押印申請・承認の効率化にはワークフローシステムがおすすめの理由

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  • 手続きに印鑑を用いると、承認作業における進捗状況が把握できないなどの課題がある
  • 承認フローの効率化には、電子署名や電子印鑑機能搭載ワークフローシステムがおすすめ
  • 電子印鑑機能搭載のワークフローシステム導入で、押印のために出社する必要がなくなる

社内の申請・承認手続きに押印を用いる企業も多いでしょう。しかし、手続きに押印を用いるとコストや手間がかかるなどの課題があります。そこで、課題解決には電子印鑑機能搭載のワークフローシステムがおすすめです。本記事では、システム導入のメリットなどを解説します。

目次

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  1. ワークフローにおける押印とは
  2. 手続きに印鑑を用いる課題
  3. 承認フローを効率化する方法
  4. ワークフローシステムの電子印鑑機能とは
  5. 電子印鑑機能搭載のワークフローシステム導入のメリット
  6. 電子印鑑以外のワークフローシステムの機能
  7. 電子印鑑で押印する決裁書類の注意点
  8. まとめ

ワークフローにおける押印とは

ワークフローは「Work(仕事)」と「Flow(流れ)」のことで、「業務の一連の流れ」を意味します。より具体的には、稟議書や契約書などの各種書類の作成・承認の過程をワークフローと呼びます。

ワークフローにおいて押印が必要な場面が多々あります。押印とは印鑑を押すことで、ワークフローにおける押印は、該当業務を誰が行い・誰が承認したかを証明するために行われます。

押印の必要性

ワークフローにおける押印は、その業務の責任の所在を明確にするために重要です。たとえば、決裁に用いる稟議書は部下が作成し、課長・部長・役員・社長の順番で回覧・承認されます。

部下が課長に稟議書を提出する際、作成者が自分であると証明するために行うのが押印です。一方、課長以上の役職は稟議書の承認の証として押印を行います。

管理者の押印には意思確認・本人確認の意味があります。すなわち「部下から受け取った稟議書の内容が問題ないこと」を「上司である自分自身が確認した」ことを表します。

各人が押印することで、決裁フローの各過程を誰が担当したのかが明確になります。もし上流工程で稟議書の不備が発覚した場合、作成者はもちろん、下流工程で承認した管理者も責任を問われます。

トラブル発生時に迅速かつ的確な対応を行うためにも、ワークフローでの押印は重要といえるでしょう。

手続きに印鑑を用いる課題

従来の承認作業は、紙媒体の書類に印鑑で押印します。印鑑を用いての承認にはコストや手間がかかったり、業務プロセスが不透明化したりするなど、さまざまな課題があります

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印鑑の利用にコストと手間がかかる

印鑑の利用にはコストと手間がかかります。たとえば、印鑑を押すには紙媒体の書類が必要です。つまり、パソコンで作成したデータを印刷する手間がかかり、追加でインク代・紙代といった費用も発生します。

また、紙媒体の書類は保管スペースも必要です。保管スペースには限りがあるため、古い書類は整理・廃棄するといった手間も定期的に発生するでしょう。

担当者がいない場合停滞することがある

承認フローでは、承認担当者が不在であると業務が停滞します。たとえば、稟議書は複数人の承認が必要なため、途中の承認担当者が不在の際には、そこから先へのフローには進めません。そして、稟議書の申請から承認までに想定外の時間がかかります。

また、見積書・契約書・発注書など、取引先と交わす書類の承認が停滞した場合は、商機を逃す恐れもあります。

進捗状況・書類の所在を把握できない

印鑑を使って承認する場合、基本的にその書類は手渡しで回覧していきます。そのため、書類の所在がわからなくなり、業務プロセスの不透明化といった事態が発生することも多いです。

これでは、催促をしたくとも書類がどこで止まっているのか判断できないため、声をかけるべき相手を特定できません。その結果、承認業務が停滞してさまざまな損失につながる可能性が高まります。

承認フローを効率化する方法

従来の印鑑を使った承認フローは効率が悪く、業務の停滞や生産性の低下を招きかねません。そこで、近年は新しい承認システムを採用する企業が増えています。たとえば、次のような方法は企業の承認フローの効率化に大いに役立つでしょう。

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電子印鑑の導入

近年、承認フローの効率化のために導入が進んでいるのが電子印鑑です。電子印鑑とは、名前の通り電子データ化された印鑑を指します。電子印鑑には、大きく分けて次の2種類があります。

電子印鑑には、大きく分けて次の2種類があります。

  1. 実印の印影を画像化した電子印鑑
  2. 印影に識別情報が保存される電子印鑑

電子印鑑は、コンピュータ上で電子データに押印できるのが特徴です。従来のように捺印のために現物(書類)を手渡しする必要がなく、システム上で押印できるため、承認フローの時短化・効率化につながります。

ただし、電子印影は陰影を画像化して貼付するものであるため、実印・電子署名に比べると信頼性は高くありません。社内の承認フローに利用する分には大きな問題はありませんが、企業間で交わす契約書のような重要書類には使用できないこともあります。

電子印鑑機能搭載のワークフローシステムの導入

ワークフローシステムとは、一連の業務を自動化できるシステムです。たとえば書類の作成・申請・承認・回覧・保管などを一元管理できるものが代表的です。

電子印鑑機能を備えたワークフローシステムを導入すれば、申請・承認フローの一環として押印業務も自動化できます。電子印鑑システム単体よりも幅広い業務範囲をカバーできるため、ワークフローシステムを導入する企業も増加しています。

ワークフローシステムの電子印鑑機能とは

ワークフローシステムの電子印鑑機能には、大きく分けて次のような2種類があります。それぞれ特徴やメリットが異なるため、自社の状況に合わせて使い分けましょう。

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ワークフローシステムの電子印鑑機能とは

  1. 独自の印影を表示
  2. 印影に押印者と押印した日付を表示

独自の印影を表示

実印の印影をスキャン・アップロードしてデータ化し、電子印鑑として使用する方法です。紙に実印を押すような要領で利用できるため、誰でも抵抗なく使いやすいのが特徴です。

一方、この電子印鑑には法的効力がない点に留意しなければなりません。実印と異なり、陰影画像の複製や偽造が容易なためです。したがって、重要書類の承認には利用できないこともあります。

印影に押印者と押印した日付を表示

印影に使用者の識別情報を保存する方法です。たとえば、押印者の氏名と押印の日付けが表示されるものが代表的です。ユーザーのログイン情報などをもとに陰影が自動で作成されます。

この電子印鑑機能では、実印の印影のスキャンやアップロードは不要です。また、押印者・押印の日付は自動で表示されるため、不正押印や文書の改ざんなどを防止できる点もメリットです。

電子印鑑機能搭載のワークフローシステム導入のメリット

承認フローの効率化には、電子印鑑機能単体よりも、電子印鑑機能を搭載したワークフローシステムの導入がおすすめです。ここでは、電子印鑑機能搭載のワークフローシステムのメリットをご紹介します。

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紙に慣れた従業員にも抵抗感が少ない

電子印鑑機能搭載のワークフローシステムでは、電子上の申請書に印鑑の印影が押印されます。紙での押印申請とほぼ同じフォーマットで申請書の作成・承認が可能なため、従来のやり方に慣れている従業員でもあまり混乱せずに取り組みやすいでしょう。

紙による申請書の管理期間が長いほどシステムへの移行が難しくなりますが、実際に利用する従業員が迅速に慣れることで、スムーズに電子化に対応できます。

押印のために出社する必要がない

電子印鑑機能搭載のワークフローシステムを導入すれば、システム上で押印できるようになります。従来までのように、紙と実印を使って承認業務を行う場合、押印は必ず現物(書類)に行わなければなりません。

よって、押印は基本的にオフィス内で行う必要があり、リモートワークや外回りが多い従業員は、押印のためだけの出社が必要でした。これらは押印担当者の負担になるだけでなく、承認フローの停滞の原因でもありました。

一方、電子印鑑機能搭載のワークフローシステムなら、押印をオンライン上で行えます。場所・時間を問わずに押印できるため、リモートワークや外回りが多い担当者でも、オフィスに立ち寄る必要はありません。

特に、契約書や稟議書は承認までのスピード感が重要です。電子印鑑機能搭載のワークフローシステムを導入することで承認フローを迅速化できるため、業務の効率化・最大化につながります。

代理押印やなりすましの不正防止

ワークフローシステムの電子印鑑は、基本的にログイン情報をもとに作成されます。そのため、代理押印やなりすまし押印のような不正を防止できる点がメリットです。日付が自動で押印される点も、不正や文書改ざんの防止につながります。

なお、電子印鑑の多くは法的効力がなく、実印に比べると信頼性も高くありません。したがって、より効力の高い電子印鑑を利用したい場合は、担当者のフルネーム・日付が押印されるものがおすすめです。

電子印鑑以外のワークフローシステムの機能

ワークフローシステムには、従来までの紙による稟議書などと同等のフォーマットを再現するために、電子印鑑機能以外の機能も豊富に搭載しています。特に、以下のような機能が便利です。

取り込み機能

取り込み機能では、今までExcel(エクセル)などで作成した申請書をシステムで取り込んでデータ化し、まとめて管理できるようにします。企業によって独自のフォーマットが存在するため、一から作成する必要がないのは大きなメリットです。

また、システムの中には取り込んだ後にフォントや色を変えられるものもあるため、自由度が高いのも利便性を向上させるポイントです。その他にも、押印申請書の作成においてテンプレートを活用できるものもあります。

承認フローの設定機能

ワークフローシステムでは、申請書の作成時に承認フローの設定を行えます。その設定した承認フローに沿って、順番に申請書の承認を受けることができ、メールで承認状況の通知を受けることもできます。

これにより、間違った承認フローを辿ることがなく、進捗状況の確認も容易です。ただし、どのような承認フローの設定が行えるかはシステムによって変わるため、利用前には機能に関する詳細の確認が必要です。

電子印鑑で押印する決裁書類の注意点

ワークフローシステムの電子印鑑機能を使い、決裁書に押印する場合には注意点があります。以下は、電子印鑑が使える決裁書類の例です。

  1. 稟議書
  2. 残業申請
  3. 有給申請
  4. 休日出勤申請
  5. 経費申請
  6. 接待交際費申請
  7. 出張申請
  8. 人事評価

これらの決裁書類において、1つのワークフローシステムで完結できる書類には限りがあります。基本的に1つのワークフローシステムでまかなえるのは、申請・承認で全フローが完了する書類のみで、上記の書類の中では稟議書・人事評価書が該当します。

たとえば、残業申請や有給申請といった給与が関係する書類は、決裁後に内容を給与計算へと反映させなければならないため、勤怠管理システムの利用も必要です。

同様に、経費申請・接待交際費申請・出張申請では、決裁後に実費の支給が発生することから、経理関連システムでも管理しなければなりません。

このように、1つのワークフローシステムで完結できる書類は決して多くない点に注意が必要です。ワークフローシステム内で完結できない書類については、それぞれの分野に特化したシステム・ソフトの利用が求められます

まとめ

ワークフローでは、各業務の作成・承認の申請の証として押印が求められます。しかし、従来の紙と実印を使った押印申請・承認フローはコストや手間がかかり、担当者不在による業務の停滞・進捗状況の不透明さといった課題を抱えていました。

そこで、近年において導入が進んでいるのが電子印鑑です。システム上で押印でき、従来のように現物を手渡しする必要がないため、コスト削減や業務の迅速化につながります

電子印鑑機能を搭載したワークフローシステムは、独自の印影を表示できるものや押印情報を保存できるものもあります。システム上で押印できるため、リモートワークや外回り担当者なども時間・場所にとらわれずに押印作業に取り組めます

電子印鑑機能搭載のワークフローシステムを導入することで、企業は押印申請・承認フローの効率化を図れます。ルーチンワークを自動化し、よりコアな業務に人的リソースを集中させて、生産性の向上につなげましょう。

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