人材派遣サービスとは?メリット・デメリットをわかりやすく解説

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  • 人材派遣サービスとは、人材を必要としている企業に人材を派遣するサービスのこと
  • 必要なスキルを持った人材を必要な期間に採用できるため、生産性や業務効率が上がる
  • 人材派遣サービスを選ぶ際は対応業種やエリア、スタッフの登録者数などを確認する

人材派遣サービスとは、人材を必要としている企業に人材を派遣するサービスのことです。スキルを持った人材を採用できるため、社内の生産性アップに繋がり採用コストも削減できます。この記事では人材派遣サービスのメリット・デメリット、選び方などを解説します。

目次

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  1. 人材派遣サービスとは
  2. 人材派遣サービスのメリット・機能
  3. 人材派遣サービスのデメリット・注意点
  4. 人材派遣サービスを選ぶ際のポイント
  5. 人材派遣サービスを利用する際に明確にしておきたいこと
  6. 人材依頼から受け入れまでの流れ
  7. まとめ

人材派遣サービスとは

人材派遣サービスとは、人材派遣会社(派遣元)が雇用している派遣スタッフ(派遣労働者)を、人材を必要としている企業(派遣先)に対して派遣するサービスです。企業は自社が求めるスキルを持った人材を、必要な時・必要な期間に応じて利用できるメリットがあります。

人材派遣の契約は、人材派遣会社と派遣スタッフの間で雇用契約が結ばれます。そのため、給与や福利厚生は雇用元の派遣会社から支払われます。また派遣会社と派遣先企業との間では、労働者派遣契約が結ばれます。

派遣スタッフは正社員と違い、実際に勤務する派遣先企業と直接には雇用契約を結んでいないのが特徴です。

人材派遣と人材紹介の違い

人材派遣は、企業が必要な時・必要な期間、求めるスキルを持った人材を企業に派遣します。一方、人材紹介は企業と求職者をつなげるサービスです。人材派遣と人材紹介では、同じ人材サービス業に当たりますが、サービス内容・契約形態などに様々な違いがあります。

人材派遣人材紹介
サービス内容企業が求める人材の派遣企業の人材採用の支援
契約形態労働者派遣契約有料職業紹介契約
雇用元人材派遣会社自社
選考の可否不可
期間最長3年長期雇用が前提
料金体系派遣料金(実働時間×時間単価)紹介手数料(採用が決定した場合)

人材サービス業界の種類と仕組み

人材派遣と人材紹介は同じ人材サービス業界の区分に当たることは前述しました。人材サービスとは、企業と求職者をマッチングし、採用や派遣、人材紹介などを通じて人材の提供や採用支援を行う業界やサービスのことです。

人材派遣や人材紹介の他にも「求人広告」と「アウトソーシング」などがあります。下記にそれぞれについて解説します。

求人広告

求人広告とは、企業が採用する際に必要な人材を募集するための宣伝手段の一つで、適切な情報提供を通じて最適な人材を採用します。

自社の仕事の内容や責任、必要なスキルや経験、求める人物像、給与、福利厚生といった、募集要項を載せた求人広告を作成し、求職者からの応募を待ちます。

求職者は、興味を持った場合に応募先に応募します。応募方法としては、履歴書や職務経歴書、カバーレター、応募フォームなどがあります。その後、企業は応募者と面接を行い、適任者を選定します。選考プロセスを経て採用が決定され、労働契約が成立します。

アウトソーシング

アウトソーシングとは、企業が特定業務を外部に委託し、外部の専門家や会社にその業務を任せることです。専門性が必要な業務を外部に委託することで業務を効率化できます。

自社でアウトソーシングが必要な業務を特定し、それを外部の人材サービス会社に依頼する契約を結びます。一方、雇用される側の人材は、人材サービス会社を通じてアウトソーシングされたプロジェクトや業務に従事する機会を得ます。

人材サービス会社は、適切なスキルや経験を持つ人材を採用し、企業のニーズにマッチさせる役割を果たします。

人材派遣サービスのメリット・機能

企業が人材派遣サービスを活用するメリットは多くあります。メリットを把握し、人材派遣サービスを活用しましょう。

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生産性が向上する

人材派遣は3〜6ヶ月ごとに契約更新が行われ、求めるスキルを持つ人材を必要な時・必要な期間だけ補充することが可能です。ある程度のスキルをすでに持っている人を採用できるため、1から教育する時間や労力が省けます。

また、社員1人あたりの業務負荷が高まっている部署に派遣スタッフを受け入れれば、業務効率化や生産性アップにも繋がります。業務が落ち着いた頃に派遣社員の契約満了を迎えるようにすれば、人員過多を防いで人件費の無駄が省けます。

採用コストを削減できる

社員を1人増やすとなると、企業は求人を出すためのコストのほか、書類選考・面接・採用面接・合否判定・応募者への合否通知など、多大な時間と手間が発生します。しかし人材派遣を利用すれば、採用のためのコストや手間を大幅に削減することが可能です。

自社で求人を行う場合、求めるスキルを持った人材からの応募がなく、欠員期間が長くなってしまうこともあります。そのような場合でも、人材派遣を利用すれば人材派遣会社が雇用しているスタッフの中から自社の要望に合った人材を派遣してもらえ、欠員補充もスムーズです。

労務管理の手間が軽減できる

派遣スタッフと直接雇用契約を結ばないため、給与支払い・社会保険の手続き・福利厚生の提供などの労務管理の手間も軽減できます。

派遣スタッフへの給与支払い・社会保険の手続き・福利厚生の提供は、派遣元の人材派遣会社が行います。そのため、派遣先の企業ではこれらの業務に対応する必要がなく、労務管理の手間や負担を軽減できます。

ただし、人材派遣サービスを活用する場合でも、派遣スタッフに対して労働時間の管理・安全で安心して働ける労働環境の整備などは必要です。

繁忙期や欠員時に人員を補充できる

年度末は業務が立て込んで忙しいが他の時期はそうでもないなど、業務量のムラが大きい場合には、繁忙期のみ派遣スタッフを受け入れるといった活用方法も可能です。

働き方改革による時短勤務や社員の育児休業・介護休業など、一時的な欠員補充に人材派遣サービスを活用すれば、自社の状況に合わせて柔軟に対応できます。

人材派遣会社には、専門的なスキルを持つスタッフも多く登録しています。そのため、自社が必要とするスキルを持った人材を即戦力として受け入れることが可能です。人材派遣を活用すればスムーズに人材を補充でき、業務に穴が開くこともありません。

人材派遣サービスのデメリット・注意点

人材派遣サービスは、メリットばかりでなくデメリットも存在します。人材派遣サービスを利用するデメリット・注意点を以下で解説します。

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期間が限定されている

派遣スタッフは基本的に、同一事務所・同一部署での勤務は最長で3年間と期間が限定されているため、3年以上は就業させられません。人材が育っても一定期間で入れ替わってしまうため、社内でノウハウが蓄積しないのがデメリットです。

特定の派遣スタッフにコア業務や重要業務を任せていると、業務が属人化し、社内でノウハウを蓄積できず、企業成長の妨げになります。

派遣スタッフは一定期間で入れ替わるため、基本的にデータ入力・帳票作成など誰でもできるようなルーティーンワークを任せるようにしましょう。

参考:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律|法令検索

帰属意識が低い

派遣スタッフは契約期間が決まっており、同じ場所で長く勤務しないので、帰属意識が低くなりがちです。帰属意識とは、「この企業の一員である」という意識や感覚のことです。帰属意識が高い人は、その企業のために意欲的・積極的に業務にあたる傾向があります。

ただし、派遣スタッフの中にも、自社の社員同様に高い帰属意識ややりがいを持って仕事に取り組んでいる人もいます。そういう派遣スタッフの意欲を削がないためにも、自社の社員と派遣スタッフを区別せず、同じ職場で働く1スタッフとして対等に接することが大切です。

契約にない仕事は依頼できない

派遣スタッフは、人材派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業に派遣されます。派遣スタッフの労働契約は、派遣先企業ではなく人材派遣会社と結ばれているため、派遣先企業は、派遣スタッフに対して派遣契約に定められた業務以外の業務をさせることはできません

そのため、自社の社員のようにイレギュラーな業務を依頼できず、柔軟性に欠けるのがデメリットです。

契約書には業務内容を細かく記載しておく必要があるので、少しでも柔軟に業務を依頼したい場合は、今後必要になるかもしれない業務まで細かく記載しておくと良いでしょう。

スタッフの選考はできない

人材派遣では、企業が自社が求めるスキル・経験などの条件を人材派遣会社に提示し、人材派遣会社が登録スタッフとのマッチングを行って企業に派遣するシステムになっています。そのため、自社で派遣してもらいたいスタッフを選考することはできません

万が一、派遣されてきた派遣スタッフが自社が希望する人物像とマッチしていなかった場合でも、受け入れる必要があります。派遣スタッフの交代を要求することもできますが 、正当な理由なく企業側の都合で交代させることは事実上困難です。

自社が希望する人物と、実際に派遣されてくる人物との相違が少ないよう、人材派遣会社に、自社が求める人物像や要望をできる限り細かく伝えておくと良いでしょう。

社内機密漏洩のリスクがある

派遣スタッフはさまざまな場所に派遣されているため、派遣スタッフによって機密情報が持ち出されるリスクがあります。情報漏洩は、企業に大きなダメージを与える問題です。

派遣スタッフによる情報漏洩のリスクを防止するためには、労働者派遣契約に秘密保持に関する規定を設けたり、秘密保持誓約書の提出を求めたりするなどの対策を行いましょう。

データにパスワードを設定したり、パソコン・USBメモリーなどの派遣従業員の社外持ち出しを禁止したり、企業秘密に関わる業務を派遣従業員には任せないようにしたりするのも、情報漏洩対策に有効です。

二重派遣・日雇い派遣は禁止

二重派遣とは、派遣元の人材派遣会社から派遣された派遣スタッフを別の企業へ派遣する行為です。派遣スタッフを別の企業に派遣すると、派遣スタッフは派遣契約が結ばれていない企業で業務することになるため、二重派遣は職業安定法で禁止されています。

派遣スタッフの雇用期間を、1日ごとや30日以内とする「日雇い派遣」も禁止です。雇用期間が短いと、労働者は社会保険の加入ができません。

また、派遣終了後すぐに別の仕事を探さなければならず、収入や生活が安定せず不利益を被りやすいため、日雇い派遣は原則として禁止されています。

参考:二重派遣は派遣法違反ですか|厚生労働省

参考:日雇派遣の原則禁止について|厚生労働省

人材派遣サービスを選ぶ際のポイント

人材派遣サービスを提供する会社は多くあります。数ある人材派遣サービスの中から、自社に合ったサービスを選ぶ際のポイントを、以下で解説します。

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派遣形態

人材派遣の派遣形態には、「登録型派遣」「紹介予定派遣」「無期雇用派遣」の3つがあります。以下では、3つの派遣形態についてそれぞれ詳しく解説します。

登録型派遣

「登録型派遣」は一般型とも呼ばれ、仕事を希望する人が派遣会社に登録し、派遣会社から仕事の紹介を受ける派遣形態を指します。派遣先企業と派遣会社間で結ばれる派遣契約と同期間派遣会社と雇用契約を結び、派遣期間の満了と共に雇用契約が終了する有期雇用です。

契約期間は1ヶ月から半年のケースが多く、派遣先企業と派遣社員、双方の合意があれば最大3年まで契約を延長できます。

派遣スタッフにとって、育児や介護など自身のライフステージの変化に合わせて勤務地・勤務時間などを自由に選べるのがメリットです。派遣先企業も、人手不足のときだけ一時的にある程度のスキルを持つ人員を補充できるメリットがあります。

紹介予定派遣

紹介予定派遣は、正社員・契約社員・アルバイトでの直接雇用を前提とした派遣形態です。派遣先企業で一定期間(最長6か月)派遣社員として働き、その間に双方の合意が得られた場合は、派遣先企業に正社員などとして直接雇用されます。

紹介予定派遣では、派遣期間は試用期間と同じ扱いになり、派遣スタッフが派遣先企業に確実に直接雇用される、または派遣先企業が確実に派遣スタッフを獲得できる保障はありません。直接雇用になった場合は、派遣先企業は紹介手数料を人材派遣会社に支払います。

紹介予定派遣は、派遣スタッフも派遣先企業も「長く勤めたい会社であるか」「自社にとって即戦力となる有能な人材か」といったようにお互い見極めてから直接雇用に切り替えられるメリットがあります。

無期雇用派遣

無期雇用派遣は常用型派遣とも呼ばれ、派遣会社と派遣労働者の間で期間を設けずに雇用契約を結ぶ派遣形態です。契約内容によっては、期間に定めのある有期雇用の場合もあります。

無期雇用派遣は、派遣就業期間が終わっても派遣会社との雇用が継続されます。次の派遣先が決まるまでブランクがあっても、派遣会社からの給与・健康保険・厚生年金などは継続されたままなので、派遣スタッフは安定して働けるメリットがあります。

しかし、無期雇用派遣では「働く必要があるときだけ、働きたい企業でスキルを活かして働く」という派遣社員ならではの働き方ができません。長期休暇が取りづらかったり、自分の希望しない職場へ派遣されたりするケースもあります。

得意な業界・職種

人材派遣サービスによって、得意としている業界や職種は異なります。金融・事務系に強い会社、IT・エンジニア系に強い会社など、Web・映像制作といったクリエイティブ系に強い会社などさまざまあるため、自社に合った人材派遣サービスを選びましょう。

対応しているエリア

人材派遣サービスによって、得意としているエリアは異なります。テレビのコマーシャルで見かけるような大手の人材派遣サービスでは、日本全国の求人を取り扱っています。一方、その地域に特化した求人を取り扱う地域密着型の人材派遣サービスもあります。

大手の人材派遣サービスでは、東京・大阪など大都市の求人を多く取り扱っています。そのため、都市部で働きたい人には大手の人材派遣サービスの利用メリットが大きいでしょう。一方、地方の求人情報は少なく、人口の少ない都市の求人情報はそれほど多くありません。

地域密着型の人材派遣サービスはその地域の企業の求人に特化しており、地元で働きたい人と、人が集まりにくい地方都市で人材を確保したい企業にとって欠かせない存在です。大手と地方密着型では得意エリアが異なるため、自社に合た派遣サービスを選びましょう。

スタッフの登録数・質

スタッフの登録数が多い人材派遣サービスの方が、自社が求めるスキルや人物像とマッチングしやすくなります。また、人材派遣サービスの中には登録している派遣スタッフへのスキルアップ研修を行っているところもあります。

スキルアップ研修を行っている派遣元の登録スタッフなら、ビジネスマナーや事務作業のスキルが身に付いており、質の良いスタッフを獲得できる可能性が高くなります。そのため、人材派遣サービスを選ぶ際は、スタッフの登録数・質にも着目しましょう。

人材派遣サービスを利用する際に明確にしておきたいこと

人材派遣サービスを利用する前に、明確にしておきたい点がいくつかあります。それにより、自社が希望する人物像と実際に派遣されてくるスタッフとのミスマッチを低減できます。

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人材派遣サービスを利用する際に明確にしておきたいこと

  1. 依頼したい理由
  2. 業務内容・就業条件
  3. 必要なスキル
  4. 職場環境

依頼したい理由

「今どんな問題を抱えていて、なぜ派遣社員が必要なのか」「どのようなスキルを持った人材を求めているのか」など、人材派遣を依頼したい理由を人材派遣サービスと共有しておいたほうが、適切な人材が見つかりやすくなります。

「社員の育休や退職などによる欠員を補いたい」「繁忙期などで一時的な人手不足を解消したい」「事業拡大のために専門的なスキルを持ったスタッフを増員したい」など、できるだけ詳しく人材派遣会社に伝えるようにします。

そうすることで、人材派遣会社は自社が人材派遣を依頼したい事情を汲み、希望に沿ったスタッフをマッチングする確率が向上するでしょう。

業務内容・就業条件

派遣スタッフ側としては、業務内容・就業条件は事前に詳しく知っておきたい情報です。依頼されるのはどのような業務内容なのかや、報酬・就業開始時刻・終了時刻・残業の有無・休日などを明確にしておかないと、希望者はなかなか集まりません。

人材派遣会社側にしても、派遣スタッフに詳しい業務内容・就業条件を提示できないと、人員の確保が困難です。

人材派遣サービスを利用する際は、派遣スタッフを配置する部署の社員に業務フローを確認するなどして、依頼する業務内容を明確にしておきしましょう。また、就業条件についても派遣スタッフが知りたい情報を網羅するようにしましょう。

必要なスキル

派遣スタッフを短期間受け入れるだけだとしても、業務にどのようなスキルが必要なのかを明確にしておかないと、いざ業務を開始したときに適性のミスマッチが起こる可能性があります。依頼する業務に関するスキルを持っていない人が派遣されれば、業務効率の低下にもつながります。

人材派遣会社にどんなスキルが必要なのかを明確に伝えることで、人材派遣会社は自社の希望に沿ったスタッフをマッチングしやすくなり、派遣されてくるスタッフの適正のミスマッチを防げるでしょう。

職場環境

業務内容・就業のほかにも、職場環境も派遣スタッフが知っておきたい情報の1つです。勤務先となる職場の男女比・年齢層などが事前にわかっていれば、職場のイメージが掴みやすくなります。

「年上の社員が多い職場なら、服装は落ち着いた色やデザインのものが良いのではないか」「女性が多い職場なら、明るい雰囲気かもしれない」など、ある程度その職場の雰囲気がイメージできることは、派遣スタッフの事前の心構えや安心感につながります

人材依頼から受け入れまでの流れ

人材派遣会社に人材を依頼してから派遣スタッフを受け入れるまでには、どのようなステップがあるのでしょうか。派遣会社への依頼から業務開始までの流れを、以下で解説します。

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派遣会社との打ち合わせ

派遣スタッフに依頼したい業務内容・就業条件がまとまったら、派遣会社に人材派遣を依頼します。そして、条件・必要なスキル・勤務開始日などの要件を派遣会社の営業担当と打ち合わせます。

最近ではオンラインで打ち合わせができる派遣会社もあり、打ち合わせのためにまとまった時間がなかなか取れない場合には、オンラインでの打ち合わせを利用するもの良いでしょう。

契約の締結

労働者派遣法第26条の定めにより、派遣先企業と派遣会社との間で「労働者派遣契約」の締結が必要です。派遣契約には、「基本契約」「個別契約」の2つがあります。

基本契約は、派遣先企業と派遣会社との間で派遣スタッフを派遣する際の基本的な事項を定めた契約です。人材派遣に関する内容だけでなく、企業間の商取引の条件についても記載し、この内容は派遣スタッフや派遣先部署が変わっても変更されません。

個別契約は、業務内容・就業条件・派遣期間・報酬など、派遣スタッフごとに個別で条件が必要な事項を定めた契約です。また、指揮命令者・派遣元責任者・派遣先責任者を記載し、派遣スタッフが派遣先の指揮下で労働を行うことを明確にしています。

参考:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律|法令検索

派遣社員の紹介・業務開始

派遣先企業は、条件に合った派遣スタッフを派遣会社から紹介されます。派遣スタッフから職場見学の求めがあれば、派遣先企業は求めに応じて職場見学を行う必要があります。

職場見学では担当業務・業務指示系統・使用するスキルなどを説明し、派遣スタッフに業務のイメージを掴んでもらうことが大切です。

契約内容や職場環境など、派遣スタッフからの合意が得られれば、契約書の業務開始日より業務開始となります。

まとめ

人材派遣サービスとは、人材が必要な企業に対し、求める人材を速やかに派遣するサービスです。必要なスキルを持った人材を必要な期間に採用でき、生産性・業務効率の向上に寄与します。

人材派遣サービスは多くのメリットをもたらす反面、派遣スタッフに求めるスキルを明確にしておかないと、業務適性とのミスマッチが起こるなどのデメリットもあります。

また、派遣会社により首都圏特化型・地域密着型などの違いもあるため、特徴をしっかり把握しておきましょう。

本記事を参考に、人材依頼をする際に明確にしておきたい点や、受け入れまでの流れを確認し、自社に合った人材派遣サービスを見つけてください。

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