会議室予約システムとは?メリット・デメリット、選び方を解説
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- 会議室予約システムとは、会議室の予約・入退室などの管理を自動化するシステム
- 空き状況の把握や予約が簡単になり、タイムマネジメントも行える
- 導入する際は、スケジュール管理や受付システムと連携できるものがおすすめ
会議室予約システムとは、会議室の予約・入退室など会議室運営に関する管理業務を自動化するシステムです。空き状況がすぐに分かり、予約も簡単に行えます。この記事では、会議室予約システムのメリット・デメリット、選び方を解説します。
会議室予約システムとは
会議室予約システムとは、オフィス内の会議室をオンラインで予約できるシステムです。システムの多くは会議室への入退室の管理もでき、会議室に関わるさまざまな業務の効率化に期待ができます。
会議室予約に関する現状の課題
従来の会議室の予約管理には、紙媒体・Excelなどのスプレッドシート・グループウェアなどが利用されます。これらの予約管理方法には、次のような課題があります。
- 空室の会議室が一目で把握しづらい
- 予約状況の共有がしづらく、ダブルブッキングのリスクがある
- 会議の開始・終了が分からず、次の予約者が予約時間に利用できないことがある
- 空室の照会と予約を別で行う必要があり、手間がかかる
- 予約されているものの、実際に利用されたかわからない(空予約)
こういった課題の解決に役立つのが会議予約システムです。空室の会議室を一目で把握できるうえにワンクリックで予約が完了するため、急いで会議室を確保したい場合にも便利です。入退室管理も行えるため、空予約や会議の時間外延長にも即座に対応できます。
会議室予約システムの種類
予約システムは機能が豊富ですが、搭載されている機能ごとに大きく3種類に分けられます。それぞれどんな利用に向いているかが異なるため、自社の会議室の使われ方に適したものを見つけましょう。
会議室前に設置するタイプ
会議室予約システムをインストールしたタブレットやスマートフォンを会議室前に設置し、利用状況の表示をしてくれるタイプです。利用状況の表示だけでなく、予約の手続きや入退室の操作もできます。
使用中の会議室に誤って入室するうっかりミスを防げるため、外からでは使用中なのか判断できない会議室がある企業におすすめです。
フリーアドレス対応タイプ
会議室だけでなく、座席の予約もできるフリーアドレス対応タイプがあります。会議室も座席も同じシステムで管理できるため、実際に使用する社員にとっての煩わしさは少ないです。
フリーアドレスに多い誰がどこにいるのかわからない問題も解消できるため、フリーアドレスを採用している企業におすすめです。
貸し会議室運営者向けタイプ
貸し会議室やレンタルスペースを運営している方には、決済処理ができるタイプがおすすめです。自社の予約サイトと連携することで予約と決済がひとつのシステムで完結できるため、業務効率化につながります。
ただし、決済処理ができるものは高いセキュリティも求められるため、導入前に万が一のトラブル対応を含めたセキュリティ面の確認が必須です。
会議室予約システムのメリット
会議室予約システムの導入により、さまざまなメリットが見込めます。導入の是非を検討するためにも、会議室予約システムのメリットを把握しましょう。
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会議室予約システムのメリット
空き状況・利用状況が簡単にわかる
会議室予約システム最大のメリットは、会議室の空き状況・利用状況を一目で確認できる点です。従来の紙やスプレッドシートを使った予約管理では、すべての会議室の予約状況を見比べながら、空室を探す必要がありました。
また、予約が入っている会議室が本当に利用されているかどうか確認するには、予約時間が来るたびに、実際に会議室に足を運ばなくてはなりませんでした。
そこで、会議室予約システムを使えば、予約が入っている会議室は予約候補から自動的に外されるため、どの会議室が空いているのかが簡単に分かります。
また、会議室予約システムには入退室管理機能が備わっているため、会議室が予約時間通りに利用されているかどうか、システムから確認できます。従来のように会議室まで様子を見に行かずに済むため、管理業務の効率化ができます。
その場で予約・手続きが可能になる
会議室予約システムによっては、専用デバイス(スマートフォン・タブレット)を会議室の前に設置できるものもあります。システム操作のために自席のPCまで戻る必要はなく、その場で空室状況の照会や予約ができるため、時短・効率化につながります。
入退室時のチェックも会議室前の端末から行えるため、打ち合わせ後、直行で取引先や他部署に向かいたい場合にも便利でしょう。
ダブルブッキングや空予約を防げる
会議室予約システムでは、予約状況や利用状況が一目で分かります。基本的に予約が入っている会議室は予約候補に上がらないため、会議室のダブルブッキングは起こりません。
また、予約開始時刻が経過しても誰も入室していない(会議室が利用されていない)場合、予約は自動でキャンセルされます。利用はしたものの、予定時間より早めに会議が終わった場合も同様です。
使われていない会議室は自動的にすぐ解放されるため、臨時会議の頻度が高い企業では非常に重宝するでしょう。
タイムマネジメントができる
会議室予約システムの導入により、タイムマネジメントが可能になります。従来の手動の予約管理の場合、会議室の利用時間は利用者自身で行う必要がありました。たとえばすぐに次の予約が入っている場合は、予定通りに会議室を空ける必要があります。
よって利用者は、会議中もこまめに時計を確認しなければなりません。しかし会議が白熱している場合は時計の確認がおろそかになりやすく、結果、会議が無断延長することもあります。この場合、次に予約を入れている利用者は会議室を利用できません。
一方、予約管理システムの中には、終了時間が近づくとアラートが鳴ったり、カウントダウンが始まったりするものがあります。会議の無断延長を防止できるため、次の利用者に迷惑をかけずに済むでしょう。
また、時間内に必ず会議を終わらせるという意識が生まれる点もメリットです。会議中の無駄が減り、会議の質の向上につながります。
稼働状況を把握できる
会議室予約システムでは、会議室の稼働データの集計や履歴の確認が可能です。たとえば会議室の利用が集中しやすい時間帯を把握できるため、長時間の会議を予定している場合は、その時間帯を避けて予約が入れられます。
また、稼働状況の把握は会議室のマネジメントにも役立ちます。オフィス内の会議室がフル稼働している場合は会議室を増やすといった対策を取れます。
反対に利用率が低い場合は、会議室を他用途のスペースにする・レンタルスペースとして貸し出すなどの対策を講じられるでしょう。会議室を有効活用したい企業は、会議室予約システムの導入がおすすめです。
会議室予約システムのデメリット
会議室予約システムにはさまざまなメリットがある一方、次のようなデメリットもあります。
- 導入費用・ランニングコストがかかる
- 別にスケジュール管理システムを導入している場合は連携が必要
- 操作に慣れるまでに時間がかかる
- 操作が簡単なだけにキャンセル率が高まる恐れがある
特に注意したいのが専用デバイスの設置料や月々のシステム利用料といった導入費用・ランニングコストです。ただし、多少コストがかかっても、それ以上に得られるメリットが大きい場合、導入に踏み切るのも1つの方法です。費用対効果を確認して判断しましょう。
会議室予約システムの選び方
会議室予約システムは自社にとって使いやすいものを選定しましょう。使いやすさの基準は企業によって異なりますが、一般的には、次の5つのポイントを抑えたものがおすすめです。
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会議室予約システムの選び方
管理したい会議室の数に対応しているか
管理できる会議室の数は、システムによって異なります。たとえば5室以下対応のシステムもあれば、10室以上管理できるものもあるため、自社の規模や利用している会議室の数にあわせて使い分けましょう。
必要な機能を備えているか
会議室予約システムを選ぶ際は、当然ながら自社が必要とする機能を備えたシステムを選ぶ必要があります。会議室予約システムの主な機能は次のようなものです。
ただし、実装機能はシステムによって大きく異なります。たとえば座席管理機能やゲート連携などはシステムの標準装備ではありません。
また、システムによってはパソコンだけでなく、スマホやタブレットなどにも対応できるものもあります。会議室予約システムの導入前には、自社が必要とする機能の有無を必ず確認しておきましょう。
機能 | 詳細 |
---|---|
会議室予約 | 会議室をオンラインで予約できる |
座席予約 | 会議室の座席をオンラインで予約できる |
受付 | 予約当日の受付をオンラインで行える |
入退室管理 | 予約当日の入退室をオンラインで管理 |
会議室管理 | 会議室の予約状況を一括管理できる |
キャンセル対応 | 会議室の予約をオンラインでキャンセルできる |
自動キャンセル | 会議室が利用されていない場合に予約が自動でキャンセルされる |
メール送信 | 会議室の予約状況の確認メールが自動で送信される |
アラーム | 会議室の利用の終了予定時刻が近づくと自動でリマインドする |
分析・レポート | 会議室の予約状況・稼働状況を分析・レポート |
居場所検索 | メンバー(同僚)の位置検索ができる |
ゲート連携 | 入館ゲートや受付との連携が可能 |
ファシリテーション | 端末から会議のファシリテーションが可能 |
他のシステムと連携できるか
会議室予約システムを選ぶ際は、他システムとの連携性も重視しましょう。特に来客との会議が多い企業は、受付システムと連携できるものがおすすめです。来客の入館・受付の時点で担当者にリマインドが来るため、先方を待たせることなく会議室へ案内できます。
あるいは、スケジュール管理機能と連携できるシステムも良いでしょう。office365のような社内で広く使用されているものと連携できれば、個別にスケジュール管理をせずに済むため、業務を効率化できます。
なお、会議室予約システムを新たに導入する際は、社内の既存システムと相性が良いものを選ぶ必要があります。
コストをチェック
会議室予約システムを導入する際は、費用対効果も考えましょう。コストに見合った機能・効果のあるシステムを選ぶことが大切です。なお、会議室予約システムの料金体系には、大きく分けて月額従量制と月額固定制の2種類があります。
月額従量制はユーザー数で料金が変動するため、小規模~中規模の企業におすすめです。従業員数が多い企業は、ユーザー数での料金変動が少ない月額固定制のほうがコストパフォーマンスが良いでしょう。
なお、会議室予約システムの中には無料で利用できるものもあります。有料システムに比べると機能面がシンプルですが、ニーズを満たすものであれば検討の価値はあります。
操作性・セキュリティ・サポートもチェック
会議室予約システムの選定では、操作性・セキュリティ・サポート体制もチェックしてください。操作性については、誰もが直感的に操作できるものがおすすめです。
会議では機密性の高いデータ・議題を取り扱うことも多いため、会議室予約システムはセキュリティ性の高いものを選ぶ必要があります。たとえば、データ通信の暗号化・アクセス制御・セキュリティの監査機能があるものを検討してみましょう。
システムの導入支援や導入後の利用方法のサポートを受けたい場合は、カスタマーサポートが充実したものを選びましょう。サポート方法・サポート範囲・サポート対応日時も忘れず確認してください。
会議室予約システムは自作も可能
会議室予約システムは自作も可能です。導入コスト・ランニングをできる限り抑えたい場合は、検討してみましょう。
会議室予約システムの自作には、たとえば次のようなツール・ソフトを活用します。
- Excelの表作成ソフト
- クラウドサービスのカレンダー機能(Googleカレンダーなど)
自作の会議室予約システムで会議室を予約するには、作成した表またはスケジュールソフトに「会議室の利用日」「開始・終了時刻」「使用部署」などを記載します。利用方法も簡単なため、比較的簡単に運用できるでしょう。
ただし、自作の会議室予約システムの機能面は非常に簡易的であり、専用システムのような予約照会機能・入退室の管理などは行えません。利便性の高い会議室予約システムを求める場合は、コストはかかりますが、有料システムの利用がおすすめです。
まとめ
会議室予約システムでは会議室の予約をオンラインで行えます。パソコンやスマホから空き会議室を照会できるほか、その場で予約・キャンセルを入れられるため、予約業務の効率化を図れます。
さらに入退室管理・稼働状況の確認などもデバイスから可能で、会議室のマネジメントを考えている企業にもおすすめです。なお、導入費用やランニングコストがかかるため、導入の際は費用対効果を検討しましょう。
会議室予約システムを選ぶ際は、管理できる会議室数・搭載機能・他システムとの連携性・コスト・操作性・セキュリティ・サポート体制などをチェックしましょう。
なお、会議室予約システムはExcelの表作成ソフトなどを使えば自作も可能です。ただし自作のシステムは機能面が簡易であるため、より利便性の高い会議室予約システムを導入したい企業は、有料システムの導入を検討しましょう。
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