コラボレーションツールとは?メリット・デメリットや選び方を解説

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- コラボレーションツールは、組織内の情報共有やコミュニケーションなどをサポートする
- 豊富な機能が搭載されており、業務上必要なやり取りを1つの箇所に集約できる
- ツール選定の際は機能やコスト、操作性などに注意して比較検討する
コラボレーションツールとは、組織やチーム内のコミュニケーション・情報共有をサポートして効率化できるツールであり、テレワークなどにも活用されています。本記事では、コラボレーションツールを導入した際のメリット・デメリット、主な機能や比較ポイントなどを解説します。
目次
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コラボレーションツールとは

「コラボレーションツール」とは、組織で共同作業を行う際に、メンバー間のコミュニケーションや情報共有などをサポートしてくれるツールです。共同作業を行うために使用する、さまざまな機能を備えたツールを指します。
「コラボレーションプラットフォーム」と呼ばれることもあり、Web会議、ビジネスチャット、タスク管理・プロジェクト管理といった多彩な機能によって、組織内での共同作業についてリアルタイムで確認・分析することができます。
コラボレーションツールが注目される背景
組織で共同作業を行うには、メンバー同士がコミュニケーションを取りながら進めることが不可欠です。最近は、テレワークも定着していることから、離れた場所でも効率的に情報共有できるかが、作業を円滑に進める大事な要素となります。
情報共有・コミュニケーションを図るツールとして、メール・チャット機能、ファイル共有機能、プロジェクト管理機能など、機能ごとに別のシステムを併用しているケースも多いでしょう。
しかし、さまざまなシステムを使い分けていると、目視による見落とし・対応漏れなど、人為的なミスが発生しやすくなるリスクも考えられます。そこで、必要な機能が1つのツールに集約されたコラボレーションツールが注目されるようになりました。
コラボレーションツールの主な機能一覧

コラボレーションツールの機能は大きく、「情報共有を効率化」するための機能と、「コミュニケーションを円滑に進める」ための機能の2つに分類されます。ここでは、それぞれの機能でできること、期待される効果について解説します。
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情報共有の効率化 | コミュニケーションを円滑に進める |
---|---|
社内Wiki機能 | チャット機能 |
タスク管理・プロジェクト管理機能 | |
スケジュール共有機能 | ビデオ通話・Web会議機能 |
オンラインストレージ機能 |
【情報共有】社内Wiki機能
社内Wiki機能とは、業務に関する情報をメンバー自らがアップロード・共有できる機能です。イメージとしては、多言語インターネット百科事典のWikipediaを、社内専用版にしたものと考えるとわかりやすいです。
業務に使うフォーマットのひな型、過去のノウハウや社内マニュアルなど、独自の情報をメンバーがアップロード・蓄積・共有することで、情報を探す時間の短縮につながります。その結果、業務効率化の促進と属人化を防止する効果が見込めます。
【情報共有】タスク管理・プロジェクト管理機能
タスク管理・プロジェクト管理は、メンバーそれぞれがタスクを計画的に進めたり、責任者がメンバーの進捗状況やタスクの割り振りを行ったりなど、プロジェクト全体の管理・情報共有を目的とした機能です。
これらの機能を使うことで、個人・全体での進捗状況が可視化され、メンバー間の作業量の偏りがあるかも見つけやすくなるため、業務の最適化が図れます。さらに、タスクの抜け漏れを防ぐことも可能です。
【情報共有】スケジュール共有機能
スケジュール共有機能は、チームや個人のスケジュールを作成・閲覧・編集できる機能です。会議室をはじめとした共有施設の登録ができるものや、アラームで通知が受け取れるリマインダー付きのものもあります。
スケジュールを組織で共有することで、メンバーそれぞれの予定が把握でき、スケジュール確認の手間やスケジュールの調整ミスがなくなります。進捗具合を反映したスケジュールの変更もしやすくなるでしょう。
【情報共有】オンラインストレージ機能
オンラインストレージ機能は、インターネット上のスペースに書類データなど業務に必要なデータを大量に保管・共有できる機能です。インターネット環境があれば、出張先などからでも場所を選ばずアクセスでき、自動のバックアップ機能もあります。
また、サービスによっては、複数のメンバーでの同時編集機能が含まれ、より業務の効率化を図れます。オンライン上のURLを共有するだけで閲覧・編集できるため、動画などの大容量データのアップロード・ダウンロードに割いていた時間も、大幅に短縮可能です。
【コミュニケーション】チャット機能
チャット機能では、ビジネスに適したコミュニケーションが取りやすいです。個人チャットと使い方は似ていますが、グループチャット、音声・ビデオ通話機能など、業務を効率化できる機能が充実しているうえ、セキュリティ機能も兼ね備えています。
チャット機能を利用すると、形式的な挨拶文が不要になり、話し言葉でのシンプルなやり取りがしやすくなります。また、コメントを返さずにリアクションだけを返したいときは、スタンプ機能を活用して、温度あるコミュニケーションを取ることが可能です。
個人同士やグループなど、参加メンバーも自由に設定でき、親密な雰囲気を作りやすく、活発な意見交換を図れます。
【コミュニケーション】ビデオ通話・Web会議機能
ビデオ通話・Web会議機能は、従来のテレビ会議とは異なり、専用機器が不要で、インターネット環境があればどこでもオンライン会議ができる機能です。その際、ほとんどのサービスに会議内容を暗号化する機能があるため、セキュリティ面でも安心して利用できます。
微妙なニュアンスを伝えたい場合、電話やメールでは正確に伝わらないこともあります。そのため、物理的な距離があって対面で話すことが難しい場合でも、メンバーの表情が確認できて親密な雰囲気でのやり取りがしやすく、コミュニケーション不足を補えます。
コラボレーションツールのメリット

多くの機能を搭載したコラボレーションツールは、工夫して利用することでさまざまなメリットを得られます。ここでは、コラボレーションツールの具体的なメリットについて解説します。
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コラボレーションツールのメリット
コミュニケーションが効率的になる
コラボレーションツールには、チャットやビデオ会議といった複数のコミュニケーション機能が備わっています。そのため、議題にしたい内容によって適切なコミュニケーション方法を選ぶことができます。
さらに、従来のコミュニケーション方法と比べて、気軽にやり取りできるのも大きなメリットです。例えば、ビジネスメールは宛名・定型文の挨拶や署名など、本件以外の部分で気を遣うことが多く、時間もかかりやすいです。
スマホ・タブレット・PCなど端末の種類を問わないことから、話したいときにすぐに話せて、ビジネス上の迅速なコミュニケーションにも役立ちます。
業務のやり取りを一箇所に集約できる
コラボレーションツールには、タスク管理やオンラインストレージなど、業務上の情報共有に必要となる機能が揃っているため、複数のデータを行き来する必要がありません。
例えば、会議中にクラウド上の共有データを簡単に表示したり、チャットグループの活用で同時に全員にデータ共有したりできます。
やり取りに参加するメンバーは自由に選べるため、用途ごとに複数のコミュニティを作れて、メールのようにその都度メンバーを選ぶ手間もありません。また、チャットでは過去のやり取りは時系列で見返すことができるため、簡単な議事録のようにも利用可能です。
どこからでもアクセス可能
ここ数年の働き方改革により、個々の働く環境が大きく変わり、テレワークが定着している企業も増えています。徐々に在宅勤務者を増やしたり、パソコン1つあれば業務ができる仕組みへと変更を続けている企業も多いでしょう。
コラボレーションツールはクラウド型のツールであるため、インターネット環境があるだけで利用できます。場所に関係なくどこからでもアクセスが可能となり、リアルタイムに対応しやすいのもメリットです。
生産性向上・コスト削減につながる
コラボレーションツールで情報共有とコミュニケーションが円滑になると、今まで発生していた無駄なやり取りがなくなります。また、複数人で同じファイルを同時に編集できるため、生産性の向上にもつなげることが可能です。
また、Web会議を活用すれば、交通費や時間を削減できた分、そのリソースを他の業務や商談に充てられます。ツールの導入にはコストがかかりますが、効果的な運用によって十分な費用対効果を得られるでしょう。
コラボレーションツールのデメリット

コラボレーションツールには多くのメリットがありますが、利用の仕方によってはデメリットが発生することも想定しておかなければなりません。ここでは、コラボレーションツールの利用におけるデメリットを解説します。
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コラボレーションツールのデメリット
集中力が低下する恐れがある
チャット機能はリアルタイム性が高く、メールよりも気軽に送りやすいため、場合によっては必要以上にやり取りが増え、メッセージの受信通知のたびに集中力が低下してしまう恐れがあります。
そのため、チャット機能を利用するときは、本来必要な情報と別の情報が混在しないよう、あらかじめ組織内で利用ルールを決めておくといった対策が必要です。
社内で浸透しない可能性がある
事前の説明や研修なしでコラボレーションツールを導入してしまうと、従業員はどのようにツールを使ったら良いのかわからず、なかなか受け入れてもらえない可能性があります。
コラボレーションツールを検討するときに大切なのは、社内でツールを使う予定の従業員・グループメンバー全員に対し、利用目的と想定されるメリットを周知しておくことです。
その際、新しいIT関連システムの操作に不安や抵抗感を覚える従業員には、利用に前向きな気持ちになれるような対応が必要です。例えば、操作に慣れることで今まで不便だった業務がシンプルにできるようになるなど、具体的な導入のメリットを説明しましょう。
オフラインでは利用できない
サービスの大半がクラウド型であるコラボレーションツールは、地下や山中などの電波状況が安定しない環境・オフライン環境では、快適に利用できないのが弱点です。
多機能なツールを導入しても、社内の回線状況やWi-Fiの安定状況によっては活用できないことも考えられるため、必要に応じて通信回線をアップグレードするなどの対策を検討しましょう。
コラボレーションツールの活用シーン

コラボレーションツールは、単に情報をやり取りするだけでなく、さまざまな業務シーンで効率化や生産性の向上に役立ちます。特に、働き方改革やリモートワークの拡大で活用されるケースが増えています。
ここでは、コラボレーションツールの具体的な活用シーンを解説します。
リモートワークでの利用
リモートワークが一般的になった現在、従業員が物理的に同じオフィスにいないことにより、日常的な情報共有と意思決定が難しいです。コラボレーションツールを導入すれば、チャットやビデオ会議を通じてリアルタイムでのコミュニケーションが可能となります。
メールに依存しないスピーディーなやり取りが実現するだけでなく、タスク管理やスケジュール共有を組み合わせることで、進捗状況の可視化もできます。
上司やメンバー、チーム全体が常に最新の情報を共有しながら業務を進められるため、在宅勤務でもオフィス勤務と同等の生産性を維持することが可能です。
外部パートナーとの共同作業
近年は企業の枠を越えて、顧客・協力会社・フリーランスなど、外部パートナーと連携して業務を進めるケースが増えています。コラボレーションツールを利用すると、取引先との安全なファイル共有をはじめ、リアルタイムな意思決定が可能です。
さらに、外部との連携においてはセキュリティ面での懸念もありますが、ツールによってはアクセス権限を細かく設定できます。
そのため、必要な情報だけを共有して社内の機密データを安全に保護しつつ、パートナーシップの強化や新規ビジネス創出にかかるスピードを速めることが可能です。
コラボレーションツールの比較ポイント

コラボレーションツールにはさまざまな製品・サービスが存在するため、大きな導入効果を得るには自社にマッチするツールを選ぶことが重要です。ここでは、コラボレーションツールを選定する際の比較ポイントを解説します。
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コラボレーションツールの比較ポイント
搭載機能を確認
各コラボレーションツールには、それぞれ異なる特徴や強みがあります。搭載されている機能にも違いがあるため、検討するツールにはどのような機能が搭載されているのかをよく確認しましょう。
自社にとって過不足のない機能を搭載したツールを選ぶことで、従業員に活用されない、機能の一部しか使われておらず費用対効果が低いといった事態を防げます。
コストを確認
コラボレーションツールはクラウド型のツールであることから、初期費用が無料なものも多いです。しかし、月額料金が発生するため、中長期的な視点でのコスト比較が重要です。
ツールによって料金体系や具体的な金額は変動し、同じツールの中でも複数のプランが用意されています。料金プランによってストレージ容量が異なる場合もあるため、自社での運用に十分な容量のプランか、しっかりと確認しながら選ぶことが大切です。
無料で利用できる場合もあるが注意が必要
コラボレーションツールの中には、無料プランを提供しているものもあります。しかし、無料版ではアカウント数や機能に制限があることが多いです。そのため、小規模な利用以外では有料ツールの検討がおすすめです。
なお、無料プランから始めるとしても、将来的に利用規模が拡大することを想定して、有料プランにアップグレードした際の機能や費用などを確認しておくべきでしょう。
また、オープンソース型のツールの場合、ツールそのものに費用がかからないこともありますが、導入やカスタマイズには専門知識を持った人材による作業が必要となるため、人的コストはかかります。
動作環境を確認
ツールを選定する際、対応可能なOSやブラウザといった動作環境が、自社で使用中の端末に適合しているかを調べておくことが大切です。例えば、スマートフォンのアプリも活用したい場合は、iOSやAndroidといったOSのバージョンに対応しているかに注意です。
ほとんどのツールは、PC・スマートフォン・タブレット端末などのマルチデバイスに対応しており、外出先やテレワーク中でも利用しやすいことが想定されます。しかし、ツールの中には、動作環境によって未対応のOSもあるため注意しましょう。
使いやすい操作性か
ツールの導入は、組織で情報共有・コミュニケーションを図ることが主な目的の1つです。そのため、導入に携わったメンバーだけでなく、使用する人全員が使いやすいツールを選ぶ必要があります。
運用後にツールの利用が浸透しないことがないよう、できる限り無料トライアル期間や無料プランを利用してみましょう。ITツールに不慣れな人にも実際に操作を試してもらい、感想を集めるのもおすすめです。
他システムと連携できるか
すでに他の業務システムを利用している場合、自社で利用中のシステムと連携できるかも選定材料にすると、情報の移行と業務にかかる負担軽減を図れます。
既存のツールからコラボレーションツールに移行する場合は、連携によってデータ移行の作業が簡単になります。また、併用する場合は、ツール同士をシームレスにつなぐことで業務をさらに効率化し、生産性の向上にも役立てることができます。
ベンダーのサポート体制は十分か
ほとんどのツールにはサポート体制がありますが、従来のメールやチャットによる有人サポートをはじめ、マニュアルまたはユーザーコミュニティでの自己解決型のものまで、ベンダーごとに種類が幅広いです。
そのため、利用するメンバーのITリテラシーも踏まえ、自社にとって必要なサポートが受けられるベンダーを選びましょう。また、サポートの問い合わせ可能な時間が、自社の営業日・時間に合っているかも確認すべきです。
セキュリティ性に問題がないか
コラボレーションツールで共有する情報には、社外秘や知的財産が含まれる場合も考えられるため、情報漏洩のリスクを防ぐためにも、セキュリティ対策が充分であるかを確認しながらサービスを選ぶことが大切です。
通信の安全性やクラウド上のデータがどのように保管されるのか、ログイン方法やアクセス制限、ユーザーごとの権限設定ができるかなどについても確認しておきましょう。

おすすめのコラボレーションツール10選|選ぶ際の比較ポイントも解説
コラボレーションツールは、組織内のコミュニケーションを円滑化するために多くの企業で導入されています。ただし、様々な機能があるため、使いこなすには自社に最適なものを選ぶことが重要です。この記事では、おすすめのコラボレーションツールや選ぶ際のポイントを解説します。
コラボレーションツール導入を成功させるポイント

コラボレーションツールの導入においては、導入前の準備や運用面での注意点もあります。ここでは、導入を成功させるためのポイントについて詳しく解説します。
導入目的を明確にする
コラボレーションツールの選定を行う際には、まず導入する目的・解決したい課題点を明確にしておきましょう。ツールは、利用するメンバー間の情報共有とコミュニケーションの向上が大きな目的であり、メンバー全員で共通認識を持っておくことが非常に重要です。
提供されているツールは、それぞれ機能や得意分野が異なるため、導入する目的と自社の課題点を意識しながら選定を進めると、よりニーズに合ったものを選びやすくなります。そして、費用対効果も実感しやすいです。
社内の運用体制を整える
コラボレーションツールのような新しいツールを使用する際、徹底した社内周知が求められます。例えば、従業員への教育期間を設けたり、定期的に説明会を開いたりして、実際にツールを最大限に活用するための対策を講じることが大切です。
ツールの使い方だけでなく、不適切な利用を防ぐためにも、明確なルールを設けてそれを周知したうえで運用を開始しましょう。
また、社内に運用チームを設置するなど、ツールのサポート面でも社内でどのような対応を行うのか、トラブルが起きた際のシミュレーションを行うことも重要です。
まとめ

コラボレーションツールとは、組織内のメンバー間のコミュニケーションや情報共有などをサポート・効率化を目的としたツールです。使用する場所に関わらず、どこからでもアクセスでき、よりリアルタイム性が高い円滑なコミュニケーションと業務遂行が望めます。
本記事を参考に、コラボレーションツールを最大限活用できるように準備を行い、ビジネスの促進を図りましょう。
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