給与計算は誰でもできる?資格の必要性や自分で給与計算する際のやり方も

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  • 給与計算に特別な資格は必要ないが、労務や税務に関する知識は必要
  • 給与計算を行う際は、情報漏えいと計算ミスに注意する
  • 給与計算はExcelや給与計算ソフトを導入するのがおすすめ

企業において従業員の給与計算は必要な業務です。本記事では、給与計算は誰でもできるのか?という観点から給与計算の基礎知識や注意点を解説します。自分で給与計算をする際のやり方や委託方法・おすすめ給与計算ソフトも紹介します。

目次

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  1. 給与計算業務に資格はいらない
  2. 給与計算に必要な基礎知識
  3. 給与計算のやり方
  4. 給与計算を行う上での注意点
  5. 自分で給与計算を行うためのおすすめの方法
  6. 徹底比較で分かった給与計算ソフトのおすすめ10選
  7. まとめ
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給与計算業務に資格はいらない

通常、給与計算業務は経理や人事部門などで行われることが多いです。一般的に、給与計算業務には特定の資格が必要とされることはありません。ただし、法律や規制を遵守し、正確で公正な給与計算を行うことが重要です。

給与計算は、労働契約や労働法規に基づいて行われるため、労務に関する知識が必要で、また、税金の計算や申告が含まれるので、給与からの源泉徴収税や社会保険料、健康保険料などの社会保障制度の適用などに関する税務の知識が必要です。

さらに、給与計算は個人情報を扱うため、情報漏洩を防止し個人情報を適切に管理するために、情報セキュリティに関する知識が必要です。本記事では、給与計算に必要な基礎知識ややり方、注意点、ミスを減らすおすすめの給与計算方法などについて解説します。

給与計算に必要な基礎知識

最初に、給与計算に必要な基礎知識として、「給与とは」や「賃金支払い5原則」などについて解説します。

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給与計算に必要な基礎知識

  1. 給与とは
  2. 賃金支払いの5原則

給与とは

給与とは、一般的には従業員に支払われる対価や報酬のことを指します。給与として扱われるものとしては、従業員が基本的な業務を行う対価として支払われる金額としての基本給や、会社の業績や従業員の業績に基づいて支払われる追加の報酬としての賞与があります。

その他に、法定労働時間を超えて働いた場合に支払われる追加の報酬として残業手当や、特定の目的に使用するために支給される金額として交通費手当や住宅手当、扶養手当などが該当します。

また諸手当として、医療保険や年金、失業保険、労災保険などの社会保障制度への加入分や、従業員の健康や福祉を支援するための手当が含まれます。給与として扱われるものは、法律や会社の方針、労働条件によって異なりますので、状況に応じて確認が必要です。

給料との違い

「給与」とは、「労働の見返りとして支払われるすべてのもの」という意味があります。会社員や従業員などに対し、その労働の対価として事業主から支払われる、給料や手当などすべてを含めたものを指します。

また、所得税法によると、「給与」とは「俸給や給料、賃金、歳費、賞与及びこれらの性質を有するもの」と定義されています。具体的には、給料を含め残業代や各種手当、賞与といった報酬のすべてが「給与」に該当します。

一方「給料」とは、「給与」から残業代や各種手当などを差し引いたものを指します。つまり、正規の勤務時間に対する報酬部分を指して、「給料」と呼んでいます。言い換えると、「基本給」が「給料」に該当します。

賃金支払いの5原則

賃金支払いについては、「労働基準法第24条」においても支払い方法が決まっており、「賃金支払いの5原則」と呼ばれています。ここでは、5原則の各項目について解説します。

参考:賃金の支払方法に関する法律上の定めについて教えて下さい。|厚生労働省

通貨払いの原則

給与は、通貨払いが原則となっています。小切手や現物支給ではなく、現金で支払います。金融機関への振り込みについては、従業員の承諾を得て、本人が指定する金融機関への振込が認められています。

ただし、法令で定められている場合や労働組合と書面で協約を結んだケースなどに、現物で給与を支給することもあります。例えば、通勤手当は労働基準法上の賃金にあたるため、労使協約等が締結されている場合は、定期券を現物支給することもあります。

直接払いの原則

給与は従業員に、直接支払うことが原則となっています。金融機関へ振り込む場合は、家族などの口座ではなく、本人の口座へ振り込むことが必要です。ただし、本人の同意があった場合は、代理人への給与の支払いが認められています。

この原則は、労働者の権利保護や給与の透明性を促進するために重要です。ただし、特定の状況や地域においては、例外や特例が存在する場合もあるため、個別の法律や規則に従うことが必要です。

全額払いの原則

給与は全額払いが原則となっています。例えば、貸付金などとの相殺は認められていません。ただし、所得税や住民税、厚生年金や健康保険など社会保険料は法律で決められた控除を行った上で給与を支給することができます。

また、労働組合あるいは労働者の過半数の代表者と書面で取り決めを行った場合は、社宅の費用や財形貯蓄を控除することも可能となっています。

毎月払いの原則

労働者への賃金は、毎月一回以上支払うことが原則となっています。年俸制の場合でも、毎月払いになるように分割して支払う必要があります。ただし、毎週毎に週給という形で支払う形態も認められます。

なお、賞与や一定期間の出勤成績をもとに支払われる精勤手当といった、臨時に支払われる賃金は、毎月払いの対象外です。通勤手当も毎月払いの対象ですが、労働協約等を結んでいる場合には、3ヶ月や6ヶ月の定期券を現物支給することも認められています

一定期日払いの原則

雇用主は、労働者との契約や法的規定に従い、給与支払い日として一定の期日を定める必要があります。通常、「毎月20日」「毎月25日」といったように月ごとの給与支払いや、他の合意された期日ごとの支払いをします。

一定期日払いの原則に基づいて給与が支払われることで、労働者は収入の安定性を保つことができ、生計を立てるための信頼性が向上します。これにより、労働者の生活や経済的な計画が円滑に進むことが期待されます。

給与計算のやり方

難しく捉えられがちな給与計算も、5ステップで正しく算出できます。各ステップごとで必要となる手当や税金の詳細もあわせ、給与計算全体の流れを解説していきます。

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STEP1.総支給額を算出

総支給額 = 基本給 + 時間外手当 + 各種手当 - 欠勤・早退控除

給与には基本給の他に、時間外手当やその他の諸手当があり、総支給額はそれら全てを反映した合計額となります。ここでは、労働時間の集計や時間外手当、諸手当の算出方法について解説します。

労働時間の集計

給与計算における「労働時間の集計」とは、従業員が労働を行った時間を正確に計測し、給与や賃金の計算に反映させる処理を指します。この処理は、従業員が労働時間に応じて適切な対価を受け取るために非常に重要です。

労働時間の記録として、従業員ごとの出勤と退勤の時間を正確に記録します。これには、電子タイムカードや出勤簿などが使用されます。休日や祝日に労働を行った場合には、休日労働手当などが支給されるので、これらの労働時間も正確に計算します。

労働時間を正確に集計し、給与計算に反映させることで、従業員に適切な給与や報酬を支払うことができます。労働時間の集計は、従業員の権利保護や労働法の遵守、労働環境の透明性を確保するために非常に重要な処理となります。

また、欠勤や早退をした場合は、その分の基本給を控除します。控除額は企業ごとに定められるため、就業規則・給与規定で確認しましょう。

時間外手当の計算

給与計算において、時間外手当や深夜手当などの変動的な手当を計算する際には、特定のルールや計算式に従って行われます。労働基準法に基づく法定時間外労働手当は、通常の労働時間(例:1日8時間)を超えて働いた時間に対して支払われます

法定労働時間外の最初の2時間分は、通常の賃金の25%増しとなり、3時間目以降は、通常の賃金の50%増しとなります。また休日出勤手当として、法定の休日に労働した場合に支払われる手当は、通常賃金の35%増しとなります。

計算上の注意点として、労働法や労働契約に基づいて正確な手当を計算することが重要です。給与計算においては、正確な労働時間の集計や手当の計算は、従業員の公平な報酬を確保するために欠かせない要素となります。

その他手当の計算

給与計算における通勤手当やその他の手当については、従業員の業務や状況に応じて支給される特別な報酬を指します。通勤手当は、通勤のための交通費を補填する手当で、通勤距離や交通手段に応じて一定額が支給されます。

その他手当として、特定の職務や業務に関連する手当として役職手当があります。また特定の技能や専門知識、資格を持つ従業員に支払われる技能手当、危険な状況や環境で働く場合の危険手当、また家族手当などがあり、それぞれ目的に応じて計算されます。

計算上の注意点として、各種手当の支給条件や計算方法の明確な定義や、従業員に対してこれらの項目を提示・説明することが大事になります。このように、手当の計算は、従業員のモチベーションや報酬体系の一部として重要な役割を果たします。

STEP2.控除額を算出

給与計算における、控除額を算出する場合の項目として、住民税の計算や社会保険料の計算、源泉所得税、その他控除額の計算などがあります。ここからは、それぞれの項目の算出方法について解説します。

住民税の計算

総支給額 = 基本給 + 時間外手当 + 各種手当 - 欠勤・早退控除

住民税は、従業員が所在する自治体(市区町村)に支払われる税金であり、給与から差し引かれて天引きで徴収されます。税額は各自治体が計算し「住民税の特別徴収税額通知」で通知してくれますが、算出方法についても簡単に紹介します。

算出方法は、

  1. 課税総所得金額を計算(収入 - 社会保険料などの各種控除額)
  2. 所得割額を計算(課税総所得金額 × 自治体ごとの税率 - 調整控除 - 税額控除)
  3. 2の値に均等割額を合算する

均等割額は所得金額に関わらず、一定の所得があれば全員均等に負担する税ですが、自治体により金額が異なる場合があります。

社会保険料の計算

社会保険料 = 健康保険料 + 厚生年金保険料 + 雇用保険料
                     (給与額 × 雇用保険料率)

給与計算で主に扱う社会保険料は、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料の3つを合算したものです。

毎年9月頃に日本年金機構から通知される「社会保険料納入告知書」をもとに、健康保険料・厚生年金保険料を控除します。

雇用保険料は「給与額 × 雇用保険料率」で算出しますが、雇用保険料率は毎年変更するので注意しましょう。

一般的に、社会保険料は従業員と雇用主が半分ずつ負担することが多いです。保険料は通常、給与から天引きされて徴収されます。 保険料の徴収が年間を通じて一定でない場合は、年度末に従業員の実際の所得に基づいて年末調整が行われます。

源泉所得税の計算

源泉所得税は、会社が従業員に代わって国に納める場合の呼び方で、所得税は支払者本人が自ら確定申告して国に納める場合の呼び方です。

確定申告を行う個人事業主などの場合は「課税所得金額 × 税率 -控除額」で計算できますが、一般的な月額制で働く従業員の場合は、国税庁の「給与所得の源泉徴収税額表」を使用します。

まず、残業手当・各種手当なども含む支給額が課税支給額になります。課税支給額には非課税通勤手当は含みません。

そして、課税支給額から社会保険料を差し引いた金額を、国税庁の給与所得の源泉徴収税額表の甲欄に照らして、源泉所得税額を決定します。税法上、従業員は「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出するので、ほとんどの従業員は甲欄で構いません。

参考:No.1180 扶養控除|国税庁

参考:令和5年分 源泉徴収税額表|国税庁

その他控除額の計算

給与計算における、その他の控除とは、従業員の給与から差し引かれる特定の支出や負担を指します。これにより、従業員の課税所得が減少したり、源泉所得税や社会保険料の計算に影響を与えます。

その他控除としては、配偶者や子供などの扶養家族を持っている場合の「扶養控除」や個人が加入する年金保険の掛け金を差し引く「個人年金保険控除」、居住用の住宅ローンの利息支払い額を差し引く「住宅ローン控除」などがあります。

また、慈善団体や社会貢献活動への寄付金を差し引く「寄付金控除」や医療費や健康保険の自己負担分を差し引く「医療費控除」、社会保険料や年金保険料を差し引く「社会保険料控除」、失業保険料を差し引く「失業保険料控除」、「生命保険料控除」などがあります。

STEP3.手取り額の決定

手取り額 = 額面給与 - 税金・保険料など

手取り額は「差引支給額」とも呼ばれており、額面給与から控除額を差し引いて算出される金額のことで、従業員が最終的に受け取る給与の額です。額面給与には、基本給や時間外労働手当、交通費や住宅補助などの各種手当などが含まれます。

差し引かれる控除には、源泉所得税や住民税などの税金や、会社と折半して支払う社会保険料のほか、労働組合の組合費などさまざまなものがあります。給与の手取りを計算するには、まず額面から天引きされている税金や社会保険料を確認することが大事です。

また、控除の合計額は扶養家族の有無や加入している保険料などで変わるため、従業員によって異なります。一般的に従業員の手取り額の目安は、額面の75%ー85%になると言われており、給与明細の「差引支給額」や「銀行振込額」として確認できます。

STEP4.賃金台帳を作成する

賃金台帳とは、企業や組織において従業員の給与や手当、控除などの支払い履歴を記録する帳簿やデータベースのことを指します。賃金台帳は、従業員の給与計算や労働条件の管理に対する重要な文書であり、労働基準法などに基づき正確な記録が求められます。

賃金台帳の目的は、従業員の給与計算に関する情報を一元管理することです。従業員ごとに支払われる基本給や手当、控除などが記録され、正確な給与支払いを保証するために重要な役割があります。

賃金台帳は労働契約や就業規則に基づく労働条件の管理にも利用されます。従業員の職務内容、役職、勤務時間などの情報が記録され、労働条件の遵守や管理が容易になります。また、源泉所得税や社会保険料、住民税などの税務申告や報告にも利用されます。

STEP5.給与の支給・税金や保険料の納付

給与支給の手順として、従業員ごとに基本給や手当、控除、税金などが詳細に記載された給与明細を作成します。次に、従業員の基本給や手当から控除額を差し引いて、支給額を計算します。控除には社会保険料や源泉所得税、住民税などが含まれます。

給与支給の際は、給与支払いのための資金を用意します。通常は企業の銀行口座から従業員の銀行口座へ振り込まれる形で支払われます。また、税金納付について、従業員の給与から天引きされた源泉所得税は、雇用主が税務署に納付します。

雇用主と従業員が支払う社会保険料は、雇用主が労働保険機構に納付します。納付額は報酬や保険料率に基づいて計算されます。源泉所得税や住民税の徴収が年間を通じて一定でない場合、年度末に従業員の実際の所得に基づいて年末調整が行われます

給与計算を行う上での注意点

給与計算を行う上での注意点としては何点かありますが、ここでは、情報の漏れや給与計算ミスへの対処、スケジュール管理などについて解説します。

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情報漏えいに注意する

給与計算には、従業員の個人情報や給与明細が含まれます。これらの情報が漏えいすると、従業員のプライバシーが侵害される可能性があります。また、漏えいした給与情報を悪用して詐欺や不正行為が行われ、被害が発生する恐れもあります。

情報漏洩に注意する必要性として、セキュリティ対策を強化して不正アクセスやハッキングから情報を守る手段を講じることが重要です。また、個人情報保護法や労働基準法などの法令を遵守することも必須になります。

給与計算システムや情報管理のプロセスを定期的に監査し、セキュリティの脆弱性や改善点を特定することが大事です。また、リスク評価を行い、必要に応じて対策を見直すことも求められます。

参考:個人情報の保護に関する法律 – e-Gov法令検索

給与計算ミスに注意する

給与計算ミスのリスクとして、給与支給の信頼性が低下し、従業員の不満や不信感が生まれる可能性があります。また、給与計算ミスが労働基準法や税務法などの法律に違反した場合、罰金や訴訟のリスクが発生します。

給与計算の情報を入力する際には、二重チェックなどを行いミスを極力抑えることが重要です。給与計算システムなどを活用して自動的に計算を行うことで、計算ミスのリスクを軽減することができます。ただし、システムの設定や入力も正確に行う必要があります。

給与計算ミスは従業員と組織双方にとって大きな影響を及ぼすことになります。正確性と透明性を重視し、適切な対策を講じて給与計算のミスを最小限に抑える努力が求められます。

スケジュール管理を行う

スケジュール管理を怠ると、給与支給が遅延する可能性があります。給与の支払いが遅れることで、従業員の不満や不信感を引き起こすリスクがあります。また、スケジュール管理が行われず、急いで作業することにより、給与計算や納付のミスの発生が危惧されます。

スケジュール管理により、給与支給が指定日通りに行われる保証にもなります。従業員は定期的な給与支給に依存して生活をするため、期日通りの支給が重要です。また、正確な給与計算と税金納付は法的要件を遵守し、従業員の信頼を築くために不可欠です。

スケジュール管理は労働基準法や税法などの法的要件を遵守する手段となります。適切なスケジュールに基づいた給与支払いや税金の納付は、法的リスクを回避するための重要なステップです。

自分で給与計算を行うためのおすすめの方法

ここでは、給与計算を間違えずに行うためにおすすめの方法として、エクセルの使用や給与計算システムの導入、外注をする方法などについて解説します。

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給与計算を間違えずに行うためにおすすめの方法

  1. エクセルを使用する
  2. 外注する
  3. 給与計算システムを導入する

エクセルを使用する

エクセルを使用して給与計算を行うことで、計算の正確性を高め、簡単に計算結果を確認できるようになります。給与計算用のエクセルシートを作成するための手順を以下に解説します。

エクセルを開き、新しいワークブックを作成し「給与計算」と名前を付けます。列や行に必要な項目として、「従業員名」や「基本給」「手当」「控除」「支給額」「源泉所得税」「社会保険料」「住民税」などを設定し、情報を入力します。

「支給額」や「源泉所得税」などの計算式を入力します。何通りかのテストデータを入力し、結果を確認します。正しい結果を確認し、本番データを入力し、給与を計算します。また、保守やサポートのために、エクセルシートの使用方法をドキュメント化します。

外注する

給与計算の外注方法として、税理士や社労士、代行、アウトソーシングを利用する方法があり、それぞれメリットがあります。税理士に外注する場合は、給与計算における所得税や住民税などの税金計算を正確に行えて、法的要件を遵守して効率的に税金申告が可能です。

社労士の場合は、労基法や労働契約に関する専門知識により、給与計算や雇用条件における法的な適合性を確保できます。代行サービスの場合は、給与計算や税務申告などの手間や人的コストを軽減できます。

アウトソーシングサービスの場合は、専門家の常時雇用が不要で人件費の削減が期待できます。大まかな相場は、税理士や社労士の場合は月額数万円から数十万円程度代行やアウトソーシングは規模により異なり、月額数万円から数十万円程度が想定されます。

給与計算システムを導入する

給与計算を間違えずに行うためのおすすめの方法として、給与計算システムの導入があります。給与計算システムの特徴は、計算作業を自動化し、人為的なミスを減少させ、手動で行うよりも迅速かつ正確な給与計算が可能となることです。

税金や社会保険料、手当など複雑な計算をシステムが行うため、法的要件に適合しながらミスの少ない正確な給与計算が行えます。導入のメリットとしては、自動計算を行うため時間と労力を節約でき、業務効率が向上する点が挙げられます。

税金や社会保険料などの法的要件をシステムが自動的に適用するため、法令遵守が確保されます。企業の成長に合わせて柔軟に拡張でき、新しい手当や福利厚生などにも対応しやすいです。また、セキュリティ対策が施されており、情報漏洩のリスクが軽減されます。

おすすめの給与計算ソフト6選|選び方や注意点を詳しく解説

給与計算ソフトとは、従業員の給与額の算出や手当・保険料などの計算を自動化できるソフトのことです。給与計算ソフトの導入を考えていても数が多くてどれを選べばいいか分からない企業もあるでしょう。本記事では、おすすめの給与計算ソフトとその選び方を解説しています。

徹底比較で分かった給与計算ソフトのおすすめ10選

ここでは、数ある給与計算ソフトを比較して判明した、おすすめ給与計ソフト10選を紹介します。給与計算のタイプや目的別に紹介しているので、資料請求と合わせて是非活用してください。

人事給与タイプおすすめ給与計算ソフト
ERPタイプおすすめ給与計算ソフト
給与計算特化タイプおすすめ給与計算ソフト
社労士向け給与計算ソフト
完全無料で使える給与計算ソフト

人事給与タイプ|従業員数300名程度

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【少人数・中小企業向け】給与計算ソフトおすすめ9選|比較ポイントも

個人事業主や少人数・中小企業でも給与計算ソフトを導入することで、業務の効率化に繋がります。しかし、クラウド型やインストール型など種類が多く迷ってしまう場合も。本記事では、少人数や中小企業向け給与計算ソフトの選び方とともに、おすすめ9選を紹介します。

ERPタイプ|従業員数300名〜1,000名程度

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クラウドERPシステムで作業時間を大幅削減「スマイルワークス」

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大企業向け給与計算システムのおすすめ4選|大手の人事給与にも

従業員数が多く、複雑な雇用形態や給与形態を採用している大企業の給与管理には、給与計算システムの導入が有効です。本記事では、大企業向け給与計算システムのおすすめ4選と合わせて、選び方やメリットを解説します。

給与計算特化タイプ|従業員数100名以下

自動計算で給与明細や年末調整の作成がらくらく「弥生給与Next」

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  • Macには対応していない

無料で使える給与計算ソフトおすすめ5選|個人事業主や少人数企業にも!

少人数の企業や個人事業主には、コストをかけずに利用できる無料の給与計算ソフトがおすすめです。本記事では無料で使える給与計算ソフトのおすすめ5選と合わせて、自動計算や勤怠管理処理などの機能も解説します。

社労士向け給与計算システム

社労士が作った社労士のための給与計算システム「Cells給与」

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Cells給与

顧問先との連携◎コスト削減・効率化したい社労士におすすめ

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  • あくまでも社労士のための給与計算システムのため、企業での導入の場合機能の過不足が気になる場合がある

完全無料で使える給与計算システム

年末調整の作成や法改正にも自動対応「円簿給与」

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  • 無料で使えるが故に、サポート体制が弱い

給与計算ソフトのおすすめ比較一覧表

更なる業務の効率化に!関連サービス記事

まとめ

給与計算は正確で公平な給与支給のために重要な作業ですが、特別な資格がないとできない業務ではありません。ただしミスがあった場合、追加徴税などのリスクが発生します。

そのため、ある程度の専門的な知識と慎重なアプローチが必要となります。給与計算を行う上での注意点として、情報漏洩に対する注意や給与計算ミスを極力発生させない工夫、給与計算は期日通りの支払いが重要なのでスケジュール管理も挙げられます。

また、給与計算では、外注や給与計算システムの導入もおすすめの方法になります。いずれにしても、正確なデータハンドリングや法的要件の理解が求められます。給与計算業務を行う際は、法的要件や税法に沿った的確な給与計算を推進しましょう。

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