日報アプリとは|機能とメリット・デメリット、選び方について解説
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- 日報アプリとは、スマホなどを用いてクラウド上で業務報告を行えるツールである
- 日報アプリの導入で、日報の作成・確認の効率化やペーパーレス化の促進に繋がる
- 日報アプリを選ぶ際は、導入目的の明確化や機能・操作性などの確認が重要である
日報アプリとは、日常的に行う業務報告をクラウド上で行えるアプリです。日報アプリを導入することで、日報の作成や確認の効率化や、コミュニケーションの活性化に繋がります。本記事では、日報アプリの必要性・種類、メリット・デメリット、選び方のポイントについて解説します。
日報アプリとは
日報アプリとは、スマホなどを用いてクラウド上で日報の作成や確認を行えるツールです。日報アプリには、主に次のような機能が搭載されています。
- 日報作成・提出
- 日報の閲覧
- 日報の共有
- 日報の管理
日報アプリによっては、リアクション機能・チャット機能・スケジュール管理機能を備えたものもあります。導入により日報作成業務を効率化できるほか、従業員同士のコミュニケーションの活性化にもつながります。
日報アプリの必要性について
日報は、チャットツールやExcelのスプレッドシートを活用して運用することも多いです。しかし、このやり方は以下のような課題を抱えています。
- 過去の日報の検索が難しい
- 日報が新しいメッセージなどに流されてしまい、見つけづらい
- 作成者によって日報の内容にバラつきがある
- 従業員後に日報管理を行う必要があり、情報の集約が難しい
- スプレッドシートの容量が大きくなると動作が重くなる
上記のような課題の解決に役立つのが日報アプリです。日報アプリでは、メンバー全員の日報を一元的に管理できます。すべての日報を1つのシステムに集約できるため、時系列での整理や従業員ごとの比較を容易に行えます。
また、日報アプリには過去の日報の検索機能を備えたものも多く、必要な日報を即座に引き当てられます。過去の取引内容などを参照したい場合にも便利でしょう。
従来の日報管理に課題を抱えている企業は、日報アプリを導入するのも良い方法です。
日報アプリの種類
日報アプリにはさまざまな製品があり、それぞれ特徴・得意分野・不得意分野が異なります。自社に最適な日報アプリを導入するためにも、日報アプリの種類別の特徴を理解しておきましょう。
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業務管理が得意なタイプ
業務管理が得意なタイプには、次のような機能が搭載されています。
- プロジェクトの進捗管理機能
- 業務の達成状況の確認機能
- チームの稼働状況の管理機能
- スケジュール管理機能
- 集計管理機能
業務管理が得意なタイプの導入により、組織全体の動きや業務フローを可視化しやすくなります。業務上の課題や問題点を迅速に発見できるため、業務効率や生産性の向上につなげられます。主に営業部門・マーケティング部門での利用がおすすめです。
顧客管理が得意なタイプ
顧客管理が得意なタイプの日報アプリでは、次のような機能が利用できます。
- 顧客情報管理機能(基本状況・コンタクト状況・商談の進捗状況)
- 他システム(営業管理システム・マーケティング管理システム)との連携機能
顧客管理が得意なタイプの中には、SFA/CRMと連携可能なものも多いです。日報アプリに入力した情報がそのままSFA/CMRに反映されるため、営業活動の効率化が見込めます。このタイプは、主に営業部門やマーケティング部門での利用に適しています。
日報作成・報告に特化したタイプ
日報作成・報告に特化したタイプには、主に次のような機能があります。
- 日報作成機能
- 日報提出機能
- 写真のアップロード機能
- 日報閲覧・管理機能
機能面は、日報の作成・提出・閲覧のみとシンプルな設計であることが多いです。基本的な機能のみのため操作が簡単で、忙しい作業現場などでも扱いやすい点が特徴です。
写真を簡単にアップロードできるものも多く、作業現場・点検現場の様子や進捗状況を社内メンバーとリアルタイムで共有できます。社外業務を主とする部門での活用に向いています。
コミュニケーションが取りやすいタイプ
コミュニケーションが取りやすいタイプには、次のような機能が搭載されています。
- メール機能
- チャット機能
- リアクション機能
- ビデオ通話機能
チャット機能を使えば、電話やメールよりも気軽にメッセージをやりとりできるため、メンバー同士のコミュニケーションを活性化できるでしょう。他部門との連携を強めたいときにもおすすめです。
チャット機能は業務の進捗状況・スケジュール・画像なども即座にメンバー全員で共有できるため、情報の一元管理にも役立ちます。このタイプは、全部門で導入しやすいタイプです。
日報アプリのメリット
日報アプリにはさまざまなメリットが見込めます。日報アプリのメリットを正しく理解し、自社での有効活用につなげていきましょう。ここからは、日報アプリのメリットについて解説します。
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日報アプリのメリット
日報確認の効率化
日報アプリを使うことで、管理者が日報確認を効率化できます。従来の手書きやExcelでの日報の場合、管理者は従業員からバラバラに提出されるものを確認する必要があり、確認漏れなどのミスが起こりやすいデメリットがあります。
また、日報のフォーマットがない場合は、従業員によって内容・質に差があるため、日報の比較や情報の集約がしにくい点も課題です。
一方、日報アプリを導入すれば、従業員から提出された日報を一元的に管理できます。日報はクラウド上で管理されるため、スマホなどのモバイル端末があれば出先でも閲覧・確認できます。そのため、リモートワークの推進にも繋がります。
また、日報アプリでは所定のフォーマットに項目を入力して、日報を作成できます。従業員ごとの日報のばらつきを抑えられるため、内容の比較や情報の集約も容易に行えます。
日報作成の容易化
日報アプリにより、日報作成を効率的に行えます。従来の日報は、業務内容について一から文書でまとめることが一般的でした。これに対して多くの日報アプリには、項目別にチェックボックスやプルダウンが設けられているため、従来よりも簡単に日報を作成できます。
日報アプリは、モバイル端末があれば時間・場所を問わずに日報作成ができる点もメリットです。たとえば取引先間の移動時間を利用すれば、帰社することなく日報を作成・提出できるため、業務の効率化や残業の削減につながります。
情報共有の迅速化
日報アプリでは、システムにログインできるメンバーであれば誰でも、入力された日報を自由に閲覧できます。従来はExcelやWordで日報を作成・提出することも多く、他メンバーの日報を見るには、わざわざファイルの共有や立ち上げが必要でした。
一方、日報アプリでは提出された日報が1カ所に集約されます。アプリを開くだけで簡単に他メンバーの日報を確認できるため、メンバー同士の日報の共有が容易に行えます。
日付やメンバーの氏名で日報を検索できるアプリもあり、過去の日報もすぐに確認できます。情報共有のスピードが上がれば、組織全体で業務を効率化・迅速化できるでしょう。
コミュニケーションの活性化
日報アプリにはチャット機能やリアクション機能を備えたものも多いです。メールやメッセージよりも気軽にやりとりできるため、メンバー同士のコミュニケーションを活性化できます。
また、リアクション機能があれば、提出された日報に「いいね」などのアクションを送れます。メッセージよりもさらにカジュアルにアクションを返せるため、あまり交流のなかったメンバー同士がコミュニケーションをするきっかけにできるでしょう。
コミュニケーションの活性化はメンバー同士の団結力を強めます。協力してスムーズに業務を進めるためにも、メンバー同士の良好な関係の構築は重要です。
また、チャット機能を使えば必要な情報をすぐメンバー全員に発信でき、チーム全体での業務の進捗管理・スケジュール管理が可能になります。チームが連携しながら業務に当たれるため、生産性の向上が見込めるでしょう。
ペーパーレス化の促進
日報アプリはクラウド上で日報を管理するシステムです。従来のように紙を用いないため、社内のペーパーレス化を促進できます。日報に費やしていた紙代・インク代を節約できるほか、過去の日報の保管スペースも不要になります。
また、ペーパーレス化は環境への配慮にも繋がります。ひいては、企業のイメージアップに寄与する取り組みにもなります。
日報アプリのデメリット
日報アプリにはさまざまなメリットがある一方、デメリットも存在します。適切に日報アプリを運用するためにも、日報アプリのデメリットをあらかじめ理解しておきましょう。
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日報アプリのデメリット
ビジネスマナーから外れる可能性がある
日報アプリの多くはチャット機能やSNS機能を備えており、メールに比べると気軽にメッセージをやりとりできます。そのため、内容がフランクになりやすく、ビジネスマナーから外れたやりとりをする恐れもあり、公私混同が起こりやすいデメリットがあります。
日報アプリの中には、メッセージアプリやSNSと使用感・操作性が似ているものも多いですが、あくまでビジネスツールの1つです。公私混同を防ぐため、メッセージのやりとりについてのルールを定めるなどの対策が必要です。
セキュリティのリスクをゼロにはできない
日報アプリはクラウド上で日報を管理するため、セキュリティリスクがある点に注意しましょう。日報アプリの多くはセキュリティ対策が整っていますが、悪意を持って操作すれば日報の漏洩や改ざんは可能です。些細な誤操作から日報が外部に流出する場合もあります。
日報には、顧客情報や進捗状況といった機密性の高い情報が含まれます。セキュリティリスクをできる限りゼロに近づけられるような対策を講じましょう。
従業員に周知する必要がある
日報アプリは日常的に利用するものであるため、事前にアプリ導入の目的や操作方法について周知する必要があります。モバイル端末の操作に慣れていない従業員にとっては、紙による日報からの移行に抵抗感を示したり、提出に時間がかかったりするケースがあります。
そのため、操作方法のマニュアルを作成してレクチャーするなど、丁寧かつわかりやすい説明で周知しましょう。
日報アプリの選び方
日報アプリを効果的に運用するには、導入前の準備が必要です。日報アプリを選ぶ際は、次のようなポイントに着目してみましょう。
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導入の目的を明確化する
まずは、日報アプリの導入目的を明確にしましょう。日報アプリは、製品によって得意分野と不得意分野が異なります。自社に最適なアプリを選定するためには、まず、自社がどのような機能を必要としているのかを明確にする必要があります。
導入目的の設定は、自社の課題を洗い出すことでおのずと見えてきます。たとえば日報の提出状況が悪い場合、導入目的は日報提出率の向上となります。
日報の提出率を上げるには、日報の作成・提出に特化した日報アプリが必要です。あるいは、コミュニケーション機能が強化されたアプリも、気軽に日報の催促ができるため有効です。
このように自社に適したアプリを把握するためにも、まずは課題の洗い出し・導入目的の設定を行いましょう。
自社の目的に沿った機能か
導入目的が明確になったら、その目的を達成できる機能を備えたアプリかどうか検討しましょう。たとえば日報の提出率を上げたい場合、業務管理機能や顧客管理機能が強化されたアプリはあまり意味がありません。
課題や導入目的をもとに、自社にとって本当に必要な機能を備えたアプリを選定しましょう。
費用は妥当か
日報アプリを選ぶ際は、費用対効果の確認も必要です。日報アプリの多くは、導入と運用にコストがかかります。費用対効果を高めるには、費用に見合った機能を備えているかを考える必要があります。
たとえば日報作成だけでなく、営業活動の効率化を図りたい場合は、営業管理機能や顧客管理機能を備えた日報アプリが良いでしょう。
一般的に多機能なアプリはコストが高いですが、費用に見合った効果を得られるならば、導入する意義は大きいでしょう。日報アプリの効果が現れるまでにはある程度の時間がかかるため、費用対効果を考える際は中長期的な視野が必要です。
無料の日報アプリも確認
日報アプリの中には、無料で利用できるものもあります。無料アプリは有料アプリに比べて高性能な機能は少ないですが、必要最低限の機能だけあれば良いという場合はこちらを利用するのもおすすめです。
また、将来有料アプリの導入を予定しているものの、まずは試してみたいという場合、無料アプリを活用する方法もあります。
セキュリティは十分か
日報アプリを選ぶ際は、十分なセキュリティ対策を備えているかを事前に必ず確認しましょう。セキュリティが脆弱な日報アプリには、日報や重要データが漏洩するリスクがあります。
日報アプリのほとんどはマルチデバイス対応で、出先や自宅のデバイスから利用する機会が多いです。リモートワークには適していますが、個人所有のデバイスは社内デバイスに比べてセキュリティが弱いため、アプリ自体に強力なセキュリティシステムが必要です。
具体的には、アクセスを制限できるアプリ・厳重なユーザー認証があるアプリを選びましょう。サイバー攻撃に備えたい場合は、自動バックアップ機能を備えたアプリが有効です。
操作しやすいか
日報アプリは操作しやすいものを選びましょう。特に作業現場や外出先からの日報作成・提出を強化したい場合は、直感的な操作で日報を作成できるものが望ましいです。
プルダウンを選ぶだけ・項目に数値を入力するだけで日報が完成するアプリなら、忙しい作業の合間にも日報の作成を進められます。画像や写真のアップロードがしやすいアプリもおすすめです。
他システムとの連携性はあるか
導入目的にもよりますが、他システムやソフトと連携しやすい日報アプリを選ぶと、利便性の向上に繋がります。たとえば、営業活動までカバーしたい場合は、SFAやCRMと日報アプリを連携することで、業務の効率化・迅速化が見込めます。
日報アプリと他システムを連携させたい際は、自社の既存システムと相性が良いかを事前に確かめましょう。
マルチデバイスに対応しているか
日報アプリは、スマホ・タブレット・パソコンなどさまざまなデバイスで利用できるものがおすすめです。特に外回りや現場作業が多い部門は、社外からでも簡単に日報を作成・提出できるよう、マルチデバイスのアプリの導入が望ましいです。
日報作成のためだけの帰社が不要になるため、業務効率の向上や残業の削減につながります。
まとめ
日報アプリは、クラウド上で日報業務を行えるシステムです。業務管理や顧客管理に特化したもの・日報作成や提出に特化したもの・コミュニケーションに特化したものなど、さまざまな種類があるため、導入目的に合わせて使い分けましょう。
日報アプリの導入により、日報確認・日報作成の効率化や、迅速な情報共有・メンバー同士のコミュニケーションを促進できます。一方で、ビジネスマナーからの逸脱やセキュリティリスクといったデメリットもあるため、あらかじめ対策を講じておく必要があります。
日報アプリを選ぶ際は、自社の課題や導入目的を明確にすることや、費用対効果、操作性などを確認することが重要です。紙やExcelで日報管理を行っている企業は、本記事を参考に日報アプリを導入し、日報業務の効率化・迅速化を狙いましょう。
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