会計ソフトで複数会社を管理できる?メリット・デメリットも解説
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- 1つの会計ソフトで複数の会社を管理できるものが多い
- クラウド型の会計ソフトは、1アカウントにつき1社までしか登録できない場合がある
- 節税対策のためだけに複数の会社を設立すると、税務署の指摘を受ける可能性がある
複数の会社を設立したい場合、1つの会計ソフトで管理することができるのでしょうか。本記事では、1つの会計ソフトで複数会社を管理できるのかについて解説し、複数の会社を持つメリット・デメリット、個人事業主が複数の事業を営む場合についても解説します。
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1つの会計ソフトで複数の会社を管理できるのか

会計ソフトは、企業のお金の流れを一元的に管理でき、日々の帳簿付けから決算処理まで幅広い業務をサポートします。事業ごとに会社を分けて運営している場合でも、会計処理は会社ごとに行う必要があります。
そのため、会計ソフトを利用している場合でも、会社ごとに別の会計データとして登録するのが一般的です。そこで問題なのが、1つの会計ソフトで複数の会社を管理できるのかという点です。
基本的には複数会社を登録できるが注意も必要
会計ソフトで複数の会社を管理することは、基本的に可能です。ただし、ソフトの種類によって運用方法や制限が異なるため注意しましょう。例えば、クラウド型は、1つのアカウントにつき1社までしか登録できない場合があります。
つまり、1つのアカウントで複数の会社のデータを同時に管理することはできません。そのため、複数の会社を管理するには、その数の分だけアカウントを発行する必要があり、利用料金もアカウントごとに発生します。
一方でインストール型の場合は、1つのライセンスで複数の会社データを作成できるケースが多いです。しかし、インストール型はパソコンの容量を使うため、会社数やデータ量が増えるほど容量も圧迫される点に注意しましょう。

会計ソフトとは?使い方やメリットを解説【初心者・個人事業主も】
会計ソフトとは、企業におけるお金の動きが管理でき、帳簿や決算書などの作成もできるシステムのことです。利用したいとは思いつつも、使い方がわからない、どのソフトを選んだらいいかわからない、といった方も多いでしょう。この記事では、会計ソフトの使い方やメリット、選び方などを解説します。
クラウド型・インストール型の違いを理解しておく
上述のように、会計ソフトには主にインストール型とクラウド型の2つの種類があります。企業の規模やニーズに合わせて導入形態を選択しましょう。ここでは、2つの種類について解説します。
インストール型
インストール型の会計ソフトは、パソコンにソフトウェアをインストールして使用するタイプです。基本的に買い切り型で、まとまった初期費用が必要ですが、一度購入すれば継続して利用が可能です。
また、オフライン環境でも利用できるため、インターネット接続が不安定な場合でも安定して運用できます。ただし、法改正などによるアップデートには手動で対応する必要があります。
クラウド型
クラウド型の会計ソフトは、インターネット経由で利用するタイプで、ベンダーが提供するクラウドサーバーにデータが保存されます。利用者はどのパソコンからでもアクセスでき、複数の拠点や担当者が同時にデータを確認できるメリットがあります。
また、データのバックアップやセキュリティ対策はベンダーが行うため、運用負担を軽減できます。インストール型とは違い、クラウド型は初期費用が安い反面、月額や年額で継続的に利用料が発生します。

仕訳や決算書作成などの経理作業を効率化できる会計ソフトの種類には、クラウド型とインストール型が存在します。本記事では、会計ソフトのクラウド型とインストール型のメリット・デメリットを交え、それぞれの違いを比較表を使って分かりやすく解説します。
個人事業主が複数事業を行っている場合

個人事業主が複数の事業を行っている場合、確定申告書や決算書は1つでまとめられます。会計ソフトを使えば、日々の会計処理も1つのアカウントやライセンスで部門ごとに行えるため、複数の事業所得があっても経理作業が煩雑にならず、データの一元管理が可能です。
会計ソフトは自動化されているため、決算書や帳簿の作成、確定申告も手間がかからずに簡単です。これにより、個人事業主は効率的な経理管理が実現し、時間と労力を節約できます。
ただし、データ入力や部門設定を適切に行わないと、事業ごとの収支が正しく把握できなくなるため、運用ルールを整えておくことが重要です。

複数の事業を管理したり、個人事業主で複数の事業を行っている場合、1つの会計ソフトで管理することができるのでしょうか。本記事では、1つの会計ソフトで複数の事業を管理する際の注意点や、会計ソフトの種類、複数事業を行う個人事業主の確定申告の方法について解説します。
複数の会社をもつメリット

ひとつの会社で複数の事業は行えますが、分社化することによるメリットも存在します。分社化により、会社の経営をより効果的に運営できるため、成長戦略や企業価値の向上につながります。ここでは、複数の会社をもつメリットについて解説します。
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複数の会社をもつメリット
節税対策になる
複数会社を持つことで、利益(所得)の分散が可能です。会社ごとに課税されるため、1つの会社に収益が集中するのを避けられ、結果として税負担の軽減につながります。例えば、利益が一定金額以下になることで税率が低くなる可能性があり、節税効果が期待できます。
ただし、節税目的のみで会社を複数設立すると、税務署で指摘される場合があります。税務当局は節税を目的とした構造に対して厳しい対応を行うため、適切な理由がないと不適切な税務措置と見なされます。
そのため、複数会社を設立する際は、合理的な経営上の必要性があることを明確にし、税務上の問題を避けるように注意しましょう。
事業のリスク分散になる
複数会社を持つことにより、事業のリスクが分散するのは大きなメリットです。各会社が異なる事業を展開している場合、1つの事業が不調でも他の事業が好調であれば、全体のリスクが軽減されます。
例えば、製造業のA社とサービス業のB社を展開している場合、製造業に関連する市場の変動や問題などがA社のリスクとなる一方で、B社はその影響を受けない可能性があります。これにより、両社の経営リスクが分散でき、経営全体の安定性が向上します。
ただし、複数会社を運営する場合は、それぞれの会社の経営状況を適切に管理し、リスク分散の効果を最大化するのが重要です。
事業の経営管理がしやすくなる
共通の経営戦略や方針を適用することで、事業の経営管理がしやすくなり、経営資源を効率的に配分できます。また、統合的な経営体制によって、管理の標準化と情報の一元化につながります。
これにより、経営者は全体の状況が把握でき、迅速な意思決定が可能となります。さらに、複数の事業を有するとリスクが分散されるため、ひとつの事業が不振でも全体の安定性が保たれる利点もあります。
融資を受けやすくなる
複数の事業を展開することで収益源が分散され、ひとつの事業に依存しなくなります。これにより、金融機関にとってリスクが低いと評価されやすく、融資を受けやすくなるメリットがあります。
さらに、異なる事業を展開している場合、各事業の収益が相乗効果を生む可能性があります。また、収益性が向上し、借入金の返済能力が高まるため、金融機関は安心して融資が行えます。
加えて、複数の事業を運営している企業は、業績や経営能力が高いと見なされる場合があります。
複数の会社をもつデメリット

複数の会社を持つことは、多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。ここでは、複数の会社をもつデメリットについて解説します。これらのデメリットを理解し、適切な経営戦略を構築することが重要です。
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複数の会社をもつデメリット
コストがかかる
複数の会社を設立する際には、それぞれに登記費用や定款作成費用などが必要になり、会社の数が増えるほど初期コストも大きくなります。設立後も各会社ごとに経費や人件費が生じるため、1つの会社で運営する場合に比べて負担が増加します。
また、経営資源が分散されることで管理コストや経費が増加し、効率性や利益率の低下を招く可能性があります。そのため、複数会社を運営する際は、これらのコストを踏まえたうえで、適切なリソース配分と経営戦略を十分に検討することが重要です。
経理作業が煩雑になる
各会社ごとに経費の記録や申告を行う必要があり、会社の数だけ作業が増え、手間がかかります。例えば、取引先や経費の分類が異なる場合、それぞれに応じた仕訳や帳票作成が必要となり、作業が煩雑になりやすいです。
一方で、近年の会計ソフトでは自動仕訳やデータ連携などの機能が充実しており、こうした作業の一部を効率化できます。会計ソフトを活用することで、複数の会社の取引や経費を効率的に管理できるため、手作業に比べて負担軽減につながります。
税務調査で指摘をされる可能性がある
複数の会社を持つことで、税務調査で指摘をされる可能性があります。特に、運営の実態がない場合や、租税回避を意図した構造である場合、税務当局からの指摘や問題が生じる可能性が高まります。また、同一の事業内容で複数の会社を持つことは禁止されています。
このような場合、法的に問題となる可能性があるため、法令を遵守することが重要です。経営者は、税務の適切な申告と税金の支払いを確実に行い、事業の合法性を確保するために、会社の運営や取引について慎重に検討する必要があります。
複数の事業を管理できる会計ソフトの選び方

会計ソフトを導入する場合、上述した導入形態のほかにも注意する点がいくつかあります。自社の目的や業務にあわせて、以下を参考に適切な会計ソフトを選びましょう。
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複数の事業を管理できる会計ソフトの選び方
搭載されている機能を確認
会計ソフトでは、日々の帳簿作成機能はもちろん、複数会社のデータ分析や資産管理などの機能を備えています。複数の事業を扱う場合は、会社ごとにデータを分けて管理できる機能や、横断的に業績を把握できる機能があると利便性が向上します。
また、銀行口座やクレジットカードとの連携、自動仕訳機能など、日々の業務負担を軽減できる機能も重要です。このように、あらかじめ自社の業務に必要な機能が備わっているかを確認することで、コストの無駄を抑えて業務の効率化に期待できます。
ソフトの操作性を確認
複数の会社の経理業務を行う場合は、入力作業の頻度も高まるため、使い勝手のいい会計ソフトを導入する必要があります。例えば、会社の切り替えが簡単に行えるか、入力画面が分かりやすいかなど、実際の運用を想定して確認することが重要です。
特に経理担当者の経験やスキルに応じて、直感的に操作できるソフトを選ぶことで、作業時間の短縮や入力ミスの防止にもつながります。

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サポート内容が充実しているか
会計ソフトの導入後は、操作方法や設定に関する疑問が生じることも多いため、サポート体制の充実度も重要なポイントです。電話・チャット・メールなど複数の問い合わせ手段が用意されているか、対応時間が自社の業務時間と合っているかを確認しておきましょう。
また、マニュアルやFAQが充実しているソフトであれば、自己解決もしやすくなります。ソフトに関する疑問やトラブル時の対応などは、社員の知識や技術にあわせて選ぶことが大切です。
税理士との共有方法を確認
複数の事業を管理する場合、税理士との連携も重要です。会計データをスムーズに共有できるソフトであれば、確認や修正のやり取りが効率化され、業務負担の軽減につながります。
そのため、税理士とデータの送受信がしやすいかどうかを確認し、実際の運用をイメージしながら選定しましょう。会計ソフトによっては、税理士専用のログインアカウントの設定が可能なものもあります。
複数の会社を管理するうえで、税理士とのスムーズな連携は時間の短縮にもつながります。

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まとめ

複数の会社管理を行うにあたり、会計ソフトの導入は欠かせません。複雑になりやすい各社の情報を一元管理でき、業務効率の向上に加えて、迅速な経営判断が行えます。
また、1つの会計ソフトで複数の会社管理もできますが、会計ソフトのアカウントやデータ領域の複数用意が必要で、追加の費用がかかる場合もあります。導入する際は、導入形態や機能・サポートなど、事前によく確認しておきましょう。
さらに、法人だけでなく、個人事業主にも会計ソフトの導入はおすすめです。今後の事業拡大や成長を見据えて、本記事を参考にしながら、会計ソフトの導入を検討してください。
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