おすすめのインシデント管理ツール10選|選ぶ際のポイントも解説
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- インシデント管理ツールは、ツールのタイプ・機能・メンテナンスしやすいか比較検討
- ツールの操作性や料金体系、ITILに準拠しているかも確認すると選びやすい
- インシデント管理ツール導入の際は、導入目的の明確化や従業員への周知が必要である
インシデント管理ツールとは、システムやセキュリティに関する問題点や障害に対して迅速な対応や解決ができるツールのことを言います。本記事では、インシデント管理ツールの導入を検討している方のために、おすすめのインシデント管理ツールや選び方などを詳しく解説しています。
目次
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インシデント管理ツールで問題や障害を迅速に解決
インシデント管理ツールは、社内のシステムやセキュリティに問題(インシデント)が発生した際に、解決に向けた迅速な対応ができるツールです。インシデントに関わる情報を収集・管理することで、正常な状態への復旧に繋がります。
不正アクセスのようにセキュリティ上の脅威となるものから、接続が遅いなどといった小さな不具合まで、システムに関わることは全般的にインシデントとして扱われます。
発生したインシデントへの対応状況を可視化することにより、未対応の放置や重複対応を防止することができます。それにより、利用者のストレス緩和や業務の停滞の防止につながります。
また、インシデントに対応した一連のナレッジとして蓄積することで、担当者の属人化の防止や利用者が自身で問題を解決できるトラブルシューティングとして活用することも可能です。
インシデント管理ツールとは|機能やメリット・デメリットを解説
インシデント管理ツールでは、インシデント発生から復旧までを、効率的に管理することができます。本記事では、インシデント管理ツールの目的や種類、主な機能について解説し、インシデント管理ツールを導入するメリット・デメリット、比較の際のポイントについても紹介します。
そもそもインシデント管理とは
インシデント管理とは、システムやサービスにおいて、予期せぬトラブルや障害が発生した際に、その影響を最小限に抑え、迅速に復旧させるまでのプロセスと体制を指します。インシデント管理は、業務の中断を防ぎ、事業活動を継続するために重要な活動です。
現代は多くの企業が様々なITシステムを導入していることから、日々のトラブル発生は避けられません。インシデント管理ツールにより、適切にインシデントを検知し、再発防止に努めることが求められています。
インシデント管理(インシデントマネジメント)は、システム障害や機器の故障などによる影響を最小限に抑え、スピーディーにサービスを復旧するために必要です。本記事では、インシデント管理の必要性・フローを解説し、よくある課題と課題解決におすすめのツールを紹介します。
インシデント管理ツールはタイプ・機能・メンテナンス性で選ぶ
インシデント管理ツールには様々な製品があり、選ぶ際には着目しておきたいポイントがいくつかあります。
中でも、ツールのタイプ・備わっている機能・メンテナンスやカスタマイズのしやすさは、ツールを選ぶ中でも重要です。次の章から、それぞれのポイントが重要な理由を詳しく解説します。
【重要なポイント3つ】
- ツールのタイプを確認
- 自社に必要な機能が備わっているか
- メンテナンスやカスタマイズがしやすいか
【その他の比較ポイント】
- 提供形態を確認
- 料金体系を確認
- 扱いやすい操作性か
- ITILに準拠しているか
インシデント管理ツール選びで重要な3つのポイント
インシデント管理ツールには、選ぶ際に重要なポイントがあることをお伝えしました。ここでは、インシデント管理ツール選びで重要な3つのポイントについて詳しく解説します。
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インシデント管理ツール選びで重要な3つのポイント
ツールのタイプを確認
インシデント管理ツールを導入する際には、ツールのタイプを確認しておくことが必要不可欠です。インシデント管理ツールには、問い合わせ管理タイプとプロジェクト管理タイプの2種類があります。
ツールによってどのような課題解決に向いているか異なるため、自社に合ったツールを選ぶことが重要です。それぞれのタイプについて詳しく解説します。
問い合わせ管理タイプ
問い合わせ管理タイプは、社内外からの利用者の質問にスピーディに対応できるタイプです。電話やメールなどを通した問い合わせ内容の一元管理やリアルタイムでの対応状況の表示、問い合わせ内容の自動振り分けなどができます。
質問内容の集計・分析や対応履歴を保存しておくことで、ナレッジとして今後のトラブル発生時に活用することもできます。ナレッジをもとに、質問者への回答補助やAIの自動回答のテンプレートにすることで、利用者自身での問題解決がしやすくなります。
問い合わせ管理タイプは、問い合わせの解決までのプロセスを全般的に効率化できると言えるでしょう。
プロジェクト管理タイプ
プロジェクト管理タイプは、タスク管理や案件の進捗管理ができるツールの中で、インシデント管理を同時に行うことができます。受け取った問い合わせを自動で登録し、プロジェクトメンバー内で対応状況の確認が可能です。
また、期限が近づいた問い合わせやタスクを通知するアラート機能がついているものもあるため、対応漏れを防ぐこともできます。
大人数でのプロジェクトや長期的なプロジェクトなど、チーム全体でタスク管理を進めながらインシデント管理を行いたい場合におすすめのタイプです。
自社に必要な機能が備わっているか
インシデント管理ツールを導入する上では、自社に必要な機能が備わっているかどうかも外せないポイントです。ツールの効果は、搭載されている機能により大きく変わるためです。
自社に必要な機能や自動化できる機能があることで、問い合わせ対応の効率が向上して他の業務に時間を割けるメリットがあります。特に以下で紹介する機能があると、ツールの利便性がさらに高くなります。
AIによる自動解答機能
AIによる自動回答機能は、利用者の迅速な問題解決や従業員の対応を簡略化ができます。事前にテンプレートを用意しておくことで、質問者への回答補助やFAQへの誘導ができるためです。
インシデントの意味する内容は幅広く、セキュリティに関わる重要度の高いものからユーザーの困りごとまで様々です。一つひとつに従業員が対応すると重要度の高いものを優先しがちなため、問い合わせに対する回答が遅れたり従業員の負担が大きくなったりします。
AI自動回答機能でトラブルを解決できれば、ユーザーの満足度向上や業務効率の向上につながります。
タスク自動作成機能
タスク自動作成機能は、繰り返し行う作業をタスクとして自動で作成できる設定があります。特に、週ごとなど頻繁に行うタスクは設定する作業が煩わしく感じるでしょう。自動でタスクを作成することで、業務プロセスの簡略化ができます。
また、案件ごとにタスクが立てられるツールや、ツール内やチャットを通して対応期限のリマインドができるツールもあります。プロジェクトタイプのインシデント管理ツールを選ぶ際には、タスク自動作成機能が搭載されたものがおすすめです。
メンテナンスやカスタマイズがしやすいか
インシデント管理ツールを選ぶ上では、メンテナンスやカスタマイズのしやすさも注目したいポイントです。ツールの導入後には、メンテナンスが必要になることもあります。
ツールのメンテナンスには手間が発生したり、専門知識が必要になったりする可能性があります。ベンダー側でメンテナンスのサポートを受けられるか確認が必要です。
また、自社向けに使いやすくカスタマイズできるツールを利用すれば、既存のフローに近い形で運用しやすくなります。使い勝手が良くなり、従業員の定着も早まるでしょう。インシデント管理ツールは、サポート内容やカスタマイズ性にも着目することが大切です。
インシデント管理ツール選びのその他の比較ポイント
インシデント管理ツールは上記で紹介したポイント以外にも、多角的に比較することでより自社に最適なツールを導入することができます。ここでは、インシデント管理ツールの比較ポイントを解説します。
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インシデント管理ツール選びのその他の比較ポイント
提供形態を確認
インシデント管理ツールの提供形態には、オンプレミス型とクラウド型があります。オンプレミス型は自身で社内にサーバーを構築するタイプです。社内LANを使用するため、セキュリティ面での安心感や自社でツールのコントロールがしやすいというメリットがあります。
一方、立ち上げから運用、メンテナンスを自社で行う必要があるため、専門知識が必要とされることや設備投資にコストが掛かるデメリットがあります。
クラウド型はアカウントを登録し、インターネット上のサーバーを通じて利用できるツールです。インターネットがあればどこでもアクセスできるため情報共有がしやすく、ベンダーによるメンテナンスのサポートを受けるため自社の運用負担が少ないメリットがあります。
一方、オンプレミス型に比べてカスタマイズ性が低かったり、長期的にみると料金体系によってコストが高くなるというデメリットがあります。自社に合わせたカスタマイズは可能か、費用対効果はどうかといった観点も重要です。
料金体系を確認
インシデント管理ツールの料金体系には、買い切り制や月額固定制、ユーザー数や機能に応じて変動する従量課金制などがあります。料金体系は自社の使い方に合ったものを選ぶことで、余計なコストの削減につながります。
自社の予算や従業員数、利用期間などにより、マッチする料金体系は異なります。利用したことを想定し、いくつかのツールで見積もりをとるなど慎重に決定しましょう。
扱いやすい操作性か
インシデント管理ツールを選ぶ上で、扱いやすさは大切です。操作のしやすさは、業務効率の向上やミスの防止に繋がるためです。仮に操作が複雑な場合、作業に時間がかかったり、機能を持て余してコストが無駄になる可能性があります。
利用する全ての従業員が直感的に使用できる操作がしやすいツールを選ぶために、操作性を確認することが必要です。無料トライアルやデモ画面などを利用し、実際の画面を確認するという方法もあります。
ITILに準拠しているか
インシデント管理ツールを導入する際は、ITILに準拠しているかどうかもポイントの一つです。ITILは、ITサービス管理の成功事例をもとに定められたガイドラインのため、確実なインシデント管理ができるツールとして安心できます。
管理する内容が簡単なものであれば必要ないことが多いため、特に必要はありません。しかし、複雑な情報管理やインシデントへの対応を求められる場合はITILに準拠したツールがおすすめです。自社の特性に合わせて検討しましょう。
おすすめのインシデント管理ツール10選
GOOD
ここがおすすめ!
- 複数ユーザーで対応状況の管理・共有ができる
- 「未対応・対応中・対応完了」が一目でわかり、対応漏れ防止に繋がる
- ダッシュボードで件数や対応時間の分析が可能
MORE
ここが少し気になる…
- 問い合わせ件数の容量が少ないため、追加費用が発生しやすい
GOOD
ここがおすすめ!
- さまざまな用途に合わせてカスタマイズができる柔軟性のよさ
- 導入設定から運用定着まで安心のサポート体制で初心者にも優しい
- セキュリティ強化のためオプション機能が多数搭載されている
MORE
ここが少し気になる…
- UIが古めなので、若年層には不向き
GOOD
ここがおすすめ!
- LMISで対応業務の作業や資産の可視化が可能
- 業務・作業の自動化で人的ミスを削減
- ITILプロセス・構成情報・顧客情報の一元管理ができ、顧客満足度の向上が目指せる
MORE
ここが少し気になる…
- 導入マニュアルがわかりにくく、不明点の解決に時間を要する
GOOD
ここがおすすめ!
- 顧客のニーズに合ったサポートを提供
- AI搭載で大量に来る対応業務の負担を軽減できる
- 無料トライアルで使用感を確認でき、スムーズな導入にもつながる
MORE
ここが少し気になる…
- 日本語ドキュメントが少なく、扱える企業や業種が限られてしまう
アトラシアン株式会社
Jira Service Management
GOOD
ここがおすすめ!
- プラットフォームでプロジェクト開発チームと運用チームをつなげて管理できる
- 時間とコストを削減しながら顧客へアプローチが可能
- 小規模から大企業まで、企業に合ったプランが用意されている
MORE
ここが少し気になる…
- 設定が細かくできる分、操作に時間がかかったり調べたりしなければならない
GOOD
ここがおすすめ!
- 社内問い合わせ・インシデントの一元管理が可能
- FAQやチャットボットで従業員の自己解決力を高めて工数削減を実現
- SaaSアカウント契約・利用状況の把握などの自動検知で業務効率化
MORE
ここが少し気になる…
- 英語ベースのため、ヘルプがわかりづらい
株式会社WOW WORLD
WEBCAS mailcenter
GOOD
ここがおすすめ!
- オペレーター数無制限でも料金の変動なしで利用可能
- 対応状況がリアルタイムで共有でき、二重対応による人的ミスを削減
- 操作性に優れており、年齢や知識・経験問わずに初心者でも利用しやすい
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ここが少し気になる…
- 添付ファイルのウイルス対策がない
GOOD
ここがおすすめ!
- プログラミングの知識不要で簡単にカスタマイズが可能
- 信頼がおけるセキュリティ機能を搭載
- 利用形態に合わせてオンプレミス型とクラウド型の2種類から選べる
MORE
ここが少し気になる…
- 海外製品のため、メニューなどの翻訳が不適切な場合がある
GOOD
ここがおすすめ!
- プロジェクトが一元管理でき、チームの連携が高まる
- すぐに使用できるテンプレートが各種用意されているため、簡単に始められる
- 企業やチームの規模に合った豊富なプランの中から選べる
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ここが少し気になる…
- 初心者には複雑な使用感で最初はつまずきやすい
GOOD
ここがおすすめ!
- 目標や進捗、さまざまなデータなど業務全体の見える化で従業員のモチベーション向上が目指せる
- 各チームと共に情報共有が可能なため、チームを超えたコミュニケーションの促進につながる
MORE
ここが少し気になる…
- オフライン状況ではタスクの閲覧や編集ができない
インシデント管理ツールの導入の仕方と注意点
インシデント管理ツールを導入する際は、注意点を抑えておく必要があります。事前に計画を立てておくことで、導入に失敗する可能性が低くなるでしょう。ここでは、インシデント管理ツールの導入の仕方や注意点を解説します。
1. 導入目的を明確にする
インシデント管理ツールを導入する際は、目的を明確にすることが重要です。目的によって導入するべきツールが変わるためです。ツールによって機能や強みが異なるため、自社の課題やニーズにマッチしたツールを選びましょう。
目的を明確にするためには、自社が抱える課題を洗い出して具体的に設定する必要があります。例えば、「問い合わせ対応力を強化したい」「プロジェクト管理を強化したい」などの目標を定め、それを達成するためにどのような機能が必要か検討することが大切です。
2. 費用対効果を確認
インシデント管理ツールを導入する際は、費用対効果を確認することも重要です。ツールの導入や運用にはコストが発生するため、それ以上の効果を得られるかどうかを見極める必要があります。
特に機能が多いツールは、それだけコストも上がります。全ての機能を使うのであれば費用対効果が高く見込めるかもしれませんが、不要な機能が多い場合はコストに見合わないこともあります。
3. 従業員への周知・研修が必要
インシデント管理ツールを導入する前には、従業員への周知や研修の実施が必要です。急に新しいツールを使うように指示されても、目的が分からないと積極的に活用しないこともあります。また、導入後してにすぐに操作に慣れることは難しいでしょう。
インシデント管理ツールの導入目的や業務フローの変更点は、事前に従業員に周知して理解を得ておきましょう。また、早期にツールに慣れるためには、操作方法に関するマニュアルの配布や研修の実施が効果的です。
まとめ
インシデント管理ツールは、社内のシステムにインシデントが発生した際に、解決に向けた対応ができるツールです。インシデントに関わる情報の一元管理ができるため、スピーディな問題解決や対応ミスの防止につながります。
ツールを選ぶ際には、タイプや機能、メンテナンスのしやすさは大切なポイントです。特にAI自動回答機能やタスク自動作成機能など、自動化する機能があることで業務の効率化や人為的なミスを防ぐ仕組化ができます。
インシデント管理ツールを導入する際は、事前に計画を立てた上で様々な製品を比較検討して決めることが大切です。本記事で紹介した内容を参考に自社に最適なツールを選び、インシデント管理の効率化やユーザーの満足度向上に努めましょう。