会計ソフトをエクセルで自作する方法|自作するデメリットも解説
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- エクセルでフォーマットを作成し、数式を設定すると会計帳簿を自作できる
- 会計ソフトをエクセルで自作するデメリットは、入力や管理が煩雑になることである
- 適切な会計業務を行うには、会計ソフトの導入が有効である
会計ソフトを導入するコストをかけず、会計帳簿をエクセルで自作することもできます。しかし、自作した帳簿で会計業務を行うデメリットも多く、本格的に会計業務を行うには会計ソフトの導入が有効と言えます。本記事では、会計ソフトをエクセルで自作する方法や自作するデメリットを解説します。
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会計ソフトをエクセル(Excel)で自作する方法
Excelを利用して会計業務を行う方法は、特定のニーズや予算に合わせてカスタマイズしたいと考える方にとって有益な選択肢です。
Excelは柔軟性があり、基本的な会計処理を行うために必要な機能を備えています。ここでは、Excelを使った会計ソフトの作り方を解説します。
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会計ソフトをExcelで自作する方法
フォーマットを作成する
会計ソフトをExcelで自作するには、まずは日々の取引を入力するための会計帳簿のフォーマットを作成することが重要です。帳簿には「総勘定元帳」「仕訳帳」「現金出納帳・売掛帳」などがあります。
それぞれの帳簿に応じたフォーマットを作成し、勘定科目名や取引日付、相手科目、借方・貸方の金額、残高、摘要などの項目を記入します。
会計帳簿の必須項目
会計帳簿は、経済活動の取引を記録し、財務状態や経営成績を把握するための記録帳簿のことです。会計帳簿は、企業の経理や税務申告などの業務において重要な役割を果たします。以下は、会計帳簿の必要項目です。
【会計帳簿の必要項目】
- 日付:取引が行われた日付
- 取引内容:取引の内容や摘要
- 勘定科目:取引が対象とする勘定科目
- 借方金額:借方への金額
- 貸方金額:貸方への金額
- 残高:取引後の残高
- 相手科目:相手方の勘定科目(売掛金や買掛金など)
数式を設定する
Excelで会計ソフトを自作する際は、数式を使うことで効率的な会計処理が可能となり、正確性と効率性が向上します。例えば、差引残高のセルに「=前回の残高+今回の借方金額−今回の貸方金額」という数式を設定し、他の差引残高セルにコピーします。
各項目に値を入力し、自動的に残高が計算・更新される会計帳簿が完成します。それぞれのプロセスに合った数式や関数を設定することで正確な帳簿が維持され、手作業のミスを減らすことができます。
テンプレートを使うこともできる
インターネット上にはさまざまなExcelテンプレートが存在します。会計業務に使えるテンプレートも多数あり、それらを使えば自身で一から帳簿を作成する手間を省くことができます。
ダウンロードしたテンプレートにはカスタマイズを加えることもできます。無料テンプレートもあるので、使いやすいものを探してみるのがおすすめです。
Excelで自作した帳簿で会計業務を行うメリット
Excelで自作した帳簿を利用すれば、独自のフォーマットや数式を使い、企業のニーズに合わせたカスタマイズができます。また、導入コストが低い点も大きなメリットです。ここでは、Excelで自作した帳簿で会計業務を行うメリットについて解説します。
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Excelで自作した帳簿で会計業務を行うメリット
カスタマイズがしやすい
Excelでは、ユーザーが自由にフォーマットや数式を設定できるため、企業の特定のニーズに合わせて帳簿をカスタマイズできます。具体的には、会計処理に必要な項目を追加したり、帳票のレイアウトを自由に変更したりできます。
また、帳簿の集計や分析に役立つ機能も自由に追加できます。このカスタマイズ性により、企業独自の業務フローにマッチした帳簿を作成できます。
データ移行が簡単にできる
Excelは、利用するパソコンの機種やOSなどによって仕様が変わることがありません。そのため、パソコンを買い換えたときや他の人とデータを共有したいときも比較的スムーズにデータ移行ができます。
これにより、過去の取引履歴や財務データを継続的に活用でき、業務の継続性が確保できます。また、データ移行の際に発生するエラーや不整合も最小限に抑えることができます。
コストがかからない
Excelは多くの場合、既にパソコンにインストールされているため、追加のソフトウェア購入やライセンス費用が不要です。また、外部の会計ソフトウェアの導入やカスタマイズにかかるコストも削減できます。
Excelを使って帳簿を自作することで、会計ソフトの利用料などの費用を抑えることができます。
さらに、独自のフォーマットや機能を追加したり、必要な項目を自由にカスタマイズしたりすることで、自社の要件に合った帳簿を作成できます。コストを最小限に抑えながら、効率的でカスタマイズ性の高い帳簿管理が可能です。
オフラインでも操作ができる
Excelは、ローカルにデータが保存されるため、インターネット接続がなくても帳簿を操作できます。これにより、環境に左右されずに仕事ができるため、外出先や通信環境の悪い場所でも確認や入力が可能です。
また、クラウドベースのソフトウェアと異なり、データのセキュリティリスクも低減されます。さらに、オフラインで作成した帳簿データは後でオンラインにアップロードすることで、バックアップや共有も簡単に行えます。
Excelで自作した帳簿で会計業務を行うデメリット
Excelで自作した帳簿にはメリットが多いですが、いくつかのデメリットがあります。ここでは、Excelで自作した帳簿で会計業務を行うデメリットについて解説します。以下のデメリットを考慮し、正確性や効率性を重視する会計業務を行うための慎重な検討が必要です。
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Excelで自作した帳簿で会計業務を行うデメリット
入力ミスが起こりやすい
Excelで自作した帳簿では、手作業による入力ミスが発生しやすいデメリットがあります。例えば、取引金額の誤入力、数式の間違い、勘定科目の選択ミスなどがよく見られます。これらの入力ミスがあると、帳簿のデータが正確でなくなります。
正確性の欠如は会計業務の信頼性に影響を与え、誤った判断や決定を引き起こす可能性があります。また、入力ミスの発見や修正に時間を要し、作業効率が低下することも懸念されます。Excelで帳簿を自作する際は、入力ミスの防止に特に注意が必要です。
対応できる業務には限界がある
Excelは汎用的なスプレッドシートソフトウェアであり、専用の会計ソフトと比べると複雑な機能の搭載や自動化が難しいことがあります。そのため、取引の増加や会社の成長に対応するのが困難になります。
また、複数のファイルでデータを管理するため、データの整合性を保つことが難しくなります。さらに、専門的な帳簿作成に必要な機能や帳票が欠けることもあり、会計業務の効率性や正確性に影響を与える可能性があります。
このように、Excelテンプレートは小規模なビジネスに適しているが、業務の成長や複雑性に対応できないというデメリットがあります。
会計業務の知識が必要
Excelで会計業務を行う場合、前提として会計処理に必要な専門的な知識やスキルを持っていなければ正確な帳簿作成が難しいです。例えば、仕訳の記入方法や仕訳帳の作成、決算処理など、会計業務には独自のルールや手続きがあります。
間違った仕訳や計算ミスがあると、帳簿の整合性が損なわれ、正確な財務状況が把握できなくなる可能性があります。したがって、会計業務に関する十分な知識がないと、Excelで自作した帳簿が信頼性を欠いてしまう可能性があります。
法改正への対応に手間がかかる
会計や税務には法改正が頻繁に行われるため、法令に基づいた帳簿の記載内容や形式が変更されることがあります。Excelで自作した帳簿では、法改正に対応するためにフォーマットの修正や機能の変更が必要になります。
これには、専門的な知識と時間が必要であり、修正が漏れると法令遵守に問題が生じる可能性があります。また、法改正が行われるたびにフォーマットを更新する手間やコストもかかります。
一方、会計ソフトウェアは法改正に対応したアップデートが行われることが一般的であり、専門家によるサポートも受けられるため、信頼性と効率性が向上します。
Excelよりも会計ソフトがおすすめな理由
適切な会計業務を行うには、会計ソフトがおすすめです。会計ソフトは、Excelで自作した帳簿と比較して、正確性と効率性を高められます。ここでは、会計ソフトのメリットについて解説します。
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適切な会計業務を行うには会計ソフトが有効
初心者でも使いやすい
会計ソフトは簿記や会計についての知識があまりなくても使いやすいように工夫されており、初心者でも簡単に使いこなすことができます。
Excelで会計帳簿を作成する場合は会計知識がないと難しいですが、会計ソフトであれば操作画面も使いやすいように設計されていますし、簡単な操作で会計業務を行うことができるでしょう。
適切な会計業務が行える
会計ソフトは、ユーザーフレンドリーなインターフェースと自動化されたプロセスを提供し、取引データの入力から帳簿の作成までを支援します。ユーザーは、シンプルな操作で取引を登録し、ソフトウェアが自動的に仕訳帳や総勘定元帳を更新します。
また、財務諸表や税務申告書の作成も簡略化されます。これにより、専門的な知識を持たない事業主や個人事業主でも、正確かつ効率的な会計業務を実行できるため、経営に専念する時間を確保することができます。
法改正に素早く対応できる
会社法や税法などの規制は定期的に変更されますが、会計ソフトは通常、アップデートやパッチを通じて最新の法改正に対応しています。これにより、ユーザーは手動でフォーマットを修正する手間を省き、正確な会計情報を維持できます。
法改正に迅速に対応することで、適切な財務諸表や税務申告書を提出し、法令遵守を確保できます。また、法改正による影響を適切に把握し、ビジネス戦略の立案や資金計画に影響を及ぼすことを防ぐことができます。
計算ミスや入力ミスを防ぐことができる
会計ソフトは、自動的に計算を行うため、手作業に比べて高い精度で計算が行われます。例えば、取引の借方と貸方の金額を入力する際に、ソフトウェアは自動的に二重入力チェックを行い、入力ミスを検知して警告します。
また、自動的に集計や合計が行われるので、計算ミスを防ぐことができます。これにより、正確な帳簿が作成され、財務データの信頼性が向上します。さらに、自動的な計算や集計は時間の節約にも繋がり、従業員の負担を軽減します。
サポート体制がある
会計ソフトは、一般的にソフトウェアベンダーがサポート体制を提供しています。これにより、ユーザーは問題や疑問が生じた際に専門のサポートスタッフに相談できます。
具体的なサポート内容は、電話やメールによる問い合わせ窓口、FAQやオンラインヘルプ、トレーニングセッションなどです。サポートスタッフは、ソフトウェアの使い方やトラブルシューティングに関するアドバイスを提供し、円滑なソフトウェアの運用に役立ちます。
サポート体制により、ユーザーは安心して会計ソフトを利用し、業務の品質と生産性を向上させることができます。
Excelと併用することもできる
ExcelファイルをCSV形式に変換し、会計ソフトにインポートすることもできます。この方法であれば、すでにExcelを使用している人でも簡単に移行することができます。
また、複数の拠点がある場合などで会計業務に携わる人数が多く、すべての人が会計ソフトを使えるようにするとコストがかさむ、といったケースでも、あえてエクセルと併用して利用するのがおすすめです。
それぞれがExcelで作業した後に、本部などで会計ソフトに読み込めば、コストを抑えつつもその後の業務は効率化できます。
まとめ
Excelで自作した帳簿のメリットは、カスタマイズやデータ移行が簡単でオフライン操作が可能ですが、入力ミスや法改正への対応に課題があります。一方、会計ソフトは専門知識が浅くても適切な会計業務を行え、法改正にも素早く対応できます。
計算ミスや入力ミスを防ぎ、豊富な機能とサポート体制で効率的かつ正確な会計業務が実現できる点が魅力です。自社のニーズに合った選択が重要であり、組織の規模や予算などを考慮し、最適なツールを選びましょう。
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