電子契約の有効期間とは?延長できる長期署名についても解説

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  • 電子署名を用いた電子契約により、コスト削減や業務効率化などのメリットが期待できる
  • 電子署名には電子証明書が必要であり、電子証明書は最長5年の有効期間がある
  • 有効期間を延長するにはタイムスタンプやアーカイブスタンプによる長期署名が有効

電子署名を用いた電子契約には電子証明書の取得が必要で、電子証明書には有効期間が設けられています。この記事では電子契約の有効期間、タイムスタンプやアーカイブスタンプを付与した長期署名による延長などについて詳しく解説します。

目次

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  1. 電子契約に欠かせない「電子署名」
  2. 電子契約の有効期間とは
  3. 長期署名とは
  4. 電子契約の有効期間一覧表
  5. 電子契約の有効期間が失効するとどうなるか
  6. 有効期間の管理には電子契約システムがおすすめ
  7. まとめ

電子契約に欠かせない「電子署名」

ペーパーレス化が進み、電子契約システムを利用してオンラインで契約を締結できる電子契約に注目が集まっています。その電子契約には、電子署名が欠かせません。

電子署名とは、第三者機関の発行する本人確認データである電子証明書が付与された電磁的な署名のことであり、電子契約時に付与することで高い証拠力を担保します。

電子署名を付与することで、契約書を本人が作成したことを指す本人性と、内容が改ざんされていないことを示す非改ざん性を証明することができます。書面での契約における、押印や直筆サインに該当するものです。

電子契約では押印や直筆サインが使えないため、その代わりとなる電子署名が必要です。

電子署名を用いた電子契約のメリット

電子署名を用いた電子契約には、コストや保管スペースの削減・業務の効率化などのメリットがあります。ここでは、電子署名を用いた電子契約のメリットについて詳しく解説します。

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コストを削減できる

電子署名を用いる電子契約は、契約書の作成から契約の締結・申請・承認・管理などを全てデータ化することができます。そのため、電子契約では紙の書類が不要になるので、書面での契約に必要であった印刷費・郵送費などの事務コストを削減できます。

また、電子ファイルで作成した契約書は、印紙税法の課税文書には該当しないため、収入印紙を貼付する必要がなく、印紙代の削減も可能です。

保管スペースを削減できる

従来の書面での契約は、紙の契約書を全て保管するための膨大なスペースを必要としました。一方、電子署名を使用する電子契約は、契約書をクラウド上やHDD・SSDなどに保存できるため、保管スペースが不要であることがメリットです。

クラウド型の電子契約サービスであれば、機密性の高い電子ファイルを社内のデバイスに残さず、安全にクラウド上に保管することができます。

契約業務を効率化できる

電子契約は、書面での契約と比較してはるかに契約業務を効率化できるのがメリットです。電子契約には、書面での契約で必要であった印刷・押印・郵送・保管が不要なため、手間と時間を大幅に削減できます。

さらに電子契約システムは、テンプレート機能を用いた素早い契約書の作成や、契約の履歴・契約ステータスを可視化できるため、担当者の業務効率向上も期待できます。

電子契約の有効期間とは

電子契約の有効期間は原則最長で5年であり、この5年という期間は電子署名に付与する電子証明書が関わっています。電子署名を使用する場合、第三者の認証局が発行する電子証明書の取得が必要です。

電子証明書は、書面での契約に使用する押印の印鑑証明に該当し、電子署名を行なう人が本人であることを証明します。この電子証明書は、電子署名法施行規則6条4項で、電子証明書の有効期間は五年を超えないものであること、と規定されています。

また、国が推進しているマイナンバーカードの電子証明書も、有効期間は電子証明書発行の日から5回目の誕生日となっています。

参考:電子署名及び認証業務に関する法律施行規則|e-Gov 法令検索

有効期間が定められている理由

電子署名に有効期間が定められているのは一体なぜでしょうか。その理由は、電子証明書に使用されている暗号技術の危殆化リスクです。電子証明書のセキュリティに使用されるアルゴリズムは、技術の進歩によって破られ、安全性が保てなくなる可能性があります。

そういった事態に備えて、電子証明書には有効期間が設けられ、危殆化のリスクを下げて迅速に対応できるようにしています。

長期署名とは

10年ほどの長期の電子契約を結ぶ際、電子署名の効力が数年でなくなってしまうのは大きな問題です。しかし、契約期間が5年以上の場合、電子署名の効力が途中でなくなってしまうものの、長期署名を使えば解決することができます。

延長には、10年までのタイムスタンプを付与する方法と、10年以上のアーカイブスタンプを付与する方法があります。ここでは、長期署名に欠かせない、タイムスタンプとアーカイブスタンプについて解説します。

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10年まで延長できる「タイムスタンプ」

タイムスタンプとは、電子署名が付与された時刻を正確に記録する技術のことであり、日本データ通信協会の認定を受けたサービス事業者のみが付与できます。電子署名は、契約した人や契約の内容を記録する役割がありますが、時刻を記録する機能はありません。

そこで、電子署名に加えて、正確な時刻を記すタイムスタンプを付与することで、より信頼性を高めることができます。タイムスタンプの有効期限は10年までであり、タイムスタンプが付与された電子署名も10年まで有効期間を延長することが可能です。

10年以上にも延長できる「アーカイブスタンプ」

10年以上電子署名の効力を維持する場合は、アーカイブタイムスタンプを付与します。アーカイブタイムスタンプとは、電子署名・タイムスタンプ・検証情報などのデータ全体に最新の暗号化技術を用いることです。

有効期限を迎える前に改めてアーカイブタイムスタンプを付与することで、電子署名が確実に検証できたことを保証し、有効期限を延長することができます。

検証情報などのデータ全体にアーカイブタイムスタンプを掛けると、署名の効力を10年以上延長することが可能です。また、アーカイブタイムスタンプは10年毎に掛けなおすことができるため、署名の効力を20年、30年と延長し続けることができます。

電子契約の有効期間一覧表

上記の長期署名を含めると、有効期間は以下の3つに分けることができます。

有効期間
電子署名のみ最長5年間
電子署名・タイムスタンプ最長10年間
電子署名・アーカイブスタンプアーカイブスタンプを掛け直すたびに延長が可能

電子契約の有効期間が失効するとどうなるか

電子証明書の有効期間が切れると、電子署名が失効するため、本人証明や非改ざん証明ができなくなります。電子署名として利用できなくなるため、電子契約の際は、電子署名だけでなく、タイムスタンプなどの長期署名も利用するのがおすすめです。

長期署名もアーカイブタイムスタンプの有効期間が切れると失効するため、有効期間をこまめに管理し、失効する前にアーカイブタイムスタンプを付与しなおす必要があります。

また、有効期間切れだけでなく、引越しなど住所の変更を行なっても電子証明書を失効するので注意しましょう。

有効期間の管理には電子契約システムがおすすめ

電子証明書の有効期間の管理には、電子契約システムを導入するのがおすすめです。電子契約システムは、電子契約の際に使用するシステムで、契約書の作成から締結・有効期間の管理・保管などを一元管理することができます。

電子契約システム上で、電子署名やタイムスタンプの付与も可能で、契約期間の管理もできるため、電子契約に欠かせません。現在では、高いセキュリティや利用目的に合った多種多様な電子契約システムが展開されています。

電子契約システムとは?仕組みやメリット・デメリットを解説

電子契約システムとは、企業などが契約時に交わす署名や押印等の書類でのやり取りを電子上で行うことができるシステムです。この記事では、電子契約システムの仕組みや、メリット・デメリット、選び方や導入する際の注意点などを解説します。

まとめ

電子契約は、コスト削減や業務効率化などのメリットが期待できます。電子契約で契約を締結する場合、第三者機関の発行する電子証明書を付与した電子署名が必要です。その電子証明書は、最長5年の有効期間があります。

有効期間を過ぎると電子署名の効力を失ってしまうため、5年以上に渡って使用するなら、タイムスタンプなどを利用した長期署名がおすすめです。

電子契約システムであれば、契約の内容だけでなく、電子証明書の有効期間も管理することができるため、導入を検討してみると良いでしょう。

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