契約書のデータベース化とは｜メリットと優先すべき項目を解説

契約書は企業にとって重要な資産である上に機密情報に当たるため、契約書の管理や検索のしやすさが重要になります。契約書をデータベース化すると、契約書の管理や検索がしやすくなります。本記事では、契約書をデータベース化するメリットや優先すべき項目について解説します。

＼おすすめの契約書管理システムをご紹介／

目次

開く

閉じる

1. 契約書のデータベース化とは
2. 契約書をデータベース化するメリット
3. 契約書をデータベース化する手順
4. 契約書のデータベース化で優先すべき項目
5. 契約書のデータベース化には契約書管理システムがおすすめ
6. まとめ

契約書のデータベース化とは

契約書のデータベース化とは、紙媒体で保管していた契約書をデータベースに変換し、管理することです。紙媒体での契約書では、分類や保管に手間と時間が掛かります。また、契約書を探す場合にも、見つからない、紛失してしまったということが起こりやすいです。

契約書をデータベース化する目的は、紙媒体で保管する場合に起こるトラブルを防ぐことです。契約書をデータベース化することで、契約内容の確認や共有がしやすくなるだけでなく、ミスの防止など様々なリスクを回避できるメリットがあります。

契約書のデータベース化は1つひとつの内容を確認しながらの作業になるため、企業によっては大変な労力となります。そのため、まず優先すべき項目から始めるのがおすすめです。この記事では、データベース化に伴うメリットの詳細、優先項目についても紹介します。

契約書をデータベース化するメリット

契約書をデータベース化することには、業務を効率化できる様々なメリットがあります。契約におけるリスクの回避など、企業にとってのメリットを4つ紹介します。

＼気になる項目をクリックで詳細へジャンプ／

管理がしやすくなる

紙媒体の契約書では、会社別や契約内容別など仕分け方法に迷うことがあります。また、保管場所も必要になり、事務所を賃貸している場合は経費が嵩みます。

契約書をデータベース化することで情報がサーバーに保管され、キャビネなどへの保管作業が不要になるため、業務の効率化になります。また、保管スペースも不要となり、空いたスペースを他の業務に利用することや、事務所を小さくし経費を抑えることもできます。

さらに、他の書類に紛れ込んで紛失する、紙が傷むなどの理由で契約書の内容を見返せないといったトラブルを防げます。エクセルなど使い慣れたツールを活用すれば、専門的なスキルなどがなくても管理が行えます。

簡単に検索できる

紙媒体で契約書を保管していると、必要な契約書を探す際に膨大な量の書類の中から探さなければなりません。

もし、キャビネに契約書を移動させるのを忘れてしまい、担当者の引き出しやバインダーに保管されている場合は、担当者がいなければ契約内容を確認できません。

契約書をデータベース化するとこれらの保管に伴うリスクを回避でき、必要に応じて検索ワードですぐに検索・閲覧できます。

情報共有が行いやすくなる

業務遂行中には、契約書に記載された内容を遵守しなければなりません。そのため、業務に関わる全ての人が契約内容について閲覧できる環境が必要です。

しかし、紙媒体の契約書の場合、どこにあるのか分からない、保管している担当者が出張に出ているなど、すぐに内容を確認できないケースがあります。

契約書の内容を確認しないまま業務を進めてしまい、後になって契約内容と違うことが判明すると、トラブルになってしまいます。契約書をデータベース化すれば、状況に応じてすぐに内容を確認できるため、トラブルの発生を防げます。

リスク回避になる

契約書をデータベース化すると情報が整理され、見直すべき点が見つかりやすくなるというメリットがあります。自社に不利益をもたらす可能性がある契約内容を改善できれば、リスクを回避できます。

いくつもの業務を遂行し、それぞれに契約書を締結している場合は、契約期間など内容が不明瞭になることがあります。データベース化によって契約期間や金額・納期などが明確になり、間違いなく業務を進められるとともに、契約内容の見直しもしやすくなります。

契約書をデータベース化する手順

契約書をデータベース化する主な手順は、以下の通りです。

1. データベース化する契約書を選別する
2. データの保管に関するルールを決める
3. 契約書をスキャンもしくは、手入力でデータ化する
4. 正しくデータベース化されたか確認する

単純な作業ですが、データの保管に関するルールは契約書管理の効率に直接的に影響するため、細かく定めましょう。フォルダ階層やファイル名、ファイル形式にばらつきがあると目的のデータを見つけにくくなります。

契約書をスキャンする方法

契約書をスキャンする方法は、2つあります。1つは専門の業者に依頼する方法で、データ化する契約書を送付したり、直接自社に来てもらったりしてデータ化してもらいます。

もう1つは自社でスキャンを行う方法ですが、具体的なスキャン方法は「自社のコピー機や複合機でスキャンする」「スマートフォンのアプリを活用する」の2つです。

コピー機や複合機では複数枚の契約書を一気にスキャンできますが、出社する必要があるため、リモートワークを促進したい企業にはやや不向きです。スマートフォンのアプリでは出先でもスキャン可能ですが、1枚ずつ撮影しなければならず枚数が多い場合は向きません。

どちらにも向き不向きがあるため、自社の環境や契約書の枚数などで比較し、自社に適したスキャン方法を選択しましょう。

契約書のデータベース化で優先すべき項目

契約書のデータベース化には様々なメリットがあり、業務を効率よく遂行できます。しかし、契約書の数が膨大な企業ではデータベース化に労力が必要です。その場合は、優先すべき項目を意識するとスムーズに行えます。

＼気になる項目をクリックで詳細へジャンプ／

契約書名・契約内容

契約書のデータベース化において最も優先すべき項目は、会社名や事務所名などの契約相手の名称や契約内容です。紙で保管している企業は、契約書名や契約内容を基準に保管しているところが多いです。

そのため、データベース化の際も契約書名や契約内容で分類をすると、検索しやすくなります。売買・請負・秘密保持などの項目別に分類されるため、項目別の契約数などから自社の現状もチェックできます。

契約期間

契約期間をデータベース化することも重要です。契約期間は契約書において最も重要な情報の1つです。

契約の期間満了に関してしっかり把握し、気付いたら満了日を過ぎていた、といったミスを避けなければなりません。期間満了前に必ず契約内容を確認し、契約の更新を行うかどうかなどを判断しましょう。

データベース化により契約期間を整理し、業務に携わる全ての人が期間満了日を認識することでコミュニケーションも取りやすくなり、スケジュールを適切に調整しながら仕事をすることができるようになります。

取引金額

取引金額も、データベース化する際に優先すべき項目です。取引金額は業務が進むにつれて予定より増えていく場合がありますが、契約書で締結した金額を変更する場合は契約をし直さなければなりません。

実際の金額が契約書内の取引金額と違ってしまうと、法的なリスクが発生することもあります。そのため、すぐに取引金額を確認できる環境が必要です。

データベース化によってそれぞれの担当者が取引金額を確認できることで、計画を立てやすくなり、スムーズに事業を運営できます。

特別な必要事項

特別な必要事項とは、会社に生じるリスク・不利益を回避するための事項です。例えば、損害賠償の金額や通常とは違う取引内容などが、特別な必要事項に該当します。

特別な必要事項をデータ化しておけば、万が一トラブルが起こった際もそれに関する内容が契約に含まれていたかどうかすぐに分かります。会社に生じるリスクや不利益を回避できるため、特別な必要事項もデータ化の優先順位が高くなります。

契約書のデータベース化には契約書管理システムがおすすめ

契約書をデータベース化する際、契約書管理システムを利用することもできます。契約書管理システムは契約書を電子データで管理するためのもので、中には自動でデータベース化できる製品もあります。

現在、リモートやテレワークを取り入れている企業が多いですが、紙媒体に印刷して押印しなければならない契約書は、自宅から会社に出向いて作業する必要が生じます。契約内容に不備があった場合はもう一度印刷し直すなど、効率的ではありません。

契約書管理システムでは紙やインク・収入印紙代なども必要ないため、コスト削減に繋がります。誰がいつ契約書を閲覧したかも分かるので、セキュリティも強化できます。また、保管期限を過ぎたものは自動で削除することもでき、業務の効率化が図れます。

＼おすすめの契約書管理システムをご紹介／

まとめ

契約書は、契約を締結した時点で役目が終わるものではありません。業務は結んだ契約に則って進めなければならないため、途中で契約内容を確認する必要が出てくるケースもあります。その際に契約書を見つけにくいと、業務に支障が出ます。

契約書をデータベース化すると、ワードを入力して検索できるため、必要な契約書をすぐに見つけられます。また、業務に携わる全ての人が閲覧でき、担当者が出張などで不在でもすぐに重要事項を確認できます。

契約書をデータベース化する際には、契約書名や契約期間・取引金額・特別な必要事項など優先項目があります。契約書のデータベース化に取り掛かる時にはこれらの優先項目を参考にしましょう。