基幹システムと会計システムの違いとは?目的やメリットも解説

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  • 基幹システムとは、企業の根幹を担い、業務効率化をサポートするシステム全般を指す
  • 基幹システムには生産管理システムや販売管理システムなどがあり、会計システムも含む
  • 会計システムとは企業の会計処理を記録し、帳簿書類を作成するためツールである

基幹システムとは、企業の根幹を担い、業務効率化をサポートするシステム全般を指します。生産管理システムや販売管理システムなどがあり、会計システムもその一つです。この記事では基幹システムと会計システムの違いが分かるよう、それぞれの概要や目的を解説します。

目次

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  1. 基幹システムと会計システムの違い
  2. 基幹システム導入のメリット・デメリット
  3. 導入が増えているERPとは
  4. 基幹システムとERPはどちらを導入するべきか
  5. まとめ

基幹システムと会計システムの違い

基幹システムと会計システムは、いずれも企業の経営活動を支える重要なシステムです。基幹システムとは、会計システムを含めて企業の主要業務を統合的に管理・サポートするシステムを指しています。

一方、会計システムとは、企業の財務情報を管理するシステムです。基幹システムと会計システムは役割が異なるため、それぞれのシステムについて理解し、適切に活用することが大切です。以下で、基幹システム・会計システムについて解説します。

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基幹システムとは

基幹システムとは、企業がビジネスを遂行する上で主要な業務を支えるシステムです。基幹システムは主に、企業の主要な業務を統合的に管理し、業務効率化を図る目的で導入されます。

業種により基幹業務は異なるため、基幹システムはどの業種で使用されるかにより内容が変わります。しかし、どの業種においても基幹システムの導入で業務の管理を一元化でき、管理方法が統一されるため、業務効率化や属人化の防止、人為的ミスの軽減が可能です。

基幹システムの種類

基幹システムにはさまざまな種類があり、会計システムもその中の1つです。会計システムの他には、以下のようなシステムが該当します。

  1. 販売管理システム
  2. 在庫管理システム
  3. 生産管理システム
  4. 人事管理システム
  5. 経理管理システム
  6. 労務管理システム
  7. 仕入管理システム

「基幹」とは、主要部分として物事を成り立たせる根幹という意味を持ち、会計システムを含めて上記のいずれのITシステムも、企業が経営活動を継続していく上で欠かせない役割を担っています

基幹システムとは?導入手順やメリットなどをわかりやすく解説

基幹システムとは、販売管理・在庫管理・会計など、企業の基幹となる業務を効率化するためのシステムのことです。基幹システムの導入で、業務の効率化や標準化に繋がります。本記事では、基幹システムのメリットや選び方、基幹システムのクラウド化などについて解説しています。

会計システムとは

会計システムとは、企業の会計管理に特化したシステムで、会計ソフトとも呼ばれています。具体的には、売上・仕入・経費・資産・負債などの情報を管理し、企業の財務状況を把握して経営の健全性を維持する役割を果たします。

会計はどの業種においても欠かせないものであり、会計システムを導入することで、企業の会計情報の管理を効率化することが可能です。システムによっては、他の基幹システムまでカバーするような幅広い業務範囲を網羅しているものもあります。

会計システムは基幹システムの種類の一つ

前述したように、基幹システムは、企業運営の根幹を担う基幹業務の遂行に関連するシステムの総称です。基幹システムにはさまざまな種類があり、会計システムもその中に含まれます。

会計システムを含む基幹システムは、それぞれが企業の根幹を支える重要な役割を担っているため、連携させることによりさらなる業務効率化が期待されます。

例えば、会計システムと販売管理システムを連携させることにより、販売管理システムから売上データ・仕入データなどを自動で会計システムに反映させられるため、入力の手間やミスを省き、業務効率化に繋がります。

会計ソフトとは?使い方やメリットを解説【初心者・個人事業主も】

会計ソフトとは、企業におけるお金の動きが管理でき、帳簿や決算書などの作成もできるシステムのことです。利用したいとは思いつつも、使い方がわからない、どのソフトを選んだらいいかわからない、といった方も多いでしょう。この記事では、会計ソフトの使い方やメリット、選び方などを解説します。

基幹システム導入のメリット・デメリット

基幹システムは業界や職種によって種類が異なりますが、業界や職種を問わず当てはまるメリット・デメリットも存在します。基幹システムの導入には、メリット・デメリットの把握が欠かせません。以下で、基幹システム導入のメリット・デメリットについて解説します。

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基幹システム導入のメリット・デメリット

  1. 基幹システム導入のメリット
  2. 基幹システム導入のデメリット

基幹システム導入のメリット

基幹システムを導入すると、業務フローや管理方法が統一されるため、業務を標準化することが可能です。標準化された業務が社内で浸透すると、どの従業員が業務を担当してもある程度の業務水準を保てます。

これにより、業務の属人化を防止し、新人やベテランなどスキルの差があっても一定のクオリティを保ちながら業務を遂行できるのがメリットです。また、業務が一元化されるため、業務効率化も図れます。

システムを個別に利用している場合は、それぞれのデータを手動で集計しなければならず、人為的ミスが起こりがちです。その点、基幹システムを導入していれば、データが自動集計されるため業務効率化や人為的ミスを軽減できます

基幹システム導入のデメリット

基幹システムは、業務にあまり関係のない機能を多く搭載したシステムでは、導入しても効果を感じられません。そのため、自社の課題を改善するために適したシステムを選ぶことが大切です。

また、基幹システムをせっかく導入しても、従業員が使いこなせなければ望むほどのメリットを享受できないでしょう。そのため、基幹システムを導入する際は業務フローを見直し、必要があれば変更を行いましょう。適切に運用できるよう、従業員への周知も必要です。

従業員に、基幹システム導入の必要性や、適切に運用するための業務フローを周知することが、基幹システムの導入を成功させるポイントです。

導入が増えているERPとは

ERP(Enterprise Resource Planning)とは、企業の基幹業務を統合的に管理するシステムのことです。

販売管理・在庫管理・生産管理・人事管理・経理管理などのシステムが含まれ、会計業務を効率化する手段としてERPを利用する選択肢もあります。ERPについて、以下で解説します。

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ERPと基幹システムの違い

ERPと基幹システムは、導入の目的と管理する範囲に違いがあります。ERPは、企業が保有する人材・商品・金銭などを一元管理し、経営戦略に役立てるためのシステムです。ERPシステムのみで、基幹業務全体を網羅できます。

一方、基幹システムは企業の主要業務を管理し効率化するためのシステムです。基幹業務の種類ごとに独立しているので、さまざまな基幹業務を行うためには複数のシステムと連携する必要があります。

ERPの導入メリット

ERPの導入メリットは、会計業務を含めた様々な基幹業務を一元管理できることです。会計システム単体だと、他のシステムと連携できないケースがあります。他のシステムと連携できないと、複数のシステムのデータから経営情報を取得したい場合に手間がかかります。

ERPなら基幹業務の一元管理ができるため、ERPを導入すれば複数の基幹業務の業務効率・生産性をまとめて向上させられます。

基幹システムからERPへの切り替えが進む背景

近年は、基幹システムからERPに切り替える企業が増加しています。その背景にあるのが、基幹システムの老朽化です。基幹システムに比べてERPが普及したのは最近であり、古い基幹システムはサポートの終了などに伴いレガシーシステムとなっています。

最新技術を搭載した新しいシステムの登場やレガシーシステムの保守に対応できるエンジニアの減少などの理由から、既存の基幹システムが老朽化したタイミングでERPへの切り替えを検討する企業が多いです。

また、ERPが広まった背景には、日本企業に適したERPやクラウド型ERPが提供されるようになったことや、企業の膨大な情報資産を表すビッグデータの活用に注目が集まっていることなども起因しています。

基幹システムとERPはどちらを導入するべきか

ERPは、企業の基幹業務を統合的に管理するシステムであるため、基幹システムよりも優れていると感じる方も多いでしょう。ERPの方が対応可能な業務範囲が広いことは事実ですが、必ずしも全ての企業にとってERPの方が適しているわけではありません

ここでは、基幹システムとERPはどちらを導入するべきか、それぞれ適している企業の特徴を解説します。

基幹システムを導入するべき企業の特徴

ERPは、会計システムを含む複数の基幹システムが行う業務を統合できるため、便利に感じますが、その分コストが高額になるデメリットがあります。そのため、小規模事業者や個人事業主など、コストの負担を避けたい場合には向きません。

また、会計業務のみに課題を感じているなど、導入効果や活用方法が限定的になると予測される場合にも、各基幹システム単体を導入した方がメリットを得られるでしょう。

ERPを導入するべき企業の特徴

ERPは基幹システムに比べて、コスト負担が大きくなり導入に時間がかかるデメリットがあります。しかし、その分基幹業務の一元管理を行えるため、複数の業務に課題を抱えていたりシステム管理が複雑化したりしている企業の、業務効率化に貢献します。

ただし、コスト面の負担を考慮すると、中小企業や大企業・大手企業といったある程度規模の大きい会社に適したシステムと言えるでしょう。

まとめ

基幹システムは、企業の業務効率化をサポートするシステム全般を指します。会計システムも、基幹システムの一部です。会計システムは、企業の会計処理を記録し帳簿書類を作成するのに役立ちますが、他システムと連携できないケースがあるのがデメリットです。

基幹ソフトは基幹業務を効率化・標準化し、業務のクオリティを安定させ、属人化の防止・人為的ミスの軽減にも貢献しますが、自社の目的に合ったシステムを選ばないと思うように効果が上がりません。

本記事を参考に、会計システムと基幹システムの違いを把握し、自社の目的に合ったシステムを選びましょう。

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