電話会議システムとは?機能やメリット、導入の比較ポイントを解説

Check!

  • 電話会議システムとは、3人以上で電話回線をつなげて通話・会議ができるシステム
  • 手軽に会議システムを設置することができ、規模に関わらず素早く利用可能なのが特徴
  • 有料か無料か、音声の品質や詳しい料金体系なども事前に把握しておくことが重要である

電話会議システムとは、主に電話回線を利用して拠点間をつなぎ、複数の参加者による音声ベースの会議を実施するためのシステムです。本記事では、電話会議システムの主な機能とやり方、メリット・デメリット、導入時に必要な準備や比較のポイントなどについて詳しく解説します。

目次

開く

閉じる

  1. 電話会議システムとは
  2. 電話会議システムの主な機能
  3. 電話会議システムのメリット
  4. 電話会議システムのデメリット
  5. 電話会議システムの導入に必要な準備
  6. 電話会議システムを選ぶ際の比較ポイント
  7. 電話会議システムを導入する際の注意点
  8. まとめ

電話会議システムとは

現代では、インターネット回線を利用したWeb会議が主流となっていますが、電話回線を使う電話会議も人気の会議手段です。電話会議が行える電話会議システムは、電話回線があれば、たとえインターネット回線がない場所でも遠隔で会議ができます

また、3人以上の複数人で同時に会話が可能であり、メールやチャットを使うより効率的に会話ができるため、多くの企業で取り入れられています。

裁判所でも利用される「電話会議」とは

電話会議は、離れた場所にいる複数人の相手と会話ができる、電話を使用した会議です。Web会議がインターネット回線を使用して、参加者の顔や資料を見ながら行うのに対し、電話会議は電話回線による音声のみで会議を行います。

電話会議は企業で利用されているだけでなく、裁判所や各国の首脳会議でも採用されています。導入にかかるコストが安く、インターネット回線よりも通信が安定しており、手軽に取り入れられることから需要が高いです。

しかし、音声のみの会議であるため、参加者の顔や資料が見えない不便さがあります。また、電話回線を利用することにより、電話の通話料金がかかってしまう点もデメリットです。

特に、海外支社との通話で通話料金がかさむ場合は、資料をあらかじめ共有しておくなどの対策を講じ、短時間の利用に留めるなどの工夫が必要です。

電話会議のやり方

電話会議のやり方には、専用機器を使う場合とアクセスポイントを経由する方法があります。以下では、それぞれの特徴を解説します。

専用機器を使う場合

家電量販店などで、電話会議を行うための専用機器が販売されています。スピーカーとマイクが付属した機器で、10人程度で使える小規模用のタイプや、40名程度で使える大規模用のタイプなどがあります。

周囲の音声を集音できるマイクを搭載しており、スピーカーは音が響きやすいように作られているため、スムーズに会議が行えるのが特徴です。なお、通常の電話機のように設置できることにより、手軽に取り入れられるのも魅力です。

アクセスポイントを経由する場合

電話会議システムでは、アクセスポイントを経由すれば、専用機器がなくても手持ちの携帯電話やスマホ・固定電話から参加できます。その際の接続方法には、ダイヤルイン方式とダイヤルアウト方式の2種類があります。

ダイヤルイン方式は、参加者が指定番号に電話をかけて接続する方法で、事前に主催者から電話番号とパスワードを聞いておかなければなりません。参加者に通話料金が発生するローカルアクセス・ローコール、主催者に通話料が発生するフリーダイヤルがあります。

ダイヤルアウト方式は、主催者が参加者に電話をかける方法です。主催者が個々に呼びかけて招待するタイプで、事前のパスワード通知は不要です。なお、電話料金は主催者が支払うため、取引先との会議などでよく利用されます。

電話会議システムとWeb会議システムの違い

電話会議システムとWeb会議システムの大きな違いは、使用する回線です。電話会議システムは電話回線を利用するのに対し、Web会議システムはインターネット回線を利用します

電話会議システムは、自社の固定電話やスマホがあればすぐに使えるため、インターネット・パソコンなどの設備が不要で、手軽に導入が可能です。ただし、電話会議システムは音声のみで行うため、相手の顔や資料が見えないなどのデメリットもあります。

そのため、会議内容や緊急性に合わせて、電話会議とWeb会議を使い分けるのもおすすめです。

電話会議システムの主な機能

電話会議システムには、主な機能として4つの機能があります。ここでは、呼び出し機能、通話・録音機能、パソコンとの連携機能、セキュリティ機能の4つについて、それぞれの概要と合わせて詳しく解説します。

機能名概要
呼び出し機能・主催者が参加者を一斉に呼び出せる
・会議をスムーズに開始
通話・録音機能・通話内容の録音
・参加者以外との会議内容の共有
パソコンとの連携機能・パソコンで電話会議に参加
・ファイルやデータなどの共有
セキュリティ機能・参加者に制限をかけてロックが可能
・会議ごとのパスワード設定

呼び出し機能

電話会議では、主催者と参加者がそれぞれのタイミングでアクセス番号に接続すると、タイミングがずれてしまいやすいです。そのため、スムーズに会議を始めるには、主催者が参加者を呼び出して会議をスタートする、呼び出し機能が便利です。

呼び出し機能には、会議時刻になれば自動的に参加者に接続されるシステムや、登録された電話番号に一斉発信ができるシステムなどが備わっています。これらの機能は、定例会議や大規模な会議をはじめ、災害時などの緊急時にも重宝します。

通話・録音機能

電話会議システムには、通話機能の他に録音機能も備わっています。録音機能を使えば、会議に参加できなかった人との会議内容の共有や、記録を残しておくこと可能です。また、議事録を作成する際にも役立ちます。

ただし、電話会議システムの種類によって、録音時間の制限がある場合や、録音・再生に追加料金が発生する場合も考えられるため、あらかじめサービス内容を確認しておきましょう。

パソコンとの連携機能

電話会議システムでは、電話での通話がメインとなりますが、パソコンとの連携も可能です。アクセス先のURLを入手すれば、パソコンから容易に電話会議へ参加できます。そして、音声通話以外にもチャットでテキストメッセージの送受信が可能です。

また、Webブラウザを使って、電話会議時に必要なデータやファイルの共有もできます。より効率的な電話会議を行うためにも、自社に必要な連携機能が備わった電話会議システムを選びましょう。

セキュリティ機能

機密度の高い会議を安心して開催するためには、セキュリティ面にも気を配る必要があります。例えば、電話会議システムに搭載されている会議ロック機能は、参加者が全員揃った後に、主催者が他の参加者が入れないようにロックをかける機能です。

また、SSL暗号化機能は、電話会議システムのログイン・参加者登録などの情報送信時にサーバーの通信を暗号化して保護します。そして、パスワード発行機能は、会議ごとにパスワードを設定したり、参加者別にPINコードの発行ができたりもします。

このように、セキュリティ機能を活用すれば、さまざまなシーンでセキュリティの強化が可能です。特に、取引先と電話会議を行う場合は、セキュリティ対策がしっかりしていることが信用問題にもつながるため、積極的に機能を活用していきましょう。

電話会議システムのメリット

電話会議システムには、導入するときのコスト面の手軽さや通信の安定性など、さまざまなメリットがあります。ここでは、電話会議システムのメリットについて解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

低コストで手軽に始められる

電話会議は、自社で使用している電話機やスマホ・携帯電話がそのまま利用できるため、手軽に始められます。Web会議のように、パソコンやインターネット回線を準備する必要がないため、初期コストがほとんどかかりません

さらに、広い会議室で電話会議を行う場合でも、専用機器が数台あれば対応できます。なお、専用機器の費用はかかりますが、遠隔会議システムの中でも比較的安価で始められるのが特徴です。

スピーディーかつ手軽に利用できる

電話会議はWeb会議などと比べ、身支度の整理や画面に映る場所を綺麗にしておくといった手間が不要です。テレワークなどで自身の部屋を映したくない場合でも、スピーディーかつ手軽に会議へ参加できます

さらに、電話会議を始めるにあたって、会場の設営や後片付けに時間をかけず、必要なときにすぐ会議を始めることができます。他の業務に集中するという意味でも、この対応の素早さは大きなメリットです。

資料に集中した進行が可能

電話会議システムは音声のみで行う会議であり、Web会議やテレビ会議とは違って相手の顔が見えません。これはデメリットのように感じてしまいますが、カメラを気にする必要がないことで、手元の会議資料に集中しやすいというメリットにもなります。

また、相手の表情がわからないため、参加者同士が丁寧な説明をするようになったり、雑談が減ったりと、余計な時間を省きながらスムーズに会議が進行しやすくなります。

通信が安定している

電話回線は、インターネット回線と比べて通信が安定しているため、国内だけでなく海外との会議でも明瞭な音声での通話が可能です。対して、Web会議では、1つのシステムに一斉に大勢がアクセスすると、画面のフリーズや通信の乱れなどが起こる可能性があります。

電話会議システムは音声の途切れやノイズなどが起こりにくいことから、スムーズかつスピーディーに会議が進行できます。特に、外国語を使用する会議では、クリアな音声でないと聞き取りが困難になるため、電話会議システムの活用が有効です。

緊急時の連絡手段としても活用できる

電話会議システムは、一斉に大勢の参加者へ電話をかけることができるため、会議だけでなく緊急時の連絡手段としても活用が可能です。例えば、社内で緊急ミーティングを行う際や、地震や台風などの災害時にも素早く連絡できます

災害時はインターネット回線が使えない場合もあり、一斉メール送信と一人ひとりへの電話連絡では、連絡漏れや不備が生じる可能性があります。その点、電話会議システムはいざというときに有効性が高いツールです。

電話会議システムのデメリット

さまざまな面で便利な電話会議システムですが、通話料金の発生や音声のみの会議になることに関して、いくつかのデメリットもあります。システムの導入を検討する際、どのようなデメリットがあるのかも事前に確認しておきましょう。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

通話料金が発生する

インターネット回線を使うWeb会議では、インターネット環境が整っていれば何度会議を開催しても一定の通信料で済みます。しかし、電話会議システムは使用した分の電話料金がその都度発生し、会議の回数や拠点の数が多くなるほどかかるコストが高くなります。

コストを抑えるためには、会議の頻度を減らす、会議時間を短くするなどの対策が必要です。また、事前に資料を用意してスムーズに会議が進行するようにしたり、電話会議は簡単な打ち合わせ時にだけ利用したり、といった工夫や使い分けもおすすめです。

なお、電話会議システムによっては通話が無料になるサービスもあるため、会議頻度が多い企業はそのようなサービスも検討してみましょう。

資料を事前に共有しておく必要がある

電話会議システムは音声のみで行うため、その場で画像・映像などの共有ができません。使用したい資料が決まっている場合は、事前に準備し共有しておく必要があります

会議で資料を使いたいときは、紙某体で資料をあらかじめ配布しておくか、資料をデータ化したものを共有し、手元で見ながら会議に参加するなどの工夫をしましょう。その結果、スムーズな会議の進行に役立ちます。

音声のみのため、利用シーンが限られる

電話会議システムは、コミュニケーション方法が音声のみになります。相手の顔や表情が見えないため、細かいニュアンスが伝わりにくく、意思疎通がしづらい側面があります。そのため、精密な情報が必要とされる会議や相手が初対面の取引先である場合には不向きです。

そして、電話会議システムは、しっかりとしたコミュニケーションを取らなくても内容が伝わりやすい、見知ったメンバー間での定例会議や、短時間の簡単なミーティングなどに向いています。

電話会議システムの導入に必要な準備

電話会議システムの導入では、デバイス選びをはじめ、どの電話会議サービスを利用するのかを決める必要があります。電話会議システムの導入までに、何を準備すべきなのかを確認しておきましょう。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

デバイスを選ぶ

電話会議システムに使うデバイスとしては、手持ちのスマホ・携帯電話や自社の固定電話が利用可能です。しかし、会議室などの広い場所で大人数に聞こえるように会議をする場合、マイクやスピーカーを内蔵した電話会議専用機が必要になります。

そのため、会議を一人ひとりで行うのか、大人数で集まって行うのか、どのような規模で遠隔会議を開催するかによってデバイスを選択しましょう。また、会議室が広い場合は複数台の専用機器が必要なことから、どのくらいの範囲の収音ができるのかも重要です。

電話会議サービスを選ぶ

使用するデバイスを決めたら、次は利用する電話会議サービスを選びます。電話会議サービスにはさまざまな種類があるため、自社のニーズに合うサービスを選定するのが大切です。

例えば、コストがどのくらいかかるのか、サポート体制は24時間対応しているのか、保証サービスがあるのかなどです。その他、録音機能やセキュリティなど、機能面が充実しているかも確認しておきましょう。

コストを計算しておく

電話会議システムを利用する前に、初期費用やランニングコストがどのくらいかかるのかを算出しましょう。電話会議は、基本的に参加者のデバイス単位で通話料金が発生するため、予算をオーバーしないように、あらかじめ計算しておくのが重要です。

電話会議システムは、使用する時間で料金が変わるものや、月額で料金が固定されているものなど、サービスによって発生するコストが異なります。ある程度の予算を計算しておかないと、予想外の通信費が発生しやすいため注意が必要です。

電話会議システムを選ぶ際の比較ポイント

電話会議システムはサービスの種類によって内容が異なるため、どのような機能や料金・サポートが揃っているのか検討しましょう。ここでは、電話会議システムを選ぶ際の比較ポイントについて解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

有料か無料かなど、料金を把握する

電話会議システムは、基本料金を払えば通話料が無料のタイプや、基本料は無料で、電話会議を行った時のみ料金が発生する有料タイプなどがあります。

有料版の中には、初期費用が無料のサービスもあり、試用期間が用意されていたり、期間限定で無料になっていたりする場合も考えられます。電話会議の頻度や会議時間などに合わせて料金を比較し、自社に合った電話会議システムを選びましょう。

音声品質が高いものを選ぶ

電話会議は音声のみで行うため、音声がクリアに聞こえるかは非常に重要なポイントです。雑音が入らないか、音声品質が整った安定した通話ができるのかなど、複数の拠点で同時接続しても問題ないのかを十分に確認しておきましょう。

例えば、大きな会議室で多人数の参加者と電話会議を行う場合は、広い収音範囲に対応しているのか、ノイズキャンセリング機能があるのかなど、マイクやスピーカー機能の確認も必要です。

音声品質の面で見ると、複数のアクセスポイントが設定してあるタイプなら、安定した通話を実現しやすいといえます。

サポート体制の充実度を確認する

電話会議システムは、遠隔会議システムの中でも簡単に使えるものですが、通信障害などのトラブルが発生する場合もあります。そのため、万が一の事態でもすぐに通信が復旧できるように、サポート体制が充実しているサービスの選択がおすすめです。

参加者が海外拠点にもいる場合には、カスタマーサービスが日本語だけでなく多言語対応しているサービスが便利です。また、24時間体制でサポートを受けられるサービスもあるため、自社に必要なサポートを受けられるシステムを選びましょう。

電話会議システムを導入する際の注意点

電話会議システムを企業で導入する場合、セキュリティ対策や社内ルールの整備に関して事前に検討しておくことが欠かせません。ここでは、電話会議システムを導入する際の注意点について解説します。

セキュリティポリシーへの適合

電話会議システムでは、会議の内容に機密情報や個人情報が含まれていることも少なくありません。そのため、利用するサービスが暗号化通信やアクセス制限に対応しているかを確認しましょう。

特に、外部参加者が加わる場合には、認証機能・アクセス権限の管理が不十分だと情報漏洩につながる可能性が高いです。導入前に自社のセキュリティポリシーと照らし合わせ、適合するサービスの選定が重要となります。

社内ルールの整備と周知

システムを導入しても、利用方法が明確になっていないと混乱が生じ、会議の進行が滞る原因となります。トラブルを避けるには、会議の開始手順や参加者の呼び出し方法、資料を事前に共有するルールなどを文書化し、社内で運用しやすい体制を整えておくのが大切です。

1度定めたルールは、運用しながら改善していきましょう。また、導入当初は従業員が新しい仕組みに慣れていないことも多いため、ガイドラインや操作マニュアルを用意し、誰でも参照できるように社内ポータル・共有フォルダに掲載しておくのがおすすめです。

まとめ

電話会議システムは、電話回線やスマホ・固定電話などのデバイスがあれば始められる、手軽な遠隔会議システムです。初期コストがほとんどかからず、通信が安定しており、多くの企業が採用しています。

相手の顔が見えない、通話料金がかかるなどのデメリットがあるものの、顔が見えないからこそ会議に集中しやすいといったメリットもあります。また、電話会議システムのサービスを活用すれば、通話が無料になるサービスもあって利用しやすいです。

ただし、電話会議システムの種類によって、発生する料金やサポート体制が異なるため、電話会議の頻度や会議時間など、自社に合わせたサービスを選ぶのがポイントです。事前に開催したい会議の規模や予算を計算し、便利な電話会議サービスを活用しましょう。

Share

同じカテゴリの記事を探す

同じタグの記事を探す

同じタグの記事はありません

top