電子契約書の立会人型(事業者署名型)とは|当事者型との違いを解説

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  • 立会人型の電子契約は、当事者型の電子契約と比較して、時間や手間を省ける
  • 立会人型の電子契約は、当事者型の電子契約と比較して、なりすましのリスクがある
  • 当事者型か立会人型かで迷ったら、ハイブリッド型の電子契約サービスもある

電子契約には、当事者型と立会人型(事業者署名型)の2種類があり、広く普及しているのが立会人型になります。本記事では、当事者型と立会人型の特徴を解説し、両者の違いやそれぞれのメリット・デメリットの他、選び方のポイントも紹介します。

目次

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  1. 電子契約には「当事者型」と「立会人型」がある
  2. 当事者型のメリット・デメリット
  3. 立会人型のメリット・デメリット
  4. 立会人型に電子署名法は適用されるのか
  5. 当事者型と立会人型どちらを選ぶべきか
  6. まとめ

電子契約には「当事者型」と「立会人型」がある

電子契約とは、書面の契約書を使用せず、電子的なデータによって契約の締結を行うことです。従来の書面への押印に変わって、電子署名を付与することで法的な効力を証明できます。

電子契約には「当事者型」と「立会人型」の2種類があり、異なる特徴を備えています。それぞれのメリット・デメリットを確認し、適切な署名方法を判断しましょう。

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当事者型と立会人型のポイント

  1. 当事者型とは
  2. 立会人型とは

当事者型とは

電子契約の当事者型とは、電子契約を締結する当事者同士が直接やり取りを行う形式のことです。当事者の双方がそれぞれの電子証明書を利用して電子署名を行うのが特徴で、あらかじめ有効な電子証明書を取得しておく必要があります。

この際に用いられる電子証明書は認証局などの第三者機関によって発行されており、信頼性が高いものとなっています。契約に関わる双方の身元や本人性を確保するという意味で、書面の契約書における印鑑証明書の役割を果たします。

立会人型とは

一方で、立会人型では電子契約を締結する当事者の指示により、第三者が電子署名を付与するという特徴があります。当事者の双方が電子証明書を取得することなく契約締結を行えるため、事前準備が不要です。

この場合、実際に電子署名を付与するのは電子契約サービスを提供する第三者ですが、サービスへのログインやメールアドレスによる認証などで本人確認が行われます。認証によって契約に関する合意が成立したと見なされます。

当事者型と立会人型の違い

当事者型と立会人型の最も大きな違いは、電子証明書の名義の違いです。どちらも法的な効力は有効ですが、名義の違いによってそれぞれ契約に必要な手続きや特徴が異なります。

電子証明書とは電子契約を利用する企業や個人の本人確認に用いられる電子的な証明で、書面契約での印鑑証明書に該当するものです。電子証明書は認証局などの第三者機関によって発行され、客観的な本人性を担保します。

当事者型では契約を締結する当事者名義の電子証明書を使用するのに対し、立会人型では契約当事者の合意を確認した上で、第三者名義の電子証明書を使用します。

このように、電子証明書の名義を契約者本人が有しているか、契約サービスを提供する事業者名義のものかによって電子契約の方法が変わります。

当事者型のメリット・デメリット

当事者型の電子契約を導入する際は、特徴や仕組みに加え、メリット・デメリットを把握しておきましょう。ここでは、代表的なポイントを取り上げ、詳しく解説していきます。

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当事者型のメリットとデメリット

  1. メリット
  2. デメリット

当事者型のメリット

当事者型の最大のメリットは、なりすましのリスクが少ないことです。電子証明書は信頼性の高い本人確認手段であり、確実に契約当事者同士が契約を締結したという証拠になります。そのため、当事者型の契約には高い法的効力が付与されます。

付き合いが浅く信頼構築が不十分な相手との契約を行う場合は、当事者型を選択することによりリスクを軽減できます。また、規模の大きな契約にも適しています。

当事者型のデメリット

一方でデメリットとなるのは、当事者型の電子契約を締結するために不可欠な電子証明書の取得に時間と費用がかかることです。

電子証明書を取得するための認証機関はいくつかありますが、一般的に1通あたり数千円程度の費用が発生します。また、電子証明書には有効期間が定められており、更新のたびに新たな費用がかかります。

さらに、電子契約に利用するシステムは双方が同じものを利用する必要があります。異なるシステムを利用している場合はどちらかが新たなシステムを導入しなければならない場合もあり、協議が必要になります。

これらの費用や時間は自社だけでなく契約を締結する相手にも発生してしまうため、双方の同意が必要です。時間と費用について了承した上で導入を行いましょう。

立会人型のメリット・デメリット

立会人型は当事者型と異なる特徴を備えているため、導入の際は内容を把握しておきましょう。ここでは、立会人型の電子契約における代表的なメリットとデメリットを取り上げ、詳しく解説します。

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立会人型のメリットとデメリット

  1. メリット
  2. デメリット

立会人型のメリット

立会人型のメリットは契約締結が簡単で手間がかからないことです。使用する電子契約サービスにもよりますが、多くの場合認証用のメールアドレスだけで契約を締結できます。

当事者型のように双方が同じサービスを導入する必要もないため、電子契約にかかるコストや労力が少なくすぐに契約を締結できます。

立会人型のデメリット

簡単に契約を締結できる一方、立会人型にはなりすましや不正のリスクがあります。また、双方の電子証明書が不要であることから、当事者型に比べて法的な効力も弱いとされています。

立会人型では認証機関による本人確認をしなくても契約の締結が可能なため、パソコンやメールアカウントへの不正アクセスによってなりすましが可能になります。認証機能を強化した電子契約システムを選ぶなどの対策も考慮しましょう。

立会人型に電子署名法は適用されるのか

立会人型の電子契約の場合、契約者同士は電子署名の付与を行わず、電子契約サービス事業者が代理で電子署名を付与します。このような場合でも、一定の条件を満たしていれば電子署名法が適用されます。

令和2年9月4日に発表された政府の見解では、次の条件下において、電子署名法第3条による電子署名と認められるとの推論が出されました。

  1. 契約者が行う認証プロセスが十分な水準を満たしていること
  2. 電子契約サービス事業者の署名プロセスにおいて十分な水準を満たしていること
  3. サービス利用者の身元確認ができること

参考:利用者の指示に基づきサービス提供事業者自身の署名鍵により暗号化等を行う電子契約サービスに関するQ&A|総務省

電子署名法とは

電子署名法の正式名称は「電子署名及び認証業務に関する法律」といいます。2001年に施行されて以来、電子契約を取り巻く環境の変化や普及の拡大に対応して複数回の改定が行われてきました。

電子署名法の目的は「電子署名の円滑な利用の確保によって情報処理の促進を図り、国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与すること」とされています。

電子署名は本人同士が契約内容に合意し、確実に契約を締結したという証明を担う役割を持っています。インターネットの普及に伴い電子契約や電子商取引が活発化し、非対面による本人確認の手段として電子署名による認証が必要とされるようになりました。

電子署名による法的な有効性が確保されていないと、電子契約そのものに対する信頼性の低下にも繋がりかねません。電子署名法の制定により、電子商取引や電子契約に対する信頼性の向上が期待されています。

参考:電子署名及び認証業務に関する法律|e-Gov法令検索

当事者型と立会人型どちらを選ぶべきか

当事者型と立会人型はそれぞれ異なる特徴を備えています。それぞれの特徴や概要を把握した上で、電子契約において何を重視したいかで選ぶのがおすすめです。ここではこれらの選び方について詳しく解説していきます。

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法的効力重視なら「当事者型」

電子契約における法的な効力を重視したいなら、当事者型がおすすめです。当事者型は厳密な本人確認が行われた上で契約を行うため、信頼性・確実性が担保されているという特徴があります。

利用の手軽さ重視なら「立会人型」

手軽でスムーズな契約締結を行いたいなら、立会人型がおすすめです。認証用のメールアドレスがあればすぐに利用でき、双方に負担がかからないのでスピーディーに契約を交わすことができ、近年では立会人型の普及割合が高くなっています。

立会人型はセキュリティ面でのリスクが課題となるため、使用する電子契約システムがどのような認証方法を採用しているか確認しましょう。

ハイブリッド型もある

立会人型と当事者型の両方を使い分けできる電子契約システムをハイブリッド型といいます。必要に応じて切り替えられるので、契約内容や取引先によって使い分けが可能です。判断を迷っている場合や途中でシステム切り替えを行わず長く使いたい場合におすすめです。

まとめ

電子契約には「当事者型」と「立会人型」の2種類があります。両者の違いは電子証明書の名義の違いであり、法的効力が強い当事者型に対し、立会人型は導入ハードルの低さから普及が拡大しています。

立会人型にも電子署名法が適用されるとの政府見解が出されており、今後もますますのサービス拡大が見込まれます。また、両方の契約方法を使い分けたい場合はハイブリッド型を導入するという選択肢もあります。

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