おすすめの給与前払いサービス2選|選び方や注意点を詳しく解説
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- 給与前払いサービスは、立替支払いか自社払いか・従業員の利便性・提携銀行を比較検討
- 既存システムと連携できるか、口座開設の必要があるかも確認すると選びやすい
- 給与前払いサービス導入の際は、サービス会社が賃金業に登録しているか必ず確認する
給与前払いサービスとは、働いた分の給与を通常の給料日よりも早く受け取れるサービスのことです。福利厚生の充実が図れる上に、人事部などの業務負担を増やすことなく前払いに対応できます。本記事では、おすすめの給与前払いサービスとサービスの選び方を解説しています。
目次
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給与前払いサービスで福利厚生を充実
給与前払いサービスとは、従業員が給料を前倒しで受け取れるサービスです。通常、給料日は月に1回ですが、給与前払いサービスを利用すれば、日払い・週払いが可能です。
手動で給与の前払いを行う場合、まず希望者が業務担当者(人事部や経理部)に申請し、申請を受けた担当者は手続きを行います。その際、担当者は通常の給与支払いに加えて前払いの手続きも行わなくてはならず、業務負担が大きくなります。
一方、給与前払いサービスの多くは、希望者が各自でスマホやパソコンなどからシステムにログインし、前払いの申請を行います。給与前払いシステムは申請内容を精査し、問題がなければ給与の前払いを実施します。
つまり、従来のように人事部や経理部の担当者を経由せずに給与を前払いできるため、担当者の業務負担の軽減や業務の効率化につながります。なお、給与前払いサービスの導入には以下のようなメリットもあります。
- 求人応募者数の増加
- 福利厚生の充実
- 従業員の満足度・定着率の向上
給与前払いサービス・システムとは?メリット・デメリットなどを解説
給与前払いサービス・システムとは、従業員が給与日を待たずに、希望のタイミングで給与を受け取れるサービスです。本記事では、給与前払いサービス・システムをよく知らない方のために、メリット・デメリットや選び方を解説しています。
「前払い」と「前借り」の違い
前払いと前借りはよく似ていることから混同されがちですが、大きく異なる点があります。すでに働いた分の給与を給料日前に支払う「前払い」に対し、「前借り」はこれから働く分も含めた給与を支払うことを指します。
そのため、給料日前に給与の全額を受け取ることはできず、月末締めの企業であれば毎月上旬は給与前払いサービスを利用しても少額しか受け取れません。
給与前払いサービスは仕組み・利便性・提携銀行で選ぶ
給与前払いサービスにはさまざまな種類があるため、自社に適したものを選ぶことが大切です。特に支払タイプ・従業員の使いやすさ・提携銀行の3つのポイントはよく吟味しましょう。
併せて、コスト・他システムとの連携性・支払方式といったポイントにも着目すると、より利便性の高い給与前払いサービスを選定できます。それぞれの内容について、次章から解説していきます。
【重要なポイント3つ】
- 立替支払いタイプか自社支払いタイプか
- 従業員が使いやすいか
- 提携している銀行の種類と数を確認
【その他の比較ポイント】
- コストはかかりすぎないか
- 既存システムと連携できるか
- 企業からサービス会社への支払い方式を確認
- 海外への送金ができるか
- 口座開設する必要があるか
- サポート体制は充実しているか
給与前払いサービス選びに重要な3つのポイント
給与前払いサービスを選定する際に、重要なポイントとなるのが次の3つです。自社のニーズと照らし合わせながら、利便性の高いサービスを探しましょう。
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給与前払いサービス選びに重要な3つのポイント
立替支払いタイプか自社支払いタイプか
給与前払いサービスを選ぶ際に重要となるのが、支払いタイプです。特徴やメリット・デメリットがそれぞれ異なるため、自社に適した方を選びましょう。
- 立替支払いタイプ
- 自社支払いタイプ
それぞれの特徴やメリット・デメリットを考えながら、自社ニーズに適した方を選びましょう。
立替支払いタイプ
立て替え支払いタイプでは、従業員への前払い分の代金をサービス提供会社が立て替えます。そのため、一時的にサービス提供会社からお金を借りる状態になります。メリットとデメリットを、以下にまとめました。
【メリット】
- 自社で前払い金の準備が必要ない
- 立替分は翌月にまとめて精算でき、企業のキャッシュフローの圧迫が少ない
- 企業からサービス提供会社に支払うシステム利用料金が安いor無料
【デメリット】
- (従業員が負担する)システム利用料金・振込手数料が高い
立替支払いタイプは企業の負担が小さく、高額な手数料による従業員の金銭的負担が大きい点が特徴です。事前に準備金を用意する必要がないことが、企業側にとって最大のメリットとなります。立替支払いタイプは、前払いサービスの中でも主流といえます。
自社支払いタイプ
自社支払いタイプは、前払い分の資金を企業(自社)で用意するサービスです。あらかじめ預託金をサービス提供会社に預けるシステムと、自社の口座から給与を振り込む作業を代行するシステムの2種類があります。
サービス提供会社に預ける場合、各従業員からの前払い申請に従って、預託金から前払い分の給与を従業員の口座に振り込みます。口座振り込みではなく、従業員が指定ATMから引き出せるようにすることも可能です。
自社支払いタイプには次のようなメリット・デメリットがあります。
【メリット】
- (従業員が負担する)システム利用料金・振込手数料が安い
- 他の金融機関やサービスなどに業務を委託しない運用も可能
【デメリット】
- まとまった(前払い分の)資金の準備が必要
- 新たに支払い専用口座を開かなければならない場合がある
- 企業からサービス提供会社に支払うシステム利用料金が比較的高い
- 従業員は前払い専用口座の開設が必要
自社支払いタイプは従業員の金銭的負担が小さく、反対に企業側の業務負担や金銭的負担が大きくなります。社内に前払い専用のATMを設置するタイプのシステムであれば、他の金融機関やサービスなどに業務を委託せず、独自に運用することも可能です。
従業員が使いやすいか
給与前払いサービスを選ぶ際は、従業員にとって使いやすいかどうかも重要なポイントとなります。
使いにくいサービスは浸透せず、本来の給与前払いサービスのメリットである「従業員の満足度・定着率向上」につながりません。たとえば、次のようなポイントを考慮しましょう。
- スマホやパソコンから申請できるか
- 申請手続は簡単か
- 申請から振り込みまでの時間が短いか
- コンビニなどのATMで24時間引き出せるか
- 利用者向けのサポート体制が充実しているか
- (利用者の)システム手数料の設定は適切か
提携している銀行の種類と数を確認
提携銀行の種類や数は必ず確認しましょう。提携銀行が少ない場合、従業員がすでに持っている銀行口座に振り込めない可能性があります。この場合、サービス利用のために新たな口座開設が必要となるため、従業員にとって利便性が高いとはいえません。
基本的には、従業員の利用率が高い銀行・給与振り込みに利用している銀行と提携しているサービスを選びましょう。
あるいは、指定ATMから従業員が直接給与を引き出せるサービスもおすすめです。たとえば、コンビニATMから24時間365日引き出せるサービスなどは利便性が高く、従業員の満足度向上に期待ができます。
給与前払いサービス選びのその他の選び方
給与前払いサービスの選定の際は、次のようなポイントにも注目してみましょう。従業員と企業の双方に使いやすいサービスを選ぶことが大切です。
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給与前払いサービス選びのその他の選び方
コストはかかりすぎないか
給与前払いサービスの導入費用・運用費用は、サービスによって異なります。長期的な運用に支障がない程度のコストのサービスを選びましょう。
金銭的な負担を減らしたい場合は、企業のシステム利用料が比較的安い立替支払いタイプがおすすめです。ただし、立替支払いタイプは従業員が支払う手数料が高く福利厚生としての満足度が低くなりやすいため、負担割合を考えながら選ぶ必要があります。
既存システムと連携できるか
給与前払いサービスは、既存の勤怠管理システム・給与計算システムと連携できるものがおすすめです。給与前払いサービスを他システムと連携させておけば、前払い分の給与の計算や処理をシステムが自動的に行ってくれます。
反対に、他システムと連携できない場合、前払い分の給与の計算や会計処理は手動で行わなければなりません。業務を効率化するためにも、既存の他システムとの連携性は必ず確認しましょう。
サービス会社への支払い方式を確認
企業からサービス提供会社への支払方式を確認しておきましょう。たとえば自社支払いタイプの場合、支払いは当月中のことが多く、キャッシュフローが圧迫される恐れがあります。
支払い方式はコストにも深く関わる要素のため、自社のキャッシュフローに適した支払方式のサービスを選ぶことが大切です。
海外への送金ができるか
外国人の従業員が多い企業は、海外送金の有無も重要なサービス選定ポイントとなります。前払いで受け取った給与をノンストップで送金できるシステムがおすすめです。
なお、海外送金対応の前払いサービスを考える際は、為替レートの影響を受けないものを選ぶことも大切です。たとえば送金される側の受取手数料・中間手数料がかかるものは、送金後に為替レートが変わると、受取金額が少なくなる恐れがあります。
口座開設する必要があるか
給与前払いサービスによっては、従業員が前払い専用の振込口座を開かなければなりません。口座開設にはある程度時間がかかるため、すぐに前払い給与を受け取りたい従業員にとっては大きな痛手となります。
従業員の利便性を高めるためにも、新しい口座開設が不要の給与前払いサービスを選定しましょう。たとえば地元の大手地銀と提携しているサービスや、通常の給与振込用の口座を利用できるサービスを選ぶのがおすすめです。
サポート体制は充実しているか
新しいサービスの導入前後は、トラブルや混乱が起こりやすいものです。トラブル発生時にスムーズな解決が図れるよう、サポート体制が充実した給与前払いサービスを選定しましょう。
なお、サポートは従業員と企業の双方に必要です。たとえば、従業員に対しては、サービスの利用方法について相談できる窓口を設けているかどうか確認しましょう。企業向けでは、導入支援・導入後のカスタマーサポートがあると安心です。
おすすめの給与前払いサービス2選
GOOD
ここがおすすめ!
- 「デポジット」「立替え」から選べ、最短当日に振り込まれる
- 就業者による専用の銀行口座やカード作成の必要がない
MORE
ここが少し気になる…
- 詳細料金や導入フローは問い合わせる必要がある
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ここがおすすめ!
- 給与の先払い資金は立替えてくれキャッシュフローにも影響がなく、セブン銀行か給与口座で受け取りが可能
- 企業負担がなく、就業者の手数料負担も業界最安水準でスマホから申請可能
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ここが少し気になる…
- 導入まで2週間かかるため、直ぐに使いたい企業には不向き
給与前払いサービスの導入の仕方と注意点
給与前払いサービスの導入の仕方について、注意すべき点から解説します。次の3つのポイントを抑えて、給与前払いサービスを適切に導入・運用しましょう。
1. サービス会社が賃金業の登録をしているか確認
立替支払いタイプのサービスを導入する場合、必ず貸金業の登録をしている提供会社を選びましょう。立替支払いタイプでは、提供会社が従業員に一時的にお金を借す状態となるため、貸付行為とみなされる恐れがあります。
貸付行為を行うには、貸金業への登録が必要です。よって、貸金業登録をしていない提供会社の支払いサービスを利用すると、違法と見なされる恐れがあります。
また、立替支払いタイプは利息制限法に抵触する可能性がある点にも注意しましょう。立替支払いタイプでは従業員にシステムの利用手数料が発生しますが、この手数料を利息とする見方があるためです。
法的リスクを下げるには、自社支払いタイプがおすすめです。こちらは自社が給与の支払いを行うため、貸付行為には当たりません。ただし、サービス提供会社に預託金を預ける場合、その仕組みによっては貸付行為と見なされる恐れがあります。
いずれの場合でも、貸金業者登録をしているサービス提供会社を選ぶことで、無用な法的トラブルを回避しやすくなります。
2. コストとサービスが見合っているか確認
給与前払いサービスの導入の際は費用対効果を確認しましょう。サービスの導入費用・運用費用と、利用できるサービスの種類・質が見合っているか検討してください。
なお、サポート体制が充実しているサービスでは、運用費用と別にサポート料が発生する場合があります。導入・運用にかかるコストをトータルで見ることが大切です。
3. 従業員への周知・教育を行う
新しく給与前払いサービスを導入する際は、従業員がスムーズにシステムを利用できるような環境を整えましょう。たとえば、次のような周知・教育が有効です。
- サービス利用方法・申請方法の周知
- システムの使い方の教育・周知
- サポート担当者・窓口の設置
- 手数料の有無・金額の周知
周知が十分でない場合、前払いができることを一部の従業員しか知らないといった状況になり、福利厚生として機能しなくなってしまいます。
4. 賃金規程・労使協定の改正が必要
給与前払いサービスでは、従来の給与支払いとは異なるサイクルになるため、支払いタイミングの変更が必要になります。また、従来の給与支払い方法とも異なることから、支払い方法の追加も必要です。
さらに、給与前払いサービスを利用する際は、前払いに伴って手数料や利息が発生する場合があるため、手数料や利息に関する規定も必要不可欠です。
これらの理由から、給与前払いサービスの導入には賃金規程・労使協定の改正が必要であり、注意が必要です。
まとめ
給与前払いサービスは、従業員が給料日を待たずに給料を受け取れるサービスです。福利厚生の充実・従業員の満足度向上・経理担当者の業務負担軽減を目的として、近年多くの企業で導入が進んでいます。
給与前払いサービスは、支払いタイプ・従業員の利便性・提携銀行の数や種類の3つを基準に選びましょう。特に支払いタイプは、立替支払いか自社支払いかで自社・従業員の負担割合が大きく変わるため、慎重な検討が必要です。
併せて、コスト・既存システムの連携性・海外送金の可否・サポート体制などにも注目すると、より自社に適したシステムを選定しやすくなります。
なお、給与前払いサービスの導入の際は、費用対効果の確認や従業員への周知・教育も忘れず行いましょう。また、立替支払いタイプは貸付行為と見なされる恐れがあるため、貸金業登録をした提供会社を選ぶ必要があります。
給与前払いサービスは、応募者数の増加や従業員の定着率向上に役立ちます。優秀な人材の確保に悩む企業は、給与前払いサービスの導入を検討してみましょう。