ERPの歴史|日本に普及した経緯、ERPの今後についても解説

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  • ERPは、あらゆる業務を一元管理できるシステムとして多くの企業に普及している
  • ERPが誕生したのは1973年だが、日本での普及には時間がかかった
  • ERPは今後、AIやIoT技術の進歩などにより発展が進むと予想されている

ERPは、販売・生産・財務といったあらゆる業務を一元管理できるシステムとして多くの企業に導入されています。最初のERPが登場したのは1973年のことで、現在は日本の企業にも広く普及しています。この記事では、ERPの歴史や今後の発展予想などについて解説します。

目次

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  1. 各業務を効率化するならデータを一元化できるシステムがおすすめ
  2. ERPとは
  3. ERPの歴史
  4. ERPの今後
  5. プロジェクト単位でデータを一元化できるクラウド型ERPシステム
  6. まとめ

各業務を効率化するならデータを一元化できるシステムがおすすめ

業務や部署ごとに複数のシステムを使用していると、各データがバラバラに保管されて、転記・二重入力によるミスの発生や業務遂行に時間がかかってしまう企業は多いと思います。

ZACは、案件ごとに販売・購買・勤怠・工数・経費を一元管理できるクラウド型ERPシステムで、ベンチャーから上場企業まで多くの企業で導入されています。例えば、各データが分散するとプロジェクト収支管理に時間がかかりますが、ZACでは案件に関わるデータを自動的に売上と原価として集計するため、業務効率化に繋がります

また、見積作成や経費申請などの業務処理を行うと、自動的に電子申請やワークフローが構築されたり、承認履歴を保存して証跡を管理できるなどの機能も備わっており、社内統制の強化やIPOを目指す企業にも対応しています。自社内のデータを一元化して、業務の効率化や内部統制の強化を進めるならZACの導入がおすすめです。

株式会社オロ

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ERPとは

ERPとは「Enterprise Resources Planning」の略称で、企業内のヒト・モノ・カネ・情報を一元管理し、適切に分配・活用する考え方です。一般的には、ERPを実現するためのソリューション(ツールやシステム)を指します。

ERPシステムは、企業の各部門で基幹業務を一元管理するためのシステムです。営業・販売・経理・財務・人事といった異なる分野同士のシステムを統合し、事業運営に必要な情報を1つのデータベースに集約します。

ERPと基幹システムの違い

ERPとよく似たものに基幹システムがあります。両者は混同されることも多いですが、カバーできる業務範囲が異なります。

基幹システムとは、企業の主要業務を個別に支援するシステムです。営業・販売・経理・財務・人事などさまざまな種類がありますが、各システムは部門ごとに独立して運用されるのが一般的です。

たとえば営業部門であれば営業専用の基幹システムを運用しており、カバーできる範囲は営業業務のみです。

一方、ERPは、各部門で運用されている基幹システムを一元管理できます。つまり、基幹システムが特定分野のカバーに特化しているのに対し、ERPは社内の全業務をカバーできます。

ERPでは各部門に分散していた情報資源を1つのデータベースに集約できるため、企業の運営状況がリアルタイムで把握できるようになります。これにより、迅速かつ的確な経営判断が可能となり、生産性の向上や市場での競争力の確保が見込めます。

ERPの歴史

ERPは1970年代にドイツで誕生し、最新技術やトレンドを取り入れて進化を続けながら、現在では世界の多くの企業で導入されるまでに至りました。

近年の社内システムの主流ともいえるERPがどのような歴史を辿ってきたのかご紹介します。

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1960〜1970年代|メインフレームの導入

ERPの誕生以前に基幹業務に利用されていたのが「メインフレーム」と呼ばれるコンピュータです。商用メインフレームの起源となった「IBM System/360」の誕生は1964年でした。

メインフレームとは簡潔にいえば「大型コンピューター」のことで、専用のコンピューター室を必要とします。商用メインフレームの大きな特徴は、後からソフトウェアを開発する点です。

メインフレーム誕生前にも商用コンピュータは存在していましたが、ほとんどは利用目的が定まっており、それに特化した特注品として製造するのが通常でした。いわゆるオーダーメイド式で、最初に設定した利用目的以外には利用できない点が課題でした。

この課題への解決策として誕生したのが商用メインフレームである「IBM System/360」です。後からソフトウェアを開発するため、従来のコンピュータのように利用目的が制限されず、汎用性が高い点が画期的でした。

1973年|ERPの誕生

メインフレームは業務の効率化・迅速化に大きく貢献しました。しかし、各部門で独自にソフトウェアが設計されているため、部門間での連携や情報共有がしづらい点が課題でした。

たとえば、販売データと在庫データは緊密な連携が求められますが、それぞれを管理するメインフレーム同士の設計が異なるため、データの自動共有は不可能です。よってデータの共有は、手動でのデータの受け渡し・システムへの転記が必要でした。

こういった不便さを解決するために誕生したのがERPです。世界初のERPは1973年、ドイツのSAP社がリリースした「R/1」でした。基幹システムを統合することでデータベースを集約し、企業の情報資源を一元管理できるようになりました。

ERPの元となった「MRP」

ERPの起源は「MRP(Materials Requirements Planning)」だと言われています。MRPは日本語で言う「資材所要量計画」のことで、製造業における生産管理手法、およびそれを支援するシステムです。

MRPは1960〜70年代にアメリカで広まったもので、徐々に資材調達だけでなく人員や設備の管理、さらには資産管理などにも適用されていきました。そのようにして全社にMRPの機能を拡大しよう、というのがERPの始まりです。

1992年|日本へ上陸

1970年代にドイツで誕生したERPが日本へ上陸したのは1992年です。この年、ERPの生みの親・SAP社の日本法人であるSAPジャパンが設立されました。

この頃、世界では「BPR(Business Process Re-engineering)」という経営コンセプトが主流となっていました。BPRは既存のビジネスモデルを抜本的に改革し、リエンジニアリング(再構築)することで業務の効率化・生産性の向上を目指す考え方です。

ERPはBPRを実現するためのツールとして世界で注目されていました。それは日本も例外ではなく、1990年代に始まった「会計ビックバン」(日本の会計制度を国際標準に近づけるための改革)の後押しもあり、ERPの人気に火がつきました。

しかし、ERPの導入に成功した国内企業は限られていました。というのも、日本には独自の商習慣が根付いており、欧米の商習慣をベースにしたERPでは対応しきれなかったためです。

導入の際は日本企業向けにシステムのカスタマイズが必要であり、これには時間・手間・コストがかさみました。そのため、導入に成功したのはリソースが潤沢な大企業がほとんどでした。

2010年代|国産ERP・クラウドERPのリリース

2010年代に入ると、日本企業向けのERP製品が数多くリリースされるようになりました。日本のベンダーによるERP製品の開発も盛んになります。

従来のように日本企業向けのカスタマイズが不要のため、導入コストも小さく済みます。これにより、大企業だけでなく中小企業でもERPが積極的に導入されるようになりました。

特にクラウド型ERPは、自社内でのインフラ整備等が不要なことから比較的導入のハードルが低く、クラウド型のERPソリューションが増加したことも国内企業でのERP導入を後押ししました。

クラウド型ERPの3つの種類

クラウド型とは、一般的にベンダーがクラウド上に構築したシステムにインターネットを介してアクセスし、利用するサービス形態を指します。

これはサーバーやストレージ、ネットワーク回線などを不特定多数のユーザーで共有する「パブリッククラウド」という形態で、「SaaS(Software as a Service)」とも呼ばれます。

ただし、クラウド型には「プライベートクラウド」と呼ばれるものもあります。ハードウェアやソフトウェアを自社のみで占有してクラウド環境を構築する形態で、カスタマイズ性やセキュリティ性に長けています。

また、機能によって従来のオンプレミス型とクラウド型を使い分ける「ハイブリッドクラウド」という形態もあります。ERPは企業内のあらゆるデータを統合する大規模なシステムであるため、それぞれの企業のニーズに合わせてクラウド型の各形態が選ばれています。

ERPの今後

ERPは最新の技術やビジネス市場のニーズの変化に柔軟に対応しながら、現在も進化を続けています。新しいIT技術やポストモダンERPの誕生を背景に、ERPはビジネスにおいて今後ますます重要な意味を果たすようになるでしょう。

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技術進歩による発展

現代はAIやIoT技術などがめざましい進歩を見せており、これらの最新技術を採用したERP製品も増えつつあります。

たとえば、従来のERPの基本的な役割は社内の情報資源の蓄積であり、集まったデータをどう活かすかは人の手に委ねられました。

ここにAI技術を取り入れることで、ERPに蓄積された情報の自動集計・分析が可能になるだけでなく、最適な経営判断を下すためのアドバイスも提案してくれたりと、データ活用の幅が広がります。

日々進化するIT技術を積極的に採用することで、ERPの活躍の場は今後ますます広がると予測されています。

「ポストモダンERP」による最適化

ポストモダンERPとは次世代型のERPです。ERP化を企業のコア業務にのみ絞り、不足する機能は他システムやSaaS型を含めたアプリケーションでカバーするのが特徴です。

従来のERPは1つのシステムで全ての社内業務をカバーするものです。業務の効率化や標準化が期待できますが、システムの規模が大きいため導入や運用・保守には莫大なコストがかかります。

また、最初に頑丈なシステムを構築するため、その時々の技術やトレンドを取り入れられない点も課題でした。数十年前に導入したシステムをそのまま使い続けることも多く、これが業務の非効率化や生産性の低下を招きます。

一方、ポストモダンERPは複数のシステム・アプリケーションで構成されるのが特徴的です。ERPシステム自体は縮小化できるため、従来のERPに比べて導入や運用保守コストも抑えられます。

また、ERP以外のシステムやアプリケーションは、導入対象の業務にあわせて最適な製品を選択できる点もメリットです。従来のERPの課題を解決し、ERPの最適化を図るための手法として注目されています。

ポストモダンERPとは?従来のERPとの違いやメリットを解説

ポストモダンERPとは、ERPの機能をコア業務に絞り、その他の不足する機能を最適なクラウドサービスで補完するERPのことです。本記事では、ポストモダンERPと従来のERPの違い、ポストモダンERPを実現させるためのポイントなどを解説しています。

「SAP2025年問題」への対応が迫られている

「SAP 2025年問題」とは、SAP社提供の保守サービスが2025年で終了することを指す言葉です。SAP社の保守サービスは日本国内でも高いシェア率があり、提供終了後はシステム障害やトラブルが頻発すると予測されています。

その対策の1つとして注目されているのが、ERPシステムだけに依存しない「ポストモダンERP化」です。

併せて、保守サービスの在り方についても見直しが進み、現在注目されているのが「第三者保守」です。第三者の外部業者に保守を依頼することで、保守サポートの期限が切れても継続的にサービスを利用できます。

このように、「SAP 2025年問題」を背景として、SAP社のERP製品を導入している国内企業には、ERPの在り方・保守サービスの在り方の見直しが迫られています。

なお、SAP社の保守サービスの終了予定は2027年まで延長されており、「SAP 2025年問題」は現在「SAP 2027年問題」となっています。

2025年の崖とは

2025年の崖」との関係も密接

現代ではあらゆる産業においてDX推進が図られていますが、DX化が遅れた場合に生じると予測されている経済損失のことを「2025年の崖」と呼びます。2025年以降、DX化の遅れによる経済損失は最大で12兆円にもなると予測され、DXの推進が急がれます。

経済産業省が公表しているDXレポートには2030年までのDX化が実現したシナリオと、遅れた場合のシナリオが記載されており、デジタル化の重要性が見て取れます。

SAP 2025年(2027年)問題の解決はDX推進にも貢献するため、2025年の崖との関係は密接と言えるでしょう。

参考:DXレポート〜ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開〜(サマリー)|経済産業省

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まとめ

ERPは企業運営に必要な情報資源の統合・有効活用を実現するためのシステムです。日本には1990年代に上陸したものの、日本と欧米の商習慣の違いなどから当初はなかなか導入が進みませんでした。

国内でのERPの本格的な普及が始まったのは、日本企業向けERPが誕生した2010年代以降です。そして現在、国内企業の多くはSAP社の保守サービス終了に伴う「SAP 2025(2027)年問題」に直面しており、ERPの在り方の見直しを迫られています。

「SAP 2025(2027)年問題」の解決策として注目されているのが、ERPを他アプリケーションで補完するポストモダンERPです。保守サービスの見直しなども視野に入れながら、自社にとって最適なERP化を進めましょう。

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