基幹システム開発・導入の費用相場目安は?|料金内訳も解説

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  • 基幹システムはツール導入やスクラッチ開発などの形式により費用相場が異なる
  • 基幹システムに関わる費用には要件定義費や人件費、保守費用などが挙げられる
  • システム開発のコストを抑える方法には、開発修正の削減や補助金利用等がある

基幹システムとは、生産管理や販売管理など、業務の核となる情報を管理するシステムのことを言います。本記事では、基幹システムの開発・導入を検討している場合における、開発・導入費用の相場目安や料金内訳、開発コストを抑える方法などを詳しく解説します。

目次

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  1. 基幹システムとは
  2. 基幹システムの開発形式と料金相場
  3. 基幹システムに関わる費用の目安
  4. システム開発費用の計算式
  5. システム開発の価格を抑える方法
  6. まとめ
  7. 経営業務をさらに効率化!関連サービスはこちら

基幹システムとは

基幹システムとは、企業や組織のさまざまな部門やプロセスを統合的に管理するための情報技術(IT)システムを指し、ERPEnterprise Resource Planning)とも呼ばれています。基幹システムは、企業の基幹業務を効率的に支援するために設計されています。

基幹システムの導入により、情報の一元化とリアルタイムのデータ共有が可能です。また、企業の基幹業務を効率的に支援する機能が搭載されており、販売・生産・人事・会計・財務・顧客・物流・在庫管理など、さまざまな業務領域を統合的にカバーできます。

一般的に基幹システムの導入は、大規模で複雑なプロジェクトとなるため、組織内の各部署が提携・協力しながら導入することが重要です。

基幹システムの種類

基幹システムには、以下のような種類があります。それぞれ企業内のどの業務を担当するかによって、機能が異なります

ERPは、他の種類と比べてより広い範囲を統合・管理できるシステムであるため、どの業務を改善したいのかを明確にして、導入するシステムの種類を選ぶ必要があります。

基幹システムの種類内容
販売管理・商品やサービスの効率的な販売活動を支援
・顧客情報管理
生産管理・製造プロセスの最適化
・効率的な生産計画と品質管理
人事管理従業員情報や給与計算などの人事業務を効率的に管理
会計管理・財務データの収集
・会計帳簿の管理と財務報告を支援
ERP企業や組織におけるビジネス全体に関わる統合管理

基幹システムの開発形式と料金相場

基幹システムを自社に導入する方法として、ツールをベンダーから購入する、ツールを購入してカスタマイズする、自社で一から開発する方法があります。ここでは、それぞれの方法や料金相場について解説します。

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開発形式料金相場
ツールの導入月額10万円程度〜
ツール導入+カスタマイズ100万円〜
スクラッチ開発数千万円~

ツールの導入

業務の規模や要件、企業ニーズなどによって導入すべきツールは異なります。そのため、ツールを選択する際には、自社のニーズや目標を明確にして必要な機能を特定し、業務の規模や予算、スケジュールなどから判断するのがおすすめです。

また、ベンダーによって提供される基幹システムには、自社内のサーバー・機器などにソフトウェアを導入するオンプレミス型や、ネットワークを介して提供されるクラウド型などがあります。よって、自社の使用方法や予算などに合うタイプを検討して選ぶのが重要です。

最近では、特にクラウド型のツールが注目され、多くの企業で導入されています。費用は従量課金制が多く、システムを使う人数によって変動します。複数人で使うことが多い場合には、最低でも月額10万円程度を目安としておくと良いでしょう。

ツール導入+カスタマイズ

ツールを導入しても、自社の業務形態にマッチしないケースや新規のプロジェクトの処理がツールに反映できないケースが発生することもあります。このような場合、ツールのカスタマイズが必要です。

カスタマイズをする際は、最初にシステムの要件や予算・スケジュールなどの「要件定義」を行います。これに基づいて、設計や開発などの工程へと進んでいきます。この方法はスクラッチ開発ほどではありませんが、時間やコストがかかります。

カスタマイズの費用に関しては、カスタマイズの規模にもよりますが、予算として100万円以上を目安として計上しておくことが望ましいです。

スクラッチ開発

スクラッチ開発とは、基幹システムをゼロから新規のシステムとして開発するプロセスを指します。開発に先立ち、自社の業務に求められる機能やプロジェクトの目的、ニーズなどを明確にし、開発すべき機能や仕様を定義します。

スクラッチ開発では、自社の業務や要件に即したシステムが開発できることから、企業として望む形態のシステムが構築できます。ただし、ゼロからの開発となるため、長期間に及んで携わるマンパワーも多くなることにより、必然的に費用は高額になります。

さらに、開発後の運用や保守、仕様の追加、修正などの作業に多くの費用がかかることが想定されます。大規模なスクラッチ開発の場合の予算は、数千万円以上が必要となると見込まれます。

基幹システムに関わる費用の目安

基幹システムの開発に関わる費用は、開発から運用までの段階のステップごとに発生します。ここでは、ステップごとの費用の目安として下記の6つについてそれぞれ解説します。

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基幹システムに関わる費用の目安

  1. 要件定義費
  2. 人件費
  3. 設計費
  4. 開発費
  5. 導入費
  6. 保守・運用費

要件定義費

要件定義費は、基幹システムの要件を明確に定義し、プロジェクトの目的やスコープを確立するためにかかる費用を指します。要件定義は、プロジェクトの基盤を築く重要なステップであり、適格な要件定義を行うことで、プロジェクトの成功確率が高まります。

要件定義では、業務プロセスを調査して要件を収集・整理し、優先順位を付けて文書化します。これにより、開発システムの方向性や目標が明確化されます。次に、技術的な要件や機能仕様を詳細にまとめ、要件を満たすための予想コストを見積もります

要件定義費は、基幹システムの規模や複雑さによって異なります。しかし、要件定義をしっかりと行って質を高めることにより、後の開発プロセスやプロジェクト全体の成功に大きな影響を与えるため、重要な投資と言えます。

見積費用の目安:2〜3ヶ月として、300万〜

人件費

基幹システムの開発費用の大半を占めるのが人件費といわれています。人件費の内訳としては、開発そのものにかかるSEプログラマーなどの人件費、プロジェクト全体の舵取りを行うプロジェクトマネージャーなどの人件費が挙げられます。

プロジェクトマネージャーの人件費は、開発自体にかかる人件費とは別であり、システム開発の計画や実行、監視、制御するために必要な管理費用を指します。

基幹システムの規模や複雑さ、期間などによって費用は異なりますが、適切なプロジェクトマネジメントを行うことで、基幹システム開発のリスクなどを最小限に抑え、目標達成に大きく貢献します。

見積費用の目安:開発費全体の15〜20%

設計費

設計費は、基幹システム開発における設計フェーズで発生する費用を指します。このフェーズでは、システムのアーキテクチャやデザイン、機能仕様などを策定し、プロジェクトの方向性や全体の計画を確立するための重要なステップとなります。

設計費の全体に対する割合は、開発システムの規模や性能によって異なりますが、一般的には開発費全体の約10%20%程度が設計に割かれることが多いです。ただし、プロジェクトの複雑さや重要度に応じて変動する場合もあります。

設計フェーズでしっかりとした設計が行われることは、システム開発全体の品質や効率に影響を与える重要なポイントになります。そのため、適切な設計費の確保とプロジェクト全体の予算配分のバランスが求められます。

見積費用の目安:開発費全体の10%~20%

開発費

開発費は、基幹システム開発において、実際にプログラミングやコーディングを行う段階でかかる人件費を指します。このフェーズでは、設計に基づいてコードを書き、システムやアプリケーションを稼動させるための機能の搭載を行います。

開発費の全体に対する割合は、システムの機能やフェーズによって異なりますが、全体のコストの中で半分以上を占めることが一般的です。開発費の大まかな目安としては、全体の50%〜60%以上を占める場合が多いです。

開発フェーズは、基幹システムの実質的な実装ステップです。開発者がプログラムを書いてシステムを具現化する重要なフェーズであり、適切な予算配分と資源配分が求められます。

見積費用の目安:開発費全体の50%~60%

導入費

導入費は、基幹システムの開発が完了して実際に運用環境に導入する際にかかる費用を指します。導入費には、システムの運用開始や利用者へのトレーニング、インフラストラクチャのセットアップなど、システム開発における最終段階で発生するコストなどがあります。

導入費の割合は、基幹システムの機能や要件などによって異なりますが、システム開発における費用の半分以上を占める開発費と比較して少なくなることが一般的であり、おおよそ開発費全体の5〜10%とされています。

見積費用の目安:開発費全体の5〜10%

保守・運用費

保守・運用費は、ソフトウェアやシステムの開発が完了して運用が始まる際にかかる保守費用や運用費用を指します。このフェーズでは、システムの継続的な運用や保守、改善、バグ修正、機能追加などが含まれます。

保守・運用は、基幹システムの長期間にわたるライフサイクルとなり、費用も継続的に発生するため、開発費全体に対する割合も長期間にわたって変動します。一般的には、開発費全体の10%前後で見積もられる場合が多いです。

見積費用の目安:開発費全体の10%前後

システム開発費用の計算式

システム開発費用の計算式は、一般的に以下のような式で表わされます。これは、システム開発やプロジェクトの費用を簡易的に計算するために用いられる一般的な式とされています。

システム開発費用=作業単価×作業時間+固定費用

作業単価は、システム開発の作業員の1時間あたりの労働コストを表し、役割やスキルに応じて異なる単価が設定されます。作業時間は、作業者が開発に費やす労働時間の合計時間を表します。

固定費用は、システム開発に必要なハードウェアやソフトウェアライセンス料、インフラストラクチャのセットアップなどが含まれ、作業時間などにかかわらず固定的に発生する費用となります。

計算に必要な費用内容
作業単価開発に関与する作業者の1時間あたりの労働コスト
作業時間開発に関与する作業者の労働時間
固定費用開発用のハードウェアやソフトウェアライセンス料など

システム開発の価格を抑える方法

システム開発の価格を抑える方法としては、システム開発における修正点を減らすなど、いくつかのアプローチ方法があります。ここでは、その中の5つについて詳しく解説します。

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システム開発における修正点の削減

システム開発において修正を減らすことは、効率的なプロジェクト運営とコスト削減に繋がります。また、時間と労力の節約になり、品質の向上と利益の最大化が期待できます。もしシステムに修正が発生した場合は、追加の時間や労力、確認テストなどが必要となります。

このように、不明瞭な要件は後の修正の原因になります。以下では、システム開発の際の修正を減らす際に取り組むべきことについて解説します。

システム開発の修正を減らす方法

システム開発の修正を減らすためには、まずは社内の正確なシステム要件を収集し、明確な仕様を策定することが重要です。また、チーム内でコードレビューを実施して、プログラムの品質やエラーを見逃さないようにしましょう。

開発段階では、システムのモジュール毎のテストを徹底的に行い、バグや問題を早期に検出して修正することが大切です。テストは単体から連結、総合へとシステム全体にわたって行うことで、システムの潜在リスクを最小限に抑えて運用を始められます。

さらに、スキルを向上させるための教育などの実施により、品質向上や修正の削減につながります。

開発実績と体制から外注先を選定

システム開発コストを抑えるために開発を外注先に依頼する場合は、開発実績が豊富な外注先を選択すると、高品質なシステム開発に期待できます。そのため、実績を通じてその能力や技術力を確認・評価し、信頼性の高い外注先を選ぶことが重要です。

また、システムの開発中には、外注先と頻繁なコミュニケーションが発生します。適切なコミュニケーション体制を持っていると、プロジェクトの進行や品質に関するフィードバックを受けることができ、迅速な要件の調整や修正に繋がります。

反対に予期せぬコストが発生する外注先の特徴として、コストの根拠が不明確だと追加費用などが発生する可能性が高く、予算オーバーのリスクがあります。また、コミュニケーションが取りづらいと要件の不明確さや誤解が生じ、後で多くの修正が発生します。

相見積もりを取ることも重要

開発実績やコミュニケーション体制で外注先をある程度絞り込んだら、相見積もりを取りましょう。外注先によって料金設定は異なり、相見積もりを取らずに外注すると、相場よりもコストが高くても気付けずに無駄なコストを払うリスクがあります。

なお、比較検討する際はコストの安さのみに注目すると、システムが扱いにくい・機能が少ないといった失敗に繋がります。そのため、費用の妥当性を確認し、自社の予算と求めるシステムのバランスが釣り合っているかを重視しましょう。

相見積もりを取る際は、3社程度に厳選することがおすすめです。これは、見積書が完成して確認できるまでに数日〜数週間かかる場合もあり、外注先の決定に時間を要するためです。

システム利用の機能・規模を抑える

基幹システムの開発を検討する際には、システムの利用において必要とする機能を洗い出しましょう。その際、本来必要とする機能以外のものまで含めてしまうと、機能が多くなってしまい費用が高くなります。

そのため、自社内でシステム開発を行う場合には、将来必要となる機能を入念に検討しながら、なるべく機能・規模を抑えたシステム開発を行うことがおすすめです。

既存のクラウドシステムを利用

一からのシステム開発には多額の費用が発生しますが、既存のクラウドシステムを利用することで大幅なコスト削減が可能です。特に、中小企業などの開発にかけられる予算が少ない企業であるほど、クラウドシステムの利用によるメリットが大きくなります。

クラウドシステムの中には料金体系を公開しているものもあるため、要件に合わせて検討してみるのも良いでしょう。

システム化推進に関わる補助金を利用

国や自治体による補助金は、新しいテクノロジーやシステムを導入するための財政的な支援を提供することで、企業や団体の技術力や競争力を向上させます。特に中小企業にとっては、新しいシステム導入に対する補助金はIT化のための強い推進力となります。

また、補助金は新しいアイデアや技術の研究開発を支援する役割も果たします。イノベーションや研究開発を進める組織に対して補助金を提供することで、新たな技術やアプローチの実現が促進されます。

現在、基幹システムの導入で利用できる補助金として以下の4つの補助金制度が用意されているため、必要に応じて検討しましょう。

  1. ものづくり補助金
  2. 事業再構築補助金
  3. IT導入補助金
  4. 小規模事業者持続化補助金

参考:トップページものづくり補助金総合サイト

参考:トップページ|事業再構築補助金

参考:トップページ | IT導入補助金2024

参考:持続化補助金を知る|小規模事象者持続化補助金

まとめ

基幹システムとは、企業や組織のさまざまな部門やプロセスを統合的に管理するための情報技術・ITシステムです。基幹システムの開発や導入を行う際は、開発コストや導入費用の目安、利用料金を検討することが大事です。

また、市場に出回っている基幹システムツールの採用や信頼できる外注先へのシステム開発の発注なども、コストを抑える上で検討のポイントになります。基幹システムの構築にあたっては、本記事を参考に費用対効果を考慮し、最適なシステムの導入を行いましょう。

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