目標管理ツールとは?メリット・デメリット、機能や選び方も解説
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- 目標管理ツールとは、社内で設定している目標や進捗状況を管理・評価できるツール
- 目標管理ツールを利用することで、社員のモチベーション向上や業務効率化につながる
- 目標管理ツールを選ぶ際は、導入目的や必要な機能、カスタマイズ性などを確認する
目標管理ツールとは、社内で設定している目標や進捗状況を管理・評価できるツールです。社員のモチベーション向上や業務全体の効率化につながるとされ、多くの企業で導入されています。本記事では、目標管理ツールのメリット・デメリットや機能、選び方を解説します。
目標管理ツールとは
目標管理システム・目標管理ツールとは、社内で設定している目標の進捗状況を管理・評価できるツールを指します。目標管理にはさまざまなフレームワークがあり、その手法を社内で共有してオンライン上で効率的に管理することが可能です。
目標管理ツールを導入することにより、社内全体でのモチベーション維持に役立ち、目標に対する進捗状況を客観的に把握できるといったメリットがあります。ただし、目標管理ツールは、導入の目的と合わせて搭載されている機能面などの確認が必要です。
また、サービスによって料金体系が異なるため、目標管理ツールの特徴やメリット、選び方を十分に比較検討し、自社の目的・目標に合ったものを選ぶことが大切です。
そもそも目標管理とは
目標管理とは、社員が自ら組織を動かしていくマネジメント方法です。社員に自ら業務に対する目標を設定・申告させ、申告した業務目標は社員が自主的に進捗や結果を管理していく手法を指します。
業務を行う社員自身が目標設定に関わり、進捗や成果の管理をするため、社員の主体性を生み出して社内全体のモチベーション向上につながります。また、目標管理は以下の2つの手法に分けられます。
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MBO(Management by Objectives)
MBOとは「Management by Objectives」の略で、日本語で「目標設定」を意味します。MBOは社員自ら目標設定を行い、達成率・進捗度に応じて人事評価や仕事を管理するマネジメント手法です。
MBOは経営学者であるピーター・ドラッガーが提言したもので、著書「現代の経営」の中で「目標管理の最大の利点は、支配によるマネジメントを自己管理によるマネジメントに置き換えることにある」と述べています。
つまり、経営側から一方的な目標を押しつけられるよりも、自分で目標を持つ方が強い動機をもたらし、モチベーションアップの効果が期待できるというのが、MBOの手法です。
OKR(Objective Key Results)
OKRとは「Objectives and Key Results」の略称で、日本語で「目標と主要な結果」を意味します。 OKRは目標設定・管理方法を指し、社員全員が同じ方向を向き、明確な優先順位を把握した上で、一定のペースを保ちながら計画を進行することを目的としています。
目標・評価の頻度を高くし、改善を繰り返しながら目標を管理していく手法であり、OKRの目標設定はシンプルで覚えやすいものを設定するのが特徴です。
また、具体的な数値での目標設定は行わず、チームのモチベーションが向上しやすく挑戦しがいのあるものを目標とする、革新的な手法となります。
目標管理ツールのメリット
目標管理ツールを導入することで、多くのメリットが得られます。主に、従業員のモチベーションを向上させて目標管理の精度が高まり、業務の効率化などに期待できます。ここでは、具体的にどのようなメリットがあるのかを解説します。
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従業員のモチベーションを向上させる
目標管理ツールを導入することにより、Excel(エクセル)などで管理するよりも、社員一人ひとりの目標達成・進捗状況が可視化されて把握しやすくなります。進捗状況を一元化できるため、目標達成に向けて伸び悩む社員がいる場合には適切なフォローを実施できます。
そして、個々に任せるだけでなく、ゴールに向けたサポートを加えることで社員が前向きになり、社内全体でモチベーションアップにつながる環境づくりに取り組むことが可能です。
少ない労働力で人材育成ができる
目標管理において、すべての従業員を完璧にフォローすることは困難ですが、目標管理ツールを導入することにより、社員が個人で目標や改善点を見出しやすくなります。例えば、社員は目標設定を行う際に、ゴールに向けた対策を自身で考えなければなりません。
そのため、業務に対する自主性や自己成長を促すことが期待できます。さらに、企業としても現在の進捗状況を把握することで、それぞれにどのようなフォローをすべきか考慮しやすくなり、個々の長所や短所の分析から社員の個性に合わせたサポートが行えます。
また、フィードバックや分析もしやすくなるため、定期的なコミュニケーションを取りながら、人材育成を少ない労力で効率的に行うことが可能です。
目標管理の精度を上げられる
従来までの目標管理があまり機能していなかった場合、目標管理ツールを導入することで、目標管理の精度を上げられます。具体的には、個々の社員が目標達成に向けてどのような取り組みを行い、どのような結果を残したのかを可視化することができます。
そのため、各社員に対して客観的な評価がしやすくなり、的確な人材評価が可能になります。正当な評価は従業員の安心感・信頼感・モチベーションにつながるため、業務に対する強い意欲が生まれます。
業務全体の効率化が実現する
目標管理ツールを導入することで評価システムを一括管理できるため、フィードバックや人事評価に従来のような手間がかからなくなります。目標設定は個々の社員で行い、それぞれで取り組みを行いますが、状況の可視化によってフィードバックしやすくなります。
そのため、目標達成に伸び悩む社員のサポートも的確に行え、ゴールへ向けたモチベーションの維持に貢献します。また、人事評価における集計作業を自動化できるため、業務全体の効率化にもつながります。
全体の生産性向上につながる
目標管理ツールの活用によって業務が効率化されることで、企業全体の生産性向上に寄与します。特に、企業の目指す目標を把握して行動する社員が増え、社員同士のコミュニケーションが強化されることにより、課題・問題点も迅速に把握することができます。
そして、素早い対処を行うことで社員一人ひとりの生産性が向上し、企業の収益向上にも貢献します。企業の大切な資産でもある社員の目標管理を徹底することで、企業の継続性にも大きく影響するでしょう。
目標管理ツールのデメリット
目標管理ツールの導入により、目標設定の成果に対してシビアになると、社員へのプレッシャーが発生してモチベーションが下がってしまうリスクがあります。つまり、目標管理ツールで社員の取り組みは可視化されますが、過剰な管理は逆効果となります。
また、過度な評価は常に監視されていると感じ取られ、目標設定が形骸化してしまい、単なるノルマ管理になることで本来の目的が果たせない可能性が高まります。よって、社員の自主性に任せる部分も考慮することが大切です。
目標管理ツールの選び方
目標管理ツールの選び方は複数存在します。選び方の基準としては、自社の目的に適した機能があるか、カスタマイズができるか、既存ツールとの相性などの確認が必要です。
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自社の目的に合っているか
目標管理ツールを選ぶ際は、自社の目的に合っているかの確認が必要です。目的が社員の意欲を高めたいのか、新しい人事評価制度を取り入れたいのか、それぞれの目的によって選ぶべきツールが変わります。
社員の意欲を高めるのが目的であれば、社員同士のコミュニケーションを強化できるものや、社員情報が一元化されたものが適しています。また、革新的な人事評価制度を取り入れたいなら、提出物管理や進捗管理が可能なものが良いでしょう。
必要な機能を備えているか
目標管理ツールには、以下のような多くの機能が備わっています。自社の目的に合った機能を選定し、ツールを選ぶことが重要です。
機能 | 詳細 |
---|---|
目標管理・設定 | OKRやMBOを導入し、目標管理と設定を行う |
進捗管理 | 目標に対する進捗状況を管理 |
人事情報管理 | 人事に必要な情報を管理 |
人材データ分析 | 人材の経歴・適性・評価などを管理して分析 |
労務管理 | 入退社手続き・承認フローの運用 |
人事評価 | 評価項目の設定や評価結果の管理 |
アンケート | 従業員へのアンケート調査 |
1on1 | 1on1に必要なテンプレートや記録 |
スキル管理 | スキルを管理して個人の能力を見える化 |
サンクスメッセージ・ポイント | 社員間でのメッセージや独自のポイントを付与 |
組織診断 | 社員のスキル情報から、組織の特徴・課題点を診断 |
適性検査 | 社員の適性を見える化・離職者データを蓄積 |
研修管理 | eラーニングを含めた研修の受講記録を管理 |
カスタマイズ・連携できるか
目標管理ツールを選ぶ際は、自社の目的や評価システムに合わせて柔軟にカスタマイズができるツールであるかを確認しましょう。目標管理は、企業ごとに評価・管理方法・働き方などが多様化しています。
そのため、業種や評価体制に合わせてカスタマイズできるものが理想的です。また、すでに導入している人事システム・業務ツール・チャットツールなどと連携が可能であるかも確認が必要です。
もし連携ができない場合、データを出力して新しいツールへインポートするといった工程が発生するため、業務負担を増やすことになります。
スマートフォンに対応しているか
目標管理ツールの中には、スマートフォン・タブレット端末に対応したアプリを提供しているものもあります。このようなツールでは、社外からの利用・テレワークにも対応することができるため、利便性が非常に高いことが特徴です。
したがって、自社の業務内容や働き方改革への取り組みと合わせて、スマートフォンなどにも対応しているかを比較検討することも重要なツール選定のポイントです。
既存のツールと機能が被っていないか
目標管理ツールと似たような機能をすでに利用している場合は、機能が重複していないかもチェックすべき事項です。例えば、目標管理ツールが情報共有型の場合、SNSやグループウェアなどと似たような機能が増えるだけになります。
その他にも、必要以上に機能が豊富なツールは余計なコストがかかってしまうため、現在利用しているツールの機能をピックアップした上で、必要最低限の機能を搭載した目標管理ツールの選定を行いましょう。
無料お試し期間があるか
目標管理ツールを導入する際は、導入費用や運用に関わるコストが発生します。システムの導入を失敗させないためにも、無料お試し期間があるかどうかを確認しましょう。実際に利用してみてから、使い心地や自社の業務に合っているかを判断するのがおすすめです。
また、目標管理ツールを試す際は操作性や画面表示の仕方を確認すると、シンプルかつ誰でも簡単に動作できるかどうかが判断しやすくなります。ツールを社内に浸透させ、軌道に乗せるためにも、使いやすいものであることが重要なポイントです。
まとめ
目標管理ツールは、社内で設定している目標や進捗状況を管理・評価できるツールです。社員のモチベーションアップや業務効率化といったメリットが得られるため、多くの企業で導入されています。
しかし、社員の進捗状況に対して過度な管理や頻繁な評価を行うと、返ってモチベーションが低下してしまうなど、管理や評価の仕方によってはデメリットにつながる場合もあるため、注意が必要です。
本記事を参考に、自社の導入目的や必要な機能を搭載した目標管理ツールを導入して、社内全体のモチベーションを向上させる環境づくりを行いましょう。
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