請求書処理における経理の支払処理とは?|業務の流れと課題を解説

請求書が届いたら、受領した後の処理には、内容確認・支払処理依頼書の作成・支払処理・保管業務フローなどがあり、人的ミスなどの課題もあります。本記事では、経理部門などにおける請求書処理の業務フロー、請求書の保管方法と課題、業務を効率化する方法について解説します。

目次

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  1. 請求書受領サービスを検討するならこのサービスがおすすめ
  2. 請求書処理業務の流れ
  3. 請求書の保管方法
  4. 請求書処理における課題
  5. 請求書処理を効率的にする方法
  6. まとめ

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請求書処理業務の流れ

企業の経理部門は請求書を受領した後に、支払業務など、請求書処理の流れに基づいた業務を行う必要があります。具体的には、請求書の内容確認・支払依頼書の作成・帳簿記帳・支払処理・消込処理・原本の保管です。

請求書は企業の損益・利益に直結し、取引先企業との信頼関係にも大きく関わるため、相手先の商品やサービスをしっかりと認識し、正確な請求書の確認が求められます。また、税務署から提出を求められたら、要件・形式に沿って請求書を提示する必要があります。

さらに、人的ミスや未払い・過払い金の発生など、請求書処理には課題が付き物であり、業務の効率化も進めなければなりません。企業の価値を高めるためにも、請求書処理業務の流れから確認してみましょう。

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請求書の内容を確認する

請求書を受け取ったら、まずは請求書の内容を確認しましょう。請求書の宛名や発行者の名前が間違っていないかどうか、発行日や取引年月日が帳簿と一致しているかどうか、などを確認しておくのがおすすめです。また、支払い期限も入念にチェックしましょう。

請求書は、基本的に営業部門の担当者が受け取る場合が多く、請求書の内容確認の際には、しっかりと経理部門の担当者に内容の精査をしてもらう必要があります。

請求書には、取引内容や金額の詳細が記載されているため、内容や消費税の計算などが間違っていないかどうかを、改めて計算して確認するのが一般的です。そのほか、振り込みに関する情報が契約時と相違ないかなど、細かな部分も確認するべきです。

メールで請求書を受領した場合には、受領メールを送り、担当者に確認してもらいましょう。支払期日ごとに未払い分ファイルなどに保管し、支払いが完了するまでは紛失しないようにします。

また、インボイス制度を利用する場合は、登録番号の有無も確認して適切に保存する必要があります。よって、営業部門と経理部門において、情報共有を欠かさないようにしましょう。

参考:インボイス制度の概要|国税庁

支払依頼書を作成する

請求書の内容に問題がなかった場合には、営業部門が支払依頼書を作成します。支払依頼書とは、取引先から商品やサービスを仕入れた際に、自社が支払いを行うことを依頼する書類です。

支払依頼書には、取引先の名称・商品名・数量・単価・金額・支払期日などの情報が記載され、取引先から請求書が届いた後に作成します。支払依頼書の作成後は経理部門に提出し、担当者が内容を精査した上で承認します。

その後、支払処理の担当者が支払依頼書に基づいて支払い手続きを行います。このように、支払依頼書を作成することで、経理部門が支払い手続きを正確に行えるようになります。

帳簿に記帳する

請求書の内容確認、支払依頼書の作成が完了した後は、取引の内容を帳簿に記載する必要があります。経理部門の担当者は会計システムなどを使い、請求書に書かれた内容や項目を帳簿に記帳しましょう。

ファームバンキングやインターネットバンキングで支払いを行う場合には、各フォーマットに沿ったデータを別途作成する必要があります。銀行に出向いて支払うのではなく、オンライン上で支払いを行う場合はFB(ファームバンキング)データを作成しておきましょう。

参考:電子帳簿保存法一問一答|国税庁

承認を受け、支払処理をする

支払依頼書の作成や帳簿への記載が完了したら、支払の承認を受けます。支払の承認は取締役会や社長、または財務担当者が行うのが基本です。支払の承認フローを全て終えた後、支払処理を行います。支払処理は上長などの承認とは異なり、経理部門が行います。

支払い方法は企業によって異なりますが、近年ではインターネットバンキングなどを使用した支払いが一般的です。自社の支払い方法に応じて、金額や振込先に間違いがないように十分注意しながら請求書ごとの支払いを行いましょう。

消込処理を行う

支払い後は請求書の消込処理を行います。請求書の消込処理とは、取引先から請求書が届いた際、その請求書に記載された金額を自社の会計システムに登録し、帳簿上の金額と一致させる作業です。この消込処理を行うことで、自社の会計システムが正確に管理されます。

また、経営判断に必要な情報が正しく提供されるようになるでしょう。消込処理を行う際には、請求書の金額・数量・単価・支払期日が正しいかなどを確認します。さらに、請求書と会計システムの金額が一致しているかどうかも、しっかりと確認する必要があります。

仮に、金額が一致しない場合は、請求書もしくは会計システムに誤りがあると考えられます。請求書に誤りがある場合は取引先に訂正を依頼し、会計システムに誤りがある場合は情報の修正を行いましょう。

請求書の原本を保管する

支払や消込などの支払処理が完了した後は、請求書の原本を保管します。請求書などの証憑書類における原本の保管期間は、電子帳簿保存法によって、個人事業主の場合は5年間、企業の場合には7年間と定められているため、紛失のないように保管しましょう。

請求書の保管は、紙媒体または電子データで行いますが、電子データの方が紛失が少なくて安心です。電子データで保存する場合は、サーバーやクラウドストレージなどを利用しましょう。保管期間が過ぎた後は、破棄してしまっても問題ありません。

また、2024年1月以降、電子帳簿保存法の改定が行われ、電子データで受け取った証憑書類は、必ず電子データで定められた期間保存する必要があります。よって、これからは紙媒体ではなく、電子データでやり取りをするのがおすすめです。

参考:No.5930 帳簿書類等の保存期間|国税庁

参考:電子帳簿保存法の内容が改正されました|国税庁

請求書の原本が必要な理由|コピーでも大丈夫?効力について解説

請求書の原本は、法律上でその必要性を定められています。また、原本の電子化も電子帳簿保存法により、法的に認められています。本記事では、請求書の原本が必要な理由と、原本の電子化について解説し、請求書を電子化して保管する際の注意点も紹介します。

請求書の保管方法

請求書の保管方法については、紙による保管と電子データによる保管があります。それぞれ保管方法や注意点が異なるため、以下を参考にしながら正しい保管をしましょう。

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紙による保管方法

請求書の原本を紙で保管する場合には日付順にファイリングを行い、倉庫や書庫などの安全な場所に保管します。保管している請求書は定期的に確認を行い、破損や汚れによって読めなくなっていないかどうかをチェックしましょう。

保管期間が過ぎた順番に破棄するため、作成した日付順に保管することが大切です。いつの請求書なのか分かるように保管し、しっかりと管理しましょう。また、日付順に保管しておけば、確認したい時に必要な請求書をすぐに見つけ出せて非常に便利です。

保管期間の過ぎた請求書から順番に破棄していくことで、新たな保管スペースを確保できます。業務負担の軽減や、管理スぺースを圧迫しないためにも、こまめに確認して担当者が管理しやすいようにしましょう。

なお、請求書には、企業情報などの機密情報が含まれているため、紛失や盗難を防げるような場所を選んで保管する必要があります

電子データによる保管方法

請求書の保管については、紙媒体だけでなく電子データによる保管も認められています。ただし、電子データによる保管を行う場合には、一定の要件を満たさなければなりません。

例えば、タイムスタンプ付きで保管する、検索機能の確保、不正アクセスや改ざんから保護するといった、真実性の確保と可視性の確保を必要とします。

電子データでの保管は、紙の保管に比べて検索が容易であり、必要な請求書をすぐに見つけることができます。また、紙の保管で必要なスペースも電子データでは必要ありません。紛失や盗難のリスクも軽減できるため、可能であればデータでの保存がおすすめです。

電子データでの保管はデータの共有も容易で、複数のユーザーが同時に請求書を閲覧できます。紙での保管と同じく、定められた保管期間が過ぎたデータは削除しましょう。定期的にデータを整理・削除することで、正しい管理がしやすくなります。

参考:e-文書法|e-Gov法令検索

参考:電子帳簿保存法の概要|国税庁

参考:Ⅱ 適用要件【基本的事項】|国税庁

請求書処理における課題

請求書処理においては、ヒューマンエラーによるミスや未払いによるトラブルなど、多くの課題があります。また、過払い金や入金ミスなどにも注意しなければなりません。以下で、請求書処理における課題を解説します。

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ヒューマンエラーによるミス

請求書の処理では、ヒューマンエラーが起こる可能性があります。請求書は内容が煩雑なケースが多く、誤解が生じやすいほか、金額が大きいとミスに気付きにくいこともあるでしょう。また、処理に時間がかかることから、人的ミスが発生しやすいとされています。

特に、担当者の経験不足によって人的ミスは増えてしまうため、しっかりと教育をした上で請求書処理担当者として業務を任せる必要があります。

仮に、請求書処理でヒューマンエラーが起きた場合、取引先との間にトラブルが発生する可能性があり、信用を失うこともあります。場合によっては税務調査を受けることになったり、結果的に会社の利益が減少したりするため、十分に気を付けて処理を行いましょう。

未払いによるトラブル

請求書処理が上手く進められていない場合、未払いによるトラブルが起こるケースもあります。請求書を正しく提出しているにも関わらず、支払いが滞ってしまうと会社の信用を失いかねません。場合によっては、取引先との取引が停止することもあるでしょう。

さらに、未払いによるトラブルが続くと、取引先から訴えられる可能性もあります。会社の信用を失わないようにするためにも、正しく請求書処理を行って未払いを防ぎましょう。そのためには、請求書の発行を正確に行い、期日などをしっかり確認するのがおすすめです。

過払い金・入金ミス

請求書処理においては、費用が支払われない未払いの他にも、過払い金や入金ミスが生じるケースもあります。ミスが起こる原因としては、請求書内容の確認不足や作業工程の不備が挙げられるでしょう。

過払い金や入金ミスは未払いと同じく、会社の信用を失うことに繋がります。大きなトラブルに発展させないためにも、支払期日や入金金額の確認、振り込み作業は慎重に行いましょう。

不正・横領

請求書処理では、社内において不正や横領が起こる可能性もあります。請求書の不正・架空発行をはじめ、金額の水増しなどの不正が発生するタイミングは複数あるため、会社の利益を減少させないためにも不正や横領を防ぎましょう。

請求書の不正や横領が起こった場合、信用の低下によって取引先を失うことがあります。大切な取引先を失うと、会社の利益損失に直結するでしょう。不正や横領を防ぐためには、請求書の処理を複数人で行ったり、請求書の処理を自動化したりするのがおすすめです。

承認フロー・管理が複雑

請求書処理における課題としては、承認フロー・管理が複雑な点も挙げられます。取引先によって受領方法が異なったり、保存方法にバラつきがあったりする場合は、承認フローや管理がより複雑化してしまう可能性もあるでしょう。

請求書処理には、請求書の受領から支払いまでの一連の流れがありますが、請求書の金額の確認や承認、支払いなど多くの作業が発生します。これらの作業は複数の部門や担当者によって行われるため、承認フローや管理が複雑になるケースが多いです。

承認フローや管理が複雑で判断が難しいと、ミスが起きやすくなり、効率の良い管理ができません。その結果、事務作業などの管理に、想定より多くの時間を要する事にもつながってしまいます。

請求書処理を効率的にする方法

請求書処理には多くの課題がありますが、データ化や承認プロセスの簡略化によって効率の良い処理や管理ができるようになります。以下で、詳しい内容を解説します。

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データ化でペーパーレス化する

受領する請求書をデータ化することで、管理がしやすくなります。ペーパーレス化によって経費が削減できるほか、場所を取らずに保管できるのもメリットです。データ化するための方法には、大きく分けて2種類あります。

相手先に電子化発行を依頼する

ペーパーレス化を目指す場合は、相手先に電子化発行を依頼するのがおすすめです。自社でデータ化するよりも、あらかじめデータ化した請求書を送付してもらった方が処理が楽になります。また、電子データはメールなどで送付できるのも大きなメリットです。

これにより、送付の手間が軽減されるほか、リアルタイムで請求書の内容をチェックできます。現状、紙媒体でやり取りをしている場合には、一度電子化発行を依頼してみましょう。

自社で電子化する

紙媒体で請求書を受け取っている場合には、自社で請求書を電子化しましょう。スキャナーで請求書を読み取ってPDFファイルにしたり、請求書をスマートフォンやタブレットで撮影してPDFファイルにしたりすることで、容易に電子化する方法があります。

電子化によって管理がしやすくなるほか、紛失や盗難のリスクを防ぐことも可能です。請求書処理の効率化にも繋がるため、積極的に電子化を行いましょう。

承認プロセスを簡略化する

請求書処理の承認プロセスを簡略化するには、承認者を減らしたり承認フローを電子化したりする必要があります。また、承認ルールを明確にして承認期間を設定するなど、効率化に向けた取り組みも大切なポイントです。

なお、請求書管理システムの活用などによって、承認プロセスを自動化する方法もあります。承認プロセスが簡簡略化できれば、遅延やミスなどを減らして正しい処理が可能となり、より効率の良い請求書処理が行えるようになるでしょう。

アウトソーシングを活用する

請求書処理の効率化には、アウトソーシングも有効です。アウトソーシングとは、自社で行う業務を外部に委託することを指します。請求書処理は重要な業務ですが、時間と手間がかかる点がデメリットです。

それが、請求書処理をアウトソーシングすることで、自社で請求書処理を行う必要がなくなり、人件費のコスト削減や時間の削減に繋がるでしょう。また、アウトソーシングの活用にはリスクの分散や専門的な知識・ノウハウの活用などのメリットもあります。

アウトソーシング先を選ぶ際には、実績・価格・対応力・セキュリティ面などに注目しましょう。自社に合うサービスを選ばなければ、効率の良い請求書処理はできません。

請求書管理システムを導入する

請求書管理システムを導入すれば、請求書処理が効率化できます。請求書管理システムとは、請求書の受領から支払いまでの一連の流れを管理するシステムです。請求書管理システムを導入することで、法令を遵守した請求書の検索や閲覧なども容易になります。

請求書の処理が自動化できるため、ヒューマンエラーも少なくなり、ミスやトラブルを防いで正しい請求書処理が行えるのも大きなメリットです。さらに、請求書の未払い、不正や横領を防ぐこともでき、自動化によって経理担当者の負担も軽減できます。

請求書管理システムは、請求書処理を効率化するために最適なシステムです。より効率の良い管理をした場合は、導入を検討しましょう。

まとめ

請求書処理とは、請求書の受領から支払いまでの一連の流れのことです。請求書を取引先から受け取り、金額を確認した上で支払いを行うだけでなく、請求書の原本を保管するまでの全ての工程が請求書処理となります。

請求書処理を効率よく行うためには、なるべくデータ化を行い、承認プロセスを簡略化するのがおすすめです。また、請求書管理システムを導入すればExcel(エクセル)での管理も必要なくなり、より効率の良い管理ができるようになるでしょう。

請求書管理システムには多くの種類があるため、自社に合ったものを選ぶことが大切です。ぜひ本記事の内容を参考にしながら、請求書管理システムの導入によって効率の良い請求書管理を行いましょう。

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