チャットシステムとは?仕組みやメリット・デメリット、選び方を解説
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- チャットシステムを使うと、Webサイト上でユーザーとリアルタイムにやり取りできる
- チャットシステムは、カスタマーサポート・Web接客・社内問い合わせなどに活用できる
- チャットシステムの種類や機能はさまざまであり、目的に合わせて適切なものを選ぶ
チャットシステムとは、Webサイト上で企業とユーザーがチャット形式でリアルタイムにコミュニケーションがとれるツールのことです。システムの中には、社内での問い合わせに適したものもあります。本記事では、チャットシステムの仕組みやメリットなどを解説します。
チャットシステムとは
チャットシステムとは、自社のWebサイトなどインターネット上においてユーザーとリアルタイムの会話形式でコミュニケーションをとれるシステムです。Web上での接客や営業活動、カスタマーサポートの新しいツールとして導入する企業が増加しています。
Webサイトを閲覧している際に表示される「何かお困りのことはありませんか?」「ご相談・ご質問はこちらから」などのメッセージと入力フォームがチャットシステムです。
本来のチャットの意味は「おしゃべり」で、インターネットにおいては参加者がリアルタイムでテキストメッセージを送受信できるシステムをチャットと呼んでいます。
LINEなどの普及によってチャットは多くの人に親しまれるようになり、ビジネスでの活用も広まっています。
しかし、チャットシステムと言ってもその使用目的や機能はさまざまで、特徴の異なる数多くのチャットシステムが存在します。今回は、チャットシステムの種類やメリット・デメリット、選び方について解説していきます。
チャットシステムの種類
チャットシステムは対応方法や利用目的によって、いくつかの種類に分けることができます。それぞれ解説していきます。
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対応方法による種類の違い
ユーザーからの問い合わせにどのように対応するかによって次の3種類に分けることができます。特に近年利用が進んでいるのは、無人チャット(チャットボット)やハイブリッド型のチャットシステムです。
有人チャット
コールセンターなどと同じように、オペレーターが対応するタイプのチャットです。ユーザーが書き込んだ内容に対してオペレーターが回答します。
人間同士のやりとりのため、電話やメール、対面での対応に劣らない細やかな対応ができます。ただし、人員確保やスタッフの教育などが必要であり、システム費用だけでなく教育コストや人件費がかかります。
無人チャット(チャットボット)
オペレーターを介さない、自動対応のチャットです。「チャットボット」と呼ばれます。問い合わせ内容を想定してあらかじめ回答を準備しておくことで、無人でもユーザーとのやりとりが可能になります。例として、以下のような形式が挙げられます。
・ユーザーが知りたい内容を候補の中から選択
FAQと似た形式です。何について知りたいのか、その候補が示され、ユーザーが流れに従って選択していくと回答を得ることができます。
・ユーザーが書き込んだ内容を分析して回答
ユーザーが書き込んだ内容からキーワードを抽出・分析し、ユーザーが何を知りたがっているのかを推測します。内容に応じて、データベースに蓄積された情報から答えを導き出します。やりとりをAIが学習し、精度を上げていけるものもあります。
チャットボットはオペレーターを必要としないことが大きなメリットですが、分析の精度やあらかじめ用意されている情報が不十分だとユーザーのニーズを満たせないこともあります。
ハイブリッド型
自動での応対が難しい複雑な内容の問い合わせはオペレーターにつなぐなど、有人・無人を切り替えることのできるチャットシステムもあります。夜間のみ自動対応など、時間によって切り替えることもできます。
システム導入によるオペレーターの準備と自動対応のための準備をどちらもしなければなりませんが、有人・無人を上手く組み合わせることで、両方のメリットを活かすことができます。
利用目的による種類の違い
各チャットシステムには利用目的が設定されており、具体的にどのような業務に用いるのかによって種類が分かれます。大まかに分けると以下の3種類になります。
中には、さまざまな業務にマルチに対応する汎用系のチャットシステムもあります。また、同じ利用目的でも製品によって機能が大きく異なる場合がある点に注意が必要です。
カスタマーサポート
カスタマーサポート向けのチャットシステムは、Webサイト上のFAQページや問い合わせフォーム、コールセンターなどと似た役割を果たします。サービスや製品に関する顧客からの問い合わせに対応し、疑問点を解消します。
従来の電話やメールを使った問い合わせ方法に加えて、あるいは置き換える形で導入されています。
Web接客
Web接客ができるチャットシステムでは、ユーザー個人の属性や行動履歴をもとに提案を行い、CVR(コンバージョン率)の向上を図ります。CRMシステム(顧客管理システム)と連携して利用されることが多いです。
顧客の行動に合わせてキャンペーンやクーポンの情報をポップアップで表示できる機能など、通常のチャット機能とは異なるWeb接客ならではのツールを搭載している場合もあります。また、従来の予約フォームや購入フォームなどの代用として利用することもできます。
社内問い合わせ
社内問い合わせ向けのチャットシステムは社内ポータルサイトなどで使われ、総務や人事、システム部門など社内からの問い合わせに対応する部署の業務を手助けをしてくれます。
問い合わせ対応という点ではカスタマーサポート向けのシステムと似ていますが、ユーザー登録や申請処理ができるなど、顧客向けにはない機能が用意されている場合もあります。
チャットシステムの仕組みと機能
チャットシステムはどのような仕組みで成り立っており、どのような機能が搭載されているのでしょうか。基本的な仕組みと機能について解説します。
チャットシステムの仕組み
チャットシステムでは基本的に以下の流れを繰り返して会話を成立させています。時には、先にシステム側から質問を投げかけユーザーに答えてもらうこともあります。
①ユーザーが書き込んだ内容からキーワードを分析
②分析結果をもとに、データベースの情報から回答を導き出す
なお、あらかじめ用意された選択肢の中からユーザーが知りたい内容を選ぶ場合は、項目ごとに次にどのような画面を表示させるのか、シナリオを設定する必要があります。
チャットシステムの機能
チャットシステムの基本機能は以下の4つです。この他にも、システムによって多種多様な機能が用意されています。
- チャット機能
- シナリオ設定機能
- チャット履歴の保存機能
- システム連携機能
チャット機能とシナリオ設定機能は前述の通りです。チャット履歴の保存機能は、AIによる学習やデータの分析・活用などにも役立ちます。また、CRMシステムやSNSなど他のツールと連携させることで、チャットシステムをより効果的に活用することができます。
チャットシステムのメリット・デメリット
チャットシステムの利用には以下のようなメリット・デメリットがあります。1つずつ詳しく見ていきましょう。
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メリット | デメリット |
---|---|
業務を効率化できる | 関連部署の体制構築が必要な場合がある |
業務負担とコストの削減ができる | チャットウィンドウを煩わしく思う人もいる |
顧客満足度を向上させることができる | チャットの設定に手間がかかる |
離脱防止効果とCVRの向上が期待できる | チャットウィンドウが邪魔だと思われることがある |
ユーザーの行動履歴を把握できる | 認識の齟齬や情報過多が生じる可能性がある |
チャットシステムのメリット
チャットシステムを導入することで得られる代表的なメリットを5つ解説します。自社経営に関わるあらゆる面でメリットを得ることができます。
業務を効率化できる
社内外からの問い合わせ対応やWeb接客の業務フローを定型化することで、業務を効率化できます。また、一度に複数のユーザーとやりとりできるため、効率的に業務を行うことも可能です。
さらに、電話での1対1の基本構図やメール作成の煩雑さなど、従来のチャネルのデメリットが払拭され、1件の対応にかける時間も短縮されます。
業務負担とコストの削減ができる
業務効率化により、従業員の負担とその業務にかかるコストを削減できます。自動対応でユーザーの自己解決を促進し、スタッフが直接対応する件数を減らせるため、人手不足解消にもつながります。
有人チャットの場合も、回答のテンプレートなどをあらかじめ用意しておくことで、入力の手間を省くことができます。
顧客満足度を向上させることができる
チャットシステムを利用すれば、以下のようなことが実現可能です。これにより、顧客満足度を向上させることができると考えられます。
- リアルタイムでの素早い回答
- 24時間365日対応
- 1人1人のニーズに合わせた提案
- 多言語対応
チャットシステムには自動応答機能があり、さらにデータベースの情報をもとに回答を行うため、ユーザーに疑問が生じたそのタイミングでリアルタイムに対応することが可能です。電話やメールよりも気軽に相談できるというユーザー側のメリットもあります。
CRMシステムと連携していれば顧客情報や問い合わせ履歴などを確認できるため、一人ひとりに合わせた満足度の高い接客ができます。また、多言語対応のシステムではインバウンドの需要などにも応えられます。
離脱防止効果とCVRの向上が期待できる
いつでも問い合わせができるようにしたり、適切なタイミングでチャットウィンドウを表示させたりすることで、ユーザーがサイトから離脱するのを防ぐことができます。これによりリードナーチャリング(見込み客の育成)ができ、機会損失を防げます。
また、CRMシステムと連携したり会話ログを蓄積・分析したりすることで、対面での接客と同等かそれ以上に精度の高いマーケティングを実現できます。製品やサービスの開発に活用することも可能です。これらがCVRを向上させ、利益拡大につながります。
ユーザーの行動履歴を把握できる
チャットシステムでは、訪問ユーザーの閲覧ページや滞在時間、チャット履歴を把握することができます。これはWeb接客に活用できるだけでなく、データを分析することで企業のマーケティング戦略に役立てることも可能です。
閲覧ページや滞在時間などを把握するには、本来専用のツールを使用しなければならないため、チャットシステムのみでこれらを把握できるのは大きなメリットと言えます。
チャットシステムのデメリット
チャットシステムにはメリットが多くありますが、同時にデメリットも発生する可能性があります。起こり得るデメリットとその対処法についても見ていきましょう。
関連部署の体制構築が必要な場合がある
チャットシステム導入に伴って関連部署の体制を再構築しなければならないこともあります。関わるスタッフの教育や関連する業務フローの見直しなども時間と手間がかかる可能性があります。
また、システムの導入作業や運用開始後のメンテナンスなどに携わる人材と時間の確保も必要です。
綿密な導入計画・運用計画を立て、しっかりと準備してからシステム運用を始めることが大切です。準備が抜かりなくできていれば、新たなシステムへの適応もスムーズにできるでしょう。
チャットの設定に手間がかかる
チャットシステムを利用するには、事前にFAQデータの取り込みやシナリオの設定を行う必要があります。内容量やチャットの工程が少なければ事前準備も比較的簡単ですが、多くの情報を扱ったりチャットの構成が複雑になったりする場合はかなりの手間がかかります。
あらかじめデータの洗い出しを行い、どのようなチャットシステムにしたいのか目指すべき形を明確にしておく必要があります。
チャットウィンドウが邪魔だと思われることがある
Web接客においては、サイトを見ている途中にチャットウィンドウが表示されると閲覧の邪魔になってしまうこともあります。ユーザーに突然現れるウィンドウを煩わしく思われてしまうと、サイトから離脱されたり適切なサポートにつなげられなかったりします。
ウィンドウを表示する場所やタイミングなどを熟慮して、ユーザーにチャットシステムを利用してもらえるよう工夫する必要があります。
認識の齟齬や情報過多が生じる可能性がある
対面でのコミュニケーションに比べ、テキストによるやりとりは認識の齟齬が生じやすい傾向にあります。特に自動対応を行う場合はユーザーが書き込んだ内容を適切に読み取れるかが課題となります。
また、チャットは基本的に入力された順に情報が並ぶため、内容が多くなったり話題が変わったりすると、後から見返すことが難しくなります。
文章読み取りの性能を向上させたり、社内でチャットシステムを使う場合は必要に応じてチャットとは別に内容をまとめたりして、混乱が生じないように対策をしましょう。
チャットシステムの選び方
チャットシステムを選ぶ際は、以下の5つのポイントを意識しましょう。製品によって機能やシステムの仕様、価格などが異なるため、丁寧に比較検討することが大切です。
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チャットシステムを選ぶポイント
目的に合わせて選ぶ
チャットシステムを導入する際は、導入の目的を明確にすることが大切です。「担当者の業務負担を減らしたい」「人手不足や人件費削減に役立てたい」「顧客満足度を向上させて購買行動を促進させたい」など、システム導入で解決したい課題は企業ごとにさまざまです。
目的がはっきりすれば、有人チャットか無人チャットか、チャット以外のツールも必要か、どのようなシナリオや設定にすれば良いかなど、自社が必要とするチャットの種類・機能も明確になります。
使いやすさで選ぶ
システムの使いやすさは、企業の担当者側とユーザー側、双方の視点で考えることが重要です。製品選び、また画面デザインや設定のカスタマイズの際も、使いやすさを多角的に考慮しましょう。
担当者側の視点では、管理画面の操作性や顧客情報の見やすさ、有人・無人の切り替えのしやすさ、オペレーター間での情報共有のしやすさなどを確認する必要があります。中には、ユーザー・オペレーター間で画面を共有できる機能が備わっているシステムもあります。
一方でユーザー視点では、チャットの使い方が直感的にわかるUIデザインになっているかが最も重要なポイントです。特にWeb接客においてはチャットの利便性が成果を大きく左右します。外国人ユーザーが想定される場合は、多言語対応かどうかも大きなポイントです。
他システムとの連携のしやすさで選ぶ
CRMシステムなど企業内の他のシステムやSNSとの連携のしやすさもシステム選びのポイントです。Web接客ではLINEと組み合わせて使うケースも増えていて、チャットシステムからLINEの友だち登録を促すことで顧客獲得の効果を高めることができます。
他のシステムとの連携も含めて導入にかかる工数を計算し、できるだけ負担を少なく環境の構築・システム運用ができるよう準備を行いましょう。
費用対効果で選ぶ
チャットシステムの料金は、多くが初期費用+月額料金となります。製品によって料金にバラつきがあるため、費用対効果を慎重に比較する必要があります。
無料で使えるフリーのチャットシステムや無料お試し期間が設けられているシステムもあるため、まずは一度試してから自社で求められるシステム像を改めて精査するのがおすすめです。
また、AIによる学習機能を搭載しているシステムは使っていくにつれて精度が高まっていくため、効果も徐々に高まる傾向にあります。費用対効果を見極める際は長期的な視点も必要です。
セキュリティやサポートの充実度で選ぶ
チャットシステムでは個人情報などを扱うこともあるため、セキュリティ対策がしっかりしているシステムを選びましょう。バックアップ体制やアクセス制限の機能なども確認しておくのがおすすめです。
また、ベンダーによるサポートは充実していた方が安心です。特に初めてチャットシステムを導入する場合は、システム構築のサポートや運用代行のサービスがあるとスムーズに運用を始めることができます。
チャットシステムの導入を成功させるコツ
チャットシステム導入によるメリットは大きいですが、デメリットも存在するため、場合によっては導入に失敗する可能性があります。導入に成功するコツを把握し、失敗を防ぎましょう。
変化に合わせて再研修を行う
チャットシステムを導入することで、問い合わせの件数や内容に変化が起きます。そのため、これまでのサポート体制を見直し、チャットシステムを含めた新たなサポート体制の構築と再研修が必要です。
例えば、比較的簡単な問い合わせはチャットで対応できるため、電話での問い合わせは複雑な内容や個人ごとに回答が異なる質問が増えると想定されます。場合によっては、クレームの比率が増える可能性もあり、クレーム対応研修を受けさせるといった教育が必要です。
カスタマーサポート以外でも、チャットシステムの有無で適切なサポート体制は異なるため、チャットシステム導入によって起こる問い合わせの変化に対応できるよう、導入後に必要となるスキルや知識を改めて教育しましょう。
対面でのコミュニケーションを充実させる
社内問い合わせ向けのチャットシステムを導入する場合は、従業員同士の対面コミュニケーションが減り、企業としての結束力が低下する可能性があります。また、チャットでは文字のみのやり取りとなるため、認識のズレが起きることも少なくありません。
そのため、会議室での対面ミーティングを増やしたり、Webミーティングではカメラを使ったりするといった工夫が必要です。顔を合わせずに働く場合は従業員同士の信頼関係が築きにくいため、対面でのコミュニケーション活性化は非常に重要です。
まとめ
チャットシステムはカスタマーサポートやWeb接客、社内問い合わせに活用して業務の効率化やCVRの向上を実現できる便利なツールです。感染症の蔓延やIT化の推進により新たな生活様式が浸透するなか、こうしたWebツールは企業にとって大きな助けとなります。
チャットシステムの活用では、自社の課題解決ができるシステムを選び、それぞれの環境に合った方法で運用することが大切です。システム導入・運用をする際は、ぜひこの記事を参考にして最適なシステムを最適なかたちで活用しましょう。
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