テレビ会議システムとは?メリット・デメリットと比較ポイントを解説
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- テレビ会議システムは、映像・音声を使ってオンライン会議を実施する企業向けシステム
- 専用回線・専用機材の使用により、音声・映像・通話品質のクオリティが非常に高い
- 複数拠点からのリアルタイム発言の可否など、実際の使用を想定した選び方が重要
テレビ会議システムは、離れた場所にいる相手と、同じ部屋で会話しているような雰囲気で会議・打ち合わせできるツールです。この記事では、テレビ会議システムの主な機能、導入によるメリット・デメリット、導入の際の比較ポイントなどについて詳しく解説していきます。
目次
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テレビ会議システムとは
テレビ会議システムとは、会議を行う場所に専用の機材を設置し、専用回線を用いて会議を行うシステムです。テレビ会議システムを利用すれば、離れた拠点に居ながらも参加者の全員の顔を映し、資料や映像を共有してリアリティ感あふれる会議が行えます。
専用の回線によって安定した通信状況を保てるため、音声の途切れや映像の乱れが発生しにくく、大切な会議もスマートに進行できます。また、専用機材に採用している音声や映像のクオリティが高いものが多く、音質・画質ともに優れているのも特徴です。
テレビ会議システムを導入すれば、複数の拠点から移動して一箇所に集まらなくても会議に参加できるため、移動費や宿泊費などのコスト削減に繋がります。
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テレビ会議とは
テレビ会議とは、モニターに専用のカメラやマイクにて会議参加者の顔を映し出し、直接専用回線を繋いで会議を行う方法です。システムの導入には、専用の機材を特定の場所に固定する必要があり、セキュリティ対策や音声・映像の品質の高さに定評があります。
インターネット回線を使用したWeb会議もありますが、不特定多数の人が利用するインターネットはセキュリティ対策に脆弱性が存在します。第三者による盗み見や覗き見など、セキュリティ面での対策を万全に立てなければなりません。
また、インターネット回線の通信状況が不安定になると、会議中の映像や音声が乱れたり、中断してしまうケースも大きなリスクです。テレビ会議システムなら専用回線を使用するため、比較的安定した通信状況での会議が行えます。
テレビ会議システムとWeb会議システムの違い
テレビ会議の場合は、会議を行う場所にモニターやマイク、カメラなどの専用機材を使用して、専用の回線で部屋全体を映し会議を行います。専用回線のため安定した通信と音声・映像が高品質なのがメリットです。
しかし、専用機材や回線が指定の部屋に固定されているため、テレビ会議を行う場所に参加者が集まる必要があります。
Web会議は、個々がPCやスマホなどのデバイス内に入れたアプリやソフトを利用して、Wi-Fi環境などインターネット接続にて会議を行います。オンライン会議はインターネット環境のある場所ならどこでも会議に参加できるのがメリットです。
Web会議とは?メリットやテレビ会議との違い、必要なものも解説
Web会議とは、インターネット環境とPC・スマホなどのデバイスを利用して行う会議のことです。いつどこからでも会議に参加でき、コスト削減に繋がります。この記事では、Web会議のメリット・デメリットやテレビ会議との違い、実施に必要なものなどを解説します。
リモート会議とオンライン会議の違い
近年では、テレビ会議と並んで「リモート会議」や「オンライン会議」が語られることが多くなりました。リモート会議とは、離れた場所で電話回線やインターネット回線を通して、オンラインで会議を行う「会議の総称」を指します。
一方のオンライン会議は、上述した「Web会議」とは呼び方が違うだけで内容は同じです。インターネットが整った環境で、個々のスマホやPCといったデバイスを用いて、専用のアプリやソフトを使って会議に参加します。
テレビ会議とオンライン会議は似て非なるものですが、遠隔地でもオンラインで会議を行う方法は同じであるため、テレビ会議やオンライン会議、また電話会議もリモート会議に分類されます。
テレビ会議システムがおすすめのシーンとは
実際に、テレビ会議はどのようなシーンで利用できるのでしょうか。おすすめの活用シーンには以下のようなものが挙げられます。
- 大人数が出席する会議
- 社員研修やセミナー
- 記念式典や表彰式
- 海外拠点とのやりとり
- コンサートやイベントの配信
- 医療現場や工事現場の現状共有
専用回線と専用機器を用いるテレビ会議は、Web会議よりも高品質な映像と音声を提供しやすいのが強みです。そのため、大人数の利用が見込まれるシーンや海外拠点とのやり取りに向いています。
また、臨場感のある配信を行いたいコンサートやイベント、現場の状況を正確に共有したい医療現場や工事現場でもテレビ会議システムは幅広く活用されています。
テレビ会議システムの仕組み
テレビ会議システムは、リアルタイムで動画と音声によって遠方の相手とやり取りができます。ここでは、テレビ会議システムの仕組みについて解説します。
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テレビ会議システムの仕組み
動画・音声をデータで取り込みエンコード(圧縮)
上述したようにテレビ会議システムでは、カメラやマイクといった専用機器の設置が必要です。これらによって動画や音声をデータで取り込み、相手に送信することで、リアルタイムによるやり取りが実現します。
しかし、取り込んだデータ量は膨大なため、そのままの状態で送信するとネットワークが遅延し、円滑な会議の進行が難しくなります。そのため、データを圧縮・伸縮させる「コーデック」と呼ばれる装置により、取り込んだデータはエンコード(圧縮)して送信します。
コーデックは一般的に専用機器と一緒に提供されることが多いですが、コストがかかる場合もあるため導入時に確認しておきましょう。
圧縮したデータをネットワークを経由して送信
エンコードされたデータは、ネットワークを経由して相手に送信されます。テレビ会議システムの接続形態は、サーバーを介さずに相手に直接送信する「P2P」を採用していますが、Web会議同様にインターネットを経由するテレビ会議システムもあります。
P2Pは通信の安定性が高く、サーバーが存在しないことで匿名性が高いメリットがあります。一方でネットワーク帯域を圧迫しやすい面もあるため、どのような接続形態が自社に適しているかを明確にすることが大切です。
受信したデータを元のデータ状態に戻す
データはエンコードされているため、元の状態に戻すことで動画と音声が届きます。これを「デコード」と呼び、データはテレビモニターやディスプレイといった出力装置に送られて再生されます。
このように、こちらと相手の両方で動画・音声データをやり取りすることで、リアルタイムでの会議が可能になっています。
テレビ会議システムの主な機能
テレビ会議システムの主な機能として、画面共有機能・電話機能・録画機能・セキュリティ機能があります。機密性の高い内容の会議を、遠隔地でもセキュリティ対策を講じて安全に画面で映像を共有して、効率よく会議を行うために搭載された機能について解説します。
機能名 | 概要 |
---|---|
画面共有機能 | 資料・画像・映像などを画面上で共有できる |
電話機能 | 映像を加えた通話ができる |
録画機能 | 会議内容を録画できる |
セキュリティ機能 | 第三者による不正アクセスの防止ができる |
画面共有機能
画面の共有機能は、画面上に資料や画像・映像、または図解を表示し共有できる機能です。パソコン画面の共有により、会議資料や画像を利用してスムーズな会議を進行できます。ホワイトボード機能を利用すると、図解説明やリアルタイムなポイント説明も可能です。
また、画面共有機能のなかには、参加者のマウスとキーボード情報を受け取れるサービスもあります。ホワイトボード機能などで相手先からの入力もできるため、情報のやりとりにスピード感がプラスできる便利な機能です。
電話機能
テレビ会議システムは、音声の通話に映像を加えた電話機能が利用できます。音声だけの通話よりも映像などの資料を共有することで、さらにコミュニケーションを深められます。
映像を共有しながらの通話は、相手の表情やジャスチャーで感情が伝わりやすく、文章だけでは理解が難しい内容も資料を共有することで、スムーズに説明ができるためより密度の濃いミーティングが行えます。
録画機能
テレビ会議システムのなかには、会議中の映像を録画できるツールを搭載したサービスもあります。録画した内容は、後日会議内容の確認を行ったり、講義内容も配布をしたりさまざまなシーンで活用ができるため便利な機能です。
また、会議内容の録画は保存ができるため、わざわざ議事録を作成する必要がありません。議事録を作成したい場合は、会議中に書記担当を同席させなくても、後日録画を確認しながら充実した内容の議事録を作成できます。
セキュリティ機能
テレビ会議を行う際は、第三者による不正アクセスへの対策が重要です。もし不正アクセスが起こると、機密性の高い共有資料の盗み見・盗み聞きなどの情報流出のリスクがあり、企業の社会的信用の失墜にも繋がりかねません。
テレビ会議システムでは、不正アクセスを防止するために、さまざまなセキュリティ対策が採用されています。具体的には、情報の暗号化機能・入室セキュリティコードの発行・参加者のIPアドレス指定・端末認証機能が代表的です。
社外で利用されるケースも多いため、こういったセキュリティ対策は重視したいポイントになります。
テレビ会議システムのメリット
テレビ会議システムの導入にはさまざまなメリットがあります。システム導入によって従業員の負担軽減やコスト削減に繋がりますが、どんなメリットがあるのか事前に確認しておきましょう。
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テレビ会議システムのメリット
大人数の会議でも使いやすい
テレビ会議システムは、大人数で参加する会議でもその場にいる全員の顔が映るため、参加者の出席状況も把握できて使いやすい点がメリットです。わざわざ大人数に対応できる会場を準備をしたり、出向いたりしなくても複数の拠点を繋いで大規模な会議ができます。
また、専用回線による優れた音声・映像品質により、大人数でのミーティングにも向いています。個々にマイクやカメラを設置しなくても、会議を行っている部屋全体の映像と音声を拾えるため、効率の良い会議の進行が可能です。
通信環境が安定しやすい
テレビ会議システムは、専用の回線を使用するため、長時間の会議などでも通話品質の安定性を確保できます。Web会議では、通信状態の影響を受けやすく途切れたり中断するケースがありますが、テレビ会議システムは通信に左右されるリスクが低いです。
また、安定した通信環境を生かした常時接続も可能なため、朝礼や定時ミーティングなどにも活用できます。失敗が許されない大切な会議や商談のためにも安定性の高い通信環境は、リモート会議において重要なポイントになります。
パソコンやスマートフォンなどを使わずに利用できる
テレビ会議システムは、基本的に室内全体の映像と音声を拾えるため、個々にPCやスマホを用意する必要がありません。また、リモコンやタッチパネルで簡単に操作ができるため、いちいちアプリの設定をしたり、Wi-Fiを繋いだりといった面倒な操作も不要です。
そのため、スマートフォンやタブレットの操作に疎い従業員でも簡単に会議に参加でき、ITレベルの差による不便性が出にくいメリットがあります。
音声や映像のクオリティが高い
テレビ会議システムでは、専用機材を使用するため、音声や映像のクオリティが高い点がメリットです。全体の映像を映し出す光学レンズやH.264/SVC映像コーデック、4Kを採用しており、低画質によって会議が見にくいといったリスクを軽減できます。
また、マイクが広域の音声を拾うため、個々にイヤホンやマイクを持つ必要がありません。Web会議にありがちなハウリングや音声の途切れもなく、ストレスのないスムーズな会話が叶うため、失敗が許されない大切な会議や商談にも最適です。
テレビ会議システムのデメリット
以上のようにテレビ会議システムにはさまざまなメリットがありますが、一方で導入によってはデメリットが発生する可能性もあります。システム導入を検討する際は、これらの事項にも注意しなければなりません。
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テレビ会議システムのデメリット
運用コストや導入費、設備費などのコストがかかる
テレビ会議システムを導入する際は、システム設置に関わる導入費だけでなく、ハードウェアの保守費用や、接続拠点の拡大などの設備費も負担するため大きなコストが発生します。そのため、導入には、ハードウェアや回線の設置・設定などでまとまった費用が必要です。
しかし、システム運用には導入後もハードウェアの保守やメンテナンス費用や、接続拠点の拡大といった設備費も発生します。導入費だけでなく、運用費も考慮してシステムの導入を検討することも大切です。
利用する場所が限られる
テレビ会議システムは、専用機器が設置してある部屋のみでしか使用できないため、会議を行う場所が限られます。テレビ会議を行う場所に参加者を招集する必要があり、参加者のスケジュール調整に手間や時間がかかります。
一方でWeb会議の場合は、通信環境さえあれば出張先や自宅などさまざまな場所で会議に参加できます。テレビ会議システムを導入する際は、これらの点に十分考慮することが大切です。
機材のメンテナンスが必要
テレビ会議システムは機材の購入後に定期的なメンテナンスが必要です。ネットワークの設備やハードウェアのメンテナンスを定期的に実施することで、会議の安定性を確保できるため、特に重要な会議が多い場合には怠らないよう気をつけましょう。
また、システムの専用機材が故障した際には機材の入れ替えや修理が必要になるため、コストが発生します。メンテナンスのスケジュールや費用が発生しますが、テレビ会議システムを故障によって中断させないためにも必要不可欠です。
テレビ会議システムを選ぶ際の比較ポイント
以上でテレビ会議システムのメリット・デメリットを解説しましたが、メリットだけでなくデメリットも踏まえたうえで、テレビ会議システムを選ぶことが重要です。システム導入が無駄にならないように、求める要素が備わっているか比較することがポイントになります。
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テレビ会議システムを選ぶ際のポイント
何人・何拠点同時接続できるか
テレビ会議システムはサービスやプランによって、参加可能人数や、最大接続台数が異なります。テレビ会議システムを使用した会議の参加者が多くなる場合、同時接続可能数の事前把握が必要です。
また、テレビ会議の参加者が増えたり、企業規模の拡大が見込まれる場合は、必要なタイミングでプランのアップグレードが可能かどうかも重要です。必要な時に迅速にアップグレードを行うには、簡単に設定できるサービスが適しています。
接続は安定しているか
テレビ会議システムを導入する際は、実際に安定した接続が実現できるか、事前に確認しておくことが必要です。回線の混雑時に調整を加えるサービスなどもありますが、接続拠点すべての通信速度を落として通信を安定させるパターンもあります。
通信状況が乱れたり、途切れたりする場合はテレビ会議システムの価値が下がるため、事前にさまざまな状況を想定した接続パターンを確認しておきましょう。特にテレビ会議を重要なミーティングに使用したい場合は、慎重な選定が必要です。
操作性が良いか
テレビ会議システムはリモコンだけで簡単に操作できるサービスが多い傾向にあります。システムを活用していくには、会議に参加する誰もが簡単に操作できなければ意味がありません。利用時にマニュアルで操作を確認しなくても使用できるレベルが理想的です。
また、無料のトライアル期間などを利用して実際にテスト運用できるサービスもあるため、導入前に利用するのも失敗を防ぐ手段のひとつです。代表者だけでなく、できるだけ多くの操作に関わる人が実際の使い心地を体験してみるのがおすすめです。
セキュリティ対策は万全か
テレビ会議システムをクラウド型で利用する場合、アカウントの認証や暗号化の強化なども含め、セキュリティ対策をしっかりと確認しておく必要があります。クラウド型の場合はインターネットを介して接続するため、セキュリティ対策の脆弱性は不安要素です。
自社のセキュリティポリシーに見合ったクラウド型のサービスがない場合は、セキュリティレベルをカスタマイズできるオンプレミス型が向いています。機密性の高い資料や通話内容の第三者による盗み見、不正ダウンロードなどを防ぐためにも重要なポイントです。
サポート体制は整っているか
テレビ会議システムを導入するにあたり、システムの設定や操作方法などを研修してもらえるのか、また、トラブルが発生した場合にベンダーのサポート体制が整っているか事前に確認しておくと安心です。
さらに、会議はさまざまな日程で開催されるケースもあるため、ベンダーが休日にサポート対応を行っているかどうかも把握しておきましょう。問い合わせ先などを明確にし、操作に関わる従業員への周知も必要になります。
テレビ会議システム導入前の準備や、導入後のアフターフォローやトラブルの対処方法など、サポート体制がどのような仕組みになっているのか確認し、できるだけサポート内容が充実したサービスを選ぶと良いでしょう。
運用コストは予算内に収まるか
テレビ会議システムを運用していくには、導入の際の初期費用に加えてランニングコストも必要です。月額制や年額制、または利用規模に合わせた従量課金制を設定しているサービスもあります。
具体的な費用は、企業の利用目的や規模によって大きく異なるため、まずはいくつかのサービスで見積もりをとって比較することが大切です。導入費用だけでなく、2年、3年と長期に利用した場合の運用コストが予算内に収まるかをしっかり確認しましょう。
まとめ
テレビ会議システムは、高品質な音声と映像により、離れた場所でもお互いの顔を見ながら会議を行えるシステムです。Web会議よりも通信状況が安定しており、会議を途切れることなく進行できます。
また、テレビ会議システムの画面共有機能によって、資料や映像を画面上に映し出す効率的な会議を行えます。しかし、第三者による資料の覗き見や不正ダウンロードが懸念されるため、ベンダーのセキュリティ対策に考慮することが大切です。
テレビ会議システムを導入を検討する際は、本記事を参考に利用するシステムの選定や準備を行い、効率化やコスト削減といったメリットを実感できる環境づくりを行いましょう。
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