メールリレーサービスとは?メリット・デメリット、選び方も解説
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- メールリレーサービスとは、送信元と送信先の間で他のサーバーを中継するサービス
- 通常のサーバーよりもメール到達率が高く不達の原因もわかりやすいのがメリット
- メールリレーサービスを選ぶ際はエラーメールの管理機能やセキュリティ対策を確認する
メールリレーサービスとは、送信元と送信先の間で他のサーバーを中継し、安定したメール配信を提供するサービスです。通常のサーバーを使うよりもメールの到達率が高く、マーケティング施策に役立ちます。この記事では、メールリレーサービスのメリットや選び方を解説します。
メールリレーサービスとは
メールリレーサービスとは、送信元と送信先の間で他のサーバーを中継し、安定したメール配信を提供するサービスです。通常のサーバーを使うよりもメールの到達率が高く、不達の原因も分かりやすい点がメリットと言えます。
プライベートでメールを送信する場合、通常は送信元のメールクライアントから、直接送信先のサーバーにメールを送信します。
一方、ニュースレターやメールマガジンなど、一度に大量のメールを送信する場合、送信先のサーバーのスペック不足やスパムメールの誤検知により、メールが遅れる・届かない可能性があります。
メールの遅延・不達はビジネスチャンスの損失に繋がるため、近年、メールマーケティングを行う企業において、メールリレーサービスの導入が拡大しています。
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メールリレーサービスとは
メールリレーの仕組み
メールリレーは、バケツリレーのように、複数のサーバーを中継して、送信先にメールが届けられる仕組みです。多くの場合、メールはSMTPを用いて送信されるため、「SMTPリレー」とも呼ばれています。
例えば、A社からB社にメールを送信する場合、A社がメールを作成したら、まず送信元であるA社のサーバーにメールが送信されます。
送信元サーバーは、DNSを用いて送信先のサーバーを特定し、複数のサーバーを中継して、送信先サーバーにメールを転送します。
メールリレーは、複数のサーバーを中継することにより、信頼性のあるドメインとして認識されるため、直接メールを送信するよりも、安定した状態でメールを送信することができます。
メール配信システムとの違い
メールリレーサービスと混同されやすいサービスに「メール配信システム」があります。まず、メールリレーサービスはメールの到達率を高めるために、メールの中継を行なうサービスであり、配信に特化しています。
一方、メール配信システムは配信だけでなく、メールの作成、開封率やクリック率の測定といった機能も備わっており、マーケティング業務を効率化したい場合に用いられます。両者は内容と目的が異なるため、導入する際はしっかりと違いを確認しておくことが大切です。
メールリレーサービスの利用方法
メールリレーサービスには、「API連携」「SMTPリレー」の2つの利用方法があります。ここでは、それぞれの利用方法と特徴を解説します。
API連携
メールリレーサービスにおけるAPI連携とは、APIを使用して、自社の基幹システムにメール配信機能を組み込むことです。
例えば、既存のCRMシステムとメールリレーサービスを連携させた場合、CRMの顧客データを取り込み、メールを一斉送信することができます。
基幹システムの情報が更新されれば、メールの送信先も自動的に更新されるため、手入力が不要となり、業務の効率化が実現できます。
API連携はクラウドサーバーを利用するため、自前のサーバーを準備する必要がなく、導入コストを抑えることができます。メール配信予約・情報差し込み配信などの機能もあり、メールマーケティングの精度向上に役立ちます。
SMTPリレー
SMTPリレーとは、既存のメールサーバーと送信先メールサーバーの間に、メールリレーサーバーを中継させる方法です。
自前のメールサーバーを持つ企業の場合、システムの改修コストをかけずに、メールインフラを強化することができます。
API連携・SMTPリレーのどちらの利用方法がいいかは、利用目的や事業規模により異なりますが、オンプレミス型でシステムを運用している企業は、SMTPリレーの方が導入に手間がかからず、利便性が高いと考えられます。
メールリレーサービスのメリット
続いて、メールリレーサービスのメリットを解説します。ここでは、メールの到達率・不達の原因究明・大量メールの一斉送信について取り上げていきます。
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メールリレーサービスのメリット
メールの到達率が高い
通常のメールサーバーは、処理できるメールの数が限られるため、処理能力を上回るメールを送信しようとすると、未達・遅延が発生します。
メールリレーサービスは、高性能なハードウェア・ソフトウェアを用いて、複数のメールを同時に処理できるため、大量のメールを一斉送信しても、高い到達率で送信することができます。
同じ文面のメールを大量に一斉送信する場合、送信先のサーバー・プロバイダから、迷惑メールとして検知されることがあります。
メールリレーサービスでは、プロバイダからの信頼性確保のために、さまざまな対策を行っています。それにより、迷惑メールの誤検知を防ぎ、メールの到達率を大幅に向上することができます。
不達の原因を追える
メールリレーサービスでは、不達が発生した場合、メールアドレスの間違いや、迷惑メールに振り分けられたなど、不達の原因を追うことができます。
送信先から送られてくるエラーメッセージ・コードを分析したり、ログの調査を行うなどして、可能な限り不達の原因を特定します。
メールリレーサービスの中には、エラーの発生数を分析する機能を備えたものもあります。分析結果は、メルマガ運営などのマーケティング戦略に活かすことができます。
大量のメールも一斉送信できる
通常のメールサーバーでは、大量にメールを送信すると、サーバーの処理負担が大きくなるため、分けて送信する必要があります。
メールリレーサービスを利用すれば、大量のメールも一斉送信できるため、登録確認メール・購入完了メール・発送通知メールなど、タイムリーなメール配信が必要な際に役立ちます。
メール配信の運用負担を削減できる
メールリレーサービスを利用していない場合、メールの配信作業はもちろん、メールアドレスの正誤確認、不達や迷惑メールとして振り分けられた場合の原因調査などにも、労力がかかります。
このように、メール配信の運用には多くの時間と人材が必要なのです。しかし、メールリレーサービスを利用すれば、これらの業務を全て任せられるため、時間と人材をほかの仕事にまわすことができ、結果的に運用負担の削減が図れます。
メールリレーサービスのデメリット
メールリレーサービスには、多くのメリットがありますが、サービスを利用するにあたって、導入コストやランニングコストがかかることも忘れてはなりません。
サービスを利用するためのライセンス料がかかるほか、社内ネットワークを使用する場合は、サーバー・ネットワーク機器などの購入費がかかります。
導入後は、システムを運用するための費用が発生します。サービス提供会社に支払う月額料金・サポート契約料・セキュリティ更新料がかかる場合もあり、送信するメールの量によって、課金が発生する場合もあります。
メールリレーサービスを選ぶときの比較ポイント
ここからは、メールリレーサービスを選ぶときの比較ポイントを解説していきます。メールリレーサービスを選ぶ際は、以下の項目を確認しておきましょう。
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メールリレーサービスを選ぶときの比較ポイント
エラーメール管理機能をチェック
エラーメールを管理する機能は、どのメールリレーサービスにもありますが、サービスによって管理の仕方が異なります。
例えば、メールが届かなかった場合、エラーとなったメールを自動解析し、エラーメールのアドレスを記録・削除することができます。
送信結果の通知機能を利用すれば、配信後数秒〜数分以内に送信結果が通知されます。不達の場合は、送信先から送られるエラーメッセージ・コードを解析し、不達の原因をエラーメッセージとして表示します。
キャリアブロック発生時のIPアドレス切替
メールリレーサービスには、キャリアブロック発生時に、別のIPアドレスに切り替えて配信する機能があります。
キャリアブロックとは、ユーザーが迷惑メールを受信するのを防ぐために、携帯キャリア会社が特定のアドレスからのメールをブロックすることです。
大量のメールを一斉配信するIPアドレスは、スパムメールとして検知されやすく、キャリアブロックされる可能性があります。
メールリレーサービスを利用すれば、キャリアブロックを検知した際、自動的にIPアドレスが切り替わるため、メールの到達率を向上させることができます。
送信ドメイン認証を搭載しているか
送信ドメイン認証とは、メールの送信元が詐称されることを防ぎ、送信ドメインの正当性を担保するための仕組みです。
送信ドメイン認証では、SPF・DKIM・DMARKといった技術を用いて、送信ドメインが本物であることを確認しています。
送信ドメイン認証は、どのメールリレーサービスにも搭載されている機能ですが、別途オプションになっている場合があるため、導入前に確認しておく必要があります。
API連携のしやすさ
自社の基幹システムにメールリレーサービスを連携させる場合、API連携が必要不可欠となります。そのため、API連携を検討する際は、連携が難解でないものがおすすめです。
API連携が難解な場合、導入までに時間がかかってしまうため、「仕様書はシンプルで分かりやすいか」「サンプルコードは豊富か」といった点も確認しておく必要があります。
サービスの信頼性・サポート体制
メールリレーサービスを選ぶ際は、サービスの信頼性やサポート体制にも留意しましょう。メールリレーサービスの中には、価格が安いだけでトラブルが多く、休止してばかりのサービスもあります。
休止が多いと、効率的なマーケティングができないため、「長く運営しているか」「評価は高いか」なども確認し、信頼性の高いサービスを選ぶようにしましょう。
急なトラブルに備えて、サポート体制も確認しておく必要があります。「すぐに対応してくれるか」「問い合わせ方法は電話・メール・チャットなど複数あるか」といった内容も確認しておきましょう。
セキュリティ対策
メールリレーサービスを選ぶ際は、「個人情報をどう保護しているか」「サーバーダウン時にどのような対処をしているか」などもチェックポイントとなります。
メールアドレスは個人情報に該当する場合もあるため、徹底したセキュリティ対策が必要なことは言うまでもありません。
自然災害などによりサーバーがダウンした場合、適切なバックアップ体制が構築されていなければ、大切なデータが損失してしまいます。
サーバーがダウンした場合に備えて、冗長化サーバーやレプリケーション、ファイルオーバーなどの対策が取られているかも確認しておきましょう。
費用・料金体系
メールリレーサービスの費用は、導入形態や配信規模、サービスの内容によって費用が異なります。オンプレミス型で導入した場合、サーバーの導入費やライセンス費用のほか、システムの運用費がかかります。
クラウド型で導入した場合、サーバーの準備費やシステムの運用費はかかりませんが、月額料金が発生します。月額料金は配信規模によって異なり、利用期間が長ければ長いほど、ランニングコストが高くなります。
どちらの場合も、費用対効果を十分に考えてから導入を検討する必要がありますが、クラウド型は、無料版や無料お試し期間のあるサービスも多いため、一度試してみることをおすすめします。
まとめ
メールリレーサービスとは、送信元と送信先の間で他のサーバーを中継し、安定したメール配信を提供するサービスです。メールリレーサービスには、API連携とSMTPリレーの2種類の利用方法があり、API連携は自前のサーバーがなくても利用が可能です。
メールリレーサービスは、通常のサーバーを使うよりもメールの到達率が高く、不達の原因も分かりやすいため、マーケティング施策に役立ちます。ただし、導入コストやランニングコストがかかり、コストは導入形態や配信規模、サービスの内容によって異なります。
メールリレーサービスを選ぶ際は、エラー管理機能・キャリアブロック対策・送信ドメイン認証が搭載されているかを確認しておきましょう。基幹システムとの連携を考える場合は、API連携のしやすさも重要なポイントとなります。
さらに、個人情報を扱うため、サーバーダウン時のセキュリティ対策も確認しておく必要があります。同時に、サービスの信頼性やサポート体制、料金体系などもチェックしておくといいでしょう。
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