エクセルで予算管理をする方法|管理表の作り方・課題を解説
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- エクセルで予算管理を行う際の予算の立て方に、トップダウン式とボトムアップ式がある
- エクセルで予算管理を行う場合は、予実管理表を作成してから行う
- 予算管理を効率的に行うなら、予算管理システムの導入がおすすめである
予算管理は、予算と実績を比較分析することで、今後の課題を明確にする企業にとって重要な業務です。予実管理は日常的に使用しているエクセルでも行えます。本記事では、予算管理をエクセルで行う際のポイントや予実管理表の作り方などについて、詳しく解説します。
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エクセルで費用を抑えて予算管理をする
予算管理は、社内全体で目標を共有する際や業務の目標を明確にするために必要な業務です。売上やコストなどの数値を適切に予算管理を行うことで、会社が抱える問題などの洗い出しに繋がり、利益の追求が可能になります。
予算管理の実施にはさまざまな方法がありますが、エクセルで管理することも可能です。普段からエクセルを利用している企業であれば、無料で予算管理を始めることができるため、費用を抑えて予算管理を行うことができるのがメリットです。
本記事では、エクセルで予算管理を行う方法や、予実管理のポイントなどについて解説します。これから予算管理システムの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
エクセルで予算管理をする方法
エクセルで予算管理を行う際は、無料のテンプレートを用いる方法もありますが、ここでは管理表を自作する場合の基本的な管理方法について解説します。
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エクセルで予算管理をする3つの方法
予算編成をする
エクセルで予算管理を行う方法は、トップダウン方式とボトムアップ方式の2種類の方式があります。それぞれ予算編成の手順が異なるため、企業規模などに適したものを選びましょう。
トップダウン方式
トップダウン方式は、経営陣や管理部門が利益目標・予算を決定し、各部門ごとに伝えて遂行させる方式です。予算編成が迅速に行えるのが特徴で、スピード感を持って経営計画を建てることができます。
しかし、経営陣などが予算を決定するため、現場の状況に適した予算を立てにくいのがデメリットです。そのため、比較的従業員の意見をまとめやすいスタートアップ企業や小規模企業で主に採用されています。
ボトムアップ方式
ボトムアップ方式は、各部門ごとに予算を決定し、最終的に管理部門などで統合して利益目標を出す方式です。現場の現状に合った予算が設定でき、より実行性が高くなる予算を設定できます。
ボトムアップ方式は、部門数が多く社内事業をすべて把握することが難しい大企業などで採用されています。ただし、現場が予算を設定することで、比較的ゆとりの低い予算になりやすいのがデメリットです。
余裕のない予算設定を防ぐためには、管理部門が最終確認を行い、予算が妥当かどうかの判断や修正を行う必要があります。
予実管理表を作成する
予実管理とは、企業の予算と実績を管理することを表します。予算と実績を比較・分析することで、目標の数値に対してどれだけ達成できているのかを判断することができます。そのため、予算管理においても予実管理は非常に重要な項目です。
エクセルで予実管理を行う際は、予実管理表を使用します。予実管理表は、1ヶ月・3ヶ月・半年・1年間ごとなど企業によって管理のタイミングが違います。エクセルの予実管理表の作り方は、以下の手順の通りです。
- A列(縦列)に売上高・経費・利益などの必要な項目を入力
- 2行目に予算や実績などの項目を入力
- 各セルに計算式や数値を入力する
- 各プロジェクトや部門ごとにシートを作る
当月の予実と1年間の累計が1シートで把握できるようにすると、予算と実績の差異がより見やすくなります。
実績との比較・分析をして予算修正を行う
エクセルで作成した予実管理表の予算と実績を比較・分析し、必要に応じて予算修正が必要です。この予算修正作業は、差異が発生する原因を特定するために行われ、乖離が大きくなる前に対策を取ることができます。
例えば、残業代などの人件費が予算より大きければ、各部門に還元して、残業が多くならないように対策を取る必要があります。反対に予算よりも利益が大きければ、さらに事業を拡大するなど経営戦略に役立てることも可能です。
このように予実管理は、企業の目標到達のために非常に重要な管理業務となるため、エクセルなどで予実管理表を作成して適正に管理しましょう。
エクセルでの予実管理のポイント
エクセルの予実管理は手入力が基本となるため、管理のしやすさを意識したり、エクセルの機能を活用したりするのがおすすめです。ここでは、エクセルで予実管理を行う際のポイントについて解説します。
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エクセルでの予実管理の4つのポイント
予算を明確に設定する
エクセルで予算管理をする場合は、損益計算書にマッチする形で予算を設定しましょう。予算を明確に設定することで、予実差異を分析・調査する際に、情報を整理しやすくなります。
商品ごと部門ごとに差異の発生を確認できれば、より具体的な対策が可能になります。また、予算数値を決定する際は、部門ごとの調査や事業の傾向を先読みし、適切な予算を立てましょう。
管理のしやすさを意識する
エクセルの予算管理表は手入力になるため、管理のしやすさを意識することが重要です。例えば複雑なフォームを避けることで、入力ミスや転記ミスを減らすことができ、見やすい予実管理表が作成できます。
また、予算の入力時は、適切な予算設定であるかも確認しましょう。前年度の予算をそのまま転記したり、ゆとりがある予算を入れたりしても企業経営には役立ちません。修正工数が増えればそれだけ誤入力などのリスクがあるため注意が必要です。
定期的にPDCAを回す
エクセルで予実管理する際は、定期的にPDCAを回すことを意識しましょう。予算編成・事業遂行・予実分析・予実改善の順に、定期的にPDCAサイクルを回すことで、企業活動の安定や業務改善に役立ちます。
月次決算などのタイミングで、設定した予算と結果の比較を行います。エクセルの予実管理表においては、予算編成や実績を見やすい表にすることで、数字を比較・分析しやすくなります。
大きな差異が発生している場合は、その要因を探り、改善をする流れとなります。エクセルで予実管理表を作成する際は、PDCAサイクルを意識して見やすい表を作成しましょう。
エクセルの機能を活用する
エクセルで予実管理する際は、エクセルの機能を活用しましょう。グラフやチャート機能で数値を可視化できれば、予算編成や予実分析などがしやすくなります。予実差異や予算比など自動計算できる部分は、セル内に数式を入れておきましょう。
また、エクセルの操作を自動化するマクロ機能を使うことで、エクセルの操作を自動化することも可能です。適切なマクロを組むことができれば、面倒な計算や転記が必要なくなるため、作業時間の削減ができます。
エクセルで予算管理をする際の課題
エクセルでの予算管理は、業務負担が大きいことやミスが発生しやすいなどの課題点が多いです。エクセルの予算管理での課題点を改善するために、近年では予算管理システムの導入をする企業が増えています。ここからは、エクセルでの予実管理の課題を2つ解説します。
ミスが発生しやすい
エクセルは手入力での作業が多いため、予算の集計に手間がかかる上に入力ミスなどが発生しやすいという課題があります。転記する際も手入力となるため、桁間違えなどが非常に起きやすいです。
また、複数人で共有する際は、列・行・関数などが誤って改変されることもあり、正確性にやや懸念が残ります。
担当者の作業負担が大きい
組織体制の変更や勘定科目の追加などがあった場合は、エクセルのフォーマットも更新しなければなりません。この更新作業は関数の見直しなども必要なため、担当者の作業負担となります。
組織体制や勘定科目の変更がある度にフォーマットの更新が必要となるため、これらの変更が多い企業では担当者の作業負担が膨大となり、コア業務に支障をきたす場合もあります。
効率的な予算管理に予算管理システムがおすすめな理由
効率的な予算管理には、予算管理システムの導入がおすすめです。予算管理システムとは、予算編成・事業遂行・予実分析・予実改善などの活動を効率的に行うためのシステムです。
予算管理システムを利用すれば、予算の集計が効率化できたり、部門ごとの予算を集約して管理できたりするため、よりスピーディーに経営計画に役立てることが可能になります。
予算管理システムは、エクセルでの予算管理の課題点を払拭でき、高い精度で予算分析できるのがメリットです。
最近ではエクセルの操作感を失わないように利用画面がエクセルのようになっているシステムや、従来の既存システムからのデータ抽出や変換などにも対応しているシステムも多く、手軽に移行しやすいのもポイントです。
予算管理システムとは、企業の予算編成や管理、分析を行えるシステムのことを言います。予算管理システムを導入したくても数が多くてどれを選べば良いか迷う企業もあるでしょう。本記事では、おすすめの予算管理システムやシステムを選ぶ際のポイントなどを解説しています。
まとめ
予算管理は、社内で目標を共有する際や業務の目標を明確にするために重要な業務です。エクセルで予算管理を行う際は、トップダウン式とボトムトップ式の2種類あり、企業規模に合わせた方式を選ぶ必要があります。
また、エクセルで予算管理を行う際は、管理のしやすさを意識したりエクセルの機能を活用したりして、適切に予実管理を行うことが大切です。
ただし、エクセルでの予算管理は、入力ミスや業務負担が大きいなどの課題点も多いため、作業負担の軽減や業務効率化を図るには、予算管理システムの導入をおすすめします。
本記事の予算管理をエクセルで行う際のポイントや、予実管理表の作り方などを参考に予算管理を適切に行い、業務効率化といったメリットを実感できる環境作りを行いましょう。
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