ChatGPTとBing AIの違いは?それぞれの用途の違いも解説

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  • AIチャットサービスのChatGPTとBingAIは、どちらもOpenAIの技術を活用している
  • ChatGPTとBingAIの大きな違いは、開発元や開発目的の違いである
  • ChatGPTとBingAIは、それぞれに得意不得意があるので用途の目的で使い分ける

ChatGPTとBingAIは、どちらもOpenAIの技術を活用したAIチャットサービスです。BingAIは、ChatGPTより後に開発されたもので、検索エンジンとチャットボットが統合されています。本記事では、それぞれの用途の違いを解説しています。

目次

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  1. ChatGPT・Bing AIとは
  2. ChatGPTとBingAIの違い
  3. ChatGPTとBing AIは用途によって使い分けよう
  4. まとめ

ChatGPT・Bing AIとは

ChatGPTとBing AIは、どちらも生成AIによる対話型のチャットサービスです。しかし、チャット形式でユーザーが入力した問いかけに対してAIが回答するという点は共通しているものの、特徴や強みには違いがあります。まずは、2つのサービスの概要を確認しましょう。

ChatGPTの概要

ChatGPTはOpenAIが開発したAIチャットサービスで、対話形式でさまざまなテキストを生成してくれます。膨大なデータを学習しているため、質問への回答やテキストの要約、翻訳など多様な用途に使えるのが特徴です。

1つのチャット内で会話を繰り返すことで、文脈を踏まえたやり取りを行うこともできます。まるで人間とテキストチャットをしているように会話できる点で大きな注目を集め、サービス開始から驚くべき速さで世界中に普及しています。

参考:Introducing ChatGPT|OpenAI

ChatGPTとは?メリット・デメリット、始め方などを解説

ChatGPTとは、2022年11月に公開されたAIチャットサービスです。無料で利用でき、人間のような自然な受け答えができることから話題となりました。この記事ではChatGPTのメリット・デメリットや始め方、気になる危険性などについて解説します。

Bing AIの概要

BIng AIとは、Microsoftが提供している検索エンジン「Bing」に、AIを組み込んだチャットシステムです。 対話形式で情報を入手できるため、これまでの検索エンジンに代わるものとして注目されています。

Bing AIは2023年2月に公開されたシステムであり、現在は日本語にも対応済みです。ChatGPTと同じようにさまざまな用途に使えますが、検索エンジンの特性を活かして常にリアルタイムでデータを収集しているのが特徴です。

現在のサービス名は「Copilot」に

2023年11月から、BingのAIサービスの名称は「Copilot(コパイロット)」となっています。Bingに搭載されているAiチャットサービスであることに変わりはありませんが、新たなサービスとして生まれ変わっています。

Windows11で「Copilot in Windows」として提供されるようになったほか、対象のMicrosoft 365ライセンスを持っているユーザーは「商用データ保護」機能を追加コストなしで使えるようになっています。

参考:Microsoft Copilot | Microsoft AI

参考:Copilotのプライバシーと保護|Microsoft Learn

ChatGPTとBingAIの違い

ChatGPTとBing AIはどちらも優秀なAIチャットボットですが、いくつかの大きな違いがあります。ChatGPTとBing AIのどちらが適しているかは利用者のニーズによって異なるため、以下の比較表を参考にしながら違いをチェックしてみましょう。

比較項目ChatGPTBingAI
開発目的多目的AIチャットボット検索エンジンとAIチャットボットの統合
言語モデルGPT-3.5・GPT-4(有料プラン)GPT-4
会話データを元に会話を生成しているので不自然な場合もあるリアリティがあり人間の会話に近い
画像生成できないできる
商用利用できるできない
回答の正確さ2021年までのデータを参考にしている最新かつ関連性の高い情報
悪意ある利用者への対応自己防衛のために、会話を中断したり、応答を拒否したりすることがある会話に厳しい制約を設け、不正利用のリスクを減らす
出典の確認質問すれば得られる質問しなくても得られる
利用料金無料または有料無料
使用できるブラウザChrome・Edge・Firefoxなどの任意のブラウザMicrosoft Edge・モバイル版Microsoft Edge・PC版Chrome
開発元OpenAIMicrosoft

このようにChatGPTとBing AIにはさまざまな違いがありますが、特に大きな違いについて以下で解説していきます。

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言語モデル

ChatGPTもBing AIも、同じ「GPT」シリーズの言語モデルを利用しています。GPTにはいくつかのバージョンがあり、現在(2024年4月執筆時点)ChatGPTの無料版で使えるのは「GPT-3.5」です

一方、Bing AIはより新しい「GPT-4」がベースとなっており、無料で利用できる範囲ではBing AIの言語モデルの方が優秀と言えます。

GPT-4はGPT-3やGPT-3.5の上位モデルとして開発されたものであり、2023年3月14日に公開されました。公開直後から、その精度と創造性において高い評価を得ています。

ただし、GPT-4にも新しいバージョン「GPT-4 Turbo」が登場しています。ChatGPTの有料版ではGPT-4およびGPT-4 Turboが利用できます。

得意なこと

ChatGPTとBing AIは、それぞれ得意としている会話の内容やタスクの内容が異なります。そのため、利用する際はその違いを知っておくと良いでしょう。

ChatGPTは自然言語に対応しており、テキストデータから人間の会話方法を学習することで文脈を維持した高度な対話が可能となっています。多種多様なトピックに柔軟に対応でき、創造的な文章を生成可能です。

Bing AIはMicrosoftが保有する大量のデータを学習することで、より信頼性のある情報が提供可能です。また、ChatGPTが通常テキストでのやり取りに限定されるのに対し、Bing AIは画像生成もできます

ただし、Bing AIではやり取りの回数に上限が設けられているため、長い対話には向いていないと言えるでしょう。

使用環境や機能

ChatGPTとBing AIは、使用環境や機能などにもところどころ違いがあります。代表的な違いを1つずつ見ていきましょう。

ChatGPTはWebサイトにアクセスすることで利用できるため、基本的にどのブラウザでも使えます。一方のBing AIはMicrosoft Edgeまたはデスクトップ版のChromeでのみ使用できます

機能に関しても、どちらにもメリット・デメリットがあります。ChatGPTの大きなメリットはプラグインが豊富に提供されていることです。プラグインは有料版のみ利用可能なものですが、活用することでChatGPT の機能を拡張することができます。

Bing AIのメリットは画像や音声に対応していることです。質問や回答に、テキストだけでなく画像・音声・動画を含めることができます。

また、Bing AIでは会話のスタイルを選択することができます。「創造的に」「バランスよく」「厳密に」という3つのスタイルがあり、より創造性の高い回答を望むか、情報の正確性に重きをおくかによって自由に変更できます。

商用利用

ChatGPTで生成した文章などは、利用規約を守れば商用利用することも可能です。OpenAIの利用規約を見てみると、「生成された文章などの権利はユーザーに譲渡する」となっています

実際、API連携を活用してChatGPTを顧客向けのチャットサポートサービスに組み込む、といった使われ方もしています。ただし、他のWebサイトなどから引用した文章が含まれている場合、そのまま使用すると著作権侵害になる場合があるため、注意が必要です。

一方、Bing AIは生成した画像なども含め、商用利用できません。使用条件を見てみると、「合法的な個人的かつ非商業的な目的」においてのみ生成したコンテンツを外部で利用できることがわかります。商用目的で使用すると、著作権侵害になるため注意しましょう。

参考:Terms of use|OpenAI

参考:Bing の会話エクスペリエンスと Image Creator の使用条件

情報の正確さ

ChatGPTとBing AIの回答において情報の正確さを比較すると、Bing AIの方がより正確な情報を提供可だと言えます。

ChatGPTでは、GPT-3.5の場合2022年1月まで、GPT-4の場合2023年4月までの情報しか学習していません。この点、Bing AIは検索エンジン「Bing」と連携しているため、最新の情報に基づいた回答が期待できます

また、Bing AIは回答を生成する際に参照した情報ソースを常に提示してくれます。これもChatGPTと異なる点です。時事問題などリアルタイム性の高い話題や正確な情報が必要となる話題について回答を求める場合は、Bing AIを使った方が良いでしょう。

ただし、「人間味のある回答」という観点ではChatGPTの方が優れているとされているため、利用の目的や生成したいテキストの内容に合わせ、2つを使い分けながら活用するのがおすすめです。

会話内容の制約

ChatGPTとBing AIはどちらも優秀で便利なツールであるため、中には悪意を持って利用する人もいます。不適切な質問内容が入力された場合、ChatGPTやBing AIは回答の提示を拒否することがあります。

たとえばChatGPTでは、犯罪に該当するような内容について質問された場合、「法律で禁止されています」などと回答するように設定されています。

またBing AIでも、独自の規程を設けることで、上記のような法律に反する内容はもちろん、倫理観に反する内容についても「この会話を続けるのは好ましくありません」などと会話が中断されるようになっています。

どちらも不正利用などのリスクを減らす対策が取られていることは間違いありませんが、Bing AIにはさらに、1回の会話で30回、1日で合計300回とやり取りの回数制限があります。この点も踏まえると、Bing AIの方が制約が厳しいと言えるかもしれません

ChatGPTとBing AIは用途によって使い分けよう

以上のように、ChatGPTとBing AIにはそれぞれ異なる特徴がいくつもあります。そのため、用途によってより適している方を選ぶのがおすすめです。以下では、それぞれの用途について解説します。

用途特徴
ChatGPT会話人間味のある会話が可能
外部サービスとの連携有料プランでさまざまなツールと連携できる
アイデアの創出歌詞、小説などの独創的なアイデアを得られる
Bing AIテキスト以外も含めた質問画像や音声を使える
情報検索最新情報を収集できる
画像生成画像の自動生成が可能
共通プログラミングコード生成やデバッグができる
翻訳さまざまな言語に対応可能
文章の作成や要約コンテンツ制作や情報の要約に活用できる

ChatGPTの用途

ChatGPTは、有料プランを契約するとAPIによって口コミサービスなど外部サービスと連携したり、自社サービスと連携したりできるのが魅力です。顧客サポート向けのチャットボットに組み込むなど、企業のサービス向上にもつながります。

また、人間味のある回答が返ってくるところがChatGPTの特徴なので、雑談やディスカッション、クリエイティブコンテンツの制作に活用できます。

コンテンツ制作については、歌詞、小説、キャッチコピーなどのオリジナリティが求められるコンテンツについても有益なアイデアを得られます。行き詰った時にChatGPTに問いかければ、自分では思いつかなかったようなヒントを提示してくれるかもしれません。

ChatGPTの活用方法|ビジネスでできること・注意点を解説

ChatGPTには、情報収集や文章の要約ができるため、個人だけでなくビジネスでも活用する企業が増えています。本記事では、ChatGPTができることや苦手なこと、ビジネスでの活用方法例の他、活用する際の注意点も解説します。

Bing AIの用途

Bing AIは最新の情報をリアルタイム収集できること、テキスト以外の形式にも対応しることが特徴です。調べ物がある際や画像を生成したい場合には、Bing AIを使用すると良いでしょう。質問をする際も音声や画像を使うことができるため、便利です。

ただし、基本的には商用利用ができません。ビジネス目的に関わる場合には、Bing AIから出力されたものをそのまま使うのではなく、あくまでも参考やベースとして利用するようにしましょう。

共通する用途

ChatGPT とBing AI、どちらを使っても遜色のない共通する用途もあります。プログラミングや翻訳、文章の作成や要約などが例として挙げられます。

どちらのツールでも任意のプログラミング言語を使ったコードの生成やデバッグができるため、業務目的だけでなくプログラミングの学習にも役立ちます。

また、どちらも多くの言語に対応しており、翻訳にも活用できます。自力で翻訳をするよりも、かなりの時間短縮が測れるでしょう。

さらに、オリジナルな文章の作成や文章の要約も行うことが可能です。文章作成の際は、独創性を求めるのか、正確性を求めるのかでChatGPT とBing AIを使い分けると良いでしょう。

まとめ

ChatGPTとBing AIは、どちらも便利なAIチャットサービスです。ただし、それぞれに得意・不得意があるため、双方の特徴を理解した上で用途別に使い分ける必要があります。

アイデア出しや商用利用には、 ChatGPTがおすすめです。商用利用はしないものの、最新で正確な情報を得たい場合にはBing AIを活用しましょう。

2つを使い分けることができれば、生成AIによるチャットのメリットを最大限享受することができます。それぞれの特徴を理解して、利用シーンにあわせた使い方をしましょう。

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