クレジットカード決済とは?仕組みやメリット・デメリットを解説

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  • クレジットカード決済とは、クレジットカードを利用して支払いをする決済方法である
  • クレジットカード決済では、現金受取がなくとも商品購入などの支払いが可能である
  • クレジットカード決済代行サービスは、クレジットカードブランドの対応力で選ぶ

クレジットカード決済(クレカ決済)とは、現金を持たずともクレジットカードを利用して商品購入などの代金支払いを行える決済方法を言います。本記事では、クレジットカード決済の仕組みやメリット・デメリット、クレジット決済代行サービスの選び方のポイントを解説します。

目次

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  1. クレジットカード決済とは
  2. クレジットカード決済代行とは
  3. クレジットカード決済の導入方法
  4. 【顧客側】クレジットカード決済のメリット・デメリット
  5. 【事業者側】クレジットカード決済導入のメリット・デメリット
  6. クレジットカード決済代行サービスの選び方
  7. まとめ

クレジットカード決済とは

クレジットカード決済は、クレジットカードを利用し、商品などの代金支払いをする決済方法です。クレジットカード会社は、購入者に代わって代金を支払い、購入者に請求を行うため、購入者が現金を用意していない場合でも商品の購入ができるメリットがあります。

さらにインターネット上で最も使われている決済方法でもあり、インターネット上でビジネスを展開する上で欠かせません。クレジットカードの導入を考えている企業や店舗の場合、決済代行会社を利用するのがおすすめです。

決済代行会社は、複数のクレジットカード会社とのやりとりを包括的に行ってくれます。また、クレジットカードの不正利用や情報漏洩といったセキュリティ面でも安心してクレジットカード決済を導入できます。

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クレジットカード決済の需要が高まる背景

一般社団法人日本クレジット協会が発表した2023年3月末のクレジットカード発行枚数は3億860万枚で、前年比より2.5%増加しています。このことからも、クレジット決済需要の増加がわかりますが、その背景にあるのがキャッシュレス促進を目指す政府の方針です。

経済産業省が発表した政府の方針によると、キャッシュレス決済比率を2025年までに40%程度、将来的には世界最高水準の80%まで伸ばすことを目指しています。クレジットカード決済を含めたキャッシュレス決済の利用は今後さらに拡大するでしょう。

参考:クレジットカード発行枚数調査結果の公表について|一般社団法人日本クレジット教会

参考:キャッシュレス更なる普及促進に向けた方向性|経済産業省

クレジットカード決済の仕組み

クレジットカード決済は、カード利用者と事業者の間で直接的な現金のやりとりはありません。なぜクレジットカードで商品が買えるのか、利用者・事業者・カード会社の関係からクレジットカード決済の仕組みを解説します。

利用者・事業者・カード会社の関係

クレジットカード決済には利用者・事業者・カード会社が関わっています。決済が完了するまでの3者の関係性について紹介します。

決済の流れ

カード利用者はカード会社と契約することで、事業者から商品の代金を支払う際、カード決済が可能になります。クレジットカードで商品を購入すると、利用情報がカード会社に届き、購入代金をカード会社が一時的に立て替えます。

事業者への売上処理は、各カード会社の入金サイクルに従い、決済手数料を差し引いた売上代金が支払われます。

次に、カード会社はカード利用者に対して請求明細書を発行し、カード利用者の銀行口座から利用額を引き落とします。この引き落としが完了すれば、3者間決済が成立したと見なされます。

手数料について

事業者はクレジットカード会社と加盟店契約を結びます。加盟店契約を結ぶと、クレジットカード決済が可能になりますが、売上代金の数パーセントを決済手数料としてクレジットカード会社へ支払わなければなりません

決済手数料の料率は業種によって異なり、家電や洋服などの生活用品なら料率は3.0%前後、デジタルコンテンツ(ゲームや音楽など)のサービスなら料率は3.0%よりも高くなるのが一般的です。

また、料率は業種だけではなく、クレジットカード決済の取引高によっても変わってきます。取引高が多いほど、低い料率で加盟店契約を締結することが可能です。

クレジットカード決済代行とは

クレジットカード決済代行は、各カード会社との契約や手続きを進めてくれるため、各カード会社との直接契約よりも申請・運用の手間がかからないメリットがあります。

また、クレジットカード決済代行会社を利用することで、各クレジットカード会社からの売上代金を一括で入金できるため、売上金管理が簡易に行えるのもポイントです。

クレジットカード決済代行について詳しく解説します。

利用者・事業者・決済代行業者・カード会社の関係

クレジットカード決済代行は、利用者・事業者・カード会社に加え、決済代行業者が取引に加わります

決済代行業者を通さず、直接決済サービスを導入する場合、各カード会社によって手続きやシステム構築を行う必要があり、導入のハードルが高くなります

しかし、決済代行業者が事業者と各カード会社との仲介役になることで、複雑な手続きやシステム開発を進めてくれるため、作業の手間を軽減でき導入のハードルが低くなります

決済の流れ

決済代行業者が取引に加わりますが、利用者が事業者から商品を購入する流れは同じになります。先ほどの決済の流れと異なる点は、カード会社は利用金額から決済手数料を差し引いた金額を決済代行業者を通して、事業者へ支払うということです。

また、決済代行業者を通して、事業者へ支払われる売上代金は決済代行手数料を差し引いた金額になります。

手数料について

決済代行手数料は、契約した決済1件あたりの決済金額に対して発生する手数料のことです。使用するカードや決済代行業者によって手数料に違いが出てきますが、相場は決済金額の約3%程度になります。

決済手数料は決済代行業者との契約時に見積りで提示されることが多いため、契約前に確認しましょう。ほかにも売上代金を指定口座に振り込んでもらう際に発生する「振込手数料」決済処理を取り消す際に1件ごとにかかる「取り消し手数料」があります。

さらに、トランザクションフィーという手数料もあります。決済データを銀行などに転送する際にかかる1件あたりの通信費用のことで、決済1件につき一定の金額が発生します。

金額は業者によって違いがありますが、決済金額に関わらず、同じ金額がかかることを留意しておきましょう。少額決済が多いECサイトを運営している場合、決済手数料が安くてもトランザクションフィーで手数料の総額が割高になることもあります。

運営するECサイトの決済の特徴を把握した上で、業者を選ぶのが大切です。

クレジットカード決済の導入方法

クレジットカード決済の導入方法を解説します。各クレジットカード会社との直接契約する場合と決済代行会社を通してクレジットカード会社と契約する場合を比較しながら解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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クレジットカード決済を導入する流れ

直接契約をする場合と決済代行会社と契約をする場合を比較する前に、まずは一般的なクレジットカード決済を導入する流れについて解説します。クレジットカード決済の導入は大きく分けて、「問い合わせ」「書類提出」「本契約」の3ステップです。

注意点として、本契約をするにはカード会社の審査を通過する必要があります。審査に通過して本契約をした後は、入金やシステム接続などの運用準備を行うことで、クレジットカード決済の利用が開始できます。

クレジットカード決済の導入には最短でも7営業日程度の時間がかかるため、余裕を持って進めましょう。以下でそれぞれの場合についてさらに詳しい流れを解説します。

クレジットカード会社と直接契約

クレジットカード会社との直接契約とは、VisaやmasterCard、JCBを管轄するそれぞれのアクワイアラーに1社ずつ連絡し、個別に審査を受け、契約する方法です。決済代行会社といった仲介業者を省くので、決済手数料を抑えられます。

アクワイアラーとは、VisaやMasterCardなどの国際ブランドからライセンスを取得し、加盟店の開拓や審査・管理をする機関であり、審査基準は各アクワイアラーでも違いがあります

個人事業主や小規模な法人のECサイトの場合、大企業よりも審査が厳しく、現状、アクワイアラーと直接契約ができるのは大手企業に限られます。

各カード会社との契約

VisaやMasterCard、JCBなど各カードブランド1社ごとに審査手続きを行うため、各カード会社の審査に必要な書類などを揃える必要があります。各社、審査基準や準備物が違うため、複数のカード会社の審査状況をクリアするために人手と長期の準備期間を要します

しかし、中には複数のカード会社と連携しているアクワイアラーもあり、各カード会社とそれぞれ契約を結ばなくても、複数のカードをまとめて導入することも可能です。

審査手続きの手間を少しでも省きたい方は、アクワイアラーの取扱いブランドをチェックしてみてください。

決済システムの導入と運用管理

各種決済手段やカードプランによって、データ形式や仕様などのルールに違いがあります。たとえば、セキュリティ要件に違いがあったり、注文時に即日決済なのかなどの決済処理が各カード会社によって異なります。

ECサイトからクレジットカード会社へ支払う決済手数料やカード会社から入金されるサイクルにも違いがあり、入出金管理が煩雑になりやすくなります。ミスを防ぎ、効率化するために自社で決済システムを構築する必要があります。

自社で契約する場合、決済システムの運用やカード業界の法規制対応を自社で行わなければならないので、開発工数の見積りや費用など運用管理の準備が必要になります。

経理担当の入金管理

直接契約の場合、各カード会社によって締め日や入金日が違います。そのため、経理業務のオペレーションが複雑化され、人員を割いてダブルチェックするなどミスを防ぐための体制づくりが必要です。

クレジットカード決済代行業者と契約

クレジットカード決済代行業者との契約は、複数のカード会社との契約交渉や売上代金の決済管理、入金処理などの運用を一本化したい場合におすすめの契約方法です。包括加盟方式とも言います。

以下では、各カード会社との契約、システム導入などについて詳しく解説します。

各カード会社との契約

クレジットカード決済を導入する手続きをクレジットカード決済代行業者に依頼すれば、一度に複数のカード会社を導入できます。申請に必要な書類は1セットのみ揃えればよく、各カード会社の審査に必要な書類など揃える必要がありません。

直接契約よりも準備期間・書類を要しないため、クレジットカード決済の導入ハードルが低くなります。

決済システムの導入と運用管理

包括加盟方式では、決済代行会社が提供する決済システムを使えます。直接契約ではそれぞれカード会社に合わせた入出金管理などのシステム構築が必要です。

ですが、包括加盟方式は決済代行会社で提供する決済システムの開発・運用のみ行えばいいのでシステム開発にかかる工数と費用を抑えることが可能です。また、複数の決済システムの処理も集約して管理できるため、管理の手間を最小限にできます。

経理担当の入金管理

包括加盟方式では、各カード会社ごとに異なる入出金サイクルをまとめて1日に一括処理できます。

決済代行会社が各カード会社からの毎月の売上を一本化し、指定の口座に振り込んでくれるため、面倒な売上消込処理や入金確認など経理作業が楽になり、経理業務のオペレーションを簡素化できます。

【顧客側】クレジットカード決済のメリット・デメリット

顧客側からみたクレジットカード決済のメリット・デメリットについて紹介します。ぜひ参考にしてください。

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メリットデメリット
現金がなくても購入が可能分割払いなどの手数料がある
分割で購入できる使いすぎてしまう場合がある
ポイントやマイルが貯まる不正利用のリスクがある
付帯保険が受けられる
会員特典サービスがある

メリット

クレジットカード決済をすることにより、現金の持ち歩きが不要になったり、商品を分割購入するなど支払方法を柔軟に選べたりするといったメリットがあります。今回は5つのポイントに分けて、カード決済のメリットを紹介します。

現金がなくても購入が可能

クレジットカードがあれば、手元や口座に現金がなくても商品の購入ができます。カード1枚あれば、買い物できるので、現金を持ち歩く必要もありません。会計時も現金払いに比べると簡単・スピーディーです。

財布にあるお札や小銭を探す必要がないため、面倒な現金のやり取りが不要になります。また、最近ではスマホとクレジットカードを連携させることで、カードを持ち歩く必要がなくなり、スマホ1台で商品を購入することも可能です。

分割で購入できる

クレジットカードでの支払いには「一括払い」と「分割払い」があります。一括払いは商品代金を1回で支払わなければならないのに対し、分割払いは3〜24回に分けて商品代金を支払うことができます

分割払いの場合、別途手数料がかかりますが、原則、2回までは分割手数料がかかりません。一括で支払うよりも1ヶ月あたりの負担が少ないため、高額な商品を購入する場合など選択する方は多いです。

このほか、夏や冬のボーナスシーズンにまとめて購入代金を支払う「ボーナス払い」や毎月の支払額を一律するリボ払いなど、支払い金額を調整して自分のペースで支払いができるのはクレジットカードの大きなメリットです。

ポイントやマイルが貯まる

クレジットカードの多くは、買い物などの利用金額に応じてポイントやマイルが貯まる仕組みになっています。ポイントの還元率は各カードの種類によって違い、貯まりやすさもカードそれぞれです。

貯まったポイント・マイルは1ポイント=1円で使えたり、景品交換や航空券の予約、提携ポイントに交換したりできます。

付帯保険が受けられる

クレジットカードの契約をすると、保険料なしで付帯保険が受けられます。付帯保険は保険会社とクレジットカード会社の契約で提供されており、カード会員なら誰でも受けられます。しかし、各カード会社によって付帯保険の内容は異なります。

付帯保険の内容は主に盗難・紛失保険・海外/国内旅行傷害保険・ショッピング保険・オンライン不正利用保険などがあります。

また、年会費無料のクレジットカードに比べると年会費が設けられているクレジットカードの方が補償金額と補償範囲が広くなる傾向にあります。

会員特典サービスがある

各カード会社・クレジットカードの種類によって会員優待特典が用意されており、宿泊施設や飲食店・レンタカー・映画館などで割引特典が受けられます。さらに、ゴールド・プラチナカードになると空港のラウンジ利用や有名ホテルなどで優待が受けられます。

ほかにも、ショッピング代金が割引になる特典や美容サロンなどの割引優待といった嬉しい会員特典サービスもあります。

デメリット

顧客側からみたクレジットカード決済のデメリットを紹介します。便利なカード決済ですが、現金のやり取りが不要なため、使い過ぎることもあります。デメリットをよく理解しておきましょう。

分割払いなどの手数料がある

分割払いやリボ払い、ボーナス一括払いなど1回あたりの負担額が少なく、自分のペースに合わせて利用代金を支払えるメリットがありますが、利率に応じた手数料が発生します。利率は分割回数に比例するので、支払い回数が多ければ多いほど、手数料も高くなります

手数料がかさむことで、利用金額以上の請求をされる場合があるので、利用しているカードの手数料はあらかじめ確認しておきましょう。

使いすぎてしまう場合がある

クレジットカード決済は手元や口座に現金がなくても購入できるため、ついつい使い過ぎてしまう場合があります。お財布の紐が緩い方や、セルフコントロールが苦手な方にとっては大きなデメリットと言えるでしょう。

カード引き落とし日に現金を準備できるようにこまめに利用状況を確認し、支払計画を立てることが大切です。

不正利用のリスクがある

クレジットカードには、情報漏洩や不正利用・盗難/紛失など、一定のリスクがあります。ネットショッピングで買い物する際、ECサイトにクレジットカード情報を入力する場合が大半です。

しかし、そのECサイトそのものがフィッシング詐欺目的の偽造サイトである可能性があり、偽造サイトに入力した場合、商品は届かずクレジットカード情報を抜き取られます。これをカード情報の流出・情報漏洩と言います。

ECサイトで買い物する際は、PCサーバーやネットワークなどにおいて、セキュリティ対策を構築しているサイトを選びましょう。また車上荒らしやスリなどでカードを盗まれ、セキュリティコードなど解析された上で、不正利用されることがあります。

盗難/紛失の際は、迅速にクレジットカード会社に連絡し、カード利用の停止手続きを行いましょう

【事業者側】クレジットカード決済導入のメリット・デメリット

次に事業者側からみたクレジットカード決済導入のメリット・デメリットを紹介します。ぜひ参考にしてください。

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メリットデメリット
顧客の支払いニーズに応えられる決済手数料が発生する
客単価向上が見込めるチャージバック発生のリスクがある
リピーター育成に繋がる
未払いリスクを軽減
外国人観光客の需要が見込める
社会的信頼を高められる

メリット

事業者側がクレジットカード決済を導入することにより、売上向上や未払いリスクの軽減など得られるメリットは6つあります。それぞれのポイントに分けて、詳しく解説します。

顧客の支払いニーズに応えられる

クレジットカード決済を導入することで、支払い方法に関する多用なニーズに答え、顧客の購入ハードルを低くできます

クレジットカード払いをはじめ、後払いやコンビニ決済、QRコード決済などさまざまな支払い方法を導入することができ、顧客は自分に合った支払い方法を選択できます。さらに、クレジットカードでは支払い回数を選択できるため、高額商品でも購入しやすくなります。

客単価向上が見込める

クレジットカードでの購入者は、現金で支払う購入者に比べて、顧客単価が高い傾向にあります。

クレジットカードで購入すると、現金よりも気軽に購入できることや好きなタイミングで支払いが可能であること、分割払いなどで高額商品も購入しやすいことといった点が理由として挙げられます。

また、インターネット上での決済方法をクレジットカードにすることで、わざわざコンビニや銀行に行って支払う手間がないため、忙しい方にも選ばれやすい決済手段です。

リピーター育成に繋がる

事業者側がクレジットカード決済を導入することで、定期課金やリピーター購入者が増えるメリットがあります。決済代行会社が提供するクレジットカード決済には、自動引き落としの仕組みがあります。

そのため、月額品など毎月の支払手続き不要で決済処理が可能です。商品などの継続購入などの利用を考えている購入者に対してうまく活用することで、継続率の向上につながります。

未払いリスクを軽減

クレジットカード決済をすることにより、ユーザーの料金未払いリスクを軽減できます。クレジットカード決済を行う場合、カード会社がユーザーに代わって立替払いを行ってくれるため、事業者側は安心して取引を進められます

また、支払いのタイミングが選べる分割払いやリボ払いなどお客様の状況に応じて、支払いのタイミングをコントロールできるため、高額商品だとしても代金を分割することで、ユーザーの支払いハードルを下げられます

外国人観光客の需要が見込める

クレジットカード決済を導入することで、海外の現金を日本円に両替する必要がないため、外国人観光客に買い物してもらいやすくなるメリットがあります。

また、日本にいながら海外に向けて日本製品を販売することもできます。現在、米国や中国ではECサイトを通して日本製品を購入する人も増えており、これからも増える傾向にあります。

海外では「質が良く安価」「ユニークな製品が多い」と日本製品は人気です。今後も海外からの需要が増える見込みがあるため、海外向けとしてクレジットカード決済の導入もおすすめです。

社会的信頼を高められる

クレジットカード決済を導入するには、カード会社の審査を通過する必要があり、事業者側はその審査を通過するための基準を満たしている必要があります。そのため、クレジットカード決済を導入することで事業者側は消費者からの社会的信頼度を高められます

厳しい審査を通過してクレジットカード決済を導入している事業者の方が、クレジットカード決済を導入していない事業者よりも信用性が高いため、購入先の選択肢から外される可能性は低くなります。

デメリット

事業者側からみたクレジットカード決済を導入するデメリットを紹介します。クレジットカード決済のデメリットには決済手数料の発生やチャージバックなどがあります。詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

決済手数料が発生する

クレジットカード決済を導入することで、決済手数料が発生します。決済手数料は商品代金の数パーセントをクレジットカード会社へ支払うものです。店舗側の負担となり消費者や顧客からは徴収できません

決済手数料は業種や会社の規模、販売する商材によって異なりますが、クレジットカード決済の利用機会が多い業種ほど手数料の相場は低いです。

チャージバック発生のリスクがある

チャージバックとはクレジットカード利用者が何らかの理由によって決済に同意しない場合、事業者の売上が取り消されることです。チャージバックはカードを不正利用された場合や支払い拒否された場合などに発生します。

チャージバックが発生した場合、商品の事業者の売上が未回収になります。それだけではなく、不正利用され、すでに商品を提供してしまった場合、商品が戻ってくることはなく、売上未回収と商品損失という二重の損失を受けるリスクがあります。

クレジットカード決済代行サービスの選び方

クレジットカード決済代行サービスの選び方を7つのポイントに分けて解説します。数多くあるサービスの中から自社に最適な決済システムを提供している決済代行会社を選びましょう。

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主要なクレジットカードブランドに対応しているか

クレジットカード決済代行サービスを選ぶ際は、VisaやMasterCard、JCB、American Express、Diners Club Intemational、Discoverといった6大国際ブランドに対応しているか確認しましょう。

また、導入したいクレジットカードブランドに対応しているかも忘れずに確認しておきましょう。

クレジットカード決済以外の機能はあるか

クレジットカード決済代行サービスを選ぶ際、事業の将来性を踏まえた上で決済手段のラインナップを確認しておきましょう。ユーザーが求める決済手段がないと離脱の原因につながり、ビジネスチャンスを逃す可能性が高くなります

そのため、決済代行会社を選ぶ際はユーザーが求める決済手段が用意されているか確認しておきましょう。決済手段には、クレジットカードをはじめ交通ICカードやQRコード決済などがあります。

ほかにも、後払いやID決済、Apple Payなどの決済手段やコンビニ決済やキャリア決済などオンラインにおける主要な決済方法は多くあります。自社の顧客層やニーズに合わせた決済方法を提供している会社を選びましょう

また、海外ユーザー向けの商品などを展開している場合は、決済ページを多言語対応することで、より多くの利用者を集められます

ECカートと連携できるか

ECカートとは、ECサイト内でユーザーが商品を購入する際に使われるソフトウェアです。ECサイトに訪れたユーザーが商品を買い物かごに入れて購入手続きをし、決済までの処理を担っています

ECサイトを運営している場合は、このECカートと連携できるか確認しておきましょう。ECカートの種類は多数ありますが、クレジットカード決済代行会社を選ぶ際は、利用できるカートの種類が多く、使い勝手の良い代行会社を選びましょう。

接続方式で選ぶ

クレジットカード決済代行サービスの接続方式は4種類あります。運営するECサイトのニーズに合わせて最適なものを選びましょう。

リンク型

リンク型は自社でサーバーを使わないタイプになります。ECサイトと決済代行サービスを接続し、決済代行サービスの画面に遷移して決済します。オリジナルの決済画面の制作が不要なため、比較的低コストでスピーディーに導入できるのがリンク型の特徴です。

また、ユーザーのカード情報は決済代行サービスに直接痩身する方式のため、個人情報の漏洩リスクが軽減されます。安全かつ手間をかけずにクレジットカード決済代行を導入したい事業者の方におすすめです。

デメリットとしては、ECサイトのデザインと決済画面のデザインが異なってしまう点が挙げられますが、決済代行会社によっては決済画面をカスタマイズして、デザインのテイストを合わせることが可能です。

トークン型

トークン型は、ネットショップでお客様が入力するクレジットカード番号を、決済代行会社が提供するJavaScriptというプログラミング言語を用いて、カード情報を特定できないように別の文字(トークン)に置き換えて決済する方式です。

トークン型を利用するとクレジットカード情報を保持せずに済むので、情報漏洩リスクが少なくセキュリティ強化につながります。また、万が一、トークンが流出しても第三者がトークンからクレジットカード情報をを特定することはできません

トークン型はセキュリティ面のメリットだけではなく、システム改修が不要で導入が比較的簡単な点や決済画面で別のページに遷移することがないため、ECサイトからの離脱防止にもつながります。

トークン型のデメリットとしては、決済で仕様するトークンには有効期限があり、発行されてから一定の時間が経過もしくは一度決済利用されると無効になる点とJavaScriptの動作環境が必要になります。

JavaScriptを利用できない端末では機能しないため、サポートされるブラウザ環境に制限があることを理解した上で導入しましょう。

API型

API型は自社ECサイト内で購入者がクレジットカード情報を入力し、決済代行会社へ決済リクエストを送信し、決済処理を実行する仕組みになります。

決済ページを自社ECサイト内にSSL対応サーバーを構築して決済画面を作成するため、独自のデザインや機能を自由に設計できるメリットがあります。ほかにもECサイトの大規模改修やゼロベースでの機能開発が不要なので、開発コストを抑えることも可能です。

しかし、API型の提供者やサーバーが何かの理由で停止してしまった場合、決済システムが使えない状態になります。決済システムが使えないと購入者が離脱してしまうため、大きな損失が生まれる可能性を留意しておきましょう。

また、API型はクレジットカード情報の適切な管理や不正利用対策が求められるため、事業者側はクレジットカード業界のセキュリティ基準PCIDSSに準拠する必要があります。

PCIDSSとは、加盟店やサービスプロバイダにおいてクレジットカード会員データを安全に取り扱うことを定めたセキュリティ基準のことです。国際カードブランド5社(VisaやJCBなど)が共同で設立したPCI SSCによって運用・管理が行われています。

メールリンク型

メールリンク型は、メールやSNSなどで決済用URLを顧客に送信し、決死代行サービス画面に遷移して決済する方式になります。事業者は決済用Webサイトを構築する必要がありません。また、ECサイトのカート改修や新たなシステム構築も不要です。

顧客のメールアドレス・氏名といった2つの情報を知れば、オンライン決済に案内することができるので、比較的簡単に決済システムを導入できます。また、クレジットカード情報を保持しない仕組みになっているため、情報漏洩のリスクが少ないです。

さらに、クレジットカード決済のほかコンビニ決済、QRコード決済など様々な決済方法を一括で導入できるのもメールリンク型のメリットと言えるでしょう。

デメリットとしては、アクセス期限があることです。一定時間が経過すると決済URLは無効となります。アクセス期限切れになると購入者に再度URLを再送する必要があります。あと、正しくメールが購入者に届かない場合もあります。

メールが届かない場合、アドレスを確認して再送したり、購入者側に迷惑メールや受信設定の確認をしてもらったりと対応が必要になります。

洗替サービスがあるか

洗替サービスはクレジットカードの有効性を月に1回クレジットカード会社へ確認し、クレジットカード番号や有効期限などを最新情報に更新するサービスです。

洗替サービスはカードの有効期限切れなどで生じる決済エラーを防ぐことができるため、サブスクリプション(継続課金)ビジネスには欠かせません。しかし、洗替サービスは決済代行会社が提携しているカード会社に限ります。

そのため、ユーザーが保有するカードが決済代行会社と提携していない場合、洗替サービスは受けられません。洗替サービスの利用を考えている場合は、より多くのカード会社と連携している決済代行会社を選びましょう

サポート体制・セキュリティ対策は万全か

クレジットカード決済代行サービスを選ぶ際はサポート体制やセキュリティ対策は万全かどうかも確認して選びましょう。特にシステムを導入した最初の方は、システムに慣れず操作ミスによるトラブルや疑問点が発生する可能性があります。

そのため、代行会社のサポート内容と何時まで対応しているか確認しておきましょう。スピーディーな対応を求めるなら24時間対応している会社がおすすめです。

また、自社の情報だけではなく、クレジットカード情報など利用者の情報を管理する必要があります。

そのため、ベンダーがプライバシーマークを取得しているかどうかをはじめ、通信の暗号化やIPSの導入、そのほかサイバー攻撃への対策などセキュリティの強固さを確認しておきましょう。

コストや入金サイクルを確認する

クレジットカード決済代行サービスの導入・運用には初期費用や月額費用、手数料が発生します。導入費用は高いがランニングコストは低い会社があれば、その逆もあります。

そのため、クレジットカード決済システムを導入する前に総コストを数年分シミュレーションして比較することをおすすめします。さらに決済手数料にはいくつか種類があり、取扱商材や流通額などで料率が異なる場合が多いです。

粗利率が低い商材を取り扱っている場合は、決済の度に費用が発生する決済手数料が安い代行会社を選択するなど、手数料に関しても事前に調べておくことをおすすめします。また、入金サイクルが自社に最適かどうかも確認しておきましょう。

企業によっては、入金サイクルが長いとキャッシュフローが追いつかなくなる可能性があります。キャッシュフローの回転を速くする必要がある場合は、決済手数料が高くても入金サイクルが速い代行会社を選びましょう

まとめ

クレジットカード決済を導入することによって、売上向上や取引において社会的信頼を得ることができるなどメリットがたくさんあります。

さらにクレジットカード決済代行会社を利用することで、申請・システム導入の手間を減らしながら、一度に複数のカード会社の導入が可能です。しかし、各クレジットカード決済代行会社によって手数料や費用・サポート体制などが異なります。

本記事を参考にクレジットカード決済代行会社の選び方に気をつけて、自社に最適な決済システムを導入しましょう。

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