IT導入補助金で会計ソフトを購入|対象者や申請手順を解説

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  • IT導入補助金で、中小企業や個人事業主は会計ソフトなどのITツールを購入できる
  • IT導入補助金には5つの申請枠があり、それぞれ補助金額や対象となるものが異なる
  • ITツールの費用は、IT導入補助金の交付が決定してから支払う

IT導入補助金とは、中小企業者や個人事業主がITツールを導入する際にかかる費用の一部を国が負担してくれる制度で、会計ソフトの購入でも申請できます。この記事では、IT補助金申請枠の種類や対象ソフトの探し方、申請の手順などについて解説します。

目次

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  1. IT導入補助金とは?
  2. IT導入補助金の5つの申請枠
  3. IT導入補助金対象の会計ソフトの探し方
  4. IT導入補助金で会計ソフトを購入する手順
  5. 会計ソフト導入にIT導入補助金を活用するメリット
  6. IT導入補助金2024の事業スケジュール
  7. まとめ
  8. 更なる業務の効率化に!関連サービス記事

IT導入補助金とは?

IT補助金の概要

IT補助金とは、中小企業・小規模事業者を対象とした補助金で、自社の課題改善・業務効率化を目的にITツールの導入を行うと、経済産業省から補助金を受けられる制度を指します。受けられる補助金の額は、申請枠により上限が異なりますが最大450万円となります。

IT補助金の制度には、通常枠(A・B類型)・セキュリティ対策推進枠・デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型・商流一括インボイス対応類型・複数社連携IT導入類型)に分類されます。また、補助対象者や補助額の下限・上限や補助率も区別されています。

IT導入補助金は会計ソフトも対象となっているため、経費の負担を軽減したいといった目的で経理業務のデジタル化を検討している場合は、申請を検討するのがおすすめです。その際は、どの申請枠なのか、対象者・対象ツールなどを理解したうえで申請する必要があります。

IT導入補助金の対象者

IT導入補助金の対象者は、中小企業・小規模事業者であることが要件となり、業種によって資本金や常勤の従業員数などに条件があります。対象となる業種の一例としては、以下のとおりです。

  1. 製造業
  2. 建設業
  3. 運輸業
  4. 卸売業
  5. サービス業
  6. 小売業 など

資本金や従業員数などの条件があるため、公式サイトで内容をよく確認しておきましょう。

参考:IT導入補助金とは|IT導入補助金

IT補助金の補助額と補助率

IT導入補助金には以下のような申請枠があり、補助額や補助率が異なります。以下の表を確認し、自社のニーズや条件に合った申請枠を利用しましょう。それぞれの詳細は後述します。

申請枠補助額補助率
通常枠(A類型)5万円~150万円未満1/2以内
通常枠(B類型)150万円~450万円未満1/2以内
セキュリティ対策推進枠5万~100万円1/2以内
デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)~350万円・中小企業・小規模事業者:2/3以内
・大企業:1/2以内
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)・ソフトウェア購入費:~350万円
・PC・タブレットなど:~10万円
・レジ・券売機など:~20万円
・ソフトウェア購入費:3/4以内~3/2以内
・その他:1/2以内
デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)・基盤導入経費:5万~350万円
・消費動向等分析経費:50万×参加事業者(上限額は、基盤導入経費と合わせて3,000万円)
・事務関連費:~200万円
2/3以内

参考:IT導入補助金2024

IT導入補助金の5つの申請枠

IT導入補助金には、5つの申請枠があります。通常枠のA・B類型やデジタル化基盤導入類型など、それぞれ要件や補助金額などが異なります。それぞれどのような違いがあるのか、以下で具体的に解説します。

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通常枠(A・B類型)

IT補助金の通常枠には、A・B類型があり、A類型は5万円~150万円未満の補助金を受けられます。要件となるプロセスは1以上で、小規模なITツールの導入に向いています。ここでいうプロセス数とは、会計・財務・経営や顧客対応といった業務工程や業務種別を指します。

また、A類型の場合、賃上げ目標は必須ではなく加点項目となります。一方のB類型は、150万円~450万円未満の補助金を受けられます。要件となるプロセス数は4以上で、大規模なITツールを導入する場合に向いています。

B類型の場合、賃上げ目標はA類型と異なり、必須項目とされています。A類型・B類型共に補助率は導入費用の1/2であるため、ITツール導入費用の自己負担額は半額です。

A・B類型ともに対象となるITツールは会計ソフトや顧客管理ソフトなどで、パソコンやタブレットのハードウェアは対象外です。

参考:通常枠(A・B類型)について|IT導入補助金

デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)

デジタル化基盤導入枠は、通常枠では対象外のパソコン・タブレット・券売機などのハードウェアも補助対象となります。対象となる経費はソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)・ハードウェア関連費・導入関連費です。

ソフトウェアについては、会計・受発注・決済・ECのいずれかの機能が付いたものを新規で導入する必要があります。補助額は、ソフトウェア購入費が下限なし~350万円、PC・タブレットなどは下限なし~10万円、レジ・券売機などは下限なし~20万円です。

要件となるプロセス数、および補助率は、ITツールは50万円部分までがプロセス数1以上で補助率3/4以内、50万~350万円部分までがプロセス数2以上・補助率2/3以内で、そのほかはITツールの使用にするもので補助率が1/2以内とされています。

デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)

新設されたデジタル化基盤導入枠の商流一括インボイス対応類型は、中小企業・小規模事業者に加えて、大企業も補助対象者になります。

商流一括インボイス対応類型では、取引先の発注者がインボイス制度に応じたITツールを導入し、受注者の中小企業・小規模事業者に対し、受注・発注機能を備えたソフトウェアなどのITツールを無償で利用させる場合に補助が受けられます。

補助額は、下限なし~350万円とされ、補助率は中小企業・小規模事業者は2/3以内、大企業は1/2以内です。申請時にITツールの利用料が不明なものや、リースレンタル契約のITツール、中古品などは補助対象外となるため、対象経費に該当するか確認が必要です。

参考:デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)について|IT導入補助金

セキュリティ対策推進枠

セキュリティ対策推進枠は、デジタル化が進む一方で、サイバー攻撃などが巧妙化しているといった、近年の情報セキュリティ面での潜在リスクを回避するためにITツールやサービスを導入した場合に補助を受けられる制度です。

補助額は、5万~100万円で、補助率は1/2以内とされています。IT導入支援事業者が提供し、かつ事前に登録が必要なITツール「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているサービスが対象となります。

参考:セキュリティ対策推進枠について|IT導入補助金

参考:サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト|独立行政法人情報処理推進機構 IPA

デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)

デジタル化基盤導入枠の複数社連携IT導入類型は、複数の中小企業・小規模事業者などが連携して、デジタル化・DX化を推進し生産性向上を図る目的でITツールを導入する際に、補助対象となる制度です。

商工団体など複数社による申請が条件であるため、大規模なデジタル化・DX化に向いています。複数社連携IT導入類型の補助額は、基盤導入経費は5万~350万円、消費動向等分析経費は50万×参加事業者(上限額は、基盤導入経費と合わせて3,000万円)です。

そのほかの経費として、プロジェクトに関係する団体の取りまとめに必要とする事務関連費用や謝礼・旅費なども対象となり、上限は200万円です。

IT導入補助金対象の会計ソフトの探し方

IT導入補助金の対象となる会計ソフトは、IT導入補助金の公式サイトから検索できます。以下の手順で簡単に探せるため、導入を検討している会計ソフトがある場合は、補助対象かどうか、あらかじめ確認できます。

  1. IT導入補助金の公式サイトへアクセスする
  2. 上部タブ「中小企業・小規模事業者のみなさま」を選択
  3. ページ中ほどの申請・手続き「IT導入支援事業者・ITツール検索」を選択
  4. 「IT導入支援事業者・ITツール検索」はこちらをクリック
  5. 営業エリアを選択し、必要項目をチェックのうえ、希望するツール名を入力して検索
  6. 検索結果の会社名のリンクを選択し、右タブの「ITツール一覧」で確認

参考:ITツール・IT導入支援事業者検索(コンソーシアム含む)

IT導入補助金で会計ソフトを購入する手順

IT導入補助金を利用して会計ソフトを購入する手順について解説します。事前準備から交付申請、導入後および補助金交付後について、手順を項目ごとに確認してから会計ソフトの導入を行いましょう。

参考:申請・手続きフロー|IT導入補助金

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1. 補助対象の事業者に該当しているか確認

IT導入補助金の交付申請を行う際は、自社が補助対象の事業者に該当しているか確認が必要です。補助対象は基本的に中小企業であり、業種によって資本金や従業員数の条件が設定されています。

補助対象となる中小企業の業種は、飲食・宿泊・卸・小売・運輸・医療・介護・保育等のサービス業・そのほか製造業や建設業などです。

個人事業主・NPO法人も対象になる

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者を対象が対象です。個人事業主の場合でも小規模事業者の定義に該当していれば対象者となり、交付申請が可能です。

  1. 常勤の従業員が5人以下の商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)
  2. 常勤の従業員が20人以下のサービス業のうち、宿泊業・娯楽業
  3. 常勤の従業員が20人以下の製造業そのほか

上記以外にも、個人事業主に関わってくる要件は複数あり、交付規程に記載されたすべての要件を満たしている必要があります。なお、NPO法人も特定非営利活動法人として中小企業の定義を満たしているため、補助対象となります。

参考:資料ダウンロード|IT導入補助金2023

2. IT導入支援事業者・ITツールを選択する

IT導入補助金で会計ソフトを購入する際は、対象の会計ソフトを選定する必要があります。対象の会計ソフト、またIT事業支援事業者は、以上で解説したIT導入補助金の公式サイトより簡単に検索ができます。

導入を検討している会計ソフトがある場合、ツール名を入力することで補助対象のITツールなのか確認できます。IT導入支援事業者は、できるだけ実績の多い業者を選定すると、評価の高い事業計画を作成することが期待できます。

3.「gBizIDプライム」のIDとパスワードを取得する

「gBizIDプライム」とは、補助金の申請時に必要な、法人代表者や個人事業主の本人確認後に発行されるアカウントを指します。IT導入補助金の交付申請を行う際も、gBizIDプライムアカウントが必要です。

gBizIDプライムアカウントは、印鑑証明書を登録印鑑を押した書類を運用センターに郵送すると、2~3週間ほどで発行できます。アカウントを取得していない場合は、早急に発行の申請を行いましょう。

参考:GビスID

4.「SECURITY ACTION」手続き

「SECURITY ACTION」とは、情報セキュリティに関する対策への取り組みを宣言する制度を指します。安全・安心なIT社会を実現するために創設されたもので、情報セキュリティポリシーを策定・継続的な見直しをし、対応していくことを宣言するものです。

IT導入補助金の交付申請を行う際、SECURITY ACTIONの宣言が必須要件となっています。1段階目・2段階目の取り組み目標を実践し、1つ星・2つ星のいずれかを宣言する必要があります。

参考:SECURITY ACTION セキュリティ対策自己宣言

5.「みらデジ経営チェック」の実施

「みらデジ」とは、現在自社が持つ課題について、ITツールを導入することにより何に取り組むべきかといった経営課題の把握や、ITに精通した専門家へのサポートを支援する事業です。

IT導入補助金2023より、みらデジの「みらデジ経営チェック」を交付前に行うことが必須要件となっています。みらデジ経営チェックを行う際は、事業者登録でgBizIDプライムアカウントも必要になるため、アカウント発行後、速やかに経営チェックを行いましょう。

参考:みらデジ

6. 交付申請・決定

IT導入補助金の事前準備が整ったら、交付申請を行います。IT導入支援事業者と相談し、導入するITツールの選定や、事業計画を設定し必要書類を添付のうえ、交付申請を提出します。事務局で審査が通れば交付決定通知が届きます。

交付決定通知を受け取ったら、ITツールを契約し支払いを行います。注意点としては、ITツールの支払いは交付が決定してからになります。

7. 会計ソフト契約と支払い報告

IT導入補助金の交付が決定し、会計ソフトの契約が済んだら事業を開始します。事業の完了後、実際に会計ソフトを導入した際の発注・契約・納品・支払いを行ったことがわかる書類を提出し、事業実績報告にて支払報告を行います。

事業実績報告は、補助事業者が交付申請の際に利用したIT導入補助金の「申請マイページ」から必要な情報を入力し、会計ソフトの契約の際に発行された書類などを添付のうえ事務局へ提出すると、審査が行われます。

8. 補助金額の確定・実施効果報告 

事業実施効果報告・事業実績報告を提出し、事務局にて審査が完了すると、補助金額が確定します。補助額は「申請マイページ」にて確認できます。事業実施効果報告は、IT導入支援事業者が確認し、事務局へ提出します。

事業終了後に、生産性向上に係る数値目標に関する状況や、ITツールを継続的に活用していることを証明する書類、賃上げが実践されているかなど、IT導入事業者により効果報告を行う必要があります。

会計ソフト導入にIT導入補助金を活用するメリット

IT導入補助金を活用する最大のメリットは、コストを抑えて会計ソフトを導入できることです。会計ソフトの価格は製品によって幅がありますが、インストール型では10万円以上のものも多数あります。

予算の限られる中小企業にとっては決して安くはない価格ですが、IT導入補助金により安く購入できます。また、補助金があることで、より高性能なソフトを選ぶことも可能になります。

一般的に高機能なほど高額になるため、予算に合わせるとスペックを妥協しなければならないケースもありますが、補助金があればより選択肢が広がるでしょう。

IT導入補助金2024の事業スケジュール

IT導入補助金は年度毎に交付申請期間が異なるため、申し込みを検討する際は公式サイトでの確認が必要です。

なお、2024年の募集期間は2月16日〜10月15日となっており、もう終了しています。来年以降の事業スケジュールはまだ発表されていないため、申し込みを希望する場合は定期的に公式サイトをチェックし、募集期間内に申請しましょう。

上記のようにいくつかのステップがあり申請には時間がかかるため、これまでの公募要領や交付までの流れを事前に確認しておくことをおすすめします。

参考:事業スケジュール|IT導入補助金2024

まとめ

IT導入補助金は、生産性向上と業務効率化を目的としてITツールやソフトウェアを導入する際、その経費の一部が補助されるもので、中小企業や小規模事業者が対象です。IT導入補助金には申請枠や要件などが複数あるため、申請前に事業の内容を理解する必要があります。

また、IT導入補助金を受ける際には、gBizIDプライム・SECURITY ACTION・みらデジの軽々チェックなどの登録や手続きをする・決定通知を受け取ってからITツールの支払いを行うなど、手順に注意すべき点もあります。

自社の課題を改善し、業務プロセスのデジタル化やDX化を推進させ、より時代に合ったビジネススタイルを確立できるように、IT導入補助金を利用して適したITツールを導入しましょう。

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