LPOサービスとは|ALSPとの違いやサービス内容を解説

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- LPOサービスとは、企業の法務を法律事務所や弁護士法人に委託できるサービス
- 顧問契約とは違い、LPOでは弁護士が社員と協働して意思決定に関与することもある
- LPOサービスでは、法務相談・契約書レビュー・コーポレート業務対応などを依頼できる
LPOサービスとは、企業の法務をアウトソーシングできるサービスです。法務相談をはじめ、契約書レビューや新規事業の適法性診断など、様々な法務を依頼できます。この記事では、LPOサービスの特徴や類似したサービスとの違い、サービス内容の具体例などを解説します。
LPOサービスとは

LPOサービスとは、企業の法務業務を外部に委託できるサービスです。LPOとは「Legal Process Outsourcing(リーガルプロセスアウトソーシング)」の略で、法務業務を外部の専門家に任せられます。
企業が法務部門を社内に持つには、弁護士や法務の専門家を雇う必要がありますが、それには高額な人件費がかかります。一方、LPOサービスを利用する場合は、必要な時に必要な業務だけを外部に依頼できるため、コストを抑えつつ高品質な法務対応が可能です。
近年、企業のコンプライアンス強化が求められており、特に中小企業にとってLPOサービスは魅力的な選択肢となっています。この記事では、LPOサービスの特徴や類似したサービスとの違い、サービス内容の具体例などを解説します。
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LPOサービスとは
LPOサービスの特徴
LPOサービスの特徴は、案件ごとの個別対応ではなく、あらかじめ決められたパッケージとして依頼する点にあります。
一般的な法律相談や弁護士の顧問契約では、特定の案件ごとに個別対応を依頼することが多いですが、LPOサービスは企業の業務フローに組み込まれる形で継続的にサポートを行います。そのため、企業の一員のように他の社員と協力しながら業務を進めることが特徴です。
また、LPOサービスは、単に法務業務を代行するだけでなく、企業の各部署と連携し、業務全体を管理する役割も担います。
LPOサービスが注目されている背景
近年、LPOサービスが注目されている背景の一つにあるのは、DXの進展とAI技術の普及です。企業が契約書の管理や法務チェックをデジタル化する流れが進み、従来の法務業務の進め方が変わりつつあります。
その結果、法務部門を社内に持たず、外部の専門家に任せるLPOサービスの需要が高まっています。また、企業に求められるコンプライアンス対応が年々厳しくなっていることも影響しています。
法律の改正が頻繁に行われる中、社内の法務担当者だけでは対応しきれないケースが増えています。そのため、専門的な知識を持つLPOサービスを活用し、最新の法規制に対応できる体制を整える企業が増えています。
特に中小企業では、法務部門を持つ余裕がないため、LPOサービスの利用が有力な選択肢になっています。
LPOサービスと類似したサービスとの違い

LPOサービスは、企業の法務業務を外部に委託できる便利なサービスですが、似たようなサービスと混同されることがよくあります。
それぞれの特徴を理解し、自社に合ったサービスを選ぶことが重要です。ここからは、LPOサービスと類似したサービスとの違いを解説します。
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ALSPとの違い
LPOと混同されやすいサービスの一つに、ALSPがあります。ALSPは、日本語では「企業法務アウトソース・サービス」と訳され、従来の法律事務所とは異なる形で法務業務を提供するサービスです。
主に、AIやテクノロジーを活用した契約書のレビュー、コンプライアンスチェック、法務業務の自動化などを得意としています。LPOとALSPの大きな違いは、提供者の資格です。
LPOは、法律事務所や弁護士が中心となって提供するサービスですが、ALSPの提供者は必ずしも弁護士ではありません。そのため、ALSPは弁護士が対応すべき高度な法的判断を伴う業務ではなく、データ分析や文書管理など、効率化を重視した業務がメインとなります。
企業がコスト削減を目的として、ルーチン業務を自動化したい場合はALSPが適していますが、法律の専門家によるアドバイスが必要な場合はLPOがより適しています。
BPOとの違い
BPOは、企業の業務全般を外部に委託するサービスです。LPOは法務業務に特化したアウトソーシングですが、BPOの対象はそれに限らず、コールセンター業務、経理、人事、ITサポートなど、幅広い業務を含みます。
企業が自社のリソースをコア業務に集中させるために、BPOを活用して間接業務を外部に委託するケースが増えています。つまり、LPOはBPOの一種で、BPOのうち契約書作成や法務相談など、法務プロセスのアウトソーシングに特化したサービスです。
また、BPOは一般的に、企業のバックオフィス全般をサポートするサービスを指すことが多いです。そのため、弁護士や法律の専門家が関与するLPOとはサービス体制も違うと言えます。
顧問契約との違い
弁護士の顧問契約とLPOサービスは、どちらも企業の法務を支援するサービスですが、その関わり方に大きな違いがあります。
顧問契約の場合、弁護士は企業の外部の立場から相談に応じ、必要に応じて法的アドバイスを提供します。通常、特定のトラブルや契約書のチェックなど、スポット的な対応が中心となります。
一方、LPOサービスは、企業の業務フローに深く関わり、社内の法務業務を継続的にサポートする点が特徴です。LPOの専門家は、社内の他部署と連携しながら、法務業務の効率化などにも取り組みます。企業のニーズに応じて顧問契約とLPOを使い分けることが重要です。
LPOサービスの内容

LPOサービスは、法律事務所や専門企業が提供する法務業務のアウトソーシングサービスですが、その内容は提供者によって少しずつ異なります。以下では、代表的なLPOサービスの内容について詳しく解説します。
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LPOサービスの内容
法務相談・契約業務
LPOサービスでは、企業が法務に関する相談を気軽に行うことができます。自社の法務部門に相談するのと同じように、アウトソーシング先の弁護士や法務専門家に問い合わせることで、迅速に法的アドバイスを受けられます。
例えば、取引先との契約内容に不安がある場合や、新しい社内ルールが法律に違反していないか確認したい場合など、日常業務の中で生じる法的な疑問に素早く対応できます。
契約書の作成・契約書レビュー
契約書の作成やレビューは、企業の法務部門で大きな負担となる業務の一つです。契約書に不備があると、トラブルの原因になったり、万が一の際に適切な対応が取れなかったりするリスクがあります。
そのため、契約内容を正確にチェックし、リスクを最小限に抑えることが重要です。LPOサービスを利用すれば、契約書のドラフト作成やレビューを専門家に依頼できるため、企業は安心して取引を進められます。
また、契約書のチェックポイントを標準化することで、作業の効率化も可能になります。特に、頻繁に契約を結ぶ企業にとって、LPOサービスを活用した契約書の作成・レビューは大きなメリットをもたらします。
コーポレート業務対応
企業が運営を続ける中では、株主総会の開催や登記手続きなどのコーポレート業務が発生します。これらの業務は法的な知識が求められるもので、適切に対応しなければなりません。
しかし、専門的な知識を持つスタッフが社内にいない場合、手続きの遅れやミスが発生するリスクがあります。LPOサービスを活用すれば、株主総会の準備や法的な書類の作成、登記の手続きなどを専門家に任せることができます。
株主や投資家への対応は慎重に行う必要があり、法的な観点からも適切なコミュニケーションが求められます。LPOの利用によって、これらの業務をスムーズに進めることができ、企業の信頼性を高めることにつながります。
新規事業の適法性診断
新しいビジネスを始める際、そのビジネスモデルが法律に違反していないかを事前に確認することが重要です。もし、法律に抵触する可能性のあるビジネスを展開してしまうと、後から大きな修正を迫られたり、場合によっては罰則を受けたりすることになりかねません。
特に、IT分野やフィンテック、医療関連のビジネスなどは、法規制が頻繁に変わるため、慎重な判断が求められます。LPOサービスでは、新規事業の適法性を診断し、どのような点に注意すべきかをアドバイスしてくれます。
広告出稿の際の審査
広告を出稿する際には、消費者契約法や薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)など、さまざまな法律を遵守する必要があります。
特に、誇大広告や虚偽広告とみなされる表現を使用すると、行政指導や罰則の対象となる可能性があります。そのため、企業は広告の内容を慎重に確認しなければなりません。
LPOサービスを利用すれば、広告の内容を法的な観点からチェックし、問題がないかを事前に確認できます。
LPOサービスを利用するメリット

LPOサービスを利用する最大のメリットは、自社に専任の法務担当者がいなくても、高品質な法務業務を実施できる点です。法務に関する専門知識を持つ人材を新たに雇用したり、既存社員を育成したりするには、多くの時間とコストがかかります。
しかし、LPOを活用すれば、その手間を省きながら、法務業務の質を上げることが可能です。また、法務業務を外部に委託することで、社内の社員は他の業務に集中でき、全体の業務効率が向上します。
特に、契約書の作成やレビュー、新規事業の適法性診断など、細かい確認作業が求められる業務分野をアウトソーシングすることで、企業は本来の事業活動に注力しやすくなります。
LPOサービスを利用するデメリット

LPOサービスにはいくつかのデメリットもあります。まず、顧問契約と比較してコストが高くなる可能性がある点が挙げられます。
LPOサービスでは、一定額の固定費でパッケージとして法務業務を委託できることが多いですが、委託内容によってはパッケージ費用が高額になり、顧問弁護士と契約する場合と比べて結果的にコストが割高になる可能性があります。
また、LPOサービスを利用すると、社内に法務ノウハウが蓄積されにくくなるという側面もあります。すべての法務業務を外部に依存してしまうと、社内で法的な知識を持つ人材が育たず、将来的に自社での対応が難しくなるリスクがあります。
そのため、LPOを活用しつつ、必要に応じて社内でも一定の法務知識を蓄積する工夫が求められます。
まとめ

LPOサービスは、法務担当者がいない企業でも、高品質な法務業務を実現できる便利なサービスです。人材の雇用や育成の手間を省きながら、専門的なサポートを受けることができ、社員は本来の業務に集中できます。
一方で、コストが高くなる可能性や、社内にノウハウが蓄積しにくい点には注意が必要です。企業がLPOを導入する際は、自社の法務業務の頻度やコストを考慮し、どの業務をアウトソーシングすべきかを慎重に判断することが重要です。
LPOサービスを適切に活用すれば、企業の業務効率向上やリスク管理の強化に大きく貢献するでしょう。
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