小売業向けERPおすすめ2選|小売業の課題や導入メリットを解説

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  • ERPの導入で在庫管理や販売管理などを一元管理し、複雑な小売業の課題解決が可能
  • ERPの活用により、手作業による入力ミスなどを防ぎ、小売業の業務が効率化できる
  • 自社のニーズに適したERPを導入すると、小売業界における経営の判断を的確に行える

小売業界では、消費者ニーズの多様化や、在庫管理・経営処理の複雑さといった課題があり、複数の課題解決の糸口としてERPの導入が注目を浴びています。本記事では、小売業界の課題とERPの機能、導入メリットやポイントを解説し、小売業におすすめのERPを紹介します。

目次

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  1. ERPシステムの始め方
  2. 小売業向けおすすめのERPシステム2選
  3. 小売業におけるERPとは
  4. ERPシステムの選び方
  5. 小売業界にERPを導入する際の注意点
  6. タイプ別|ERPシステムおすすめ
  7. 経営業務をさらに効率化!関連サービスはこちら

ERPシステムの始め方

ERPシステムの導入担当者の方にとって、最適なERPシステムを判断するのは容易ではありません。ERPシステムは経営・業務管理などの企業運営において極めて重要であり、正確かつ各企業に合ったものを選ぶことが求められます。

ERPシステムの多くは資料請求をすることで、運用を開始できます。これは公式サイトから検討した場合も同様です。本サイトでは複数のサービスをまとめて比較・資料請求することができます。資料請求は無料なので、複数の製品を比較して自社に最適なERPシステムを選びましょう。

小売業向けおすすめのERPシステム2選

株式会社日立システムズ

Infor SyteLine

株式会社日立システムズ

Infor SyteLine

多言語対応◎プロジェクトや計画管理を行いたい方におすすめ

GOOD
ここがおすすめ!

  • 英語だけでなく中国語や日本語をはじめ約20か国語に対応
  • 全世界6,000拠点以上の実績がありグローバルな業界業種にも扱いやすい

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ここが少し気になる…

  • 中堅かつ組立製造業向けのシステムのため、それ以外の企業の場合扱いにくさがある可能性も

株式会社ビジネス・アソシエイツ

Plaza-i

株式会社ビジネス・アソシエイツ

Plaza-i

中堅企業向け◎貿易・流通・物販をはじめマルチにおすすめ

GOOD
ここがおすすめ!

  • 英語にも対応しており、貿易からIT・家具といったさまざまな業種に導入しやすい
  • 「オールインワンERPパッケージ」で時間もコストも無駄なくスピーディーに完結

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ここが少し気になる…

  • 検索の精度が低く、日本語での検索がうまくヒットしない場合がある

小売業におけるERPとは

ERPは「Enterprise Resource Planning」の略で、日本語では「企業資源計画」と訳されます。小売業におけるERPとは、販売管理・在庫管理・人事管理・会計管理・顧客管理など、小売業において重要な基幹業務を統合的に管理するシステムです。

一般的に、基幹システムとは、企業の主要業務を支えるシステムのことで、会計や人事・生産・販売などの業務を効率化するために導入されます。基幹システムは、業務ごとにシステムが独立しているため、データのやり取りをする際にはシステム同士の連携が必要です。

一方、ERPは基幹業務を一元管理し、企業全体のデータの一元管理とリアルタイムで強力なデータ連携を実現するシステムとなります。ERPにより基幹システムを統合することで、業務の効率化・コスト削減・経営管理の高度化などの効果が期待できるでしょう。

小売業界の課題

小売業界の課題としては、消費者ニーズの多様化や配送スピード、在庫管理などが挙げられます。ここでは、小売業界の課題について詳しく解説します。

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消費者ニーズの多様化

小売業界の消費者ニーズや価値観は、少子高齢化やライフスタイルの多様化により、大きく変化してきています。また、インターネットやスマートフォンの普及などデジタル化の進展によって、消費者はいつでもどこでも情報を入手できるようになりました。

その情報から、場所を問わずに購買行動を起こせるようになったことも、消費者ニーズが多様化している背景とされています。そして、海外からの商品や情報の流入によって、消費者の選択肢が広がったことも多様化の背景の1つです。

配送スピード・在庫管理

小売業において、配送スピードや在庫管理は顧客満足度を左右する重要な要素です。しかし、消費者ニーズの多様化や市場競争の激化が進むにつれて、これらの課題はますます重要性を増しています。

消費者はインターネットの普及により、いつでもどこでも欲しいものをすぐに購入できるようになりました。そのため、小売企業は消費者の期待に応えられるように、配送スピードの向上も意識しなければなりません。

配送スピードの向上には、物流拠点の再編や配送ルートの最適化、ラストワンマイルの効率化や自動化、ロボット化の導入などの取り組みが必要です。また、在庫管理や配送スピードの課題解決には、コストの増加や人材不足などの課題も挙げられるでしょう。

経理処理の複雑さ

小売業における経理処理の複雑さは、商品の販売先が多種多様にあること、販売先によって支払いまでのサイクルが異なることの2つの理由によって生まれます。さらに、実店舗・ECサイト・卸売業者・メーカーなど、販売先によって決済方法や支払い条件も異なります。

例えば、ECサイトではクレジットカードやコンビニ払い、実店舗では現金や電子マネーなど、販売先ごとに処理方法も違うため、どうしても経理処理が複雑になりがちです。また、販売先によって、支払いまでのサイクルも異なります。

実店舗では商品の販売当日に決済されることが多いため、経理処理は比較的単純ですが、ECサイトでは、数日~数週間後に決済が完了する場合があります。また、掛売りの場合は、数ヶ月~数年後に支払いが行われることもあるため、複雑化しやすいと言えます。

小売業界にERPを導入するメリット

小売業界の課題を解決するため、ERPを導入するといくつかのメリットを得ることができます。例えば、情報を一元管理できる点や業務を効率化できる点などが挙げられます。以下で、詳しい内容を解説します。

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情報を一元管理できる

ERPシステムを導入すれば、導入以前は各業務ごとにバラバラに存在していた情報を1つのシステムで一元的に管理できます。売上データ・在庫情報・人事データなど、業務ごとに分散していた情報が一元化され、簡単に共有可能です。

情報の重複や不整合を避けられ、例えば在庫が減ったら自動的に発注が行われる仕組みの構築や、営業部門が顧客情報を入力すると他の部門でもその情報が利用できるなど、業務連携も進みます。

業務の効率化ができる

ERPシステムによって、企業内の複数の業務を1つのシステムで統合的に管理することができます。各業務が別々のシステムを使用していた場合、データのやり取りや共有が煩雑になるデメリットが大きいです。

しかし、ERPシステムでは各業務の情報が1つのデータベースに集約されており、データの引き渡しがスムーズです。例として、販売部門が受注情報を入力すると、生産部門はそれを自動的に受け取り、生産計画を迅速に立てられます。

経営状況をリアルタイムで把握・可視化できる

ERPシステムで業務横断的にデータを集約するメリットとして、企業の売上・営業状況などの重要な情報をリアルタイムで把握できる点も挙げられます。各部門の情報について部門の担当者に確認する手間が省け、経営判断がスムーズになります。

経営者にとっては、迅速な意思決定に役立つのが経営状況の可視化です。各部門の状況をリアルタイムで把握できれば、企業全体としての方針の打ち出し、また、各部門での必要な対応も即座に指示できます。

人的ミスや属人化を防止できる

ERPシステムによってあらゆるデータを連携させることで、データ入力の手間が削減され、入力の際に発生する人的ミスを防止できます。1度のデータ入力で、そのデータの共有が必要な他の箇所にも自動で反映されます。

また、業務を統合的に管理できる仕組みを構築できるため、業務の標準化が進みます。自動化が促進されることも相まって、業務の属人化を防止できるでしょう。

内部統制を強化できる

データの一元管理は内部統制の強化にもつながります。受注から販売までのデータ入力処理や利益・コストなどの一元管理により、不正行為やデータの改ざん・架空処理などの抑制・予防が可能です。

ERPシステムは各プロセスのデータをリアルタイムで正確に記録しているため、データの一貫性を保つための厳密な制御を行っています。

小売業界にERPを導入するデメリット

ERPシステムの導入にはデメリットもあります。運用コストやシステム選定の難しさなどのデメリットについて、詳細に解説します。

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コストがかかる

ERPシステムの導入や運用にはコストがかかります。導入時の費用は、システムのカスタマイズ・データ移行など影響します。また、運用コストにはライセンス料・ハードウェアの保守費用などが含まれます。

コストを抑える方法には、クラウド型やオープンソース型のERPシステムを選ぶか、オンプレミス型を選ぶ場合はベンダーとの交渉が挙げられます。また、コンポーネント型を選ぶなどして不必要な機能の導入を避けるのもコスト削減につながります。

システムの選定が難しい

ERPシステムの製品数は非常に多く、それぞれが機能や使い方が異なります。市場では数百以上のERP製品が存在し、大手ベンダーから中小規模のベンダーの製品までさまざまあるため、自社に合ったシステムを選ぶのは難しいです。

そのため、製品の特徴・価格・導入事例などを慎重に比較検討する必要があります。また、自社の業種や規模に合わせて機能の適切な組み合わせを考えるのも重要です。専門知識が必要なため、ERPコンサルタントやベンダーサポートの活用も視野に入れましょう。

導入に手間がかかる

ERPシステムを選定した後も、導入には手間がかかります。既存の基幹システムとの連携や業務フローの見直しなどさまざまな準備が必要です。

また、ERPシステムは幅広い業務に関わるため、全従業員を対象とした研修と部署ごとの研修の両方が必要です。ERPの導入目的に関してや、勤怠管理・経費管理など部署を問わず多くの従業員が使用することが想定される機能に関しては、全社的な研修を行わなければなりません。

生産管理や輸出入管理などの特定の部署が担当している分野は、該当部署のみの研修で十分ですが、研修漏れや不要な研修の実施は業務の進捗に影響するため、慎重に研修計画を練り、ERPシステムの定着を促しましょう。

小売業向けERPの主な機能

小売業向けのERPの主な機能としては、在庫管理機能・販売管理機能・購買・受発注管理機能・会計管理機能などが挙げられます。それぞれの機能について、以下で詳しく解説します。

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在庫管理機能

ERPの在庫管理機能では、データの統合と一元管理が可能です。商品情報や在庫状況、入出庫履歴などのデータを一元的に管理することができます。このような機能により、リアルタイムで最新の在庫情報を把握し、適切な在庫管理を行えます。

また、入出庫や棚卸などの業務を自動化することで、業務の効率化を実現することも可能です。例えば、AIや機械学習などの技術を活用すれば、需要予測の精度を高めて過剰在庫や欠品のリスクを低減できます。

さらに、ERPには、在庫情報から売上予測や在庫回転率などの経営指標を分析できる機能もあります。このような分析機能を活用することで、経営判断の精度を高め、収益性や利益率の向上に繋げられるでしょう。

販売管理機能

販売管理機能は、商品の販売に関する業務を統合的に管理する機能です。具体的には、見積もり・受注・発注・出荷・請求・入金などの業務を管理します。販売管理機能の活用により、業務の効率化やコストの削減が実現できます。

販売に関する業務を自動化することで、業務の効率化とコスト削減に繋がります。例えば、見積もりや受注の業務を自動化すれば、手作業による入力や確認のミスを防げるでしょう。また、在庫状況や情報をリアルタイムで確認でき、発注や出荷のミスも軽減できます。

さらに、顧客の情報を管理することで、顧客満足度の向上にも期待できるのもメリットです。顧客の購入履歴や好みなどの情報を管理すると、パーソナライズされたサービスや情報提供を行えるようになります。

購買・受発注管理機能

購買・受発注管理機能は、商品の調達に関する業務を統合的に管理する機能です。具体的には、仕入先・発注・検収・支払などの業務を管理します。購買や受発注の管理をERPを使って行うことで、業務の効率化を図れるでしょう。

また、購買や受発注の業務を自動化することで、業務の効率化とコスト削減を実現します。例えば、仕入先の管理を自動化すれば、手作業による入力ミスや漏れを防ぐことが可能です。発注や支払いなどの業務を自動化すれば、人件費や処理コストも削減できます。

会計管理機能

会計管理機能は企業の財務状況を把握し、経営判断を支援する機能です。具体的には、財務諸表の作成・仕訳入力・税務申告・決算処理などの業務を管理します。会計管理機能は、業務効率化だけでなく、経営判断の支援や内部統制の強化にも役立つでしょう。

会計管理機能は企業において欠かせない機能であり、業務の効率化とコスト削減、新たな経営判断や経営管理の高度化、内部統制の強化に貢献します。

ERPシステムの選び方

ここからは実際にERPシステムを導入するにあたり、どのように製品を選んだらいいのか、選び方のポイントについて解説していきます。

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費用と予算が見合っているか

デメリットでも述べたように、ERPシステムの導入は企業にとって大きな投資になることが多いです。そのため、費用はシステムの選定においても重要なポイントとなります。

ERPシステムにかかる費用は、種類によっても大きく異なります。本記事でも解説した各種類の特徴を参考に、自社で用意できる予算に見合ったシステムを選びましょう。なお、費用対効果を見極めるためには、以下で解説するポイントが参考になります。

業種・業態と合っているか

社の業種や業態に適した機能が備わっているかも確認しましょう。例えば、製造業では生産管理や在庫管理が重要な機能で、小売業では販売管理やPOS連携の必要性も考えられます。

自社で行われている各業務に合わせて、ERPシステムに求める機能を整理・リストアップしておくと選びやすいです。自社が必要とする機能が製品に含まれているか、または拡張機能として利用できるかをチェックしましょう

業界固有の要件や規制に対応しているかも大切で、各業界に特化したERPシステムもあるため、選択肢に入れておきましょう。

不必要な機能も確認

必要とする機能だけでなく、余計な機能を持たないように選ぶことも重要です。不必要な機能を持つシステムを導入すると、システムを持て余してしまい、結果的に余計なコストが発生します。

また、不必要な機能によってシステムが複雑になり、効果的に活用できないリスクもあります。コストを抑え、誰でも使いやすいようにするためには必要最低限の機能を備えていることが重要です。

ただし、将来的に業務が変化したり事業が成長したりする可能性が高い場合には、システムが柔軟に対応できることが望ましいです。必要に応じて追加機能を導入できるシステムを選べば、無駄なコストを抑えられます。

使いやすさを確認

操作性も重要なポイントです。ERP上では多くの業務・データを扱うため、社員全体が使いやすい操作性かどうかを確認する必要があります。感的なインターフェースやシンプルな操作ができるERPが望ましいです。

複雑でわかりづらい操作性の場合、作方法を覚えるのに時間がかかったり、ミスも多くなったりするリスクがあります。システムを選ぶ際には、各製品のデモやトライアルを通じて実際に操作してから評価しましょう。

社員全体が使いやすいと感じるシステムを選べば、短期間でシステムに慣れ、効果的に活用できます。操作性は導入後の生産性にも大きく影響を与えるので、しっかり見極めましょう。

サポート・セキュリティを確認

サポートとセキュリティに着目して選ぶのも大切です。ERPシステムを提供するベンダーのサービスには、問題や疑問点に対応するサポートが含まれています。サポート内容や対応時間帯を確認し、トラブルが発生した際に迅速な対応が期待できるかを確認しましょう。

ERPシステムは企業の重要な情報を管理するため、セキュリティ対策も見逃せないポイントです。提供元がセキュリティについてしっかりと取り組んでいるかを確認し、情報漏えいや不正アクセスなどのリスクを最小限に抑えるようにします。

チェックポイントとしては、アクセス制限・データの暗号化・定期的なセキュリティパッチの適用などが行われているかなどが挙げられます。

導入実績を確認

ERPシステムを選ぶ際は、導入実績も確認しましょう。導入実績がないシステムでも、自社に適していれば導入すべきです。しかし、開発されたばかりで導入実績の少ないシステムは参考にできる情報が少ないため、より慎重に検討しなければなりません。

導入実績が豊富であれば、どのような課題を解決できるのかなど、自社が導入した際の効果などが具体的に見えてきます。自社と同じ業種の企業や競合他社の導入実績があれば、自社でも十分な効果が見込めます

無料トライアルの有無を確認

無料トライアルを活用することで、導入後のスキームや起こりうる問題点などを具体的にイメージできます。これにより、導入を検討しているERPシステムが自社のニーズに合っているかの判断が可能です。

システムの費用や機能などは事前に把握できますが、実際の使い勝手や操作性は試してみるまでわかりません。導入後のミスマッチやトラブルを回避するためにも、無料トライアルを設けているシステムが望ましいと言えます。

ERPシステムのタイプ・提供形態・カスタマイズ性を解説

ERPシステムを選ぶ際は、システムのタイプ・提供形態・カスタマイズ性の高さなどのポイントに注目し、自社に合ったものを選びましょう。

ここからは、具体的な製品の特長に関するポイントを3点を取り上げ、それぞれについて詳しく解説します。

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システムのタイプが自社に合っているか

ERPは企業の全体的な業務プロセスを一元管理できるシステムですが、その適用範囲はシステムごとに異なります。ERPシステムの効果を最大化させるためには、システムのタイプが自社に合っているか確認して検討することが重要です。

システムのタイプには、総合型・業務ソフト型・コンポーネント型に加え、アプリケーション型や業界特化型などが存在します。以下に、それぞれのシステムの概要や特徴を解説します。

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統合型ERP

総合型ERPとは、会計・人事・給与などをはじめとする総合的な基幹業務の機能を備えているERPシステムです。総合型ERPは機能性が高いため、価格が高額になる傾向があります。

また、多くの業務範囲をカバーしているため、導入しているシステムが少ない、もしくはシステムの総入れ替えを検討している企業におすすめです。

業務ソフト型ERP

業務ソフト型ERPとは、基幹業務の中でも特定の業務だけを専門的に行うためのシステムです。会計業務・人事管理・労務管理などのシステムがこれに該当します。対応可能な業務範囲が限定されているため、総合型に比べて費用が抑えられるのが特徴です。

業務ソフト型ERPは、導入が必要な業務にだけピンポイントで導入できます。そのため、中小企業における部門単位での業務改善に適していると言えます。

コンポーネント型ERP

コンポーネント型ERPは、複数の業務システムの中から必要なものを組み合わせて使用できるシステムです。1件からでも導入可能なため、将来的な導入範囲の拡張を検討している場合におすすめです。

コンポーネント型ERPは展開されているシステムの種類が広く、業務ソフト型よりも選択肢が豊富であるという特徴があります。業績や業務の状態に応じて必要なシステムを追加できるため、低コストから開始できる点もメリットです。

以上の特徴から、コンポーネント型は初期費用を抑えながら少しずつERPシステムの導入を進めたい小規模な企業に適していると言えます。また、業務規模や業務内容の変動が見込まれる場合にも柔軟に対応できます。

アプリケーション型ERP

アプリケーション型ERPは、システムによって業務効率を改善させるだけでなく、アプリを選択して使用できるタイプのシステムです。システムだけでなく機能のカスタマイズができ、現在の業務プロセスに合わせて導入できます。

自社のニーズにあわせて機能をカスタマイズできるため、特定の領域に特化した独自業務を手がける企業に向いています。

業界特化型ERP

業界特化型ERPは、特定の業界向けに開発され、業界特有の機能やプロセスに焦点を当てたシステムです。業界ごとの固有のニーズや、独自の業務形態に対応できるという特徴があります。

たとえば、製造業向けの業界特化型ERPは、生産管理・品質管理・原価管理などの機能を備えています。また、業務のグローバル化に伴い、多言語に対応できるサービスも展開されています。

業界特化型ERPは、製造業に限らずさまざまな業界向けの商品が多く存在します。自社の業界に合ったものを選ぶことで必要な機能をすぐに使用できるため、導入を急ぐ場合にもおすすめです。

提供形態を確認

ERPシステムの提供形態には、クラウド型・オンプレミスがあります。提供形態によって仕組みや特徴が異なるため、それぞれの概要を把握した上で自社に合ったものを検討しましょう。

ここでは、それぞれの提供形態についてメリット・デメリットを解説します。内容を確認し、適切な形態のシステム導入を目指しましょう。

クラウド型

クラウド型ERPシステムは、クラウドサービスによってERP機能を提供するシステムです。インターネット接続によってWebページにアクセスすることで、どこからでもERPシステムを利用できます。

クラウド型のサービスではベンダー側のサーバーを利用するため、自社のパソコンやサーバーなどへの設備投資が不要です。またソフトウェアの購入なども必要ないため、初期費用を安く抑えられます。

また、クラウド型ERPシステムは導入を決めてから実際の運用を開始するまでの準備期間が短く、迅速に導入を進められるというメリットがあります。

一方で、クラウド型のサービスは動作性インターネットの環境に依存してしまう点がデメリットです。回線接続の不具合や停電などが発生した場合は、業務が停止してしまうリスクがあることも考慮しておきましょう。

オンプレミス型

オンプレミス型ERPシステムとは、企業が所有する自社のサーバー上にERPシステムを構築するタイプのものです。オンプレミス型のシステムは社内のローカル接続によってアクセスを行うため、オフライン環境でも使用できるというメリットがあります。

従来のERPシステムは、オンプレミス型による提供が主流でした。そのため、導入実績も多く、すでに運用しているシステムがある場合は、既存の環境を活かして機能をアップデートできます。

オンプレミス型のシステムは自社が必要とする機能を組み込んだ柔軟性の高さが魅力ですが、一から構築を行うため導入費用が高額です。また、維持管理のコストがかかることや、構築の準備期間が長いこともデメリットと言えます。

カスタマイズ性が高いか

標準的な機能を備えたERPシステムをそのまま使用することもできますが、企業の業種や規模によってはカスタマイズや追加開発が必要になる場合があります。

例えば、導入後に新たな部門が設立された場合や、業態の変更があった場合などは業務フローが大幅に変動します。カスタマイズによって、既存のデータを活用しつつ自社に合った機能を追加できます。

カスタマイズ性が高いERPシステムを選ぶことで、必要な機能を柔軟に選択することが可能です。また、使用していない余分な機能の見直しにより、動作性を高める効果も期待できます。

ERPシステムの導入方法

小売業界でERPの導入を検討する際には、いくつかのポイントを確認しておく必要があります。ここでは、小売業界にERPを導入する際のポイントを詳しく解説します。

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導入の目的を明確にする

ERPシステムを導入する前に重要なポイントとして、自社の課題や目的を明確にしましょう。どの機能が必要で、どのような問題を解決したいのかを明確にしておけば、自社に適したERPシステムを選べます。

目的が明確でない場合、自社が抱えている問題を解決することができない可能性があり、導入効果を十分に得られません。

体制を整備する

目的を明確にしたら、次は推進者とプロジェクト責任者を確定しておくのも導入時の大切なポイントです。導入を進める上で、全体の推進者や各プロジェクトの責任者を明確に定め、ERP導入プロジェクトの体制を整備しましょう。

推進者は経営陣や重要な関係者から構成され、導入の目標や方針を示し、プロジェクトを主導します。プロジェクト責任者には、ERP導入プロジェクトの遂行を担当し、スケジュールや予算の管理、チームの組織や調整を行う役目があります。

業務フローを構築する

業務フローの構築には、現在のシステムやツールの洗い出しと、ERPシステム導入後の業務の流れを考えることが含まれます。まずは、現在の管理や作業に使用しているシステムやツールを把握しましょう。

ERPシステム導入後にどのような業務の流れが望ましいかを考えます。例えば情報の入力や承認のプロセス、データの収集や分析方法などを検討します。これらの業務フローの構築もシステム導入の重要な要素です。

試験運用開始・マニュアルを作成

業務フローも構築できたら、いよいよ試験運用開始です。試験運用では、考えた業務フローの効果を確認し、本格運用に向けて改善点を見つけます。また、社員がシステムを使いこなせるように、業務フローや操作手順を分かりやすい社内用マニュアルにまとめましょう。

本格的な運用開始がスムーズに進むかどうかは、試験運用が影響します。ERPは多機能であることから、導入直後は混乱する従業員も多いことが想定されます。その混乱を最小限に抑えるために、試験運用は入念に行いましょう。

本格運用

試験運用の結果をもとに改善点を踏まえ、問題がなければ本格運用を開始します。本格運用前に試験運用で発見した課題や問題点を修正し、システムをより効果的に活用できるように運用しましょう。

導入したシステムを活用できなければ導入効果は小さくなり、導入失敗となってしまいます。コストをかけて導入しても活用できなければ意味がないため、問題点は迅速に修正しながらシステムを運用しましょう。

小売業界にERPを導入する際の注意点

小売業界にERPを導入する際は、自社に合った製品を選択するだけでなく、以下のような点もチェックしておきましょう。ここでは、小売業界がERPを効果的に導入・運用していくにあたって知っておきたい注意点を解説します。

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自社の課題・要件を整理する

ERPシステムの導入を行う際は、自社の日常タスクを洗い出し、課題を把握しておくことが重要です。業務上の問題点や改善点を整理することによって、必要な機能や導入後の業務フローが明確になり、自社に合ったシステムを選べます。

自社が抱える課題や要件をクリアできないシステムを導入しても得られるメリットは少ないため、慎重に整理しましょう。

人数の増減を考慮する

クラウド型のERPシステムを導入する場合は、人数の増減を考慮してプランを選定しなくてはなりません。システムごとに料金形態は異なりますが、利用人数によって利用料が変動するシステムが多いです。

たとえば、導入時の人数でシステムを導入し、その直後に増員があった場合、特定の人数しかシステムを利用できないといった事態になり、研修をスムーズに進められず、業務の進行にも支障をきたします。

このような事態を避けるためには、人数の変更予定に合わせたシステムやプランを選定するだけでなく、プランや利用人数の変更をこまめに行えるかERPベンダーに確認することも重要です。

費用対効果を確認する

ERPシステムを導入する際は、費用対効果を十分に確認しておく必要があります。費用対効果とは、投じたコストに対して得られた効果のことです。ERPシステムは、一度導入したら長期的に運用されるケースが多いため、活用しやすく無理のない選択が求められます。

そのために重要なのが、機能とコストのバランスです。一般的に機能性が豊富なほど、システムでできることは広がりますが、導入コストやランニングコストが高額になります。まずは、自社の予算を明確に把握して、長期的な視点からシステムを選定しましょう。

導入体制を整える

ERPシステムの導入によって基幹業務が集約されると、経営に関するさまざまな情報が一元化されます。これにより、関係部署の業務体制に大きな変化が生じます。

全社的な業務フローの変更に対応するためには、業務規定の整備やセキュリティポリシーの改定などによって体制を整備しておく必要があります。導入後の運用をスムーズに行うためにも環境の整備を行い、導入による業務負荷を最小限に留めましょう。

既存システムとの連携性を確認する

会計ソフトや人事管理システム・労務管理ツールなど、自社で既に活用しているシステムがある場合は、ERP導入後にこれらの既存システムを置き換えるのか、連携させるのか、予め検討しておく必要があります。

ERPシステムは、基幹システムを意味する企業の根幹を担うシステムです。導入後にトラブルが発生しないよう、既存システムと連携させたい場合は、事前に連携の可否や連携方法をよく確認した上で、導入を決めましょう。

従業員への研修

ERPシステムの導入効果を最大限に引き出すためには、従業員にシステムの導入理由やメリットを周知し、理解を得ることが重要です。新しいシステムへの抵抗感を軽減することで、導入をスムーズにする効果が見込めます。

ERPシステムでは企業秘密に該当する情報を多く取り扱うため、従業員に対するセキュリティ研修も必要です。不正アクセスや情報漏洩に関する教育を実施し、各種規定やセキュリティポリシーなども共有しておきましょう。

また、導入したシステムを効果的に使用するためには、従業員への操作教育も必要になります。基本的な操作方法の指導を行うことで導入後の業務効率が向上します。

まとめ

小売業におけるERPとは、販売管理・在庫管理・人事管理・会計管理・顧客管理など、重要な基幹業務を統合的に管理するシステムのことです。小売業界では多くの課題がありますが、ERPを導入することによって解決できるものが多くあります。

ただし、小売業向けのERPと言ってもさまざまな種類があるため、機能面やコストなどを確認しながら、自社に合ったものを選ぶことが重要です。システム選びに迷った際には、ぜひ本記事の内容を参考にしながら、最適なシステムの導入を検討しましょう。

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