おすすめの連結会計システム10選(全23選)を徹底比較!選び方や導入時の注意点を解説
Check!
- 連結会計システムは、対象事業・自社に必要な機能・サポート体制を比較検討して選ぶ
- 導入形態や対応OS、操作性なども確認しておくとより選びやすい
- 連結会計システムを導入する際は、導入目的とシステムのタイプが合っているか確認する
連結会計システムとは、連結会計に伴う決算処理を効率化するためのシステムのことです。連結会計システムを導入したくても数が多くてどれを選べばいいか分からない企業もあるでしょう。本記事では、おすすめの連結会計システムとその選び方などを解説しています。
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目次
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導入前に知っておきたい!連結会計システムの始め方
連結会計を行う経理・財務担当者の方にとって、最適な連結会計システムを判断するのは容易ではありません。連結会計は企業運営において極めて重要な業務であり、正確かつ効率的に行うことが求められます。
連結会計システムの多くは資料請求をすることで、運用を開始できます。これは公式サイトから検討した場合も同様です。本サイトでは複数のサービスをまとめて比較・資料請求することができます。資料請求は無料なので、複数の製品を比較して自社に最適な連結会計システムを選びましょう。
連結会計システムのおすすめ10選
ここでは、数ある連結会計システムを比較して判明した、おすすめの連結会計システム10選を紹介します。商品の特徴も紹介しているので、資料請求と合わせて自社に最適なサービスを検討しましょう。
連結会計システムおすすめ10選早見表
迷ったらこれ!おすすめ連結会計システムをピックアップ
データ収集力◎ソフト不要で 手軽な操作を求める方におすすめ
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短期間かつ低コストで導入したい 中堅から上場企業におすすめ
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\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
タイプ別 | 連結会計システム特徴比較
大企業~中堅企業向け
大企業や中堅企業向けのシステムは通常、高度な連結機能を持ち、多数の子会社や複雑なグループ構造に対応することができます。多通貨・多言語対応、異なる会計基準(IFRS、US GAAPなど)への対応も一般的です。
個別財務諸表の合算から資料作成までワンボタンで処理「連結決算システム iCAS」
株式会社インプレス
連結決算システム iCAS
クラウド上で企業会計基準・実務指針に準拠した連結処理を行うなら、Excelのインターフェースを利用して作業できる、連結決算システム「iCAS」の導入がおすすめです。
評判・口コミを紹介
子会社データの収集・集計に3~4日掛かる作業について、システム導入後、親会社での作業時間は、ほぼ数時間に短縮されました。また、データのバージョン化により数値の矛盾点(不整合)について、子会社側で誤り(科目指定ミス)を確認でき、再発防止につなげることができました。
導入事例(カルビー株式会社様)|株式会社インプレス
GOOD
ここがおすすめ!
- Webを経由してデータ収集するため、子会社は専用ソフトのインストールが不要
- 会計システムとの連携ができ、無駄なミスの防止にも
- 独自のエラーチェック機能を搭載
MORE
ここが少し気になる…
- 中国語にも対応しているがオプションとなる
わかりやすいUIで教育コストも削減!「マネーフォワード クラウド連結会計」
株式会社マネーフォワード
マネーフォワード クラウド連結会計
評判・口コミを紹介
優れたUI/UXの効果として、メンバーの早期戦力化も挙げられます。教育コストが抑えられると同時にメンバーの成長も加速しており、2023年4月に経理未経験で入社をしたメンバーもすでに問題なく使いこなせています。それにより、既存メンバーの業務時間も大幅に削減されました。
連結会計の導入事例(株式会社日輪)|株式会社マネーフォワード
GOOD
ここがおすすめ!
- クラウドなので経営状況を「リアルタイム」で確認でき、同時操作も行える
- シンプルで誰でも扱いやすい設計により、コミュニケーションコストを削減
- WindowsはもちろんMacにも対応し、最短1ヶ月での導入が可能
MORE
ここが少し気になる…
- 「マネーフォワード クラウド会計」及び「マネーフォワード クラウド会計Plus」以外の会計システムは今後API連携の予定
Web入力機能によるリアルタイムなデータ収集が可能「eCA-DRIVER」
評判・口コミを紹介
『eCA-DRIVER』では、単純合算まではほぼ自動で、連結調整の仕訳の計上もその多くが自動で行われます。スプレッドシートによる運用時での処理とは大きく異なり、処理の誤りを生む原因の多くを減らせています。なお、現在、月次と四半期で連結決算の業務を行っているのですが、連結精算表、連結キャッシュ・フロー、セグメント情報の作成において、その処理内容の精度も上げることができたと思っています。
ユーザー事例(株式会社SHIFT 様)|株式会社 TKC
GOOD
ここがおすすめ!
- Web収集機能により効率よくデータ収集ができ、英語や中国語にも対応
- 多様な連結決算に対応し、柔軟なデータ作成が行える
- 「会計専門家」と「連結会計システム専任」のコンサルタントによる導入・運用支援
MORE
ここが少し気になる…
- 導入期間は要件により異なり3~6ヶ月程度で、料金詳細は問い合わせで確認
ユーザーの声を反映した直感的な操作性「BTrex連結会計」
評判・口コミを紹介
BTrexの特長のひとつでもあるレポート機能も、大変助かっています。月次や決算の報告資料も連結財務諸表を完成させれば、あらかじめ定めたフォームで資料を作ることができるため、非常に便利です。何より修正があった場合の対応がスムーズです。この機能を使用していない時は、修正があるたびに全ての資料を再作成・修正・チェックをしなければいけませんからね。
導入事例(ヒューリック株式会社)|株式会社ビジネストラスト
GOOD
ここがおすすめ!
- 会計実務を熟知したエンジニアたちによりシステム設計・製作されている
- 公認会計士を中心としたコンサルタントによるシステム導入サポートで分析から導入支援まで標準カバーしてくれる
- 保守サービスにより法改正・機能強化に伴うバージョンアップをしてくれる
MORE
ここが少し気になる…
- 導入期間が2ヵ月半から3ヵ月ほどかかる
多様な連結決算ニーズに対応できる柔軟なシステム設計「BizForecast FC」
プライマル株式会社
BizForecast FC
評判・口コミを紹介
従来は、経営管理レポートの作成時に単体での入力ミスが発覚した場合は、時間の制約により最終段階のExcelファイル上で直接修正するしかない状況でした。
導入事例(i-PRO株式会社 様)|プライマル株式会社
現在は、BizForecast上で単体の数値を修正してから連結環境にデータ連携しても、30分以内ですべての処理が完了します。元データから正しい数値に直せるようになりました。
GOOD
ここがおすすめ!
- データ収集・連結・処理・レポーティングなどの業務をトータルサポートしてくれる
- プレプルーフ方式の採用により、処理スピードアップや再処理実行の削減が可能で業務効率化できる
- グループ会社数に応じた柔軟なライセンス価格体系
MORE
ここが少し気になる…
- 導入方法や価格の確認をするには問い合わせが必要
世界規模の規制に対応「Oracle HFM」
GOOD
ここがおすすめ!
- コンプライアンス・コストの削減により、社内外の透明性を改善
- 規制に関する「報告機能」がパッケージ化され、スムーズな作業が可能
- 「主要なパフォーマンス指標」と「運用指標」の詳細分析が手軽にできる
MORE
ここが少し気になる…
- グローバル展開しているため費用や機能の詳細が分かりにくく、問い合わせが必要
OBIC7シリーズのERPとシームレスに連携「OBIC7連結会計ソリューション」
株式会社オービック
OBIC7連結会計ソリューション
GOOD
ここがおすすめ!
- 開示データの作成から連結予算管理までをフルサポートしてくれる
- グループ企業間での資本変動取引を一括管理し、資本連結仕訳も自動作成できる
- マルチ言語・多通貨対応しており、在外子会社の報告業務が効率化できる
MORE
ここが少し気になる…
- 詳しい機能や料金を確認するには問い合わせが必要
多機能でさまざまな業務を効率化「STRAVIS」
評判・口コミを紹介
以前のシステムではデータを検索する際の切り口が限定されていたのですが、STRAVISの場合、事業セグメント、部、会社、国、勘定科目などさまざまな切り口で簡単にデータを抽出することができる。そのため経営層や投資家が求める情報を効率的に届けることができます。
事例(三菱商事株式会社)|株式会社電通総研
GOOD
ここがおすすめ!
- 「月次連結」「連結予定表」といった管理連結業務にも標準対応している
- 「グループ経営データ収集基盤」が充実しており、グループ経営に必要なデータを一元管理できる
MORE
ここが少し気になる…
- サポートが手厚く導入実績もある反面、料金表示がなく問い合わせの手間がかかる
中小企業にも対応可能
中小企業で連結会計システムの導入を検討する場合は、コストを抑えつつ、必要な機能を提供するシステムが望ましいです。以下は、中小企業向けの導入プランがあったり、パッケージ構成で必要な機能を選べたりするシステムです。
中小企業が連結決算を行うメリットについてはこちら中小企業から大企業までノンカスタマイズで導入可能「DivaSystem LCA」
評判・口コミを紹介
システム上で間違いを修正すればすべてのデータを再計算して瞬時に連結決算に反映されるので、それまで煩わしかったメールでのやりとりがなくなり、一気に時間が短縮されました。
導入事例「SHIMADZU (ASIA PACIFIC) PTE LTD.」|株式会社ディーバ
GOOD
ここがおすすめ!
- 今までの利用実績を活かし、企業規模にあった費用での導入が可能
- 大企業だけでなく、中堅・中小の導入モデルの提供がある
- 多数の他社事例を参考にしたトータルサポートを受けられる
MORE
ここが少し気になる…
- 詳細な費用やセキュリティ対策については問い合わせで確認
幅広い業種・業態の連結会計ニーズに対応「SUPER COMPACT Pathfinder」
富士通株式会社
SUPER COMPACT Pathfinder
GOOD
ここがおすすめ!
- 幅広い業種・業態のニーズに対応しており、自由度と拡張性を持つ
- 連結決算業務を行うための3つの製品に分かれており、企業の状況や要望により自由に組み合わせが可能
- 連結会計のプロフェッショナルによる保守・サポートも充実
MORE
ここが少し気になる…
- 詳しい機能や料金を確認するには問い合わせが必要
【比較表】おすすめ連結会計システム10選
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データ収集力◎ソフト不要で 手軽な操作を求める方におすすめ
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短期間かつ低コストで導入したい 中堅から上場企業におすすめ
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連結会計システムとは
連結会計システムとは、複数の企業や子会社がグループを形成している場合に、グループ全体の財務情報を統合して管理するための会計システムです。グループ全体の財務状況を把握する連結会計では、親会社とグループ会社の財務諸表を合算した連結財務諸表を作成します。
連結会計の代表的な方法には、ERPシステムでグループ全体を統一する方法があります。しかし、ERPを導入していない場合は、各子会社からデータを収集・集約して連結会計を行うためのシステムとして連結会計システムが活用されます。
連結会計システムには、財務諸表の作成(年度決算・四半期決算・中間決算など)や予算策定・予実管理・レポートと分析などの機能が備わっています。海外拠点とのスムーズな連結会計を可能にする国際財務報告基準「IFRS」に対応したものもあります。
\詳しくはこちらの記事をチェック/
連結会計システムとは|機能と必要性・メリットデメリットを解説
連結会計システムは、子会社の決算データを収集することができ、連結会計にともなう決算処理を効率化することができます。本記事では、連結会計システムの必要性と主な機能、メリットデメリットの他、連結会計システムを選ぶときの比較ポイントを解説します。
連結会計システムを導入するメリット
連結会計システムを導入することで、企業の信用性に寄与したり、決算の早期化に繋がったりするなど、さまざまなメリットを得られます。ここでは、連結会計システムを導入する主なメリットについて解説します。
グループ企業間の取引の透明性確保
連結会計システムを用いることで、グループ企業間の取引の透明性を確保できます。グループ企業間では、黒字と赤字の付け替えが容易であり、不正が起こるリスクが高いです。
連結会計システムの導入によって、こうした不正を防止することができ、経営情報の透明性にも寄与します。経営情報の透明性が高いと、銀行での融資が受けやすくなるなど企業の信頼性の向上にも繋がります。
連結会計業務の効率化
連結会計の際は、子会社の資産の時事評価や為替レートの計算など行わなければならない作業が多く、担当者に大きな負担がかかります。そこで、連結会計システムを導入することで、子会社の財務データを素早く収集・管理ができ、為替レートの自動計算も行います。
これにより、担当者の業務負担が軽減されて、コア業務に集中することができます。また、連結会計業務の効率化によって決算の早期化にも繋がるため、連結会計システムは多くの企業で導入されています。
なぜ連結決算の早期化が求められるのか
グローバル化と技術革新が進む中で、企業には素早い変化対応が求められています。連結決算を早めることで、経営状況をリアルタイムで把握し、迅速で正確な経営判断が可能になります。これにより、市場の変化に素早く対応し、競争力を高めることができます。
また、投資家や株主は正確でタイムリーな財務情報を求めています。連結決算を早期化することで、これらのステークホルダーに対し信頼性の高い情報を迅速に提供でき、企業への信頼が向上します。
こうした理由から、多くの企業がシステム導入や業務プロセスの改善を通じて、連結決算の早期化に取り組んでいます。
連結会計システムを導入するデメリット
連結会計システムの導入にはいくつかのデメリットも存在します。ここでは、連結会計システムを導入するデメリットについて解説します。メリットだけでなく、デメリットについても導入前によく検討し、連結会計システムの導入をスムーズに進めましょう。
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連結会計システムを導入するデメリット
会計の仕組みを整える必要がある
連結会計は、複雑な処理を伴い、正確なデータ入力や帳票作成が必要です。従って、会計の仕組みが整っていない場合は、連結会計システム導入の前に、会計業務の改善やプロセスの整備が必要となります。
会計処理の正確性と信頼性を確保しなければ、連結会計の結果も正確になりません。したがって、データ入力のミスや不正確な帳票が連鎖的に影響を及ぼすリスクがあります。
導入前に内部統制の強化や会計業務の改善策を検討し、システム導入に適した準備を行うことが重要です。
コストがかかる
連結会計システムの導入には、システムの購入費用やカスタマイズ費用の他、システムのライセンス費用や年間の保守・サポート費用なども発生する場合があります。
導入から運用までの総コストを予算内に収めるためには、システム選定時にコスト面を慎重に評価し、費用対効果をきちんと検討する必要があります。
連結会計システムの主な機能
ここでは、連結会計システムの主な機能を紹介します。以下のさまざまな機能により、親会社はグループ全体の財務状況を正確に把握し、経営判断や報告が円滑に行えます。主な機能と、その特徴について表にまとめていますので、参考にしてください。
機能 | 特徴 |
---|---|
連結決算作成機能 | 財務諸表の統合・作成 |
データの収集機能 | 効率的なデータ収集 |
データ入力機能 | 効率的なデータ入力 |
範囲連結機能 | 連結範囲を定義し、財務諸表を作成 |
サブ連結機能 | 子会社と孫会社の財務情報を連結・表示 |
多言語・外貨への対応機能 | 海外のグループ企業でも連結会計が可能 |
IFRS(国際会計基準)対応機能 | 国際会計基準IFRSに対応できる |
分析レポート機能 | 詳細な分析レポートを提供 |
内部統制機能 | 企業内の統制強化を支援 |
連結会計システムの選び方
連結会計システムを選ぶ上で大切なのは、今の自社の状況を把握するだけでなく、将来的な展望や変化の可能性も見据えることです。自社に必要な機能やサポートについて、長期的な視野で検討しましょう。以下に具体的なポイントを解説します。
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連結会計システム選びに重要な3つのポイント
自社の事業規模に合っているか
連結会計システムの機能はシステムによって異なるため、自社のニーズに対応した機能を備えたシステムを選ぶ必要があります。特に企業規模を考慮せずに選んでしまうと、機能不足で業務効率化への大きな効果を得られなくなってしまいます。
個人事業主や従業員の少ない中小企業などは、必要最低限の機能に絞りコストを重視する方向性でも問題ない場合が多く、クラウド型のサービスが推奨されます。ただし、インターフェースの使いやすさや将来的な成長を見越して拡張できるかは重要なポイントです。
大企業においては、部門別管理・連結決算など高度な機能が求められ、リアルタイムにグループ全体の財務状況を把握できることが大切です。複数ユーザーのアクセスが想定される場合にはアクセス制御やセキュリティ対策も考慮する必要があります。
中小企業が連結決算を行うメリット
中小企業の場合、一定の基準を満たさない限り連結決算は義務付けられていません。しかし、自発的に連結決算を行うことで得られるメリットがあります。
まず企業グループ全体の財務状況や業績が一貫して把握できるようになることで、透明性が向上します。これにより、金融機関や取引先との信頼関係が強まり、資金調達や新しいビジネスチャンスを得やすくなります。
そして、連結決算を導入することで、将来的な企業成長や海外展開を見据えた準備が整います。将来的にM&Aを検討している場合にも、M&A後の統合プロセスをスムーズに進めることができます。
ただし、連結決算には、導入コストや運用負荷がかかることも事実です。導入にあたっては、それに要するコストや経営資源とのバランスも考慮する必要があります。
中小企業にも対応可能なシステムを見る自社に必要な機能が備わっているか
自社に必要な機能が標準搭載されていると、業務プロセスや要件に合わせてシステムをカスタマイズする必要が少なくなり、既存の機能を最大限活用できます。その場合、導入期間も短く済み、運用コストを抑えられます。
また、必要な機能が十分に備わっていれば作業の手間やミスを減らすことができ、業務効率化にも大きく貢献します。データ入力や処理が統一化され、一貫性のあるデータを保持しやすいのも利点です。
業務効率化に寄与する代表的な機能には、エラーチェック機能や海外拠点に対応した機能があります。以下に各機能について解説します。
エラーチェック機能
エラーチェック機能は、グループの経理担当者がシステムに直接データ入力する場合に便利です。複数企業のデータを統合して連結財務諸表を作成する際に、入力ミスが起こりやすい点を考慮して、エラーチェック機能を確認してからシステムを選ぶことを推奨します。
エラーチェック機能では、異常の値はないか、正しいフォーマットで入力されているかなどのデータの整合性チェックを始め、重複データの検出やデータ欠損の検出などを行います。
システムによっては、600項目以上のエラーチェックが可能なものや、エラーの重要度を管理画面から確認できるものもあります。エラーチェック機能があることでデータの正確性が向上し、エラー対応の時間と手間も軽減できます。
海外拠点に対応した機能
海外に拠点がある企業において連結会計を行う場合は、多言語・多通貨に対応した機能が重要です。多言語に対応した連結会計システムなら、情報共有や報告書作成において全ての拠点のスタッフが理解しやすい環境を作ることができます。
また、多通貨に対応した機能があると、正確な通貨変換が行われ、連結財務諸表に反映されるデータの信頼性を保つことができます。これらの機能が備わっていることにより、異なる国・地域の経営成績を比較・分析しやすく、グローバル展望をサポートします。
さらに、多くの国で採用されているIFRS(国際会計基準)に対応しているシステムなら、海外拠点と親会社の経理データの統合が容易です。IFRSに準拠した連結財務諸表は、国際投資家やビジネスパートナーの信頼性を向上させるメリットもあります。
サポート体制は充実しているか
連結会計制度は頻繁に改正され、企業のグループ再編やM&A(合併・買収)などによってグループ構造が変化することもあります。これらの変化に対応するためには、連結会計システムのサポート体制の充実が重要です。
国内外の法規制や制度の改正に対する新たな要件の導入に対応するには、システムのベンダーが迅速にアップデートを行ってくれるかがポイントです。また、グループ再編へのサポートやシステムの導入・運用におけるコンサルティングの可否も確認しておきましょう。
ベンダーによっては、導入後のトレーニングから会計制度や法規制の変更によるアップデート、問題発生時の対応などサポート範囲が広い場合もあります。
連結会計システム選びのその他の比較ポイント
ここでは、連結会計システムを選ぶ上でのより具体的なポイントを挙げて解説します。導入形態や対応OSなど基本にして重要なことを始め、操作性や便利機能など、複数のシステムを比較する際の基準を押さえておきましょう。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
連結会計システム選びのその他の比較ポイント
導入形態を確認
システムの導入形態には、オンプレミス型とクラウド型があります。オンプレミス型は自社のサーバーにソフトをインストールして利用します。ソフト購入の初期費用はかかるものの追加料金はかからず、企業独自のニーズに合わせてカスタマイズしやすいのが利点です。
ただし、データ管理・セキュリティ対策・アップデートなども企業自身が行う必要があり、運用には専門知識を要する場合もあります。一方、クラウド型なら保守業務はベンダーが行ってくれるため、専門知識がない場合でも扱いやすいです。
クラウド型は、ベンダーに料金を払ってサービスを利用します。定期的にサービス利用料を払う必要がありますが、初期費用を抑えられて途中解約も容易です。柔軟な拡張ができる場合も多いですが、システム選びでは信頼できるベンダーか慎重に判断することが重要です。
▼システムの導入形態早見表
対応OSを確認
対応OSの確認は、システムを導入する際の基本ステップです。連結会計システムは多くの場合Windowsに対応していますが、Macを利用している場合は、システムに推奨されるOS環境を事前に確認しておきましょう。
推奨されていないOSを使用すると、システムの互換性が損なわれ、システムが正常に動作せずエラーやバグを引き起こすリスクがあります。また、動作が安定しないことで、クラッシュやデータ損失の原因にもなります。
連結会計システムは財務データを扱う重要な業務を担うため、システムの安定性を確保するために推奨されるOSで利用するようにしましょう。
▼対応OS早見表
Excelに近い操作性か
Excelは広く普及しており、多くの経理担当者が使い慣れていることに加え、システム導入前の企業においてもExcelでの決算業務は珍しくありません。そのため、Excelに近い操作性を持つシステムならスムーズな移行が可能です。
Excel自体が直感的に操作しやすく、柔軟なデータ入力を可能にするため、システムの使いやすさの点でもExcelに近い操作性のシステムはおすすめです。データの集計や分析もしやすく、多くの場合はグラフやレポートを生成する機能も備わっています。
▼Excelに近い操作性早見表
モバイルアプリと連動できるか
連結会計システムの中には、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末からアクセスできるものもあります。アプリ連動が可能な場合、時間や場所を問わず業務を遂行でき、リアルタイムな会計情報の更新・閲覧が可能です。
モバイルアプリを通じて簡単なデータ入力ができると作業効率も上がります。アプリ連動は、オフィスで業務を行う場合は必須の機能ではありません。しかし、働き方が多様化しタイムパフォーマンスが重視される現代においては、効率性向上を支援する機能です。
▼モバイルアプリの有無早見表
無料トライアルがあるか
連結会計システムを選ぶ上では、無料トライアルの利用を推奨します。トライアルを活用することで、実際の使用感・操作性・システムの機能・パフォーマンスを評価できます。必要な機能が含まれ、スムーズに動作し、ユーザーサポートが適切かどうかの確認も可能です。
また、実際の環境でテスト運用を行うと、経理担当者や経営者などの意見も収集でき、リスクやコストを削減できます。トライアルを通じて最適なシステムを選ぶことで、効率的な連結会計業務が実現できます。
特にインストール型の商品を検討している場合は、初期投資が大きいため、コストを抑えるためにも無料トライアルは積極的に利用することをおすすめします。
▼無料トライアルの有無早見表
製品の特徴を詳しく見る連結会計システムの導入の仕方と注意点
連結会計システムを導入する際には、事前に導入目的を明確にし、システムのタイプと自社の目的に合っているかを確かめることが大切です。その他、費用対効果の検討やテスト運用も重要です。ここでは、それらの重要性やポイントについて解説します。
1. 導入目的とシステムのタイプが合っているか確認
連結会計システムには、スタンドアロンタイプ・システム連結タイプ・システム統合タイプの3つのタイプがあります。システムの導入目的に合わせて、適切なタイプを選択することが重要です。
「スタンドアロンタイプ」は、親会社が子会社の財務データを集約して連結財務諸表を作成します。子会社の負担は少ないものの、連結資料の収集やデータ入力は手作業です。連結会計を主目的とする場合に適しています。
「システム連結タイプ」は、子会社の会計システムと連結して動作します。データ収集は自動で行われ、グループ全体の統一性を保ちやすく子会社への負担も抑えられます。各子会社の独立性を保ちつつ、会計情報を迅速かつ正確に集約したい企業におすすめです。
「システム統合タイプ」は、親会社と子会社のシステムを統合するため連結資料の作成は不要です。ただし、導入コストが高くなりやすいです。情報を一元管理して、効率的な情報共有と統合管理を行う目的に向いています。
2. 費用対効果を確認
連結会計システムの比較検討では、システムの導入・運用にかかるコストを考慮します。ライセンス料や導入費用・カスタマイズ・アップグレード・サポート・メンテナンス費用・トレーニング費用などを事前に把握し、機能とコストのバランスを確認しましょう。
無駄なコスト(不要な機能)を避けつつ必要な機能を備えたシステムを選ぶことで、経済的な観点からも費用対効果の高い導入を目指すことができます。将来の拡張性や業務の要件も視野に入れ、組織のニーズに合った連結会計システムを選定することが重要です。
3. テスト運用をしてから導入を検討
テスト運用は非常に重要なフェーズです。これによって、システムの操作性や細かい機能を評価し、実際の業務に適したシステムかどうかを確認します。テスト運用の際にはシステムの操作性やユーザビリティを評価し、従業員が快適に利用できるかを確認します。
また、テストデータを用いて正確性と信頼性を評価し、正確な財務情報が得られるか確認することも重要です。連結会計に必要な機能がきちんと備わっているかも確認しましょう。連結財務諸表やレポート・分析機能もテストし、情報提供が十分に行えるかを評価します。
テスト運用をしないと、業務に適合しないシステムを導入してしまうリスクが高まります。効率性やデータの正確性に影響を与え、システム導入後に問題が発生した場合に手戻りが生じる可能性があります。コスト増加のリスクも大きいため、必ずテストを実施しましょう。
その他のおすすめ連結会計システム
冒頭では紹介しきれなかった、その他のおすすめ連結会計システムをご紹介します。企業規模や特徴別にご紹介しているので、比較検討の際は参考にしてください。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
タイプ別 | その他の連結会計システム特徴比較
【大企業~中堅企業向け】多言語・多通貨対応
評判・口コミを紹介
管理連結も今まで手作業で行っていましたが、クリックするだけでデータ反映し、完成したExcel資料としてダウンロードできた時は本当に感動しました。
これまで半日がかりだった予実管理が、わずか10分に短縮できています。
導入事例(リマテックホールディングス株式会社様)|株式会社インプレス
GOOD
ここがおすすめ!
- Excelデータベース化システムだから、新しくソフトをインストールすることなくやりたいことが実現できる
- 各システムのバラバラなフォーマットも一括取込可能で手作業不要
- 大手監査法人と共同開発したシステム処理ロジックをワンボタンで実行可能
MORE
ここが少し気になる…
- 初期費用や月々の費用はユーザー数やサービス形態によって異なるため、問い合わせが必要
GOOD
ここがおすすめ!
- 日々の支払・記帳から月次の連結決算業務まで連携を挟まず1システムで業務が完結できる
- 細かな条件や業種業界特有の要件にも対応しており、調整業務までカバーしてくれる
- 新機能追加を含むバージョンアップ保守の範囲内で提供するため、追加費用なく長期的に利用可能
MORE
ここが少し気になる…
- 詳細な費用や導入期間は問い合わせで確認
評判・口コミを紹介
従来のシステム環境は、サーバの容量が少なく、参加会社数が増える度にサーバを増強する必要がありましたが1つの統合サーバで会社数増加に耐えられるGLOVIA SUMMIT GMなら安心です。参加会社数が倍になっても拡張が簡単なのです。
王子ビジネスセンター株式会社様 採用事例|富士通Japan株式会社
GOOD
ここがおすすめ!
- 会計システムや開示システムとの連携により作業負荷と人的ミスの軽減が実現する
- クラウドサービスにより煩雑な付帯作業をなくし、より高付加価値な業務に集中できる環境を実現する
- Excelと親和性が高いため、Excel運用からの豊富な切替実績があり、安心して利用できる
MORE
ここが少し気になる…
- 詳細な費用や導入期間は問い合わせで確認
【大企業~中堅企業向け】日本企業向け
株式会社ICSパートナーズ
OPEN21 SIAS 連結決算支援ソリューション
GOOD
ここがおすすめ!
- クラウド環境かつシェアード形式のため、グループ統一会計システムとして運用可能
- 連結決算を意識することなく、個別決算の延長線上でデータ作成ができる
- 連結決算業務の効率化や早期化に向いている機能が充実
MORE
ここが少し気になる…
- サービス情報詳細が少なく、具体的な料金・導入期間や機能は問い合わせが必要
GOOD
ここがおすすめ!
- インプットからアウトプットが素早く、PDCAサイクルを的確に回すことで経営の未来が鮮明になる
- 迅速性と正確性、会計情報を活用する戦略性を持ち、課題がクリアできる
- 柔軟性・拡張性を実現し、有機的なシステム連携の在り方を追求した新フレームで会計を力強く支援
MORE
ここが少し気になる…
- HPの情報が薄いため、詳細を知るには問い合わせが必要
【大企業~中堅企業向け】多機能で広範なニーズに対応
GOOD
ここがおすすめ!
- 強力なデータ処理機能と人工知能に支えられており、迅速かつ正確にデータ収集・分析が可能
- あらゆるソースシステムに適応しており、クラウド上で利用できるため容易に導入ができる
- 決算の早期化・俊敏性向上・意思決定の強化などさまざまなニーズに対応
MORE
ここが少し気になる…
- 料金を確認するには問い合わせが必要
ワークデイ株式会社
Workday Adaptive Planning
GOOD
ここがおすすめ!
- 「強力なAI」と「機械学習(ML)」の搭載により、接続性と拡張性を実現
- 「自動連結タスク」で効率が上がり、精度の高い連結処理が行える
- すべてを記録する「常時監査機能」を備え、コンプライアンスと統制を確保
MORE
ここが少し気になる…
- 各プランごとに使える機能の制限があり、価格は問い合わせで確認
【中小企業にも対応可能】多言語・多通貨対応
GOOD
ここがおすすめ!
- バイリンガル・多通貨・複数会計基準を備えた中小・中堅向けのERPパッケージ
- 複数会社でも1つのソフト・データベースで処理でき、少ない人数でも活用可能
- 自社カスタマイズを本体に取り込む「ワンソース」「ワンパッケージ」で多業種に対応
MORE
ここが少し気になる…
- 中堅・中小企業向けのERPパッケージで、連結決算特化型ではない
評判・口コミを紹介
大きな成果として、グループ会社毎の財務データを連結させ、一元管理が可能になっています。従来のようにエクセルでデータを統合・整理する必要はなくなったため、ボタン1つで必要なデータが取り出せるようになりました。これまで3週間かけて財務報告書を作成していましたが、システム導入後は7日間での報告書作成を実現しています。
導入事例(Peatix Japan株式会社)|日本オラクル株式会社
GOOD
ここがおすすめ!
- 単一のプラットフォームで全体の運用が行え、システム管理のコストと複雑さを排除
- 標準化されたポリシーにより組織全体のパフォーマンスを向上
- 継続的に財務・運用システムのモニタリングや、アクセス制御機能でリスクを軽減
MORE
ここが少し気になる…
- 財務連結機能に関しては「NetSuite OneWorld」「Multi-Bookモジュール」で使える
GOOD
ここがおすすめ!
- 33ヶ国1,500社への導入実績があり、世界各国の事業所データの統合・管理が可能
- 日本本社から海外拠点の業務データにアクセスでき、現地のブラックボックス化を防止
- 一般会計や販売・購買・在庫管理機能、債務債権管理機能などを備えたERPパッケージ
MORE
ここが少し気になる…
- 会計ERPパッケージのため、連結決算に特化したサービスではない
GOOD
ここがおすすめ!
- 会計基本業務はもちろん、庶務経理や外貨管理・多通貨会計まで幅広く対応
- 基幹システム連携を標準装備し、コストをおさえてERPシステム構築ができる
- 各社のネットワーク運用環境にあわせた柔軟な導入が可能
MORE
ここが少し気になる…
- 中堅・中小企業向けで、連結決算機能に特化したサービスではない
【中小企業にも対応可能】無料トライアルあり
GOOD
ここがおすすめ!
- 機能は最低限に絞ってシンプルにし、属人化しないシステムを実現
- 会計ソフト各種との連携はもちろん、分析や開示システムとも連携可能
- 入力するのは連結仕訳の作成や入力などで、ほとんどの作業を自動化
MORE
ここが少し気になる…
- 詳細な費用や導入期間は問い合わせで確認
【中小企業にも対応可能】短期間で導入可能
評判・口コミを紹介
経理システムの共通化によって、連結する子会社が何をしているかを確認したいという目的がありましたので、本社部門が会計システムを通してグループ会社の状況を見られるようになった点は大きいです。
また、BIツールで分析したいなどの目的、ニーズに合わせて検索や出力ができ、データの出し入れが以前に比べて柔軟になりました。
導入事例(東急株式会社様)|株式会社NTTデータ・ビズインテグラル
GOOD
ここがおすすめ!
- 共通システム・シェアードサービス形態を想定しているため、グループで共同利用が可能
- 豊富な導入事例に基づいた「ノンカスタマイズ導入」で低価格・短期間導入を実現
- 「個社会計」「グループ連結」「財務分析」まで一気通貫でカバー
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ここが少し気になる…
- 具体的な費用や導入期間、機能の詳細は問い合わせで確認
連結会計システムに関するよくある質問
連結会計システムの料金相場は?
連結会計システムの料金は、機能、規模、導入形態、ユーザー数などによって大きく異なります。中小企業向けのシンプルなシステムは安価に始められる一方、大企業向けのカスタマイズが必要なシステムは数百万円以上のコストがかかることがあります。
本記事でご紹介したシステムのほとんどが料金を公表していないため、具体的な費用については、資料請求や問い合わせを通じて確認しましょう。
連結会計システムにデモ版や無料トライアルはありますか?
多くの連結会計システムベンダーは、デモ版や無料トライアルを提供しています。デモ版や無料トライアルを利用することで、自社の要件に合致するか、使い勝手が良いかなどを事前に確認することが可能です。
\無料トライアルがある連結会計システムをご紹介/
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他の会計システムとの連携は可能ですか?
多くの連結会計システムには、他の会計システムとの連携機能があります。API連携やCSVファイルのインポート・エクスポート機能で、データ連携が可能です。連携可能な会計システムは、製品によって異なるため、事前に確認が必要です。
システム導入にかかる期間はどのくらいですか?
システム導入にかかる期間は、導入するシステムの規模や複雑さ、企業の規模や要件、データ移行の有無などによって異なります。
一般的には、数か月~半年、大規模なオンプレミスシステムや複雑なカスタマイズが必要な場合は1年以上かかる場合もあります。
導入期間を短縮するためには、事前にしっかりと要件定義を行い、ベンダーとの綿密な連携が重要となります。
まとめ
連結会計システムは、効率的な連結会計業務と正確な財務情報の提供により、子会社やグループ会社の経営成績や財政状態を把握するための重要なツールです。システムの導入によって、グループ企業間の取引の透明性確保や、業務の効率化を図ることができます。
連結会計システムを選ぶ際には、自社の業務に適合しているかや、自社に必要な機能が備わっているかを確認しましょう。また、テスト運用を積極的に活用しながら、操作性や費用対効果も評価して、組織に最適な連結会計システムを選定しましょう。
タイプ別|おすすめの連結会計システム
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