受領書とは|領収書との違いや受領書を発行する際の注意点も解説

Check!

  • 受領書とは、金銭や物品・サービスの受領を証明する書類である
  • 受領書などの信憑書類は、7年間の保管義務があるため電子化が便利である
  • 請求書や受領書を管理し会計を効率的に行うには、システムやサービスがおすすめ

受領書とは、金銭や物品・サービスの受領を証明する書類を指します。発行する法的な義務はありませんが、トラブル防止や取引状況の可視化に繋がります。本記事では、受領書の概要と記載する項目、発行する際の注意点をわかりやすく解説します。

目次

開く

閉じる

  1. 請求書受領サービスを検討するならこのサービスがおすすめ
  2. 受領書の概要
  3. 受領書に記載する項目
  4. 受領書のテンプレート
  5. 受領書に関する注意点
  6. 受領書などの重要書類は電子化が便利
  7. まとめ

請求書受領サービスを検討するならこのサービスがおすすめ

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウド債務支払

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウド債務支払

振込み対応!請求業務をオンラインで完結したい方におすすめ

AI OCR機能や承認フローの効率化により、請求書の電子保存や自動入力で請求書管理を効率化するなら、マネーフォワード クラウド債務支払の導入がおすすめです。

GOOD
ここがおすすめ!

  • 銀行振込APIと連携しているため、ワンクリックで振込みができる
  • AI-OCRにより、適格請求書の判定業務を効率化
  • ワークフローは自社にあわせて柔軟に申請経路の設定が可能

MORE
ここが少し気になる…

  • 開封や受領・保管の代行はオプションとなる

受領書の概要

まずは、受領書とは何か、どのような場面で使われ、どういった内容の書類なのかについて解説します。ビジネスや取引においてさまざまな役割を果たすため、受領書の概要を押さえておきましょう。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

受領書とは

受領書とは、商品やサービスの受け渡しが正常に行われた事実を記録するための書類のことで、金銭の受け取りでは金銭受領書と呼ばれることもあります。目に見えないサービスを提供する企業にとっては、万が一のトラブルを避けるための重要な書類です。

受領書は法的な義務として必ずしも求められるものではありませんが、取引の信頼性やトラブルの予防のために重要な役割を果たします。受領書には、受け取った日付や数量、双方の同意が記録されているため、トラブルの解決に役立つ情報源となります。

受け取りの事実を証明することが目的のため、紙の書類だけでなく、電子メールなどの電子的な手段でも受領の報告を行うことができます。電子的な手段でも、取引の合意や受け渡しが正当に行われたことを示す重要な記録となります。

受領書と領収書の違い

受領書は領収書になるかと疑問をもちやすいですが、発行目的が異なります。受領書は商品やサービスの実際の受け渡しを確認するのに対し、領収書は金銭の受領を証明するための書類です。

領収書は主に商品やサービスの代金を支払った際に発行され、支払われた金額や支払いに関連する情報を記録し、受領者が支払いを行った証拠として機能します。記載内容は共通する部分もありますが、目的や発行の背景が異なり、それぞれ独自の役割を持っています。

受領書の記載内容領収書の記載内容
・発行日
・宛名
・商品やサービスの詳細
・数量や単位
・受領の署名や印鑑
・発行日
・宛名
・支払われた金額
・品物やサービスの名前や詳細
・発行者の住所と氏名

受領書に似たビジネス書類

受領書に似たビジネス書類は領収書以外にも多くあり、違いもわかりにくいです。認識のズレにより重大なミスにつながる可能性もあるため、勘違いが起きないよう正しく理解する必要があります。

受領書と領収書以外のビジネス書類を以下にまとめました。

書類詳細
見積書試算結果を発注前に知らせる書類
発注書発注内容を記載した書類
納品書受注したものの発送時に送付する書類
検収書受け取った商品に不良品がないと確認できた際に発行する書類
請求書商品に対しての料金を請求するための書類

受領書の役割

受領書には、証明としての役割はもちろん、その役割から派生して取引の進行状況の把握や、トラブル防止としての役割も持っています。ここでは、受領書がどんな場面で役立つのか、受領書の役割について解説します。

商品やサービスの受け取りの証明

受領書は、商品やサービスの受け取りが正確に行われた証拠を提供する役割を担っています。受注者(注文を受けた側)と発注者(注文した側)の関係において、商品を受け取った発注者が、納品した受注者に対して発行します。

一般的に、受注者から発注者に商品が届けられる時、運送会社を介して配送されます。この場合、受注者にとっては、発注者に商品が届けられたかを確認する手段として、運送会社からの配送完了報告だけでは、本当に商品を受け取ったかまでは確認できません。

そこで、発注者から受注者へと受領書が届くようにすることによって、商品が確実に発注者に納品されたことを証明できます。

取引状況の可視化

受領書は、取引状況を可視化する一役を担っています。企業間のビジネス取引は複雑なプロセスがあるため、その進行状況を把握することが重要です。取引においては、合意や商品・サービスの提供などの多くの段階があり、受領書はその中で発行されます。

受領書の有無により、取引がどの段階にあるのかを把握することが可能です。また、取引の進行状況を管理する上で、受領書の有無によってスケジュールを調整しやすくなる利点もあります。

例えば、受領書の発行を確認することで、予定通りに取引が進んでいるか、どの段階で遅れが発生しているかを把握できます。さらに、受領書を含む書類の発行は、口頭でのコミュニケーションを補完し、進行状況や受け渡しの詳細を確認するのにも役立ちます。

トラブル防止

ビジネス取引においてトラブルを未然に防ぐためにも、受領書は重要な役割を果たします。受領書には、商品やサービスの受け渡しに関する情報・数量・日時などが記載されます。この記録は、取引の当事者が合意した内容を確認する手段となります。

万が一、取引上のトラブルが発生した場合には、受領書は証拠として利用されます。例えば、発注者から納品された商品の数量不足を指摘された時、受領書に記録された受け渡しの詳細が、双方の合意や受け渡しの実施を示す有力な証拠となります。

受領書には法的な発行義務はありませんが、証拠能力がないわけではなく、トラブル時の証拠書類に十分なり得ます。

受領書に記載する項目

受領書に記載すべきこれらの項目は、どれか一つでも不足している場合や不正確だった場合に、証拠としての信頼性が低下してしまいます。そのため、「いつ・誰から・何を・いくつ受け取ったか」を明確にする必要があります。

ここでは受領書に記載すべき6つの項目の内容と記載の重要性について解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

受領日

受領日は、商品やサービスが実際に受け取られた日付として受領書に記載する項目です。取引が実際に行われた証拠として機能し、日付を正確に記載することで、取引の遂行が確実であることを示します。

受領日を記載することは、単に納品日が明確になるだけではありません。商品の受け取りと支払いのタイムラインの整合性の確保や、取引相手が受け取りに同意したことを確立する上でも重要です。

トラブルを未然に防ぐだけでなく、トラブル時の証拠としても重要な記載事項となります。透明性の高い取引をするためにも必ず記載すべき項目です。

発行日

受領日に似た項目に発行日があります。発行日は受領書を発行した日付ですが、受領日と同様にトラブルを未然に防いだり、トラブル時の証拠として重要な記載事項になり得ます。これは、受領日と発行日が同じ日である場合が多いためです。

その場合は、発行日に受領日を含むものとして、受領日の記載が省略されることも珍しくありません。ただし、発行日と受領日が異なるケースも十分考えられるため、文書が発行されてから受け渡しが行われるまでのタイムラグを示すために分けて記載することもあります。

発行日と受領日が異なるケースがある場合は、発行日と受領日を分けた方が、手続きの順序・文書の有効性や適用範囲を明確にするタイムスタンプとしての正確性が高まります。

取引先名

取引先名は、発注と受注の関係を明確にする上で正しく記載する必要がある項目です。取引先名には、企業名・部署名・担当者名を記載します。取引先との信頼関係や取引プロセスへの悪影響を防ぐためにも、略称ではなく正式名称で記載することが大切です。

正確な記載は信頼性を確保する上でも重要ですが、取引プロセスに遅延が発生するリスクを防ぐ上でも重要です。

発行元の情報

発行元の情報は、受領書を発行した企業や担当者を明確にするために必要な記載項目です。取引先にとって、正当な発行元からの受領書であることを確認でき、また、責任の所在を明示することで取引上のコミュニケーションをスムーズにできる利点があります。

記載内容は、企業名・住所・電話番号・部署・担当者名を正式名称で記載します。トラブルが発生した場合の情報交換や問題解決をスムーズにするためにも、必ず記載しましょう。

発行元の担当者印

発行元の情報に関連する発行元の担当者印は、受領書の内容が担当者によって発行されたものだと証明するために必要な項目です。担当者印があることによって、トラブル時の証拠としての信頼性を高めることができます。

また、担当者印があることにより、取引先にとっては受領書を長期的に保存・管理する上で内容の信頼性を確保できるメリットもあります。担当者印は、押印の代わりにサインでも問題ないとされ、取引の規模が大きい場合には社印が押されることもあります。

受領した物品やサービスの名称と詳細

受領した物品やサービスの名称は、取引内容を明らかにする上で必要な記載項目です。具体的に何を受け取ったのかを明確にすることで、取引の信頼性・透明性を確保し、ビジネス関係を健全に維持します。

記載内容は、物品やサービスの名称の他、単価・数量・合計金額を記載します。また、同じ物品名でも種類や色など複数ある場合は、その詳細も明記します。場合によっては、支払い条件や締め日が記載されるケースもありますが、取引プロセスの性質によります。

受領書の中で、支払いの確認を容易にした方がいい場合も考えられるため、取引プロセスに応じて適切な内容を記載しましょう。ただし、あくまでも受領書は納品を証明するものなので、支払いに関する情報は領収書や請求書などで提供する場合が多いです。

受領書のテンプレート

受領書は記載しなければならない項目が決まっているため、ほぼテンプレート化されています。以下は、金銭受領書のテンプレート例です。

受領書

〇年〇月〇日

(宛名記入欄)様

金(金額記入欄)円也

上記金額を正に受領いたしました。

但し、(但し書き記入欄)として

氏名(氏名記入欄)

個人取引で書き方に困ったときなどに活用してください。

受領書に関する注意点

受領書を扱う際には、発行する側も受領する側も気をつけなければいけないポイントがあります。取引相手との信頼関係を維持する上でも、また、法令を遵守する上でも重要なため、以下の解説を参考に、適切に発行・管理するようにしましょう。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

商品やサービスを受け取り次第発行する

受領書の発行は、契約の中で期限が定められている場合もあれば、特に期限が設けられていない場合もあります。しかし、商品やサービスの受け取りを証明する書類である観点から、納品されたら迅速に発行するのが理想的です。

受領してから発行までの時間が長くなるほど、その間、受け取りを証明できる要素は受領した担当者に依存し、時間経過と共に正確性が損なわれるリスクが増します。証明としての確実性を保持するために、商品やサービスを受け取り次第すぐに発行するようにしましょう。

また、早めに受領書を取引相手に提供することは、取引上の信頼関係を構築する上でも大切です。トラブル・誤解・混乱によって、関係を悪化させないように迅速な対応が求められます。

受領書は保管義務がある

税法では、帳簿の保存の他、取引に関して作成または受領した書類の保管義務が定められています。受領書も取引の事実を証明する書類として保管義務の対象に含まれ、法人で原則7年、個人で5年間保管しなければいけません。

また、各税法で保管義務のある帳簿・書類を電子データで保管する際のルールを定めた電子帳簿保存法の書類にも該当します。2024年1月以降は、電子メールで受け取った受領書の紙での保存が認められなくなる点についても気をつけましょう。

こうした税法の観点から、受領書を発行する側も、受領書を受け取る側が保管・管理しやすいように配慮することが望ましいです。以下の国税庁のサイトで、帳簿書類等の保存期間の詳細について確認できます。

参考:No.5930 帳簿書類等の保存期間 |国税庁

受領書などの重要書類は電子化が便利

受領書は、取引プロセスに関連する書類の一つであり、他にも取引に関する書類には、注文書・納品書・請求書などがあります。これらの書類をすべて紙で扱うのは、取引や会計業務の効率性や、書類の保管していく上でも大変です。

受領書を含む取引の重要書類は、電子化することで業務の負担を軽減できます。また、書類の保管スペースがなくても管理できるのも利点です。

さらに、請求書受領サービスや請求書受領システムなら、取引に関連するさまざまな書類を紐づけることもできるため、管理がしやすくなります。ここでは受領書の電子化におすすめできるそれらのサービス・システムについて解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

請求書受領システムを利用する

請求書受領システムとは、請求書の電子化と自動処理によって、受領に関するプロセスを効率的に行うためのシステムです。請求書以外の取引に関する書類(注文書・納品書・受領書)を電子化でき、請求書との紐づけもできます。

受領した請求書の自動カテゴリー振り分け機能や適切なフォーマットで保存する機能が備わっており、請求情報が迅速に届くのも利点です。また、会計ソフトと連携して仕訳やデータの自動作成も可能なため、会計業務を効率化できます。

システムの導入においては、請求書受領に関わるどの業務を電子化したいのか、目的を明確にすることで、無駄なコストを削減しつつ、効果的に運用することが可能です。請求業務の電子化に付随して、受領書も電子化して効率的に管理するのがおすすめです。

請求書受領サービスを利用する

請求書受領サービスは、基本的に前述の請求書受領システムと同様に、請求書を始めとする取引に関する書類を電子化し、処理を自動化するために利用されます。前述のシステムとの違いは、導入形態としてクラウドベースであり、法改正に自動で対応する点です。

さらに、請求書の受領・電子化・確認作業を代行してくれるサービスもあります。その場合は、紙で届いた書類の受領・開封・スキャン・電子化したデータのアップロード・点検までの作業をサービス提供会社のオペレーターが行うため、業務負担が大幅に軽減します。

サービスによって、紙の原本の保管や形式の異なる書類の管理を代行してくれるといった特色があるため、利用にあたっては自社のニーズと照らし合わせて選びましょう。

まとめ

受領書は、商品やサービスの受け取りを証明する書類です。取引の透明性や信頼性を確保し、また、取引履歴の確認やトラブル時の対応に役立ちます。受領書には受領日や取引先名などの詳細な情報を記載するようにしましょう。

近年は取引に関連書類の電子化が推進されており、効率的な業務運営を促進する手段となっています。請求書受領システムやサービスを利用し、受領書関係の業務の効率化を図りましょう。

Share

top