おすすめのデータバックアップサービス9選|選び方や注意点を解説
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- データバックアップサービスは、タイプ・データ容量・必要な機能を比較検討して選ぶ
- BCP対策やバージョン管理、セキュリティ対策も確認しておくとスムーズに選びやすい
- 導入の際は目的を明確化し、コストが適切か、ハードウェアへの負荷も確認しておく
データバックアップサービスとは、自社のデータを複製して保管できるサービスであり、「クラウドバックアップサービス」とも呼ばれる注目のサービスです。本記事では、おすすめのデータバックアップサービスや選び方のポイント、導入時の仕方と注意点を詳しく解説しています。
目次
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データバックアップサービスでデータ消失を防止
データバックアップサービスは、クラウドバックアップサービスとも呼ばれ、重要なデータをオンライン上の安全なクラウドストレージに保管する仕組みです。これにより、ユーザーはハードウェア障害、データ喪失などのリスクから大切なデータを保護できます。
データバックアップサービスは、自動的に定期的なバックアップを行い、必要な場合には、過去のバージョンや復元ポイントからデータを復旧することができます。これにより、ビジネスコンティニュイティ(事業継続性)が確保され、データの安全性が高まります。
データバックアップとは?メリット・デメリット、ツールの機能を紹介
データバックアップとは、データのみを複製・保管するバックアップ方法です。本記事では、データバックアップをよく知らない方のために、データバックアップの種類やメリット・デメリット、データバックアップツールの機能や選び方を解説しています。
データバックアップサービスはタイプ・容量・機能で選ぶ
データバックアップサービス選びは、タイプ・容量・機能の3つのポイントに注目することが重要です。タイプには、イメージバックアップ型とファイルバックアップ型の2種類があります。容量は、データ量と成長予測を考慮して選びましょう。
また、必要な機能として、自動バックアップ・データ復元・スケジュール設定などが挙げられます。適切なサービスを選ぶためには、これらのポイントを検討していきましょう。次の章から、それぞれのポイントを詳しく解説します。
【重要な3つのポイント】
- イメージバックアップ型かファイルバックアップ型か
- データ容量を確認
- 必要な機能が揃っているか
【その他の比較ポイント】
- BCP対策は万全か
- データのバージョン管理ができるか
- セキュリティ対策は万全か
データバックアップサービス選びに重要な3つのポイント
データバックアップサービスを選ぶ際は、以下の3つのポイントに注目することが重要です。ポイントを参考にしながら、適切なデータバックアップサービスを選定しましょう。ここでは、サービス選びに重要な3つのポイントを解説します。
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データバックアップサービス選びに重要な3つのポイント
イメージバックアップ型かファイルバックアップ型か
データバックアップサービスには、イメージバックアップ型とファイルバックアップ型の2つがあります。イメージバックアップ型は、対象のシステム全体をバックアップし、システム障害からの復旧が迅速に行えます。
一方、ファイルバックアップ型は、特定のファイルやデータのみを対象とし、ストレージ効率が高く、特定データの復元が容易です。自社に合った選択肢を導入するには、データの重要性、復旧時間の要件、予算などを考慮し、業務に最適な方法を選ぶことが重要です。
イメージバックアップ型
イメージバックアップ型は、コンピューターやサーバー全体をバックアップする方式です。OSやアプリケーション、データをまとめて保管し、障害時にシステムの全体を一括で復元できます。
また、個別のファイルだけでなく、全体の状態を保持するため、再インストールが不要であり、作業環境を迅速に復旧することが可能です。運用効率向上や作業環境の一貫性を保ち、ビジネスの中断を最小限に抑えることができます。
ファイルバックアップ型
ファイルバックアップ型は、特定のファイルやデータを選択してバックアップする方法です。システム全体ではなく、重要なデータのみを保護します。容量の最適化や効率的なデータ管理が可能で、必要なデータだけを復元できるため、ストレージ効率が高まります。
また、特定のファイルを簡単にバックアップ・復元でき、個別のファイルにおける誤削除や破損からの保護に適しています。なお、データ選択の柔軟性があり、必要なデータのみを素早く回復できるメリットも持ち合わせています。
データ容量を確認
データバックアップサービスを選ぶ際は、データ容量を確認しましょう。一般的に、バックアップ対象のデータが大容量であるほど、サービスの利用料は高額になります。
自社のパソコンに保管されたデータ量や成長予測を考慮し、必要な容量を正確に算出することが重要です。また、中には容量無制限のサービスもあり、一定の料金で制約なくバックアップが行えます。
自社が保有するパソコン内のデータ量と予算を踏まえ、適切な容量プランを選び、コストとデータ保護のバランスを考慮してサービスを選択しましょう。
必要な機能が揃っているか
選択するサービスによって提供される機能が異なるため、自社のニーズに合った機能を備えているかを確認することが大切です。また、必要な機能を確認すれば無駄なコストを抑えることができます。
基本機能としては、バックアップ・復元・スケジュール設定などが挙げられます。なお、バージョン管理・暗号化・圧縮・遠隔地へのバックアップなど、特定の機能を必要とする場合もあります。
よって、必要な機能を確実にチェックし、適切な機能を備えたサービスを選ぶことで、効率的なデータ保護とコスト削減を実現できます。以下では、より利便性の高い機能を3つ紹介します。
重複排除機能
重複排除機能は、同じデータが複数回バックアップされるのを防ぎ、ストレージスペースを圧迫しない、効率的な活用が可能となります。バックアップ時に同じデータが既に保存されている場合、新たにバックアップする代わりに、既存のデータを参照する仕組みです。
重複排除機能の最大のメリットは、ストレージ容量の節約です。同じデータを繰り返し保存することなく、バックアップデータを管理できるため、ストレージ負担にかかるコストの削減に貢献します。
コールドストレージ機能
コールドストレージ機能は、使用頻度の低いデータを経済的に長期保存するためのストレージです。長期的な保管を有する契約書などの証憑書類は、業務上頻繁に開くことがありません。そのようなアクセス頻度が低いデータを、低速の保管庫に保管しておく仕組みです。
コールドストレージ機能の活用によって、低コストで大容量のデータを保管可能であり、仮にアクセスが必要な際にも、適切な手続きでデータを取り出せます。
これにより、データ保持コストを削減しつつ、法的要件や規制に適合したデータの参照が実現できます。また、データの増加にも低コストかつ柔軟な対応が可能なため、データのバックアップとアーカイブを効率的に管理することができます。
コラボレーション機能
コラボレーション機能は、複数のユーザーが同じデータを共有・編集・管理するための機能です。プロジェクトごとの作業やチーム作業に適しており、リアルタイムでのデータ同期やバージョン管理が可能です。
メリットとしては、効率的な情報共有と連携により、チーム内のコラボレーションが円滑化することが挙げられます。その結果、作業の重複を防ぎ、リーダーシップや意思決定の迅速化を促進します。
さらに、遠隔地でのチーム作業や外部との共同プロジェクトにも活用でき、効果的なコミュニケーションを支援します。
データバックアップサービス選びのその他の比較ポイント
データバックアップサービス選びの際は、重要な3つのポイント以外にも、いくつかの比較ポイントも確認しましょう。以下で解説するポイントも考慮しつつ、自社のニーズや要件に最適なサービスを選択することが大切です。
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データバックアップサービス選びのその他の比較ポイント
BCP対策は万全か
データバックアップサービスは、BCP(Business Continuity Planning)対策において、重要な役割を果たします。BCPは事業継続計画とも呼ばれ、災害や障害発生時にも事業を継続するための計画であり、トラブル時のデータの保全と復旧において不可欠です。
データバックアップサービスは、データのバージョン管理やオフサイト保存を通じて、データの喪失や破損からデータを保護し、迅速な復旧を可能にします。災害時にもビジネスの継続性を確保するためには、データバックアップサービスのBCP対策が重要です。
データのバージョン管理ができるか
データのバージョン管理は、データの変更履歴を管理し、過去のバージョンにアクセスできる機能です。これにより、誤ってデータを上書きした場合や誤った変更を行った場合でも、以前の正しいバージョンに簡単に戻すことができます。
また、複数のユーザーが同じデータを共有し、異なるバージョンで作業している場合でも、混乱を避けて最新のバージョンに変更可能です。つまり、作業の効率化に加え、手作業による誤った変更でデータ損失をするリスクを軽減できます。
セキュリティ対策は万全か
データは企業や個人にとって貴重な情報ですが、常に漏洩や改ざんのリスクが存在します。そのため、サービス提供者はデータの暗号化やアクセス制御、脆弱性対策を実施し、セキュリティリスクを最小限に抑える必要があります。
また、クラウド環境でデータを保管する際には、第三者がアクセスする可能性があるため、データのプライバシーと信頼性を確保する対策も重要です。データバックアップサービスのセキュリティ対策が万全であることは、データの損失や漏洩を防ぐための必須事項です。
おすすめのデータバックアップサービス9選
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社
torocca!
GOOD
ここがおすすめ!
- 「24時間365日有人モニター監視」「遠隔地保存」「AES-256暗号化方式」採用の高セキュリティを実現
- 自動で30世代分のバックアップが可能で、細かなスケジュールも設定可能
- 2回目以降は差分のみのバックアップで時間を大幅に短縮
MORE
ここが少し気になる…
- 細かな料金プランはあるものの、必要容量が大きいとコストがかかる場合も
pCloud International AG
pCloud
GOOD
ここがおすすめ!
- 個人・家族・ビジネス向けのプランがあり、サービスを買い取ることも可能
- あらゆる端末からのアクセスが行えて、コラボレーション機能も標準装備
- 「データ機密保護」を最優先することにより、安全に転送できる
MORE
ここが少し気になる…
- プランによっては年払い・月払いの種類があり、希望の支払いが選べないことも
GOOD
ここがおすすめ!
- サービス名の通り空気のように軽い使い心地で、バックアップがとにかくスピーディー
- 最大99世代までデータの保存が可能
- クラウドへのバックアップやリアルタイムバックアップ機能を搭載
MORE
ここが少し気になる…
- イメージバックアップが利用できるのは「プレミアム版」のみ
GOOD
ここがおすすめ!
- バックアップのパターン設定ができるので扱いやすく、操作もわかりやすい
- セキュリティ対策がしっかりとしており、情報漏洩の危険性を下げられる
MORE
ここが少し気になる…
- 専門的な用語を使用している箇所があるため、どんな機能があるかぱっと見ではわかりづらい
GOOD
ここがおすすめ!
- サポート体制が充実しており、電話やメールなどで専門の技術者がすばやく対応
- 「ETERNUS製品」との親和性が高く、連携による大容量ストレージのバックアップ運用が効率的になる
- スケジュール設定や日本語GUIによる簡単なバックアップ設定が可能
MORE
ここが少し気になる…
- 料金やプランの種類は問い合わせで確認
GOOD
ここがおすすめ!
- デスクトップやノートパソコンはもちろん、バックアップデータにはスマホやタブレットからでもアクセスできる
- 「コールドストレージプラン」を利用すれば偶にしか使わないファイルのバックアップも気軽に行える
MORE
ここが少し気になる…
- サービスは2023年12月20日までとなり、以降は「AOSBOX Business Pro」が後継サービスとなる
GOOD
ここがおすすめ!
- 30日間の「無料トライアル」が利用でき、正式導入前や問い合わせ前に使用感を確かめられる
- 初回のみ完全バックアップで、2回目以降は増分や差分のバックアップが可能
- セキュリティ機能も充実しており、バックアップとあわせて一元管理にも最適
MORE
ここが少し気になる…
- 基本は200GBで、用途や容量にあわせて機能・料金に変動がある
株式会社シーラベル
AOMEI Backupper Server
GOOD
ここがおすすめ!
- バックアップも復旧も直感的なインターフェースでらくらく操作
- 個人・中小企業・大規模企業向けと機能によりパッケージが分かれており、必要に応じて最適な方法を選べる
MORE
ここが少し気になる…
- 台数無制限で利用したい場合は大企業&MSP向けの購入が必要
有限会社レ二ーラボラトリソフトウェア
Renee Becca
GOOD
ここがおすすめ!
- 復旧ソフトによるデータ回復が防げる「データ完全消去」機能を搭載
- オペレーティングシステム・アプリケーション・個人設定などのバックアップやリカバリも行える
- OSシステムを含むデータはHDDからSSDへ移行できる
MORE
ここが少し気になる…
- メールによるサポートのため、早急に対処したい方には不向き
データバックアップサービスの導入フロー
データバックアップサービスを利用する際には、適切な導入フローに沿って利用開始につなげるようにしましょう。主な導入フローは以下のとおりです。
- バックアップの方法を選択
- データバックアップサービスの選定
- 見積りの依頼
- 見積り結果から予算比較
- ヒアリング後に導入・運用開始
まずは、重要なポイントとして解説した、イメージバックアップ型かファイルバックアップ型か、バックアップの方法を選択しましょう。そして、データバックアップサービスを選定し、見積りの依頼を行います。
見積り結果が届いたら、自社の予算と比較して導入するかを検討します。その後、サービスの提供元とバックアップしたいデータや機器、どのような機能を求めているかをヒアリングし、導入・運用開始につなげます。
なお、サービスの中には無料トライアル期間を用意しているものもあるため、必要に応じて操作感を試すのも効果的です。
データバックアップサービス導入の注意点
データバックアップサービスの導入は企業にとって重要ですが、正しい手順と注意点があります。ここでは、データバックアップをスムーズに行うため、以下のサービス導入の仕方と注意点を解説します。
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データバックアップサービス導入の仕方と注意点
導入目的を明確にする
データバックアップサービスを導入する際は、まず導入目的を明確にしましょう。自社の課題やニーズを把握し、サービスの利用によってどのような効果を得たいかを明確にすることで、適切なサービスを選びやすくなります。
例えば、データ保護・災害対策・効率的なコラボレーションの実現といった目的です。企業の目的に応じて必要な機能や要件は異なるため、明確な目的設定は、サービスの選定プロセスをスムーズに進める上で大切な指標となります。
コストが適切か確認
サービスの料金体系は、月額制や従量課金制、容量・ユーザー数に応じた料金タイプなどがあります。そのため、導入前に自社のニーズに合わせた料金プランを検討し、サービス提供の範囲とコストのバランスが優れているかを確認しましょう。
高機能なサービスほど高額になる傾向にありますが、本当に必要な機能を選択することで、無駄な運用コストを抑えられます。また、長期的な視点でコストを見極め、将来のデータ量の増加や成長にも対応できるプランを選ぶことが重要です。
サービスの制限を確認
クラウドで提供されるデータバックアップサービスの場合、容量制限が設定されていることが多いです。つまり、大企業をはじめ管理するデータが大容量の場合には、費用面で高額になるだけでなく、一定の制限が付く可能性があります。
そのため、用意されているプランの料金体系に加え、どのような制限が設定されているのかを事前に確認するようにしましょう。機能・容量・サポートなど、自社が求めるサービス内容に対する制限を十分に把握することが重要です。
ハードウェアに負荷がかかりすぎないようにする
データバックアップサービスを導入する際には、ハードウェアに過度な負荷がかからないように注意する必要があります。
例えば、バックアッププロセスが進行中、ネットワークやストレージのリソースが集中的に利用されることで、オフィス内の他のハードウェアに影響が及ぶ可能性があります。その結果、ネットワークの遅延やシステムの応答速度の低下などが生じます。
また、業務の効率や生産性に悪影響を及ぼすことがあり、不具合が発生した場合のトラブルシューティングも必要になります。したがって、データバックアップサービスを導入する前に、オフィス内の通信機器やネットワークの設定、帯域幅などを検証することが重要です。
データバックアップが行われる際に、オフィス内の他のハードウェアに負荷がかかりすぎないように、通信インフラやネットワークの適切な調整を行いましょう。これにより、業務に影響を及ぼさないバックアップ環境を構築することができます。
まとめ
データバックアップサービスは、重要なデータを保護し、災害やデータ損失から大切な機密情報などを守るためのサービスです。イメージバックアップ型やファイルバックアップ型などの異なるタイプがあり、データ容量や必要な機能に合わせて選ぶことが重要です。
導入の際には、自社の課題や目的を明確にし、コストやセキュリティ対策の検討を行いましょう。また、注意点としては、他のハードウェアへの負荷や通信機器の影響を検証し、適切な設定を行うことが求められます。
データバックアップサービスを利用しながら、強固でしっかりとしたバックアップ戦略を構築し、データの安全性を確保しましょう。