ChatGPTとBing AIの違いは?それぞれの用途の違いも解説
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- AIチャットサービスのChatGPTとBing AIは、どちらもOpenAI社の技術を活用している
- ChatGPTとBingAIの大きな違いは、開発元や開発目的の違いである
- ChatGPTとBing AIは、それぞれに得意不得意があるため用途の目的で使い分ける
ChatGPTとBing AIは、どちらもOpenAI社の技術を活用したAIチャットサービスです。Bing AIはChatGPTより後に開発されたもので、検索エンジンとチャットボットが統合されています。本記事では、それぞれの用途の違いを解説します。
ChatGPT・Bing AIとは
ChatGPTとBing AIは、どちらも生成AIによる対話型のチャットサービスです。しかし、チャット形式でユーザーが入力した問いかけに対して、AIが回答するという点は共通しているものの、特徴や強みには違いがあります。
ここでは、2つのサービスの概要を解説します。
ChatGPTの概要
ChatGPTはOpenAI社が開発したAIチャットサービスで、対話形式でさまざまなテキストを生成してくれます。膨大なデータを学習しているため、質問への回答やテキストの要約、100言語以上の翻訳など、多様な用途に使えるのが特徴です。
1つのチャット内で会話を繰り返すことで、文脈を踏まえたやり取りを行うこともできます。まるで人間とテキストチャットをしているように会話できることにより、世界中から大きな注目を集め、サービス開始とともに驚くべき速さで世界中へと普及しています。
ChatGPTとは、2022年11月に公開されたAIチャットサービスです。無料で利用でき、人間のような自然な受け答えができることから話題となりました。この記事ではChatGPTのメリット・デメリットや始め方、気になる危険性などについて解説します。
Bing AIの概要
BIng AIとは、Microsoft社が提供している検索エンジン「Bing」に、AIを組み込んだチャットシステムです。 対話形式で情報を入手できるため、これまでの検索エンジンに代わるものとして注目されています。
Bing AIは2023年2月に公開されたシステムであり、現在は日本語にも対応済みです。ChatGPTと同じようにさまざまな用途に使えますが、検索エンジンの特性を活かして常にリアルタイムでデータを収集しているのが特徴です。
現在のサービス名は「Copilot」に
2023年11月から、Bing AIの名称は「Microsoft Copilot(コパイロット)」となっています。Bingに搭載されているAIチャットサービスであることに変わりはありませんが、新たなサービスとして生まれ変わっています。
Windows11で「Copilot in Windows」として提供されるようになったことに加え、対象のMicrosoft 365ライセンスを持っているユーザーは「商用データ保護」機能を追加コストなしで使えるようになっています。
参考:Microsoft Copilot | Microsoft AI
参考:Copilotのプライバシーと保護|Microsoft Learn
ChatGPTとBingAIの違い
ChatGPTとBing AIはどちらも優秀なAIチャットボットですが、いくつかの大きな違いがあります。ChatGPTとBing AIのどちらが適しているかは利用者のニーズによって異なるため、下記の比較表を参考にしながら違いをチェックしてみましょう。
比較項目 | ChatGPT | BingAI |
---|---|---|
開発目的 | 多目的AIチャットボット | 検索エンジンとAIチャットボットの統合 |
言語モデル | GPT-3.5・GPT-4・GPT-4o(有料プラン) | GPT-4 |
会話 | データを元に会話を生成しているので不自然な場合もある | リアリティがあり人間の会話に近い |
画像生成 | できる(有料プラン) | できる |
商用利用 | できる | できない |
情報の鮮度 | GPT-4で2023年末までのデータを学習 | 検索エンジンで最新情報を提供 |
応答速度 | 速い(数秒程度) | ChatGPTに比べると遅い(10~20秒程度) |
会話内容の制約 | 不適切な質問には具体的な回答を提示しない | 独自の規程に従って応答を拒否する・ |
出典の確認 | 質問すれば確認できることもある | 常に確認できる |
利用料金 | 無料または有料 | 無料 |
使用できるブラウザ | 任意のブラウザ | Microsoft Edge(モバイル版・PC版)・Chrome(デスクトップ版) |
開発元 | OpenAI | Microsoft |
このようにChatGPTとBing AIにはさまざまな違いがありますが、特に大きな違いについて以下で解説します。
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言語モデル
ChatGPTもBing AIも、同じ「GPT」シリーズの言語モデルを利用しています。GPTにはいくつかのバージョンがあり、現在(2024年7月執筆時点)ChatGPTの無料版で使える基本言語モデルは「GPT-3.5」です。
一方、Bing AIは「GPT-4」がベースとなっており、無料で利用できる範囲ではBing AIの言語モデルの方が優秀といえます。GPT-4はGPT-3.5の上位モデルとして開発され、2023年3月14日に公開されてから、その精度と創造性において高い評価を得ています。
なお、2024年5月14日のアップデートで、新しいバージョンの「GPT-4o」が登場しています。ChatGPTの有料版ではGPT-4およびGPT-4oが利用できます。
得意なこと
ChatGPTとBing AIは、それぞれ得意としている会話・タスクの内容が異なります。そのため、利用する際は各々の違いを知っておくと効果的な使い方につながります。
ChatGPTは自然言語に対応しており、テキストデータから人間の会話方法を学習することで、文脈を維持した高度な対話が可能となっています。多種多様なトピックに柔軟に対応でき、創造的な文章を生成可能です。
Bing AIはMicrosoftが保有する大量のデータを学習し、より信頼性のある情報を提供します。また、ChatGPTではデータの参照期間が限定されるのに対し、Bing AIは検索エンジンを使用するためリアルタイムな情報収集が可能です。
ただし、ChatGPTのGPT-3.5は無制限に利用できるのに対し、Bing AIではやり取りの回数に上限が設けられているため、長い対話には向いていないともいえます。
使用環境や機能
ChatGPTとBing AIは、使用環境や機能などにも違いがあります。ChatGPTはWebサイトにアクセスすれば利用できるため、基本的にどのブラウザでも使えます。一方、Bing AIはMicrosoft Edge・アプリ・デスクトップ版のChromeでのみ使用できます。
機能面でのChatGPTの大きなメリットは、「GPTs」と呼ばれるChatGPTのカスタマイズが可能な機能が搭載されている点です。自由なカスタマイズは有料版のみ行えますが、無料版でも「GPT Store」に公開されているGPTの利用は可能です。
対して、Bing AIのメリットはブラウジング機能を搭載している点です。インターネット上の情報を検索し、結果の詳細をそのままユーザーに提供できます。しかし、ChatGPTと比べて回答が表示されるまでの時間がかかる点がデメリットです。
商用利用
ChatGPTで生成した文章や画像は、利用規約を守れば商用利用することも可能です。OpenAIの利用規約を見てみると、「生成された文章などの権利はユーザーに譲渡する」となっています。
実際、API連携を活用してChatGPTを顧客向けのチャットサポートサービスに組み込む、といった使われ方の事例もあります。ただし、他のWebサイトなどから引用した文章が含まれている場合、そのまま使用すると著作権侵害にあたるため、厳重な注意が必要です。
一方、Bing AIは生成した画像なども含め、商用利用ができません。使用条件を見てみると、「合法的な個人的かつ非商業的な目的」においてのみ、生成したコンテンツを外部で利用できることがわかります。商用目的で使用すると著作権侵害になるため注意しましょう。
参考:Bing の会話エクスペリエンスと Image Creator の使用条件
情報の正確さ
ChatGPTでは、GPT-3.5の場合2021年末まで、GPT-4の場合2023年末までの情報しか学習していません。その点、Bing AIは検索エンジン「Bing」と連携しているため、最新の情報に基づいた回答が期待できます。
よって、ChatGPTとBing AIの回答における情報の正確さを比較すると、Bing AIの方がより正確な情報を提供可能だといえます。
また、Bing AIは回答を生成する際に参照した情報ソースを常に提示してくれるため、ChatGPTとは異なる点です。天気情報や時事問題など、リアルタイム性の高い話題や正確性を求める話題について回答を得たい場合は、Bing AIを使った方が良いでしょう。
ただし、「人間味のある回答」という観点ではChatGPTの方が優れているとされているため、利用の目的や生成したいテキストの内容に合わせ、2つを使い分けながら活用するのがおすすめです。
会話内容の制約
ChatGPTとBing AIはどちらも優秀で便利なツールであるため、中には悪用しようとする人もいます。ただし、不適切な質問内容が入力された場合、ChatGPTやBing AIは回答の提示を拒否することがあります。
例えば、ChatGPTでは犯罪に該当するような内容について質問された場合、「法律で禁止されています」などと回答するように設定されています。
また、Bing AIでも独自の規程を設けることで、法律に反する内容はもちろん、倫理観に反する内容についても「この会話を続けるのは好ましくありません」のように会話が中断されます。
いずれも、不正利用などへのリスク対策が取られており、特にBing AIはインターネット検索を行いながら回答をするため、回答まで時間がかかるのが特徴です。
ChatGPTとBing AIは用途によって使い分けよう
ChatGPTとBing AIには、それぞれ異なる特徴がいくつもあります。そのため、用途によって適している方を選択するのがおすすめです。ここでは、ChatGPTとBing AIの用途・特徴について解説します。
用途 | 特徴 | |
---|---|---|
ChatGPT | 会話 | 人間味のある会話が可能 |
外部サービスとの連携 | さまざまなツールと連携できる | |
アイデアの創出 | 歌詞、小説などの独創的なアイデアを得られる | |
Bing AI | 出典元の確認 | 情報の信頼性を高める |
情報検索 | 最新情報を収集できる | |
画像生成 | 無料で画像の自動生成が可能 | |
共通 | プログラミング | コード生成やデバッグができる |
翻訳 | さまざまな言語に対応可能 | |
テキスト以外の会話 | 画像認識・音声認識で回答する | |
文章の作成や要約 | コンテンツ制作や情報の要約に活用できる |
ChatGPTの用途
ChatGPTは、API連携によって口コミサービスなどの外部サービスと連携したり、自社サービスと連携したりできるのが魅力です。顧客サポート向けのチャットボットに組み込むなど、企業のサービス向上にもつながります。
なお、API連携に必要なAPIキーを取得する場合には、ChatGPTのアカウント登録とは別にOpenAIのアカウント作成が必要です。無料トライアルもありますが、基本は使用量に応じて料金が発生する従量課金制となります。
また、人間味のある回答が返ってくるところがChatGPTの特徴なため、雑談やディスカッション、クリエイティブコンテンツの制作にも活用できます。
コンテンツ制作については、歌詞・小説・キャッチコピーなどのオリジナリティが求められるコンテンツについても、有益なアイデアを得られます。行き詰った時にChatGPTに問いかければ、自分では思いつかなかったようなヒントを提示してくれるかもしれません。
ChatGPTの活用方法|ビジネスでできること・注意点を解説
ChatGPTには、情報収集や文章の要約ができるため、個人だけでなくビジネスでも活用する企業が増えています。本記事では、ChatGPTができることや苦手なこと、ビジネスでの活用方法例の他、活用する際の注意点も解説します。
Bing AIの用途
Bing AIは最新の情報をリアルタイムで収集できること、テキスト以外の形式にも対応していることが特徴です。調べ物がある際や少しでも情報の信頼性を高めたい場合には、Bing AIを使用すると良いでしょう。
ただし、基本的には商用利用ができません。ビジネス目的に関わる場合には、Bing AIから出力されたものをそのまま使うのではなく、あくまでも参考やベースとして利用するようにしましょう。
共通する用途
ChatGPTとBing AI、どちらを使っても遜色のない共通する用途もあります。例えば、テキスト以外の会話が可能であったり、プログラミングや翻訳が行えたりする点が挙げられます。
どちらのツールでも、画像と音声を使った認識に対応しているため、回答の幅が広がります。また、任意のプログラミング言語を使ったコードの生成やデバッグができるため、業務目的だけでなくプログラミングの学習にも役立ちます。
そして、ChatGPTとBing AIは多くの言語に対応しており、翻訳にも活用できます。自力で翻訳をするよりも、かなりの時間短縮が測れるでしょう。文章作成の際は、独創性を求めるのか正確性を求めるのかで、ChatGPTとBing AIを使い分けると良いです。
まとめ
ChatGPTとBing AIは、どちらも便利なAIチャットサービスです。ただし、それぞれに得意・不得意があるため、双方の特徴を理解した上で用途別に使い分ける必要があります。
アイデア出しや商用利用には、 ChatGPTがおすすめです。商用利用はしないものの、最新で正確な情報を得たい場合にはBing AIを活用しましょう。
2つを使い分けることができれば、生成AIによるチャットサービスのメリットを最大限得られます。ChatGPTとBing AIそれぞれの特徴を理解して、利用シーンに合わせた使い方をしましょう。