おすすめのERPパッケージ6選|種類やメリット・選び方なども解説

Check!

  • ERPパッケージとは、財務や人事などの企業の基幹業務を統合化するシステムである
  • ERPパッケージの導入で、開発リソースやコストの削減、業務効率化などに繋がる
  • ERPパッケージ導入の際は、ERPパッケージの種類や他ツールとの連携性を確認する

ERPパッケージとは、財務や会計、人事などの企業の基幹業務を統合化するシステムのことを言います。本記事では、ERPパッケージの導入を検討している方のために、おすすめのERPパッケージやその選び方、導入するメリットや注意点などを解説しています。

目次

開く

閉じる

  1. ERPパッケージの始め方
  2. おすすめのERPパッケージ6選
  3. ERPパッケージとは
  4. ERPパッケージの選び方
  5. ERPパッケージを導入する際の注意点
  6. タイプ別|ERPシステムおすすめ
  7. 経営業務をさらに効率化!関連サービスはこちら

ERPパッケージの始め方

ERPパッケージの導入担当者の方にとって、最適なERPパッケージを判断するのは容易ではありません。ERPパッケージは経営・業務管理などの企業運営において極めて重要であり、正確かつ各企業に合ったものを選ぶことが求められます。

ERPパッケージの多くは資料請求をすることで、運用を開始できます。これは公式サイトから検討した場合も同様です。本サイトでは複数のサービスをまとめて比較・資料請求することができます。資料請求は無料なので、複数の製品を比較して自社に最適なERPパッケージを選びましょう。

おすすめのERPパッケージ6選

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウドERP

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウドERP

システム連携◎企業の成長にあわせて利用したい方におすすめ

GOOD
ここがおすすめ!

  • 電子マネーやPOSレジはもちろん、勤怠や人事といったさまざまなサービスとの連携が可能
  • AIを搭載しており、「自動入力」「自動仕訳」でらくらく
  • 会計・確定申告・請求書・経費など、自社にあわせたニーズで使える

MORE
ここが少し気になる…

  • 会計や人事メインであれば使いやすいが、その他の機能をメインで扱いたい場合には連携や他サービスを併用する必要がある

株式会社ビジネス・アソシエイツ

Plaza-i

株式会社ビジネス・アソシエイツ

Plaza-i

中堅企業向け◎貿易・流通・物販をはじめマルチにおすすめ

GOOD
ここがおすすめ!

  • 英語にも対応しており、貿易からIT・家具といったさまざまな業種に導入しやすい
  • 「オールインワンERPパッケージ」で時間もコストも無駄なくスピーディーに完結

MORE
ここが少し気になる…

  • 検索の精度が低く、日本語での検索がうまくヒットしない場合がある

株式会社日立システムズ

Infor SyteLine

株式会社日立システムズ

Infor SyteLine

多言語対応◎プロジェクトや計画管理を行いたい方におすすめ

GOOD
ここがおすすめ!

  • 英語だけでなく中国語や日本語をはじめ約20か国語に対応
  • 全世界6,000拠点以上の実績がありグローバルな業界業種にも扱いやすい

MORE
ここが少し気になる…

  • 中堅かつ組立製造業向けのシステムのため、それ以外の企業の場合扱いにくさがある可能性も

株式会社日立システムズ

SAP Business One

株式会社日立システムズ

SAP Business One

分析やマーケティングもマルチに利用したい方におすすめ

GOOD
ここがおすすめ!

  • 銀行報告書・支払・照合といった「銀行業務」も行える
  • 見込み客を「顧客」に変えられるようなマーケティング活動の管理や分析が可能
  • レポート作成のカスタマイズ性がよく、多方面から分析できる優れた機能が魅力

MORE
ここが少し気になる…

  • 初期費用や月額費用は問い合わせる必要があり、価格帯をすぐに知りたい方には不便

株式会社オロ

ZAC

株式会社オロ

ZAC

無料デモあり◎少しでも経営管理を楽にしたい方におすすめ

GOOD
ここがおすすめ!

  • 関連コストの紐づけが行えて収益の見える化を実現
  • 受注前の見込み段階からデータを一元管理できるため、売上利益の予測にも便利
  • システムの統合により業務効率もアップ

MORE
ここが少し気になる…

  • 機能の不足を感じたり、操作性の悪さを感じる場合がある

ツバイソ株式会社

ツバイソ

ツバイソ株式会社

ツバイソ

従業員のモチベーションアップにつなげたい方におすすめ

GOOD
ここがおすすめ!

  • 個人のモチベーションを上げて企業の生産アップにもつながる
  • 販売・購買管理や人事労務管理をはじめ、決算会計管理や旅費経費生還管理といった幅広い業務をカバー

MORE
ここが少し気になる…

  • ERP・PSA・CPM・TMの4種類を利用する場合はそれぞれ契約が必要になる

ERPパッケージとは

ERPとは、製造業で効率的な生産管理のために使われているMRP(Material Resource Planning)を多くの業種で利用できるようにしたものです。現在、業務の効率化やコスト削減、労働環境改善を目指す各企業から注目されているのがERPパッケージです

ERPパッケージは、企業の基幹業務を統合化するためのさまざまな機能を備えたソフトウェアパッケージです。一般的に、会計管理・予算管理・販売管理・在庫管理・生産管理・物流管理・人事給与などが一つのシステムに集約されて、統合的に管理されます。

これまでのERPは大きな企業への導入が中心でしたが、近年では低コストで導入できるERPパッケージもあり、中小企業でも導入しやすくなっています。また、種類が多くなり、自社に合ったERPパッケージを見つけやすくなったのも需要が増えている一因です。

ERPとERPパッケージの違い

ERPは「Enterprise Resources Planning」の略で、日本語では「経営資源計画」と呼ばれています。経営資源とは、ヒト・モノ・カネ・情報・時間・知的財産を指し、それらの経営資源を一元的に管理し、効率的に活用するという考え方がERPです。

そして、ERPを実現するためのシステムがERPシステムです。しかし、今ではERPシステムのこと自体をERPと呼ぶこともあります。

システム構築手法には、大きく分けて自社の業務に合わせて作成するスクラッチと、すでに製品化されているパッケージの2種類があります。

ERPパッケージは、スクラッチ型と違って現在の業務と完全一致させることは難しく、企業側で業務の見直しが必要になる場合もありますが、初期費用が抑えられてスムーズに導入できるのが特徴です。

基幹システムとERPパッケージの違い

基幹システムとは、各部門が管理しているシステムです。部門内の業務を効率化するシステムで、受発注管理・販売管理・生産管理・在庫管理・会計業務などの独立したシステムを各部門で運用しています。

それに対してERPパッケージは、各部門にある独立した基幹システムを一元化したものを指します。つまり、ERPパッケージは基幹システムの集合体であり、それぞれのシステムの連携が容易にできるシステムといえます。

ERPパッケージのメリット

ERPパッケージは部門をまたいで導入できるため、企業にとって大きなメリットがあります。ここでは、ERPパッケージの導入メリットを解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

業務の効率化による生産性向上

ERPパッケージの導入により、業務効率化に繋がります。これは、今まで手作業だったステップを自動化することができるためです。結果として、各部門の業務の効率化による生産性の向上にも期待できます。

各部門でそれぞれのシステムを運用している企業では、同じデータを複数のシステムが保有している場合も少なくありません。そのような企業でERPパッケージを導入すれば、同じデータを入力したり、データの移行をしたりする必要がなくなります

コスト削減

ERPを自社に合わせて作成するスクラッチ方式では、サーバーやネットワーク整備のほかに開発費もかかり、導入までに膨大なコストがかかります。それに対して、すでにシステムが完成しているERPパッケージの導入では、コスト削減が可能です

また、現在各部門で利用しているデータをERPパッケージで一元化すれば、部門をまたいだ情報共有や業務連携が可能となり、業務の効率化が進むため人的コストも削減できます。

属人化の防止

業務の属人化の解消は、企業にとって大きな課題の一つです。業務が属人化していると担当者が転属・退職した場合、その業務が停滞してしまい、企業にとって大きな損失を与える可能性も少なくありません。

属人化の主な原因として、担当者の業務内容が可視化されていないことが挙げられます。したがって、ERPパッケージを導入することで、アクセス権限を付与された人なら保管されているデータをいつでも見ることができ、属人化の防止につながります

属人化を防ぐことは、社員同士のスキル向上にも有効です。たとえば営業部門では、新入社員や営業の仕方に迷っている社員がベテラン社員の営業記録を見ることで、ノウハウを学ぶことができます。また、上司が部下の業務状況を把握し、アドバイスすることも可能です。

内部統制の強化

上場企業や取締役会のある企業には、金融商品取引法や会社法などで内部統制の整備が義務付けられています。整備義務のない企業でも、内部統制を強化することで企業価値を高めたり、取引先に企業運営の透明性をアピールできたりするなどのメリットがあります。

ERPパッケージでは、ログ記録を取るなど正確な記録を残すためのさまざまな対策が施され、入力ミス防止・不正侵入検知・改ざん防止など、企業における内部統制強化の一翼を担っています。また、役職などによるアクセス権限の設定も可能です。

意思決定の精度向上

スピーディーで正確な経営判断は、企業の成長の源です。ERPシステムには、企業内の部署をまたいだデータがリアルタイムに集積されています。そのデータを基に分析をすれば、リアルタイムで自社の経営状態の把握が可能です。

各部署に分散したデータを一から集める必要がないので、分析から意思決定までの流れがスムーズになります。また、各部署のさまざまなデータを多角的に利用し、原因と結果が正確に結びついた分析ができるため、精度の高い経営判断が可能です。

ERPパッケージのデメリット

ERPパッケージの導入にはデメリットもあります。運用コストやシステム選定の難しさなどのデメリットについて、詳細に解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

コストがかかる

ERPパッケージの導入や運用にはコストがかかります。導入時の費用は、システムのカスタマイズ・データ移行など影響します。また、運用コストにはライセンス料・ハードウェアの保守費用などが含まれます。

コストを抑える方法には、クラウド型やオープンソース型のERPパッケージを選ぶか、オンプレミス型を選ぶ場合はベンダーとの交渉が挙げられます。また、コンポーネント型を選ぶなどして不必要な機能の導入を避けるのもコスト削減につながります。

システムの選定が難しい

ERPパッケージの製品数は非常に多く、それぞれが機能や使い方が異なります。市場では数百以上のERP製品が存在し、大手ベンダーから中小規模のベンダーの製品までさまざまあるため、自社に合ったシステムを選ぶのは難しいです。

そのため、製品の特徴・価格・導入事例などを慎重に比較検討する必要があります。また、自社の業種や規模に合わせて機能の適切な組み合わせを考えるのも重要です。専門知識が必要なため、ERPコンサルタントやベンダーサポートの活用も視野に入れましょう。

導入に手間がかかる

ERPパッケージを選定した後も、導入には手間がかかります。既存の基幹システムとの連携や業務フローの見直しなどさまざまな準備が必要です。

また、ERPは幅広い業務に関わるため、全従業員を対象とした研修と部署ごとの研修の両方が必要です。ERPの導入目的に関してや、勤怠管理・経費管理など部署を問わず多くの従業員が使用することが想定される機能に関しては、全社的な研修を行わなければなりません。

生産管理や輸出入管理などの特定の部署が担当している分野は、該当部署のみの研修で十分ですが、研修漏れや不要な研修の実施は業務の進捗に影響するため、慎重に研修計画を練り、ERPの定着を促しましょう。

ERPパッケージの主な機能

ERPパッケージには、企業内のさまざまな業務に役立つ機能が搭載されています。データを業務横断的に統合すると同時に、各機能はそれぞれの業務領域をサポートします。製品によって搭載機能に差はありますが、代表的な機能には次のようなものがあります。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

機能主な内容
販売管理・商品の受注・在庫管理・売上データの管理など
生産管理・製品の生産計画・部品の調達・作業工程の管理など
輸出入管理・国内外の取引・通関手続き・輸出入の文書管理など
人事管理・社員情報の管理・給与計算・勤怠管理など
財務会計管理・会計データの入力や仕訳・財務諸表の作成など
セキュリティ管理・データのアクセス制御・権限管理・情報漏洩の予防など
バックアップ管理・データの定期的なバックアップ・データの復元・災害対策など

販売管理

販売管理では、企業の販売活動を効率的に管理します。顧客情報や商品情報管理が可能で、注文管理・在庫管理・受注処理などをサポートします。この機能を使うと、正確な在庫情報や注文状況をリアルタイムで把握できます。

受注から出荷までの一連の流れを効率化し、納期の遵守や顧客満足度の向上にも繋がります。また、販売データの分析や売上予測も行うことができ、戦略的な販売計画の立案や市場動向の把握に役立ちます

生産管理

生産管理では、企業の生産活動を効率的に管理します。生産計画の立案・生産スケジュールの作成・材料の調達・作業指示の発行などが可能です。この機能を使えば、生産ラインの稼働状況や作業進捗をリアルタイムで把握できます。

材料や資源の適切な配分や在庫管理もでき、無駄な在庫の発生を抑え、コスト削減に繋がるのも利点です。生産予測や生産性の分析も可能であり、生産効率の改善や品質向上に取り組みやすくなります。

輸出入管理

輸出入管理では、企業の国際取引をサポートします。この機能により、輸出入に関する業務の効率的な管理が可能です。具体的には、輸出入の手続き・書類の作成・税関手続きの管理・輸送の追跡などができます。

取引先とのスムーズなコミュニケーションが可能になることが大きなメリットです。関税や税金の計算・規制や法律の遵守もサポートします。国際取引のリスクを抑え、正確かつ迅速な輸出入手続きが可能になります。効率的な物流管理やコスト削減にも貢献します。

人事管理

人事管理では、企業の人材に関する情報を効率的に管理します。従業員の基本情報・給与や労働条件・勤怠・評価や昇進・研修などの人事業務の効果的な管理が可能です。

具体的には、従業員の情報や給与明細の記録・勤怠管理や休暇申請の処理・能力や実績の評価・スキルマトリックスの作成などがあります。従業員のデータを一元管理し、人材の配置や育成に関する意思決定をサポートします。

また、勤怠や給与計算の自動化により人為的なミスを減らし、効率的な給与計算や報告書作成が可能となります。さらに、評価や昇進の公平性・透明性を確保し、従業員のモチベーションや組織のパフォーマンス向上に役立ちます。

財務会計管理

財務会計管理では、企業の財務情報を一元的に管理し、会計処理や財務報告をサポートします。収益や経費、資産や負債などの財務データを効率的に記録・分析し、財務状況や業績を把握可能です。

具体的には、仕訳や伝票の作成・締め日や決算日の設定・勘定科目や部門ごとの集計と報告・税務申告書の作成などを行えます。会計処理の効率化や正確性を向上し、意思決定戦略の立案に役立つのが利点です。

また、法的な規制や会計基準に適合するための報告書や財務諸表の作成が簡単にできるため、税務申告の煩雑さを軽減します。

セキュリティ管理

セキュリティ管理では、ERPシステム内の情報やシステムを保護します。不正アクセス・システムの障害などから企業情報保護することが可能です。具体的には、アクセス制御・認証の強化・データの暗号化・ログの監視などがあります。

これらの機能を使えば、セキュリティレベルが向上し、情報への不正アクセスの防止、機密情報の保護が実現可能です。また、セキュリティインシデントの早期発見・早期対応もしやすくなります。

バックアップ管理

バックアップ管理では、ERPシステム内のデータを定期的にバックアップし、災害やデータの紛失などのリスクに備えます。重要なデータが削除されたり、システムが故障したりした場合も、バックアップからデータを復元可能です。

具体的には、データの自動バックアップ・バージョン管理・データの複製・オフサイトへの保管などがあります。これらの機能を組み合わせれば、データの喪失を防ぐことができ、ビジネスが中断されるリスクに脅かされる心配はありません。

バックアップデータを利用して復元することで、業務の中断時間や復旧コストを最小限に抑えられます。

ERPパッケージの選び方

ERPパッケージは、多くのベンダーからさまざまな種類が提供されています。ここでは、多くの製品の中から、自社に適合したシステムを選ぶためのポイントを解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

費用と予算が見合っているか

デメリットでも述べたように、ERPパッケージの導入は企業にとって大きな投資になることが多いです。そのため、費用はシステムの選定においても重要なポイントとなります。

ERPパッケージにかかる費用は、種類によっても大きく異なります。本記事でも解説した各種類の特徴を参考に、自社で用意できる予算に見合ったシステムを選びましょう。なお、費用対効果を見極めるためには、以下で解説するポイントが参考になります。

業種・業態と合っているか

社の業種や業態に適した機能が備わっているかも確認しましょう。例えば、製造業では生産管理や在庫管理が重要な機能で、小売業では販売管理やPOS連携の必要性も考えられます。

自社で行われている各業務に合わせて、ERPシステムに求める機能を整理・リストアップしておくと選びやすいです。自社が必要とする機能が製品に含まれているか、または拡張機能として利用できるかをチェックしましょう

業界固有の要件や規制に対応しているかも大切で、各業界に特化したERPシステムもあるため、選択肢に入れておきましょう。

不必要な機能も確認

必要とする機能だけでなく、余計な機能を持たないように選ぶことも重要です。不必要な機能を持つシステムを導入すると、システムを持て余してしまい、結果的に余計なコストが発生します。

また、不必要な機能によってシステムが複雑になり、効果的に活用できないリスクもあります。コストを抑え、誰でも使いやすいようにするためには必要最低限の機能を備えていることが重要です。

ただし、将来的に業務が変化したり事業が成長したりする可能性が高い場合には、システムが柔軟に対応できることが望ましいです。必要に応じて追加機能を導入できるシステムを選べば、無駄なコストを抑えられます。

使いやすさを確認

操作性も重要なポイントです。ERP上では多くの業務・データを扱うため、社員全体が使いやすい操作性かどうかを確認する必要があります。感的なインターフェースやシンプルな操作ができるERPが望ましいです。

複雑でわかりづらい操作性の場合、作方法を覚えるのに時間がかかったり、ミスも多くなったりするリスクがあります。システムを選ぶ際には、各製品のデモやトライアルを通じて実際に操作してから評価しましょう。

社員全体が使いやすいと感じるシステムを選べば、短期間でシステムに慣れ、効果的に活用できます。操作性は導入後の生産性にも大きく影響を与えるので、しっかり見極めましょう。

サポート・セキュリティを確認

サポートとセキュリティに着目して選ぶのも大切です。ERPパッケージを提供するベンダーのサービスには、問題や疑問点に対応するサポートが含まれています。サポート内容や対応時間帯を確認し、トラブルが発生した際に迅速な対応が期待できるかを確認しましょう。

ERPシステムは企業の重要な情報を管理するため、セキュリティ対策も見逃せないポイントです。提供元がセキュリティについてしっかりと取り組んでいるかを確認し、情報漏えいや不正アクセスなどのリスクを最小限に抑えるようにします。

チェックポイントとしては、アクセス制限・データの暗号化・定期的なセキュリティパッチの適用などが行われているかなどが挙げられます。

導入実績を確認

ERPパッケージを選ぶ際は、導入実績も確認しましょう。導入実績がないシステムでも、自社に適していれば導入すべきです。しかし、開発されたばかりで導入実績の少ないシステムは参考にできる情報が少ないため、より慎重に検討しなければなりません。

導入実績が豊富であれば、どのような課題を解決できるのかなど、自社が導入した際の効果などが具体的に見えてきます。自社と同じ業種の企業や競合他社の導入実績があれば、自社でも十分な効果が見込めます

無料トライアルの有無を確認

無料トライアルを活用することで、導入後のスキームや起こりうる問題点などを具体的にイメージできます。これにより、導入を検討しているERPパッケージが自社のニーズに合っているかの判断が可能です。

システムの費用や機能などは事前に把握できますが、実際の使い勝手や操作性は試してみるまでわかりません。導入後のミスマッチやトラブルを回避するためにも、無料トライアルを設けているシステムが望ましいと言えます。

ERPパッケージのタイプ・提供形態・カスタマイズ性を解説

ERPパッケージを選ぶ際は、システムのタイプ・提供形態・カスタマイズ性の高さなどのポイントに注目し、自社に合ったものを選びましょう。

ここからは、具体的な製品の特長に関するポイントを3点を取り上げ、それぞれについて詳しく解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

システムのタイプが自社に合っているか

ERPは企業の全体的な業務プロセスを一元管理できるシステムですが、その適用範囲はシステムごとに異なります。ERPシステムの効果を最大化させるためには、システムのタイプが自社に合っているか確認して検討することが重要です。

システムのタイプには、総合型・業務ソフト型・コンポーネント型に加え、アプリケーション型や業界特化型などが存在します。以下に、それぞれのシステムの概要や特徴を解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

統合型ERP

総合型ERPとは、会計・人事・給与などをはじめとする総合的な基幹業務の機能を備えているERPシステムです。総合型ERPは機能性が高いため、価格が高額になる傾向があります。

また、多くの業務範囲をカバーしているため、導入しているシステムが少ない、もしくはシステムの総入れ替えを検討している企業におすすめです。

業務ソフト型ERP

業務ソフト型ERPとは、基幹業務の中でも特定の業務だけを専門的に行うためのシステムです。会計業務・人事管理・労務管理などのシステムがこれに該当します。対応可能な業務範囲が限定されているため、総合型に比べて費用が抑えられるのが特徴です。

業務ソフト型ERPは、導入が必要な業務にだけピンポイントで導入できます。そのため、中小企業における部門単位での業務改善に適していると言えます。

コンポーネント型ERP

コンポーネント型ERPは、複数の業務システムの中から必要なものを組み合わせて使用できるシステムです。1件からでも導入可能なため、将来的な導入範囲の拡張を検討している場合におすすめです。

コンポーネント型ERPは展開されているシステムの種類が広く、業務ソフト型よりも選択肢が豊富であるという特徴があります。業績や業務の状態に応じて必要なシステムを追加できるため、低コストから開始できる点もメリットです。

以上の特徴から、コンポーネント型は初期費用を抑えながら少しずつERPシステムの導入を進めたい小規模な企業に適していると言えます。また、業務規模や業務内容の変動が見込まれる場合にも柔軟に対応できます。

アプリケーション型ERP

アプリケーション型ERPは、システムによって業務効率を改善させるだけでなく、アプリを選択して使用できるタイプのシステムです。システムだけでなく機能のカスタマイズができ、現在の業務プロセスに合わせて導入できます。

自社のニーズにあわせて機能をカスタマイズできるため、特定の領域に特化した独自業務を手がける企業に向いています。

業界特化型ERP

業界特化型ERPは、特定の業界向けに開発され、業界特有の機能やプロセスに焦点を当てたシステムです。業界ごとの固有のニーズや、独自の業務形態に対応できるという特徴があります。

たとえば、製造業向けの業界特化型ERPは、生産管理・品質管理・原価管理などの機能を備えています。また、業務のグローバル化に伴い、多言語に対応できるサービスも展開されています。

業界特化型ERPは、製造業に限らずさまざまな業界向けの商品が多く存在します。自社の業界に合ったものを選ぶことで必要な機能をすぐに使用できるため、導入を急ぐ場合にもおすすめです。

提供形態を確認

ERPシステムの提供形態には、クラウド型・オンプレミスがあります。提供形態によって仕組みや特徴が異なるため、それぞれの概要を把握した上で自社に合ったものを検討しましょう。

ここでは、それぞれの提供形態についてメリット・デメリットを解説します。内容を確認し、適切な形態のシステム導入を目指しましょう。

クラウド型

クラウド型ERPシステムは、クラウドサービスによってERP機能を提供するシステムです。インターネット接続によってWebページにアクセスすることで、どこからでもERPシステムを利用できます。

クラウド型のサービスではベンダー側のサーバーを利用するため、自社のパソコンやサーバーなどへの設備投資が不要です。またソフトウェアの購入なども必要ないため、初期費用を安く抑えられます。

また、クラウド型ERPシステムは導入を決めてから実際の運用を開始するまでの準備期間が短く、迅速に導入を進められるというメリットがあります。

一方で、クラウド型のサービスは動作性インターネットの環境に依存してしまう点がデメリットです。回線接続の不具合や停電などが発生した場合は、業務が停止してしまうリスクがあることも考慮しておきましょう。

オンプレミス型

オンプレミス型ERPシステムとは、企業が所有する自社のサーバー上にERPシステムを構築するタイプのものです。オンプレミス型のシステムは社内のローカル接続によってアクセスを行うため、オフライン環境でも使用できるというメリットがあります。

従来のERPシステムは、オンプレミス型による提供が主流でした。そのため、導入実績も多く、すでに運用しているシステムがある場合は、既存の環境を活かして機能をアップデートできます。

オンプレミス型のシステムは自社が必要とする機能を組み込んだ柔軟性の高さが魅力ですが、一から構築を行うため導入費用が高額です。また、維持管理のコストがかかることや、構築の準備期間が長いこともデメリットと言えます。

カスタマイズ性が高いか

標準的な機能を備えたERPパッケージをそのまま使用することもできますが、企業の業種や規模によってはカスタマイズや追加開発が必要になる場合があります。

例えば、導入後に新たな部門が設立された場合や、業態の変更があった場合などは業務フローが大幅に変動します。カスタマイズによって、既存のデータを活用しつつ自社に合った機能を追加できます。

一般的にERPパッケージは安価で導入までが安易なものの、その分カスタマイズ性があまり高くない製品が多いため、必要機能や特殊な業務が多い場合にはカスタマイズが豊富なERPシステムを検討しましょう。

ERPおすすめ12選(全30選)を徹底比較!選び方や人気システムの特長・価格も紹介

ERPシステムとは、ヒト・モノ・カネといった企業資源を一元管理し、経営活動に活用するためのシステムです。本記事ではERPシステムの選び方とおすすめ12選(全30選)をご紹介します。人気システムの特長や価格も比較して紹介するので、ぜひ参考にしてください。

ERPパッケージの導入方法

ERPパッケージは企業の業務の進め方に大きな変化をもたらすことが多いです。そのため、導入計画をしっかり立てて運用まで進めていくことが大切です。以下で、ERPパッケージの基本的な導入の流れを解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

導入の目的を明確にする

ERPパッケージを導入する前に重要なポイントとして、自社の課題や目的を明確にしましょう。どの機能が必要で、どのような問題を解決したいのかを明確にしておけば、自社に適したERPパッケージを選べます。

目的が明確でない場合、自社が抱えている問題を解決することができない可能性があり、導入効果を十分に得られません。

体制を整備する

目的を明確にしたら、次は推進者とプロジェクト責任者を確定しておくのも導入時の大切なポイントです。導入を進める上で、全体の推進者や各プロジェクトの責任者を明確に定め、ERP導入プロジェクトの体制を整備しましょう。

推進者は経営陣や重要な関係者から構成され、導入の目標や方針を示し、プロジェクトを主導します。プロジェクト責任者には、ERP導入プロジェクトの遂行を担当し、スケジュールや予算の管理、チームの組織や調整を行う役目があります。

業務フローを構築する

業務フローの構築には、現在のシステムやツールの洗い出しと、ERPパッケージ導入後の業務の流れを考えることが含まれます。まずは、現在の管理や作業に使用しているシステムやツールを把握しましょう。

ERPパッケージ導入後にどのような業務の流れが望ましいかを考えます。例えば情報の入力や承認のプロセス、データの収集や分析方法などを検討します。これらの業務フローの構築もシステム導入の重要な要素です。

試験運用開始・マニュアルを作成

業務フローも構築できたら、いよいよ試験運用開始です。試験運用では、考えた業務フローの効果を確認し、本格運用に向けて改善点を見つけます。また、社員がシステムを使いこなせるように、業務フローや操作手順を分かりやすい社内用マニュアルにまとめましょう。

本格的な運用開始がスムーズに進むかどうかは、試験運用が影響します。ERPは多機能であることから、導入直後は混乱する従業員も多いことが想定されます。その混乱を最小限に抑えるために、試験運用は入念に行いましょう。

本格運用

試験運用の結果をもとに改善点を踏まえ、問題がなければ本格運用を開始します。本格運用前に試験運用で発見した課題や問題点を修正し、システムをより効果的に活用できるように運用しましょう。

導入したシステムを活用できなければ導入効果は小さくなり、導入失敗となってしまいます。コストをかけて導入しても活用できなければ意味がないため、問題点は迅速に修正しながらシステムを運用しましょう。

ERPパッケージを導入する際の注意点

ERPパッケージの導入には総合的な判断と慎重な計画が必要になります。自社の抱える課題を整理し、導入体制を整えることが重要です。また、導入後は従業員への研修を行うことでスムーズな運用を目指せます。

ここでは、ERPパッケージの導入において特に重要となる注意点を取り上げ、詳しく解説していきます。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

自社の課題・要件を整理する

ERPパッケージの導入を行う際は、自社の日常タスクを洗い出し、課題を把握しておくことが重要です。業務上の問題点や改善点を整理することによって、必要な機能や導入後の業務フローが明確になり、自社に合ったシステムを選べます。

自社が抱える課題や要件をクリアできないシステムを導入しても得られるメリットは少ないため、慎重に整理しましょう。

人数の増減を考慮する

クラウド型のERPシステムを導入する場合は、人数の増減を考慮してプランを選定しなくてはなりません。システムごとに料金形態は異なりますが、利用人数によって利用料が変動するシステムが多いです。

たとえば、導入時の人数でシステムを導入し、その直後に増員があった場合、特定の人数しかシステムを利用できないといった事態になり、研修をスムーズに進められず、業務の進行にも支障をきたします。

このような事態を避けるためには、人数の変更予定に合わせたシステムやプランを選定するだけでなく、プランや利用人数の変更をこまめに行えるかERPベンダーに確認することも重要です。

費用対効果を確認する

ERPパッケージを導入する際は、費用対効果を十分に確認しておく必要があります。費用対効果とは、投じたコストに対して得られた効果のことです。ERPパッケージは、一度導入したら長期的に運用されるケースが多いため、活用しやすく無理のない選択が求められます。

そのために重要なのが、機能とコストのバランスです。一般的に機能性が豊富なほど、システムでできることは広がりますが、導入コストやランニングコストが高額になります。まずは、自社の予算を明確に把握して、長期的な視点からシステムを選定しましょう。

導入体制を整える

ERPパッケージの導入によって基幹業務が集約されると、経営に関するさまざまな情報が一元化されます。これにより、関係部署の業務体制に大きな変化が生じます。

全社的な業務フローの変更に対応するためには、業務規定の整備やセキュリティポリシーの改定などによって体制を整備しておく必要があります。導入後の運用をスムーズに行うためにも環境の整備を行い、導入による業務負荷を最小限に留めましょう。

既存システムとの連携性を確認する

会計ソフトや人事管理システム・労務管理ツールなど、自社で既に活用しているシステムがある場合は、ERP導入後にこれらの既存システムを置き換えるのか、連携させるのか、予め検討しておく必要があります。

ERPパッケージは、基幹システムを意味する企業の根幹を担うシステムです。導入後にトラブルが発生しないよう、既存システムと連携させたい場合は、事前に連携の可否や連携方法をよく確認した上で、導入を決めましょう。

従業員への研修

ERPパッケージの導入効果を最大限に引き出すためには、従業員にシステムの導入理由やメリットを周知し、理解を得ることが重要です。新しいシステムへの抵抗感を軽減することで、導入をスムーズにする効果が見込めます。

ERPシステムでは企業秘密に該当する情報を多く取り扱うため、従業員に対するセキュリティ研修も必要です。不正アクセスや情報漏洩に関する教育を実施し、各種規定やセキュリティポリシーなども共有しておきましょう。

また、導入したシステムを効果的に使用するためには、従業員への操作教育も必要になります。基本的な操作方法の指導を行うことで導入後の業務効率が向上します。

まとめ

ERPシステムは、財務や人事などの基幹業務を統合化するシステムであり、ERPパッケージは、一般化された既成のシステムで構築されています。カスタマイズ性は低いですが、開発費やコストの削減・業務の効率化などが図れ、導入しやすいシステムです。

しかし、一口にERPパッケージと言っても、導入形態や搭載する機能の違いによってさまざまな種類があります。導入の際には、本記事を参考に自社の業務に最も適合した導入形態や機能を選ぶことが重要です。

タイプ別|ERPシステムおすすめ

製造業におすすめ

おすすめの製造業向けERPシステム3選|メリットや活用方法を解説

ERPシステムとは、生産管理や在庫管理などの業務を一元化できるシステムのことを言います。人材不足など製造業の課題を解決するには、ERPシステムの導入がおすすめです。本記事では、おすすめの製造業向けERPシステムや導入の際の注意点、活用方法などを解説しています。

小売業におすすめ

小売業向けERPおすすめ2選|小売業の課題や導入メリットを解説

小売業界では、消費者ニーズの多様化や、在庫管理・経営処理の複雑さといった課題があり、複数の課題解決の糸口としてERPの導入が注目を浴びています。本記事では、小売業界の課題とERPの機能、導入メリットやポイントを解説し、小売業におすすめのERPを紹介します。

医療業界におすすめ

医療業界向けのおすすめERP2選|導入メリットや選び方も解説

組織全体の資源を一元管理できるERPシステムには、医療業界向けのものもあります。ERP導入によって医療機器の在庫管理を容易にし、異なる診療科間での情報共有もスムーズになります。本記事では、医療業界におすすめのERPやメリット、選び方を解説します。

物流業界におすすめ

おすすめの物流業向けERPシステム2選|物流管理の課題も解説

物流業・物流管理の現場では、作業が非効率的、在庫管理が不透明であることなどの課題を抱えています。そういった課題の解決には、ERPシステムの導入がおすすめです。本記事では、おすすめの物流業向けERPシステムや物流業にERPを導入するメリットを解説しています。

経営業務をさらに効率化!関連サービスはこちら

基幹システム

基幹システムの導入の進め方|導入時の注意点や費用についても解説

基幹システムとは、販売管理や生産管理など、企業経営の核となる業務の効率化が期待できるシステムのことを言います。本記事では、基幹システムの導入を検討している方のために、基幹システムの導入の進め方や導入時の注意点、提供形態ごとの導入費用について解説しています。

ERPとMES(製造現場を中心とした管理システム)の違い

ERPとMESの違いとは|ERPとMESを連携する注意点も解説

経営資源を統合的に管理する統合基幹業務システムのERPと、生産工程を管理する製造現場を中心としたシステムのMESですが、製造業ではどちらも必要なシステムです。本記事では、ERPとMESの違いや、ERPとMESを連携する注意点などを、わかりやすく解説します。

Share

top