していると、自社に適したスムーズな導入に繋がりやすいです。

初期費用と運用コストが発生する

ERPは、導入の際の初期費用に加えて保守費用などの運用コストが発生します。企業の規模によって導入・運用コストは異なりますが、提供形態によっては導入コストが数百万円から数千万円と高額になります。

また、導入目的を明確にしないまま導入すると、必要な機能が搭載されていなかったり、逆に不要な機能が含まれていたりするケースが起こります。

さらに、導入後の効果が最大限に活かされない可能性もあるため、事前に課題を洗い出して導入目的を明確にした後に導入を検討しましょう。

セキュリティ対策の詳細を確認する

従来までのように、一つひとつのシステムを個別で利用している状態と比べ、ERPを導入した場合の方がセキュリティ面では強化されることがほとんどです。しかし、クラウド型かオンプレミス型かなど、ベンダーによってセキュリティ対策は異なります

したがって、自社の企業規模に合わせて必要とするセキュリティの内容を十分に確認し、同業他社での導入実績もあるかなども比較検討しながら、セキュリティリスクを最大限抑えることが大切です。

データ管理を徹底して行う

ERPシステムの導入効果を最大化させるためには、データ管理を徹底して行うことが重要です。ERPは、企業の経営の基本となるヒト・モノ・カネ・情報などの資産を一元管理して状況をリアルタイムで把握し、経営戦略の策定などに役立てています。

そのため、データ管理が徹底されていなければ、正しい経営戦略の策定や資源の有効活用ができません。データ管理を徹底するためには、社員にERPの導入目的やメリット・データ管理方法などの周知・教育を行い、企業全体で取り組むことが重要です。

おすすめの物流業向けERPシステム2選

株式会社ビジネス・アソシエイツ

Plaza-i

中堅企業向け◎貿易・流通・物販をはじめマルチにおすすめ

GOOD
ここがおすすめ!

  • 英語にも対応しており、貿易からIT・家具といったさまざまな業種に導入しやすい
  • 「オールインワンERPパッケージ」で時間もコストも無駄なくスピーディーに完結

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ここが少し気になる…

  • 検索の精度が低く、日本語での検索がうまくヒットしない場合がある

株式会社日立システムズ

SAP Business One

分析やマーケティングもマルチに利用したい方におすすめ

GOOD
ここがおすすめ!

  • 銀行報告書・支払・照合といった「銀行業務」も行える
  • 見込み客を「顧客」に変えられるようなマーケティング活動の管理や分析が可能
  • レポート作成のカスタマイズ性がよく、多方面から分析できる優れた機能が魅力

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ここが少し気になる…

  • 初期費用や月額費用は問い合わせる必要があり、価格帯をすぐに知りたい方には不便

その他の物流向けERPシステムの選び方

ERPシステムを選ぶ際には、必ず押さえておきたい3つの重要なポイントと、検討材料として比較しておきたい4つのポイントがあります。以下のポイントに着目し、自社に合ったERPシステムを選びましょう。

【重要なポイント3つ】

  1. システムのタイプが自社に合っているか
  2. 提供形態を確認
  3. カスタマイズ性が高いか

【その他の比較ポイント】

  1. UIや操作性を確認
  2. セキュリティ対策は万全か
  3. サポート体制は充実しているか
  4. 無料トライアルがあるか

まとめ

物流業・物流管理の現場では、業務が煩雑で在庫管理が難しい、作業が非効率的になりがちといった課題を抱えています。課題を放置したままでは、在庫ロスや欠品が生じ、企業は機会損失などから利益への多大なダメージを受ける恐れがあります。

そういった課題の解決には、ERPシステムの導入がおすすめです。ERP導入の際は、注意点や選び方のポイントがあるため、本記事を参考にしながら、自社の課題改善を達成するERPを選びましょう。

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