eラーニングの歴史|登場から現在までの進化、AI活用による今後の市場拡大についても解説

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  • 紙媒体で学習する「通信教育」よりオンラインで完結する「eラーニング」が主流
  • 1990年代に登場したeラーニングはスマホや通信技術発展で急速に進化
  • 「AI」を活用したeラーニングシステムが今後さらに広く普及していくと予想

eラーニングは1990年代に登場して以来、スマホの誕生や通信技術の発展などにより大きく進化してきました。現在はテレワーク普及などの背景もあり、eラーニングで社員研修を行う企業も増えています。本記事では、eラーニングの歴史や今後の発展予測などを解説。学習環境の進化から、時代に合った企業研修・学習法が見つけられます。

目次

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  1. eラーニングの始め方
  2. eラーニングを検討するならこのサービスがおすすめ
  3. eラーニングシステムとは
  4. eラーニングの歴史
  5. eラーニングの現在
  6. eラーニングの今後
  7. まとめ

eラーニングの始め方

感染症の拡大や働き方に関する考えの推移に伴い、変化した「学び」のスタイルにも対応するため、自社の研修形式やスキルアップに適応したeラーニングシステムの選定が求められます。

eラーニングシステムの多くは資料請求をすることで、運用を開始できます。これは公式サイトから検討した場合も同様です。本サイトでは複数のサービスをまとめて比較・資料請求することができます。資料請求は無料なので、複数の製品を比較して自社に最適なeラーニングシステムを選びましょう。

eラーニングを検討するならこのサービスがおすすめ

企業の規模に合わせた料金体系でリーズナブルに導入できる「LearnO」

Mogic株式会社

LearnO

Mogic株式会社

LearnO

規模に合わせた料金体系!少人数から大人数の企業におすすめ

業界最安値とも言われるリーズナブルな価格設定で、誰でも使いやすくカスタマイズ性の高いeラーニングシステムなら、LearnOの導入がおすすめです。

出典:LearnO

GOOD
ここがおすすめ!

  • 企業の規模に合わせた料金体系があり、どれだけ費用が掛かってくるか予算を立てやすい
  • 年に4回以上のアップデートが行われており、PCの最新のOSにも対応できる
  • デザインの選択やロゴの登録が可能で、オリジナル感ある資料が作れる

MORE
ここが少し気になる…

  • 教材は自社で作成する必要があるため、1から始める場合は時間や労力が掛かる可能性も

教育・企業研修の現場を低コストで受講しやすい環境に整えられる「Pholly」

Mogic株式会社

Pholly

Mogic株式会社

Pholly

月額2万から!保管場所にも悩んでいる教育機関におすすめ

学修記録をシステムのクラウド上で可視化し、さまざまな教育現場・企業研修で煩雑化する作業の利便性を高めるなら、Phollyの導入がおすすめです。

出典:Pholly

GOOD
ここがおすすめ!

  • 共有機能やコミュニケーション機能なども備え、オールインワンで使える
  • 100ユーザーまで月額2万円からと、低コストで導入できる
  • 学生から教員まで、年齢問わず扱いやすいシンプルな機能と画面

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ここが少し気になる…

  • 動画配信はオプション扱いで、ライトプランでは一部利用できない機能がある

実践トレーニングまでできる講座があらゆる業界にフィットする「Smart Boarding」

株式会社FCE

Smart Boarding

株式会社FCE

Smart Boarding

目指したい社員教育を実現!OJTや研修など社員教育に悩んでいる企業におすすめ

出典:Smart Boarding

GOOD
ここがおすすめ!

  • 内定者・新人教育からリーダー・管理職育成まであらゆるシーンで活用
  • 属人化を防いでいつでも何回でも学習できる環境を実現
  • 自社オリジナルコースの作成や学習進捗管理も行える

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ここが少し気になる…

  • 電話やメール相談、教育プログラム設計といった手厚いサポートを受けられるのは「充実サポートプラン」のみ

グローバル人材の育成講座導入には「Reallyenglish」

株式会社EdulinX

Reallyenglish

株式会社EdulinX

Reallyenglish

TOEIC対策も!豊富なコースでビジネス英語を習得したい方におすすめ

ネイティブ英語教師によるオンラインレッスンなど幅広いコースから選択し、グローバル人材の育成を行うなら、Reallyenglishの導入がおすすめです。

出典:Reallyenglish

GOOD
ここがおすすめ!

  • 「総合力向上」「スピーキング」「ライティング」「TOEIC対策」など、コースが充実!
  • 個々の英語レベルに合わせてカリキュラムを自動で生成するため、効率よく学べる(一部のコース)
  • オンライン英会話は業界内で評判のいい「QQEnglish」が提供

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ここが少し気になる…

  • 期間内にコースを修了しなければならない(別途料金を払えば延長可能)

eラーニングシステムとは

eラーニングシステムとは、インターネットを用いて学習や研修を行えるシステムのことです。パソコンやスマートフォンなどの端末を利用し、オンライン環境下で学習や研修を行います。

企業におけるeラーニングシステムの代表的な利用例として、社内研修が挙げられます。新入社員に対して行われる新人研修に加え、ビジネスマナー研修やコンプライアンス研修など、さまざまな場面でeラーニングシステムが活用されています。

\詳しくはこちらの記事をチェック/

eラーニングとは?機能やメリット・デメリット、選び方を解説

eラーニングとは、パソコンやタブレット、スマートフォンを使ってインターネットを利用して学ぶ学習形態です。本記事では、eラーニングをよく知らない方のために、eラーニングのメリット・デメリットやeラーニングシステムの機能、選び方を解説しています。

eラーニングシステムを構成する2つの要素

eラーニングシステムは「学習管理システム(LMS)」と「学習教材」の2つの要素で構成されています。2つの主な機能について、簡単に解説していきます。

学習管理システム(LMS)

LMSは、eラーニングを実施するためのプラットフォームであり、受講者・仕様教材の広報管理や受講状況、学習の成果を一括で管理できます。「学習管理システム」「eラーニングシステム」「教育管理システム」などと呼ばれ、一般的にはGoogle ChromeやMicrosoft EdgeをはじめとするWebブラウザを利用します。

下記のように、eラーニングを幅広く運用するための機能が搭載されています。

受講者向けの機能・システムログイン
・コースや成績などコンテンツの閲覧
・インプット・アウトプット学習機能
・テスト・レポート機能
・質問機能
管理者向けの機能・受講者登録・管理機能
・履修登録機能
指導機能・受講履歴閲覧機能
・レポート管理機能
・質問管理機能
教材管理機能・コースの作成・編集
・学習素材割り当て機能

学習教材

eラーニングの教材には写真や文章、動画、問題集など様々なコンテンツがあります。教材の質は受講者の満足度や学習効果を左右するため、eラーニングの重要な要素です。

  1. 資料配布型
  2. アニメーション型
  3. 動画配信型
  4. VRやゲームなど体感型

上記のようなさまざまな形式が用いられ、近年では教材を作成する機能が備わったLMSも登場しています。

通信教育との違い

通信教育とは、紙媒体のテキストを使用した個別学習で、受講者は紙媒体の課題やテストで学習を進め、それを郵送して添削やアドバイスを受けるというサイクルで学習を進めます。eラーニングは、そのサイクルを基本的にインターネット上で完結する学習と言えます。

どちらが優れているということはなく、それぞれにメリット・デメリットがあります。通信教育は自己啓発的な内容が多く、知識やスキルの修得などに活用され、eラーニングは企業や学校などの特定分野の必須講習などで活用されるなど、棲み分けが進んでいます。

eラーニングシステムのメリット

eラーニングを導入することで得られるメリットは主に3つの視点に分類されます。ここでは、eラーニングシステムのメリットについて、管理者・受講者それぞれの目線から詳しく解説します。

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【管理者・受講者】教育の質が均一になる

eラーニングは、受講者全員に同じ内容・質の学習教材を提供できるため、教育の質が均一になるメリットがあります。例えば対面型の講座の場合、同じ教材を使用しても講師によって教え方が異なり、教育の質にバラつきが出ることが考えられます。

講座内容はシステム上で管理できるため、常に教材がアップデートしやすく、質の高いコンテンツを提供し続けられることも大きなメリットです。

また、受講生は内容を理解するまで繰り返し学ぶことができます。自分のペースで学習を進められるため、各々が理解度に応じて学び、公平な教育が可能です。

【管理者】学習の進捗状況やフィードバックを一元管理できる

eラーニングは、受講者の学習状況やテスト結果をシステム上で簡単に管理できます。そのため、誤ってテスト結果や課題を紛失するという心配はありません。

また、データの手入力が不要なため、手間が省ける上に誤入力やフィードバックの対象者を間違えるといったミスの防止にもつながります。システム上の結果がそのまま反映されることで、信頼度も上がります。

eラーニングのテスト結果やアンケートを集計・分析したデータをもとに、教育ノウハウの蓄積や教育施策の改善ができることも期待されています。eラーニングは教育だけではなく、組織力の向上につながることは大きなメリットです。

【管理者】手間やコストを削減できる

eラーニングは集合研修に比べ、コストや手間が抑えられるメリットがあります。集合研修の場合、運営費や外部講師の派遣や研修生の交通費の負担など、準備にコストが掛かります。場所を選ばないeラーニングは、様々な面でのコストカットにつながります

また、対面型である場合、受講者の管理や学習履歴の集計などの業務が発生しますが、eラーニングはシステム上で一括で行うことが可能です。社員の業務を負担できるため、非常に画期的と言えます。

【管理者】素早い情報共有が可能

eラーニングで使用する教材は、システム上のアップデートにより簡単に追加や修正ができるため、素早く情報共有できるメリットがあります。社内マニュアルの変更の変更が生じた場合でも、システムを通じて早い段階で学習させることができます。

社内での情報情報伝達力が上がり、スピード感が出ることで組織全体の生産性の向上も見込めます。

【受講者】職場や自宅で自分のペースで学習できる

eラーニングはスマートフォンなどを利用することで、場所や時間を選ばずに自分のペースで学習できるメリットがあります。不規則な勤務で対面型の講座を受けられない方や、忙しい方でも学習する機会を増やせます。

また、スマホやタブレットで学習できる手軽さから、通勤の移動時間や待ち時間を有効活用できます。学習することがより身近になるため、社員の学習意欲の向上にもつながります。

【受講者】学習の質が向上する

eラーニングは、動画コンテンツの配信やシステムの特徴により、学習の質が向上するメリットがあります。ここでは、学習の質が向上する理由を詳しく解説します。

音声と映像で理解度が深まる

eラーニングでは、動画コンテンツなどを活用することで、紙媒体の教材に比べ理解度が深まります。音声と映像で訴えることにより、テキストや図形より受け取れる情報が多く、細かい表現を伝達しやすいです。

例えば、レジ打ちのような動作を伴う研修をマニュアル化する場合、紙媒体では「テキストを読み、写真でイメージする」という方法で覚えます。映像で動作をそのまま表現すれば、実際の現場をイメージしやすく早期の定着化が図れます。

管理側としても、テキストで分かりやすい表現を考えながら資料を作るより、映像と音声を利用することで業務の簡略化にもつながります。

何度も復習を行える

eラーニングは各々の理解度に合わせて何度も復習ができるため、学習の質が上がります。集合研修は一度きりの受講のため、時間が過ぎると終わったり、再度教えてもらうことが難しかったりします。

そのため、一度受講しても正しく理解できていないことや、浅い知識のまま終わってしまうことも多いです。eラーニングの場合は同じ内容を繰り返して学習できるため、知識の定着度が上がりやすいメリットがあります。

また、繰り返し学ぶことで新たな気づきの発見や、理解度の深化につながることも注目されるべき点です。

【受講者】手軽で継続しやすい

eラーニングは、インターネット環境があれば簡単に学習できるため、継続しやすいメリットがあります。外出する気分にならない時や忙しくて時間を取れない時でも、自宅でPCや移動時間のスマホですぐに学べることで、継続が容易になります。

また、集合研修のように現場に赴く必要がないため、本来移動するために使っていた時間を他の学習に時間を当てることもできます。学習を効率よく行えるため、受講生にとって「学ぶこと」のハードルが低く、ポジティブな印象になることもメリットです。

eラーニングシステムのデメリット

eラーニングシステムの導入には大きなメリットがある一方で、デメリットもいくつか存在します。デメリットに関してもメリット同様に、管理者・受講者の目線に分けて詳しく解説します。

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【管理者・受講者】その場で質疑応答ができない

eラーニングは、ライブ配信を除いてリアルタイムの学習ではないため、その場で疑問を解決できないデメリットがあります。理解が不十分なままでは、不安に感じる受講生も出てくるでしょう。

受講生から問い合わせを受けることの多い内容の把握や、受講生が疑問に感じやすい点の想定はできます。「よくある質問コーナー」のようにコンテンツを作成しておくと、ある程度の問題解決に役立ちます。

質疑応答のために、専用の掲示板やチャットを設置しておくことも方法の1つです。管理者が稼働している時間帯であれば、速やかな対応ができます。分からないことがあれば、まずは確認する場所を設けておくことで、受講生の不満解消にもつながります。

【管理者・受講者】受講者同士の交流が減る

eラーニングは個人で学習するシステムのため、受講者同士が直接関わることはありません。そのため、集合研修でできるような受講者同士の交流ができないというデメリットがあります。孤立しての学習が、モチベーションの低下につながることも考えられます。

最近では掲示板やブログ、SNSなどオンラインでのコミュニケーションツールを組み合わせて、交流を活性化する手法も用いられています。

学習のモチベーションを保つために、時には受講者同士の交流が必要です。オンラインならではのコミュニケーションツールを使用して、デメリットを解消しましょう。

【管理者・受講者】講義を行うための環境が必要

eラーニングで講義を行うためには、インターネット環境と視聴する端末が必要です。受講環境を整えるためには、システムの導入や関連機器の調達などに、コストや時間がかかるデメリットがあります。

会社用の業務端末を導入している場合は、業務端末を通してeラーニングを実施できるよう整備することができます。しかし、受講のしやすさを鑑みると、PCをはじめとしたマルチデバイスに対応させることが求められます。

受講者側は、インターネット環境が整っていないと受講が難しくなります。インターネット環境を求めて移動が発生する場合、講座の内容によっては集合研修のほうがメリットが大きいこともあります。

導入までにかかる時間やコストを想定し、あらかじめ計画することで予想とのギャップを埋めましょう。

【管理者】eラーニング教材の制作にコストや手間がかかる

eラーニングは配信する学習教材を作る必要があるため、コストが掛かります。分かりやすく充実したコンテンツにするためには、作成技術も求められ、それなりに手間がかかります。

一度作成すれば何度も繰り返し使用が可能ですが、コンテンツ内容によってはまめに改正が必要です。例えば、コンプライアンスや法令に関わることは、法改正により随時更新が必要であり、eラーニングでは逆に手間がかかる可能性もあります。

eラーニングで配信する学習教材は、自社の社員規模や運用に割ける人員を加味して、内容ごとに運用方法を検討しましょう。

【受講者】モチベーション維持が難しい

eラーニングは好きなタイミングで学習できる魅力がありますが、逆を言えばモチベーションを保つことが難しくなるデメリットがあります。

集合研修とは違い、進め方が各々のペースに任されることになります。自ら学習意欲を持って取り掛からなければならないため、やる気が起きないと受講しないままドロップアウトにつながることもあります。

管理者は、受講者が交流できる機会を作るなど、モチベーションを維持するための対策方法を考えることが必要です。また、受講を促すための通知表示や期限の周知も、学習意欲を促す効果があります。

【受講者】実技の習得が難しい

eラーニングは学習コンテンツを視聴するため、映像や音声によるイメージはできますが、実技の習得は難しいことがデメリットの1つです。道具などを用いた実技の習得は、口頭で説明することが難しいです。

特に高度な知識が必要なことや取り扱いに注意を要する操作は、eラーニングのみでは不十分と言えます。eラーニングを使用するにしても、場合によってはコンテンツだけでは学べない部分の補完教育が必要です。

集合研修の前の自己学習や、実技研修と組み合わせて一環の研修内容にするなど、eラーニングを上手く活用することもできます。eラーニングで学んだことは、現場で説明する必要がなくなるため、研修にかかる時間を減らすことも可能です。

eラーニングはただ学習させるだけではなく、内容に合わせて柔軟に使いこなすことが求められます。

eラーニングの歴史

eラーニングはコンピュータや通信技術の進化とともに発展してきた歴史があります。ここでは、eラーニングの歴史を振り返り、解説していきます。

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eラーニングのはじまり|1990年代

eラーニングの考え方は1950年代のCAI(Computer Assisted Instruction)にあります。CAIとはコンピュータ支援教育とも呼ばれ、1980年以降の義務教育へのPC導入初期段階で行われた教育手法です。eラーニングはそれを引き継ぎ、1990年代以降大きく発展しました。

1987年の32ビットPCの発売、1989年のCD-ROMドライブ搭載PCの発売と、PCの世界は急激に進歩するとともに、PCの低価格化も進みました。そのような中で、1995年に発売されたWindows95が爆発的な人気を生み、一般家庭へのPC普及のきっかけとなります。

Windows95PCには標準装備としてCD-ROMドライブが内蔵されました。CD-ROMには画像、動画、音声といったデータを格納できるため、紙媒体の通信教育からCD-ROMを教材とした学習(CBT)が開発されました。

このような動画や音声の入った通信教育の教材が、eラーニングのはじまりです。しかし、CBTは教材が高価であることや、内容の修正ができないなどのデメリットが大きく、広く活用されるまでには至りませんでした。

「e-Japan」構想策定|2000年

日本でeラーニングという言葉が一般的に認知されるようになったのは、2000年代からです。そのきっかけになったのが、2000年に当時の森内閣が掲げた、5年間で日本型IT社会の実現を目指す「e-Japan構想」です。

これをきっかけに、2001年にはeラーニング普及のための事業がはじまります。インターネットのダイヤルアップ接続から、ADSL・CATVなどの低価格の高速インターネット環境が整備されました。

eラーニングもCD-ROMを利用したCBTから、インターネットを利用した学習(WBT)へと変化しました。

CBTでは学習状況を受講者自身が把握・管理していましたが、WBTでは学習状況から教材までサーバで一括管理できるようになりました。また、受講者側は最新の情報が掲載された最新の教材で学習を進めることができるようになり、学校や企業にも普及していきます。

参考:「e-Japan戦略」の今後の展開への貢献|総務省

スマホ・タブレットの登場|2000年代後半

2000年代後半になると、インターネット回線では光回線が普及し、それと同時に無線回線やWi-Fi環境の整備も進みました。また、端末機器もデスクトップやノートPCに加え、タブレットやスマホなどのスマートデバイスも普及し、機器選択の幅が広がり始めます。

これらのスマートデバイスは持ち運びが楽なことから、デスクでのeラーニングから、時と場所を選ばないeラーニングへと学習形態の変化を起こしました。たとえば、通勤や通学途中などでの学習や、調理しながら視聴する調理実習も可能になりました。

eラーニングの現在

現在では、4G・5Gなどの通信技術の進化で、スマホでも簡単に質の高いコンテンツを高画質で受講できるようになりました。また、既存のeラーニングコンテンツをスマホ用に変換することも可能になり、スマホ教材の種類や数も豊富になっています。

また、感染症対策の一環で行われた外出自粛では、学校関係や企業で広くeラーニングを活用した授業や研修が行われました。その際のeラーニングの実績が認められ、現在も法人向け(BtoB)市場や個人向け(BtoC)市場は活発化しています。

eラーニングの今後

IT技術の進歩に伴い、eラーニングはまだまだ発展の余地を残しています。ここではこれからのeラーニングにどのような進化が予想されるのかについて解説します。

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リアルタイムで繋がるシステムへ

eラーニングの一番のデメリットはコミュニケーションが取りにくいことです。現在、そのデメリットを解消し、管理者と受講者がリアルタイムにつながることができるeラーニングシステム構築のための取り組みが試行されています。

その取り組みの一つが、衛星通信やテレビ会議システムなどを利用した同期型eラーニングです。同期型eラーニングでは、受講者がリアルタイムの配信で学習でき、質問しやすい環境を提供できます。

AIによる進化

ChatGPTを始め、最近のAI技術の進歩には目を見張るものがあり、eラーニングでもAIの活用が広まっていくと考えられます。たとえば、記述式レポートの自動採点・受講者の習熟度の分析・受講者へのアドバイスの自動生成などで受講者へのアフターフォローの充実などが考えられます。

また、生成 AI の活用で、eラーニング教材の自動生成やナレーション自動生成などにより教材開発の時間短縮ができ、受講者のニーズに合った、より広範な教材の提供が可能になると予想されます。

まとめ

eラーニングとはオンラインで学ぶ学習形態で、その原型は通信教育にあります。eラーニングは効率的な通信教育のために1990年代に登場し、PCの高速化や小型化・高速ネット回線やスマートデバイスの普及などに伴って、進化し普及してきました。

最近では、時や場所を選ばず学習できる環境が整い、多くの企業や教育機関で活用されています。今後はAIを活用したeラーニングシステムの開発により、さらに効率的な学習ができるシステムとして、各企業での研修や講習へのさらなる活用の広まりが期待されています。

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