美容室に会計ソフトを導入するメリット|勘定科目や選び方も解説
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- 美容室は経理担当を雇っていないことも多く、多忙で会計業務を後回しにしがちである
- 会計ソフトを使うことで、業務を効率化でき経営状況を把握して目標を立てやすくなる
- 会計ソフトを選ぶ際は、操作の難易度やPOSレジと連携できるかなどをチェックする
美容室は日々の業務が忙しく会計業務を後回しにしてしまいがちです。しかし会計ソフトを導入することで、業務を効率化でき現場の仕事により集中できるようになります。この記事では美容室で会計ソフトを使うメリットや選び方などを解説します。
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美容室の会計業務の課題とは
店舗運営に欠かせないのが、日々の収支の計算や確定申告などの会計業務です。しかし、美容室はオーナー自身が技術者と働いている場合が多く、本業が忙しくてなかなか会計業務に手が回らないのが現状です。
美容室の一人経営で簿記の知識が無いと、会計業務は税理士に任せきりになってしまうため、自分で会計業務をしたいけれどどうしたらいいのか分からない方も多いのではないでしょうか。そういった課題を解決するには、会計ソフトを導入するのがおすすめです。
会計ソフトは、科目に説明が表示されているソフトが多く、初心者でも分かりやすいように作られています。会計ソフトを導入すると、毎日の帳簿付けが楽になり業務の効率化が図れるだけでなく、日々の収支が分かりやすくなるので売上の目標が立てやすくなります。
この記事では、美容室におすすめの会計ソフトの選び方や、会計ソフト導入のメリット・デメリットなどを解説します。自分で帳簿付けや確定申告をしたい美容室のオーナーの方は参考にしてください。
美容室の勘定科目一覧
帳簿付けをするには、売上や消耗品などを科目ごとに入力が必要です。以下に美容室でよく使われる勘定科目を表でまとめました。美容室はあまり複雑な取引はされないので、仕訳も難しくありません。
勘定科目 | 内訳 |
---|---|
売上 | カット・カラー・パーマなど施術を行って受け取った代金 |
人件費 | 従業員に支払った給与や各種手当 |
消耗品費 | 受付で使用する文房具・ハサミ・ブラシ・タオルなど |
材料費 | シャンプー・カラー剤・パーマ剤など |
旅費交通費 | 出張など業務の移動に必要な交通費・宿泊代金 |
広告宣伝費 | ポスター・パンフレット作成やホームページ作成費用など |
家賃 | 店舗や駐車場の賃料 |
水道光熱費 | 水道・電気・ガス代など |
通信費 | 電話代・インターネット利用料・郵便料金など |
技術研究費 | 技術向上のためのセミナー参加費や通信教育費など |
上記の勘定科目以外にも、火災や盗難・業務中の怪我などのトラブルに備えた事業者向けの保険料や、通勤に利用している交通費や店舗の内装の修繕費なども経費として計上できます。
また、美容師はファッションセンスの高さもセールスポイントとなるため、仕事でしか着用しない制服代金としての衣服代なら経費にできる可能性もあります。不明な点は税務署に問い合わせてみて、経費にできるものはしっかり計上しておきましょう。
美容室の会計の仕訳
美容室の会計の仕訳には、売上・仕入の他にも従業員の給与や消耗品費などさまざまな種類があります。どのような仕訳があるのか貸方・借方の記入例を挙げて解説します。
なお、以下の例は現金での支払いを前提とした仕訳になっています。銀行口座引き落としの場合は科目勘定が「普通預金」になり、クレジットカード払いの場合は「買掛金」や「未払金」になるので気を付けましょう。
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売上の仕訳
カット・セット代としてお客様から8,000円受け取った場合
借方 | 貸方 |
---|---|
現金:8,000円 | 売上:8,000円 |
美容室の施術代としてお客様から受け取った代金は、全て売上として計上します。カット代・パーマ代・カラー代など美容室によって設定金額は異なりますが、よく使う科目のため会計ソフトを使う場合は、施術するコース代金を登録設定しておくと入力が楽になります。
仕入の仕訳
シャンプー10,000円分を業者から購入した場合
借方 | 貸方 |
---|---|
仕入:10,000円 | 現金:10,000円 |
シャンプー・コンディショナー・パーマ剤・カラー剤など美容室で施術に使用する材料費は仕入として入力します。お客様に店内で販売するシャンプーなども仕入で計上します。美容室での仕入は、月々の売上の10%程度が適正とされています。
給与の仕訳
従業員の給与を支払う場合
借方 | 貸方 |
---|---|
給与:200,000円 | 未払金:161,666円 預り金:38,334円 |
給与から控除する源泉所得税や住民税・社会保険料などは預り金として計上します。社会保険料は健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料など補助科目を付けて分かりやすくするのがおすすめです。
実際に支払ったときは、未払金・預り金を取り消します。上記のように借方に支給額、貸方に控除額と支払う金額を仕訳するのが一般的です。
また、一人で美容室を経営している個人事業主の場合は自分の給与は経費として計上できず、事業上の利益が全て個人の所得として計算されます。
消耗品費の仕訳
受付で使用する筆記具を600円で購入した場合
借方 | 貸方 |
---|---|
消耗品費:600円 | 現金:600円 |
消耗品は経費になる勘定科目で、使用期間が1年未満で直ぐに使い切ってしまう物や、1年以上の使用でも1つ10万円未満の消耗品を指します。
美容室では施術に使用するハサミ・ブラシ・ドライヤー・ヘアアイロンなどの備品は消耗品として計上します。他にも筆記具や用紙などの事務用品や、ティッシュやトイレットペーパーなども消耗品になります。
交際費の仕訳
取引先に4,000円のお歳暮を贈った場合
借方 | 貸方 |
---|---|
交際費:4,000円 | 現金:4,000円 |
交際費とは、事業に関係がある人に対して用いる勘定科目です。取引先や常連客へのお中元・お歳暮などの贈答品や、食事会の費用・接待ゴルフなどが交際費となります。葬儀に出席した際のお香典や、結婚式のご祝儀も交際費として計上できます。
旅費交通費の仕訳
出張で飛行機代7,000円を支払った場合
借方 | 貸方 |
---|---|
旅費交通費:7,000円 | 現金7,000円 |
美容セミナーや美容イベントなど、出張や事業のための移動でかかった費用が旅費交通費となります。飛行機代やタクシー代などの交通費、ホテルの宿泊料金などが含まれます。日常的な通勤にかかる交通費は、別科目で交通費として分けて計上します。
家賃の仕訳
店舗の家賃・駐車場代を150,000円支払った場合
借方 | 貸方 |
---|---|
地代家賃:150,000円 | 現金150,000円 |
美容室の店舗の賃料や駐車場代は地代家賃として計上します。事業を運営する建物を借りる費用のため、店舗とは別に事務所がある場合も地代家賃に仕訳されます。
美容室に会計ソフトを導入するメリット
美容室に会計ソフトを導入すると、業務の効率化やコスト削減など、さまざまなメリットがあります。ここでは、どのようなメリットがあるのかを解説します。
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美容室に会計ソフトを導入するメリット
業務を効率化できる
会計ソフトを導入すると、科目ごとに金額を入力するだけで自動化で仕訳してくれるため、会計業務を大幅に効率化できます。
特に美容室のオーナーは技術者として接客・施術をしている方が多く、会計業務までなかなか手が回りません。現場の仕事に集中しやすくなり、ストレスが軽減できるのがメリットです。
クラウド会計ソフトなら、銀行口座やクレジットカードと連携して取引を自動取得する機能もあるため、さらに便利に活用が可能です。
コストを削減できる
会計業務を行う時間がない・簿記の知識がない、という美容室のオーナーは税理士に会計業務をお願いしている方もいます。しかし会計ソフトを導入すると、初心者でも簡単に経理作業ができるため、税理士に依頼する作業を減らせます。
難易度が高いと思われがちな確定申告も、表示されている項目どおりに入力するだけで手軽に作成できるので、大幅なコスト削減が可能です。e-Taxを利用すると、青色申告特別控除が受けられるため、節税にもなるのがメリットです。
経営状況が把握しやすくなる
美容室の経営でどのくらい利益が出ているのかは、収支を出さないと明確には分かりません。会計ソフトを導入すると、日々の売上・経費・仕入などを入力するだけでレポートやグラフで収支が表示されるため、いつでも経営状況を確認できます。
どの曜日や日が売上が高いのか、無駄な支出が無いかなどがリアルタイムで集計できます。データとして数値で表されるので、課題が見えてくるだけでなく目標を立てやすくなるのもメリットです。
集計ミスが防げる
経理業務は初心者には難しく感じることも多く、慣れていないとミスもしがちです。会計ソフトを導入すると、簿記の知識が無くても入力する科目が分かりやすく表示されるため、手書きの帳簿より簡単に操作ができ、人為的なミスも防げます。
さらに自動集計や銀行口座などから取引を自動取得する機能もあるため、ソフトが自動で集計・管理してくれるのもメリットです。
美容室に会計ソフトを導入するデメリット
美容室に会計ソフトを導入すると、多くのメリットを得られますが、デメリットもあります。
会計ソフトを導入するためには、初期費用の登録料やソフトの購入費・月額料金などのランニングコストが必要です。無料で使用できる会計ソフトもありますが、青色申告に非対応など機能が制限されていたり、サポートが受けられなかったりと使いづらいものもあります。
コストを抑えたい方や、いきなり有料のソフトを使うのは不安に感じる方は、キャンペーンで初期費用が無料になっているソフトや、無料トライアル期間があるソフトを選びましょう。
美容室向け会計ソフトを選ぶときのポイント
美容室で使う会計ソフトを選ぶときは、操作性やサポート体制などチェックしておきたいポイントがあります。ここでは、美容室向けの会計ソフトを選ぶときのポイントを解説します。
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美容室向け会計ソフトを選ぶときのポイント
クラウド型かインストール型か
会計ソフトは大きく分けると、クラウド型とインストール型があり、それぞれ特徴があります。
クラウド型は、月々の利用料金がかかるものの、インターネット環境があればパソコン・スマホ・タブレットなどを利用してどこでも使えるのがメリットです。操作が簡単でシンプルなものが多く、簡易的なものなら無料で使えるソフトもあります。
さらに、常に最新バージョンが使用できるため、自身でバージョンアップする必要が無く、自動でバックアップを取ってくれます。確定申告の際は、e-Taxと連携して入力した帳簿をそのまま転用して送信できるのも魅力です。
インストール型は、買い切りソフトなので基本的には追加料金はかかりません。インターネット環境が無い場所でも作業できるため、店舗にネット設備が整っていない美容室におすすめです。
また、万が一ソフトを販売している会社が倒産したとしても、そのままソフトを使い続けられます。
クラウド型とインストール型はどちらもメリットがありますが、クラウド型はインターネット環境が無いと使えない、インストール型は初期費用のソフト代金がかかる、などのデメリットもあるので店舗に合ったものを選びましょう。
誰でも簡単に操作できるか
会計ソフト初心者の方は、最初の操作が難しいと覚えるのに苦労します。特に日々の業務に追われがちの美容室のオーナーは、使い方に手間取ってしまうと業務の妨げになってしまいます。
会計ソフトは初心者でも使いやすいように、使い方の動画説明やよくある質問が充実していて、操作が簡単なものがおすすめです。スマホやタブレットで使えるソフトなら、業務の隙間時間や通勤時間など、空いた時間にサクッと入力も可能です。
POSレジと連携できるか
多くの美容室では、会計にPOSレジを採用しています。会計ソフトとPOSレジが連携できれば、売上のデータを自動取得してくれるので、大幅に入力の手間が減らせます。現在使用しているPOSレジと相性が良い会計ソフトを選びましょう。
コストをチェック
美容室で利用する会計ソフトを選ぶときは、導入において初期費用や月額料金が経営に見合うソフトを選びましょう。
基本的に美容室は複雑な計算が必要なく、一般企業と比較すると会計業務はシンプルです。そのため、多機能な会計ソフトは使わない機能もあり、無駄になってしまう可能性があります。
会計ソフトは基本機能のみのミニマムなタイプもあるため、費用対効果が期待できるものを選ぶのがポイントです。最初は無料プランなどで試してみて、機能が足りなければプラン変更やオプション追加を行うのもおすすめです。
サポート体制の充実度
会計ソフトは初心者でも使いやすいように配慮されているものが多いですが、慣れていない方は操作方法が分からないこともあります。
また、ログインできない・入力したはずの項目が表示されなくなった、などのトラブルが起きる場合もあります。そんなときに、サポートサービスが無いと解決法を調べるのに時間がかかり、業務が滞ってしまいます。
サポート体制が整っている会計ソフトなら、困ったときに直ぐに問い合わせができます。電話・メール・チャットなど複数の対応手段を用意しているソフトもあるので、使いやすいものを選びましょう。
費用対効果が期待できるか
会計ソフトを選ぶ際には、使いやすさも重要なポイントです。業務を効率化させたくて会計ソフトを導入したつもりが、かえって使いづらく、時間がかかってしまうケースもあります。
そうならないために、事前に自社の業務フローに沿った会計ソフトを慎重に選び、費用対効果が期待できる会計ソフトを導入しましょう。
まとめ
美容室のオーナーは、日々の業務に追われていて会計業務は後回しにしがちです。しかし会計ソフトを導入すると、帳簿付けが楽になるだけでなく、収支を出してどの程度の利益が出ているのかも把握しやすくなります。
また、難易度が高いと思われがちな確定申告も簡単に行なえるので、税理士に依頼する仕事が減りコスト削減に繋がります。
会計ソフトには、ネット環境があればどこでも使えるクラウド型と、初期費用のみで追加料金がかからないインストール型があります。かかる費用や操作性はソフトによって異なるため、まずは無料トライアルで試してみるのがおすすめです。
美容室に会計ソフトを取り入れ会計業務を楽にできるようにして、接客や施術に集中できる環境を作りましょう。
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