クラウドメールとは?メリット・デメリット、サービスの選び方を解説

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  • クラウドメールとは、Webやアプリ上でメールの送受信を行えるメールサービスである
  • クラウドメールは、インターネット環境があればどこでも利用可能で管理もしやすい
  • クラウドメール導入の際は、自社に必要な機能やセキュリティ対策を確認する

クラウドメールとは、メールサーバーを社外のクラウド環境に置き、Webやアプリ上でメールの送受信を行えるメールサービスです。本記事では、クラウドメールのメリット・デメリットやWebメールとの違い、サービスの選び方などを解説します。

目次

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  1. クラウドメールとは
  2. クラウドメールサービスの主な機能
  3. クラウドメールのメリット
  4. クラウドメールのデメリット
  5. クラウドメールサービスの選び方
  6. まとめ

クラウドメールとは

クラウドメールとは、メールサーバーを社外のクラウド環境に置き、Webやアプリ上でメールの送受信を行えるサービスです。代表的なものだと、「Gmail」や「Yahoo!メール」などがクラウドメールに該当します。

従来のメールシステムは、パソコン1台ずつにソフトウェアをインストールし、サーバーに直接アクセスしてメールの送受信が行われていました。

しかし、クラウドメールはインターネット環境があれば、スマートフォンやパソコンなどの端末から手軽に利用できるのが特徴です。難しい設定やメンテナンスも必要ないため、広く普及しているサービスです。

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クラウドメールとWebメールの違い

クラウドメールとWebメールは、基本的に違いはありません。Webメールとは、Web上でメールの送受信などが行えるサービスを指すため、クラウドメールと同様の意味になります。

クラウドメールは、Webメールをクラウド上で利用するため、クラウドメールと呼ばれるようになったといわれています。

クラウドメールの仕組み

クラウドメールと従来のメールの大きな違いは、経由するサーバーの違いです。従来のオンプレミス型は、パソコンから直接メールサーバーへアクセスします。中継サーバー「SMTP」、受信サーバー「POP」または「IMAP」を経由し、ログイン認証が行われています。

一方、クラウドメールは、提供元のWebサーバーを経由してログイン認証が行われるため、「SMTP」「POP」「IMAP」サーバーを経由しません。

インターネット上のWebサーバーから必要なサーバーにアクセスできるため、ブラウザ上でメールの送受信が行える仕組みです。

クラウドメールの種類

クラウドメールには、個人向けと法人向けの2種類があります。それぞれの種類によって、セキュリティ面や機能に違いがあるため、用途に合ったものを選択しましょう。

個人向けクラウドメール

個人向けのクラウドメールは、個人で利用するために作られており、機能がシンプルで使いやすいのが特徴です。

また、無料で利用できる場合が多く、メールの送受信、転送、画像や文書の添付、アドレス帳など基本的な機能に対応しています。具体的には、「Gmail」や「Yahoo!メール」「Outlook.com」などが該当します。

個人で使うには十分なサービスですが、ドメイン変更ができない、ストレージ容量が少ない、外部ツールと連携しにくいなどのデメリットもあるため、ビジネス用途で使う場合は法人向けのサービスを検討しましょう。

ドメインとは

一般的に、ドメインとはインターネット上での「住所」のようなものを指す言葉です。しかし、ドメインは単体では「住所」として機能することができません。サーバーと紐づけを行うことにより、サイトのアドレスやメールアドレスとして使用可能です。

メールアドレスのドメイン部分は、アットマーク以下の「◯◯.com」や「〇〇.ne.jp」の部分を指します。

法人向けクラウドメール

法人向けのクラウドメールは企業向けに開発されているため、ビジネスで使いやすいのが特徴です。高度なセキュリティ対策や管理機能、大容量のストレージ、ドメイン変更、ビジネスシーンで役立つ機能が豊富です。

具体的には、「Google Workspace」や「Microsoft365」などが該当します。法人向けのサービスは、導入費用やランニングコストがかかるといったデメリットがありますが、ビジネスシーンで重要な情報を取り扱う際に、安全かつ効率的に利用できます。

クラウドメールサービスの主な機能

クラウドメールサービスは、インターネット環境があれば使える便利なサービスですが、機能面でも特徴があります。ここでは、クラウドメールではどのようなことができるのか、主な機能について解説します。

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メール検索機能

メール検索機能は、大量のメールの中から素早く目的のメールを探すことができる便利な機能です。特定のキーワードを指定して検索した場合、そのキーワードが差出人・件名・本文・添付ファイルなどに含まれているメールを、瞬時に絞り込んで表示できます。

例えば、「会社名」で検索した場合、会社名が入ったメールを絞り込むことができます。さらに、添付ファイルの有無、受信期間といった詳細な条件でも絞り込めるため、探したいメールが見つからない場合にも重宝する機能といえます。

メール自動仕分け機能

メール自動仕分け機能とは、設定した条件に応じてメールの仕分けをする機能です。仕分け設定がされていない場合、すべて受信トレイに格納されるため、メールの見落としや確認漏れなどのリスクがあります。

仕分け機能を利用し、宛先や案件ごとに振り分ければ受信トレイが整理され、必要なメールを探しやすいです。また、優先度の高いメールにラベルを付与することで目印が付き、見逃しや対応漏れなどを防ぐことも可能です。

カレンダー連携機能

メールに届いたスケジュールを、カレンダーアプリと共有できるのがカレンダー連携機能です。例えば、打ち合わせの時刻がメールで届いた場合、予定の作成ボタンを押すだけで簡単にスケジュールアプリに予定を登録できます。

そのため、自分でカレンダーアプリを開いて入力する手間がなくなり、双方の日時や時間のミスなども起きにくいです。GmailとGoogleカレンダーの連携機能は、多くの企業で取り入れられており、スケジュールを正確に管理する際に役立ちます。

ビデオ通話機能

ビデオ通話機能とは、クラウドメールのサービスからビデオ通話が行える機能です。会議などでビデオ通話が必要な際に、会議の招待リンクをメールで共有することができます。

受信者はビデオ通話のリンクをクリックするだけで、簡単に参加できるようになるためビジネスシーンで幅広く利用されています。

ただし、クラウドメールのサービスによっては、1対1のみまたはグループ通話可能と利用人数に制限が設けられていることから、事前に対応人数や制限についての確認が必要です。

セキュリティ機能

セキュリティ機能により、メールの送受信の際に発生するリスクを減らせます。メールの送受信には、一方的に送られるスパムメールや、送信元を偽って情報を抜き取るフィッシングメールなどのリスクが伴います。

企業の機密情報や個人情報の漏洩、ウイルス感染などのリスクを回避するためにも、誤送信防止、情報漏洩対策、高度な暗号化、ウイルス駆除、添付ファイルの無害化といったセキュリティ機能が充実しているサービスを選びましょう。

クラウドメールのメリット

クラウドメールはメールボックスの容量が大きく、コストや手間がかからないなど、多くのメリットがあります。ここでは、クラウドメールのメリットについて解説します。

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インターネット環境があればどこでも使える

クラウドメールは、インターネット環境があればどこでも使えます。従来のオンプレミス型は、メールソフトをインストールした端末のみでしか利用できないため、スマホやタブレット、ソフトをインストールしていないパソコンではメールの送受信ができません。

しかし、クラウドメールはインターネットがつながる環境なら、時間や場所を問わず迅速に対応できるため、スムーズな顧客対応と業務効率化につながります。

スマートフォン・パソコン・タブレットなど、マルチデバイスにも対応しているため、自分が利用しやすい端末を選べるのもメリットです。

メールボックスの容量が大きい

クラウドメールは、メールボックスの容量が大きいのもメリットです。従来のオンプレミス型はサーバー内にデータを保存できないという理由から、メールボックスの容量はユーザーが所持している記憶媒体に依存します。

しかし、クラウドメールは提供元のWebメールサーバーに保存されるため、ユーザー1人あたりに一定の容量を無料で付与されます。そのため、大容量の添付ファイルなども送受信が可能です。

また、有料のクラウドメールサービスであれば、ほぼ無制限でメールボックスの容量が与えられる場合が多いです。自社の端末やサーバーのディスク容量を気にする心配が少なく、容量整理にかかる作業負担がなくなります

セキュリティ対策も行える

高度なセキュリティ対策が手軽に行えるのも、クラウドメールの魅力です。最近のクラウドメールサービスでは、メールの誤送信防止対策、高度暗号化、ウイルスチェックなど、高度なセキュリティツールがセットになっているものがほとんどです。

従来のオンプレミス型のメールソフトでは、セキュリティ機能を一つひとつ導入すべきか検討する必要がありました。セキュリティツールがセットになっていれば、システム選定の負担も少なく済みます

メールに含まれる情報の漏洩は、企業の存続に関わる重大問題へ発展するケースもあるため、セキュリティ対策が万全なサービスの選定が重要です。

コストや手間がかからない

クラウドメールは自社にサーバーを置かないため、運用・管理の手間がかかりません。オンプレミス型の場合、サーバーやソフトの更新・拡張などを自社で行わなければならず、その度にコストが発生します。

クラウドメールは、メンテナンスや障害対応もすべて提供元が行うため、業務の負担が軽減します。メンテナンスにかかるランニングコストもかからず、いつでも最新のサービスが利用できるのがクラウドメールの魅力です。

クラウドメールのデメリット

クラウドメールのシステムには多くのメリットがありますが、一方で活用の仕方やサービスによってはデメリットが発生するケースもあります。ここでは、クラウドメールのデメリットについて解説します。

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ユーザー数によって割高になる可能性がある

ユーザー数の多い企業がクラウドメールを利用すると、ランニングコストが割高になりやすいです。多くのクラウドメールのサービスでは、ユーザー数やメールの送信数に応じて月額料金が変動する仕組みを採用しています。

初期費用はオンプレミス型よりも抑えることができますが、長期的に使用する場合は、クラウドメールの方がコストが大きくなりやすいのがデメリットです。ユーザー数が多い企業は月額料金をチェックし、長期的な運用を視野に入れながら検討しましょう。

システム障害にすぐに対応できない

クラウドメールは提供元が管理・運営するため、システム障害が起こっても自社ではすぐに対応できません。つまり、メールのシステムが利用できない時間が発生するリスクがあります。

なるべく利用停止を避けたいなら、システム障害にも素早く対応する安全稼働を謳うサービスを選びましょう。具体的には、毎月の稼働率が99.9%以上など、保証稼働率の高いものを選ぶと安心です。

カスタマイズが難しい

クラウドメールは提供会社のサービスを利用するため、自社独自のカスタマイズが難しいです。例えば、オリジナルのインターフェースの構築や機能の追加など、制限なくカスタマイズを行いたい場合は、オンプレミス型のメールソフトを選ぶのがおすすめです。

クラウドメールサービスの選び方

クラウドメールサービスを選ぶ際には、機能・料金・セキュリティ対策・サポート体制を比較しましょう。ここでは、クラウドメールサービス選びで着目したいポイントについて詳しく解説します。

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自社に必要な機能が備わっているか

クラウドメールは、自社に必要な機能が備わっているものを選びましょう。ただし、余計な機能が多すぎると、使いにくかったり余計なコストが発生したりするリスクがあります。

また、企業の従業員が操作できないと、クラウドメールの使用が定着しないケースも想定されます。そのため、企業全体で取り入れる場合は、必要な機能やプラン内容を十分に検討し、できるだけ操作が簡単なものを選ぶのがおすすめです。

料金プランは適正か確認

クラウドメールサービスの料金プランが、適正であるかどうかをチェックしましょう。主に、各サービスの機能やストレージ容量、ユーザー数などによって料金プランが異なります

容量やユーザー数に対しての料金プラン、サービス内容などを各サービスで比較し、長期的に利用できるかどうかの判断が必要です。自社の用途や課題を踏まえつつ、適切なクラウドメールサービスを利用しましょう。

セキュリティ対策の内容を確認

クラウドメールは、セキュリティ対策がしっかりしているかが重要なポイントです。メールでは、個人情報や機密情報を扱うため、情報漏洩と不正利用を生じさせないよう、十分な対策が求められます

具体的には、ウイルス対策、スパムフィルター、不正アクセス対策、誤送信防止機能、メール暗号化、アクセス権限の設定に関する機能が備わっているかチェックしましょう。

顧客・取引先を含め、重要な内容が記載されたメールが社外に漏れると大きなトラブルにつながりかねないため、セキュリティ機能の内容について理解しておくことが大切です。

サポート体制は充実しているか

サービスの提供元が、操作方法や運用方法の説明、突然のトラブルにどこまで対応してくれるのか把握しておきましょう。さらに、サポートの受付時間や問い合わせ先などについても事前に確認しておくと、トラブルへスムーズに対処できます。

最近では、テレワークやフレックス制といった働き方が多様化しているため、24時間365日サポートしてくれるサービスが安心です。

一元的にユーザー登録・削除ができるか

クラウドメールの選定では、利用者のアカウントや権限をどのように管理できるかが重要なポイントとなります。特に、法人利用では入退社や部署異動のたびにアカウントを適切に作成・削除しなければならず、管理の煩雑さがセキュリティリスクにつながりかねません。

システム側で一元的にユーザー登録・削除が行えるか、権限レベルを細かく設定できるか、監査ログや利用状況のレポート確認が可能かについてもチェックしましょう。

なお、シングルサインオンや自動同期が可能な場合、管理者の負担軽減とセキュリティ強化を両立できます。

外部ツールとの連携が可能か

クラウドメールは単体での利用にとどまらず、他の業務ツールと連携することで効果を高められます。例えば、カレンダーやチャットツールとの統合により、会議のスケジュール調整、リアルタイムの情報共有がスムーズに行えます。

また、CRMやプロジェクト管理ツールと連携させれば、顧客対応の履歴をメールと紐づけたり、業務の進行を可視化したりすることが可能です。

さらに、ビデオ会議システムやタスク管理アプリとの連携に対応しているかも、リモートワークにおけるコミュニケーション強化に必要です。選定時には、自社ですでに利用中のツールとの親和性も必ず確認し、業務全体の効率化を図りましょう。

まとめ

クラウドメールは、難しい設定やメンテナンスが必要ないため、スムーズに導入できる便利なサービスです。スケジュール管理機能やビデオ通話機能など、クラウドメールならではのサービスを上手く活用すれば、より業務効率化を図れます。

ただし、クラウドメールのサービスはさまざまな種類があるため、慎重な選定が必要です。また、企業に取り入れる場合は、社員全員が使えるように操作が簡単かつ、サポート体制が充実してるサービスの選定が必要です。

クラウドメールのサービスの導入を検討する際は、本記事の内容を参考に、利用するサービスの選定や準備を行い、汎用性の高いクラウドメールを導入しましょう。

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