ワークフローの承認ルートとは?重要性や最適化のコツを解説
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- ワークフローの承認ルートは、業務フローの円滑化や不正・ミスの防止などに重要である
- 承認ルートを最適化するには、問題点の洗い出しや条件別の承認ルート設定が必要
- ワークフローシステムの導入で、承認状況の可視化や承認ルートの自動判別が可能になる
ワークフローの改善には、社内で書類を作成した場合に上長や担当部署が確認・承認を行うなどの非効率な承認ルートの見直しが必須です。本記事では、ワークフローにおける承認ルートの重要性やその種類、最適化するためのコツなどを解説します。
目次
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ワークフローの承認ルートとは
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ワークフローとは、業務の流れを意味します。承認ルートはワークフローの中の一部で、申請から承認を経て決裁に至るまでの経路を指します。ワークフロー改善のためには、承認ルートも見直さなければならない場合が多いです。
企業内では、日々判断・決裁しなければならない事案が多くあります。しかし、決裁権限を持つ人たち全員が集まって決めるのは非効率です。それを避けるために承認ルートがあり、書類を承認者に回覧して決裁するのが一般的で効率的な方法です。
承認ルートにもいろいろな種類があり、慎重に扱わなければならない案件と、年休の取得や出張の届けといった定型的な案件などを、同じ承認ルートで行うのは非効率です。承認ルートの適正化は、企業のワークフローの効率化にもつながります。
ワークフローの承認ルートが重要な理由
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適正で効率的なワークフローを構築するためには、承認ルートの見直しも必要です。ここでは、なぜワークフローの承認ルートを見直すことが重要なのか、代表的な3つの理由を解説します。
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ワークフローの承認ルートが重要な理由
業務フローを円滑に進行させるため
承認ルートを設定することで、業務手続きをルール化できます。ルールに従って書類を申請するだけで済めば、業務フローを円滑に進めることが可能です。承認ルートの設定が不適切や曖昧である場合、判断を誤ったり独裁的な経営に陥ったりする恐れもあります。
企業の中には、1つの部署内で収まらない案件も多くあります。そのような案件では、関係部署にも承認者を設ければ、案件に関わるすべての部署において案件把握が可能です。各部署が共通理解のもとで業務を遂行でき、円滑な業務フローとなります。
承認者不在による決裁遅延を防ぐため
承認ルートには、承認者の代理の設定も重要です。承認者の中には出張・会議などでデスクを離れる時間が長い人もいます。そういった承認者の承認を待つと、決裁までの時間が長くなることも多いです。よって、承認代理者を指定して決裁遅延を防ぎます。
中には、承認者の不在が重なり、決裁までに1週間以上かかってしまう場合もあります。決裁が遅れると申請者のストレスが大きくなり、顧客に対する印象も悪くなります。
決裁遅延の課題を解決するためには、ワークフローシステムの導入が有効です。システムを活用すれば、承認者は外出先からでもシステムにアクセスして迅速に承認業務を行えます。
不正やミスを未然に防ぐため
承認ルートの適確化は、不正やミスの防止にもつながります。承認ルートがしっかり整えられていないと、文書紛失・不正決裁・文書改ざん・情報漏えいなどが起こりかねません。また、本来のルートと異なるルートでの決裁は、後々問題が発生するリスクが高いです。
承認ルートが明確になっていれば、申請や承認の状況把握によって決裁が下るまでの予想がしやすくなり、次のことを考えながら業務を進められます。また、承認や決裁の記録が残るため、責任の所在を明確にできる点もメリットです。
承認ルートの種類
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企業の規模や業務内容、申請内容の重要性などによって承認ルートは変わりますが、基本は4つの型に分類できます。さらに、これらを組み合わせるのも効果的な承認ルートの作り方です。
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種類 | 特徴 |
---|---|
直線型 | 承認ルートは1本道で、比較的短時間で決裁が完了できる |
指名型 | 直線型の途中で、案件に関わる新たな承認者を追加できる |
条件分岐型 | 複数の承認ルートの中から、案件の内容で違うルートを選択できる |
並列型 | 複数の承認ルートが同時進行し、承認の仕方に3種類ある |
直線型
直線型は承認ルートの中で最もシンプルな方法で、申請者→承認者→決裁者など、1本道で申請から決裁まで完結します。承認者は複数になる場合もあり、申請者の上司や申請事項に関連する部署の責任者が決裁者となる場合が多いです。
ただし、他の承認ルートに比べて早く決裁されますが、慎重な取扱いを要する案件では決裁者の責任が重くなってしまいます。比較的簡単で定型的な案件などで広く使われている方法です。
指名型
指名型は直線型の応用版で、承認ルートの中で、その案件に関係の深い責任者を承認者として指名・追加する方法です。案件に応じて専門の部署の責任者を指名して案件の点検が行われるため、より慎重な承認フローとなります。
たとえば、一般的に直線型で承認される事案でも、IT専門の責任者を指名して点検してもらうなどのケースが考えられます。指名者は複数になる場合もあり、承認までの期間は長くなりますが、より慎重な決裁ができる方法です。
条件分岐型
条件分岐型も直線型の応用になり、案件をある条件で分類して、分類ごとに承認ルートを決める方法です。直線型ではどのような案件でも同じ承認ルートになりますが、条件分岐型
では必要に応じて承認者数や決裁者を決めることで、承認ルートを効率化できます。
たとえば、案件を金額で分類して、50万円未満なら課長決裁、50万円以上なら部長決裁となるようなルールを作り、承認者数も金額が大きくなると増えるようにするといったケースです。条件分岐型の効率化は、企業に合った分類ができるかどうかにかかっています。
並列型
並列型は、承認ルートの中で最も複雑なパターンであり、合議に近い慎重な検討ができます。したがって、複数の部署に関わるような大きなプロジェクトの計画などによく用いられる方法です。
並列型の承認ルートでは、複数のルートで同時に承認が進み、最終的に決裁者に集約されて決裁するという道筋をたどります。たとえば、複数の部署に関わる案件では、部署ごとの承認ルートを経て決裁者に集約します。
ただし、多くの承認者を通すことから、承認の進捗状況の把握が難しくなります。また、書類の紛失や改ざんのリスクも高くなるため注意が必要です。以下では、並列型の決裁に進むための方法である「OR承認」「多数決」「AND承認・合議」の3種類を解説します。
OR承認
OR承認は、複数の承認ルートの中で、どれか1つのルートで承認されれば決裁に進むパターンです。 一部のルートの承認者が不在で承認が滞っていても、他のルートで承認されれば決裁できるため、業務の停滞が起こりにくい方法になります。
しかし、承認に安易な部分があるため、重大なプロジェクト案件にはあまり向いていません。できるだけ早く承認ルートを回したい場合に有効な手段です。
多数決
多数決は全ルートの過半数以上のルートで承認が得られたら決裁のステップに進む方法です。事前に賛成多数で決裁に回ることが周知されていれば、スムーズな決裁ができます。
AND承認・合議
AND承認・合議は、すべてのルートで承認されたら決裁のステップに進む方法です。複数の部署に関わる案件など、慎重な検討が必要になる場面でよく用いられます。
また、決裁前に合議することも可能です。その際、他の承認者の意見などをあらかじめ確認できるため、効率的に合議を進められます。申請内容をさらに高め、より良いものに仕上げることができる方法です。
ワークフローの承認ルートを最適化するコツ
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ワークフローの承認ルートの最適化は、承認フローの効率化やミス・不正の防止にも関わるため、慎重に進めなくてはなりません。ここでは、ワークフローの承認ルートを最適化するコツを解説します。
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ワークフローの承認ルートを最適化するコツ
導入前の入念な事前準備
承認ルートの最適化のためには、導入前に入念な事前準備が必要であり、最短の承認ルート、案件の検討が十分にできる承認ルートが基本です。しっかりと事前準備を行うことで、間違いのない効率的な承認ルートを構築できます。
そのためには、従業員の意見も聞きながら、自社の承認ルートの問題点を洗い出すことが大切です。承認ルートが長すぎて時間がかかっていないか、ルートが短くて浅い検討になっていないかなどを中心に検討します。また、承認する部署・担当者の見直しも必要です。
代理担当者の事前決定
短期間で完了する承認ルートの構築には、代理担当者の存在が欠かせません。事前に誰を・どの役職を代理担当者とするかを決め、関係部署内に周知しておくことが大切です。新しい承認フローを導入してからの指名では、業務に混乱が生じる恐れがあります。
担当者および担当部署への周知
承認フローの変更は、企業にとって大きな変革です。現状の承認フローの課題、フロー変更の目的や見込まれる効果などを事前に関係部署に周知し、理解してもらう必要があります。これにより、承認フロー変更の意識が高まり、スムーズな移行ができるようになります。
また、承認フローの変更と合わせてシステムを導入する場合は、システム操作の理解も必要です。丁寧に十分な時間をかけた研修計画を立て、すべての従業員が使いこなせるような取り組みを行い、利便性を実感させることが重要です。
業務内容別の柔軟な承認ルート設定
承認ルートは1つの方法に絞らず、さまざまなルートを柔軟に使い分けるのが業務の効率化につながります。そのためには、それぞれの承認ルートのメリットやデメリットをしっかりと把握して、自社に適合する業務に当てはめて考えていくことが大切です。
たとえば、日常的業務では直線型で行い、どのような案件に対して指名型を認めるのかをルール化しておきます。また、業務内容や契約額によって分岐型を採用する基準を、誰でも判断できるようにしておくのもポイントです。
紙による承認フローの課題
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紙媒体による承認フローは、どこまで承認が進んでいるのか進捗状況が見えにくかったり、保管コストがかかったりするなどさまざまな課題があります。ここでは、紙による承認フローの課題について解説します。
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紙による承認フローの課題
進捗状況を把握できない
紙媒体による承認フローは進捗状況が把握しにくく、誰まで承認が済んでいるのか・どこで承認が止まっているのかがわかりにくいです。また、確認するためには、誰のデスクに申請書類があるのかを人力で探さなければならず、手間と時間がかかります。
さらに、承認する順番も見えにくいため、承認者や決裁者が不在の間に承認が回ってくることもあり、承認が止まりやすくなることも考えられます。
保管や印刷などにコストがかかる
紙媒体の承認フローの場合、印刷や保管にコストがかかります。たとえば、承認者が遠隔地にいる場合、申請書を印刷して郵送するコストが発生します。これには、コストだけでなく時間や手間もかかるため、担当者は本来の業務に集中できないのもデメリットです。
また、保管するためのスペースの確保やファイリング作業が求められ、書類を確認したいときにすぐに見つけ出すことが難しいなどの問題も生じます。
紛失のリスクがある
紙媒体には、紛失しやすいリスクもあります。たとえば、承認者のデスクに申請書類を置いておいた場合、他の書類と紛れるなど担当者の不注意によって紛失しやすいです。
申請書類が紛失すると、再度書類を印刷する必要が生じるだけでなく、書類に記載されている社内情報が外部に流出するリスクもあります。
ワークフローシステムの導入で承認業務を効率化
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紙媒体の承認フローには、多くの課題があります。それらの課題をフォローするのがワークフローシステムです。承認フローを電子化することで、リスクの低減と業務の効率化が図れます。
ワークフローシステムでは、電子データで申請から決裁まで行います。データは共有・可視化され、承認状況の把握も可能です。また、インターネットを利用したシステムでは、PC・タブレット・スマホが使え、承認者がデスクにいなくても承認できます。
ワークフローシステムの導入メリット
ワークフローシステムを導入し、社内のワークフローを電子化することで、以下のようなメリットを得られます。
- 書類の回覧待ちがなくなり承認プロセスが迅速化する
- 過去の申請書類の検索がしやすく再利用も可能
- 人為的なミスや紛失リスクを減らしコスト削減が可能
- 権限管理によってコンプライアンスを強化できる
- ペーパーレス化とリモートワークに対応できる
ワークフローシステムは、他の業務システムであるERPやCRMなどとも連携しやすく、効果的な運用でデータ入力にかかる手間を削減できます。
円滑な業務フローの実現はもちろん、さまざまなコスト削減や働き方への対応にもつなげられるため、導入メリットが大きいです。
まとめ
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ワークフローにおける承認ルートの適正化は、業務フローの円滑化や不正・ミスの防止などにつながるため非常に重要です。企業の長期的な業務効率化・事業成長にも役立ちます。
承認ルートを適正化するには、まず現状の問題点を洗い出し、十分に検討しながら迅速な決裁が行えるルートを見つけ出すことが必要です。その際、決裁ルートを1つに絞るのではなく、案件に応じた柔軟な決裁ルートの策定が有効的です。
また、ワークフローの承認ルートを電子化するワークフローシステムの導入も視野に入れましょう。システムの活用により、承認状況の可視化や承認ルートの自動判別が可能になり、ペーパーレス化やリモートワークへの対応も進められます。
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