接客販売ツール・Web接客ツールとは?メリット・デメリットを解説

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  • 接客販売ツールは、Webサイトに訪問したユーザーに合わせて接客ができるツールである
  • 接客販売ツールの導入で、商品購入の後押しや問題点のリアルタイムな改善ができる
  • 接客販売ツール導入の際は、目的に合った機能の選定や費用対効果を確認して検討する

接客販売ツールとは、Webサイトに訪問したユーザーに合わせて接客ができるツールで、「Web接客ツール」とも呼ばれています。接客販売ツールの導入で顧客満足度や購入率・申込率の向上に期待できます。本記事では、接客販売ツールのメリットや選び方などを解説します。

目次

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  1. 接客販売ツール・Web接客ツールとは
  2. 接客販売ツール・Web接客ツールの種類
  3. 接客販売ツール・Web接客ツールの機能
  4. 接客販売ツール・Web接客ツール導入のメリット
  5. 接客販売ツール・Web接客ツール導入のデメリット
  6. 接客販売ツール・Web接客ツールの選び方
  7. まとめ

接客販売ツール・Web接客ツールとは

接客販売ツール・Web接客ツールとは、Webサイトに訪問したユーザーに実店舗のような接客をするためのツールです。顧客の好みに合わせたおすすめ商品を紹介したり、キャンペーンやクーポンを表示したりして、訪問者の購買意欲を向上させます

その他にも、商品に対する疑問点や気になることは、リアルタイムのチャットツールで対応できます。

従来のECサイトは汎用的な情報のみであることが多いですが、接客販売ツール・Web接客ツールを活用すると顧客ごとに適した接客を行えるため、訪問ユーザーを逃さないような工夫が行えます。

接客販売ツール・Web接客ツールが導入される業界

接客販売ツール・Web接客ツールが登場した当初は、アパレルや家電製品を取り扱う業界での導入が中心でした。その後、新型感染症の蔓延をきっかけにECサイトの利用やオンライン化が加速しました。

これにより、住宅に関わる業界や金融業界、教育業界や観光業界、音楽・イベント業界などでも接客販売ツール・Web接客ツールが導入されています。したがって、さまざまな業界でツールが求められ活用されているのが現状です。

Web接客とは

Web接客とは、Webサイト内での接客を指します。実店舗では、店舗スタッフがお客様の見ている商品や動きなどの様子を見て、声かけをして接客ができます。顧客が質問や探しているものがあれば、直ぐに対応も可能です。

しかし、Webサイトでは顧客の要望がわからず、こちらから声かけもできません。そのようなWebサイトでもWeb接客ツールを取り入れれば、顧客ごとに最適な提案をしたり、質問に答えたりと実店舗と変わらないような接客ができます。

接客販売ツール・Web接客ツールの種類

接客販売ツール・Web接客ツールにはポップアップ型とチャット型があり、両方を兼ね備えたハイブリッド型もあります。それぞれの形式について解説します。

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種類特徴
ポップアップ型顧客に合わせた広告を表示して購買意欲を高められる
チャット型有人やチャットボットで、顧客からの問い合わせにリアルタイムなチャット対話が可能
ハイブリッド型ポップアップ型とチャット型を両方取り入れたタイプ

ポップアップ型

ポップアップ型とは、ユーザーがサイト内に滞在している時間や見ているページに応じて、ポップアップでメッセージを表示する機能です。具体的には、実店舗のようにタイミングを見計らって声かけするようなイメージになります。

どのようなサイトを経由してアクセスしたのか、どの商品に興味を示しているのかなどの情報を集めて、訪問ユーザーに合わせたキャンペーンやクーポンなどを表示します。営業・マーケティング向けの型であり、小売業やサービス業のWebサイトに向いています。

チャット型

チャット型は、ユーザーの問い合わせにチャットでリアルタイムな対話を可能にする機能です。従来のWebサイトでは、ユーザーに疑問点があった際は電話で直接問い合わせるか、メールで問い合わせてから返答を数日待つのが主流でした。

その点、接客販売ツール・Web接客ツールのチャット型を取り入れると、サイト内のウィンドウからユーザーが気軽に質問でき、即時返答できるため実店舗のような迅速な対応ができます。

チャット型には、オペレーターが対応する有人タイプとシステムで対応するチャットボットタイプがあります。基本はカスタマーサポート向けの機能で、保険や家電などの修理センターなど、ユーザーからの問い合わせが多いWebサイトに適しています

ハイブリッド型

ハイブリッド型は、ポップアップ型とチャット型の両機能を兼ね備えたツールです。両方のメリットを生かした高度なWeb接客が可能となり、顧客満足度の向上に期待できます

ただし、高機能である分必要な費用が高くなるため、自社の予算に合わせたツール選びが大切です。

接客販売ツール・Web接客ツールの機能

接客販売ツール・Web接客ツールには、ポップアップ機能やチャット機能の他にも、さまざまな機能が備わっています。ここでは、主にどのような機能があるのかを解説します。

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機能できること
ポップアップ表示顧客のニーズに合わせたメッセージや広告をポップアップで表示する
クーポン発行ポップアップ機能でお得なクーポンを発行して購入・申込を後押しする
有人チャット有人のオペレーターがチャットで問い合わせに対応する
チャットボット顧客の問い合わせに、シナリオ型・AI型のチャットボットで対応
データの蓄積サイトを訪問したユーザーの情報を蓄積して分析する
レポート作成蓄積したデータを元にユーザーの動向をレポートで可視化する

ポップアップ表示

ポップアップ表示は、接客販売ツールの代表的な機能です。規模が大きいWebサイトほどユーザーの目的は分散しやすく、ニーズを把握した広告を表示するのは困難になります。

そこで、ポップアップ機能では、ユーザーがどのような経由でサイトに訪れたのか、ログイン履歴などから個々のニーズを分析し、顧客に合わせた広告表示を行います。効果的なポップアップ表示としては、割引クーポンやキャンペーンの広告などが有効です。

表示する広告次第では、飛躍的なコンバージョンアップの効果が見込めます。

クーポン発行

ポップアップ表示機能の効果的な使い方としても挙げられるのが、クーポン発行機能です。ユーザーの性別・年齢といった属性や、どのようなものに関心を抱いているかを購買履歴や閲覧状況などから分析し、興味を引くクーポンを発行します

クーポン内容は、割引クーポンやサンプルのプレゼントクーポンなどさまざまです。ユーザーがお得だと感じるクーポンを発行することで、商品の購入やサービス申込みの後押しをします

有人チャット

チャット型の接客販売ツールでは、Webサイトのウィンドウなどをクリックすると、リアルタイムで問い合わせができます。有人チャットでは、担当のオペレーターがユーザーからの問い合わせにチャットで対話を行い、実店舗で接客しているような対応が実現します。

その際、誰が対応しても同じようにスムーズな対話ができるように、あらかじめよくある質問に合わせた回答を準備しておくことも重要です。

チャットボット

チャット型には、有人チャットの他にチャットボットを搭載したものもあり、シナリオタイプとAIタイプに分けられます

シナリオタイプのチャットボットは、ユーザーに対していくつかの選択肢を用意しておき、選択肢に合わせて質問が分岐し、結果的に回答に辿り着くように構成できます。なお、想定される質問に合わせて回答を準備しておく必要があり、想定外の質問には対応できません。

対してAIタイプのチャットボットは、人工知能で学習能力があるタイプです。ユーザーからの質問に対して蓄積されたデータの中から適切な回答を出し、質問されるたびに学習していきます。シナリオタイプと違い、自然な形でユーザーと対話できるのが特徴です。

ただし、シナリオタイプとAIタイプどちらも、事前のデータが無い質問には対応できないため、その場合は問い合わせフォームや電話番号など別の問い合わせ先に誘導しましょう。

データの蓄積

接客販売ツールでは、ユーザーがどのようなサイトを経由して訪問したのか、年齢・性別・購入履歴・閲覧状況などを細かく分析し、データを蓄積することが可能です。次回の訪問時にもデータを活用し、より顧客が興味を持つようなポップアップ表示を行えます。

また、チャット型の接客販売ツールでも、ユーザーがどのような質問でチャットを利用したのか、疑問点や不満といったログのデータも蓄積できます。実店舗での接客ではデータを取るのが難しいですが、ツール上ではデータとして残すことができるのがメリットです。

蓄積されたデータは商品開発やサービス改善に役立つため、自社の業績の向上にもつながります。

レポート作成

多くのポップアップ型の接客販売ツールには、レポート作成機能が搭載されています。訪れたユーザーの属性や閲覧状況などの情報を分析して、レポートとしてわかりやすく可視化します

どのような属性がどのページをよく閲覧しているのか、あまり見られていないページは無いかなど、Webサイトの改善点が見付けやすくなり、より充実したコンテンツの作成が可能になります。

接客販売ツール・Web接客ツール導入のメリット

接客販売ツール・Web接客ツールには、購入率・申込率の向上やユーザーに合った提案ができるなど、さまざまなメリットがあります。ここでは、どのようなメリットがあるのかを解説します。

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購入率・申込率の向上

接客販売ツール・Web接客ツールは、直接顧客が見えないWebサイトでありながらも、実店舗のような接客ができるのが魅力です。

そのため、購入や申込みを迷っているユーザーに限定の割引クーポンを表示したり、チャットウィンドウをわかりやすい配置で気軽に質問できるようにしたりすると、商品の購入率やサービスの申込率の向上が見込めます

ユーザーに合ったサービスの提案

接客販売ツール・Web接客ツールでは、訪れたユーザーの情報が蓄積されていくため、最適なサービスの提案ができるのがメリットです。ユーザーが関心を持った商品やサービスなど、ニーズに合ったメッセージ表示をポップアップで行えます。

ユーザーの購入や申込を後押しするポップアップ表示で興味を引き、不明点があればチャットで迅速に対応することで、顧客の満足度アップにもつながるでしょう。

営業工数の削減・効率化

使用方法がわかりにくい商品の販売や、内容が複雑で申込みに不安を感じやすいようなサービスなどは、ユーザーからの疑問や質問が発生しやすい傾向にあります。

そのような商材を扱うWebサイトは、チャット機能を導入するとユーザーが問い合わせをしやすくなり、疑問を即時解決できるため営業工数の削減にも貢献します。

また、訪問したユーザーの情報を自動で集計できるため、データ分析がしやすく業務の効率化にもつながります

離脱率の削減と閲覧数の向上

視覚的に見づらいWebサイトや、ユーザーに必要のない広告表示が多いWebサイトは離脱率を高め、サイトとしての評価が下がることで閲覧数も低下します。そこで、接客販売ツール・Web接客ツールを導入することで、ユーザビリティの高いサイトの構築を目指します。

つまり、ユーザーが時間をかけずに問い合わせできるような仕組みを構築したり、自身の求める内容に沿ったポップアップが表示されることにより、離脱率が低下してユーザビリティの高いサイトであると評価され、閲覧数の向上にも寄与します。

改善の迅速化で解約率を低下

接客販売ツール・Web接客ツールを導入すると、ユーザーがサイト内でどのページを閲覧しているのか、どのような行動を取っているのかが履歴でわかります。

チャットでの質問事項や対話時間などもデータで管理できるため、ユーザーがどのような疑問点や不満を持っているのかが把握しやすくなります。問題があれば改善に向けて迅速に対応できることにより、商品購入の増加やサービスの解約率低下に期待できます。

接客販売ツール・Web接客ツール導入のデメリット

接客販売ツール・Web接客ツールには、メリットだけでなくデメリットも存在します。ここでは、どのようなデメリットがあるのかを解説します。

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販売接客ツール・Web接客ツール導入のデメリット

  1. 導入・運用コストがかかる
  2. 運用体制を整える必要がある

導入・運用コストがかかる

接客販売ツール・Web接客ツールを導入するには、初期費用や月々の使用料など運用コストがかかります。サービスによって料金は異なるものの、基本的には機能が充実しているほどコストが高くなります。

初めから多機能な機能を揃えても上手く運用できない可能性があるため、ツールを選ぶ際には必要最低限の機能から使用し、徐々に増やしていくのがおすすめです

運用体制を整える必要がある

接客販売ツール・Web接客ツールを運用するためには、それぞれの担当者が必要になります。例えば、ツールの設定や操作を行う人員に加え、マーケティング分析やポップアップ広告を作成する人員も必要です。

また、チャット型ならチャットボットの選択肢作成や対応するオペレーターの配置、質問と回答の例文などを作る担当者も必要になります。多くの人員を揃えて運用体制を整える必要があるため、運用開始までの準備に時間がかかる場合があります。

接客販売ツール・Web接客ツールの選び方

接客販売ツール・Web接客ツールは、目的に沿った種類選びや費用対効果など、選び方にはいくつかのポイントがあります。ここでは、ツールの選び方について解説します。

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導入目的に合った種類を選ぶ

接客販売ツール・Web接客ツールには、ユーザーの情報を基に適切なメッセージや広告を表示するポップアップ型と、ユーザーからの問い合わせにリアルタイムで対話して返答するチャット型があります。

自社のWebサイトではどちらのタイプが課題を解決できるのか、何を目的にしてツールを導入するのかを比較検討して選ぶのがポイントです。また、購入率・申込率の向上とサポートの充実の両方を求める場合は、ハイブリッド型も検討しましょう。

費用対効果を確認

接客販売ツール・Web接客ツールは、Webサイトのコンバージョン向上のために有効なツールです。しかし、実際にツールを導入しても、掛かるコストが成果を下回ってしまっては導入する意味がありません

また、多機能で高額なツールを選んでも、活用できていないとコストの無駄になってしまいます。多くのツールは機能のコース選択や有料でオプション付加ができるため、必要な機能のみを選択して、予想できる成果とのバランスなど費用対効果を確認しましょう。

そして、運用に慣れてから成果アップが見込めそうになった後に、コース変更やオプションを追加するのがおすすめです。

既存ツールと連携できるか

Webサイトを運用する上で、CRMやMAツールなど他のツールをすでに導入している企業も多いでしょう。それら既存のツールと、新たに導入する接客販売ツール・Web接客ツールが連携できるかを事前に確認することが重要です。

すでにデータとして蓄積されている顧客情報を接客販売ツールと連携できると、今までのデータの有効活用が可能となり、効果的なWebサイトの運用へとつながります。

サポート体制を確認する

接客販売ツール・Web接客ツールを導入するためには、ポップアップ型なら顧客情報を分析して適切な広告を作成する担当者が必要です。チャット型なら問い合わせに対応するオペレーターの確保や、チャットボットの選択肢・回答を準備する担当者が必要になります。

そして、運用を開始した後もただ放置するのではなく、効果的にポップアップを表示できているのか、チャット対応に不備がないかなど定期的なメンテナンス・カスタマイズも必要です。

したがって、利用するツールのサポート体制を確認し、ユーザーのニーズに答えられるツールであるのかをチェックしましょう。

まとめ

接客販売ツール・Web接客ツールは、訪問したユーザーのニーズに合った広告やメッセージを表示したり、問い合わせにチャットでリアルタイムで返答できたりするツールです。直接見えない顧客に対して、実店舗のような接客ができるのが魅力です。

ツールにはポップアップ型とチャット型があります。ポップアップ型はユーザーの情報から興味を引くお得なクーポンを発行し、購入や申し込みを迷っているユーザーを後押しし、チャット型は有人やチャットボットで問い合わせにチャット対話が可能です。

そして、購入率・申込率の向上やユーザーに合ったサービスの提案だけでなく、業務の効率化も期待できる便利なツールです。しかし、機能を増やすほどコストがかかってしまうため、導入目的に合わせて費用対効果を確認するのが重要です。

接客販売ツール・Web接客ツールを取り入れて、自社のWebサイトのコンバージョン向上を目指しましょう

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