ワークフローエンジンとは?代表的なワークフローエンジンを紹介
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- ワークフローエンジンとは、作業プロセスを自動で管理・実行できるソフトウェアである
- ワークフローエンジンを導入することで、業務効率化や人的ミス削減に繋がる
- 代表的なワークフローエンジンには、AirflowやDigdagなどがある
ワークフローエンジンとは、コンピューターの作業プロセスを自動で管理・実行できるソフトウェアのことを指します。本記事では、ワークフローエンジンのことをよく知らない方のために、ワークフローエンジンの概要や代表的なワークフローエンジンについて解説しています。
ワークフローエンジンとは
ワークフローエンジンは、ビジネスプロセスやタスクの自動化を支援するソフトウェアツールです。組織内の業務プロセスを効率的に管理し、ワークフローモデルに基づいてタスクを自動割り当て、進捗管理と制御を行います。
また、ルールや条件による制御や例外処理を行い、タスクの依存関係を管理します。関係者への通知やコミュニケーション機能も備え、承認フロー、申請プロセス、タスク管理などさまざまな領域で活用されます。
ワークフローエンジンは他のシステムとの連携も容易で、組織の生産性と効率性の向上に寄与します。
ワークフローエンジンを導入するメリット
ワークフローエンジンの導入には、業務効率化や人的ミス防止など多くのメリットがあります。ここからは、業務効率化や人的ミス防止という2つのメリットについて詳しく解説します。
業務の効率化
ワークフローエンジンの導入により、さまざまな要因で業務の効率化が図れます。ワークフローエンジンはタスクの割り当てなどを自動化するため、コア業務に集中して取り組めます。
また、タスクの進捗をリアルタイムで追跡し、実行履歴を記録するため、プロセスの進行状況や実行結果を即座に把握することもできます。
ワークフローエンジンは、プロセスの追加や変更にも対応できる柔軟性や拡張性の高さも魅力です。これにより、組織に変化があった際も、変化に合わせた業務の効率化が図れます。
人的ミスの防止
ワークフローエンジンは定義されたルールに基づいて自動で実行するため、見逃しなどの心的ミスを防げます。重要なプロセスや承認フローにおいては小さな見落としが大きなトラブルに発展する可能性があるため、見逃しを防止できるメリットは非常に大きいです。
また、自動通知やコミュニケーション機能により、タスクの進捗や変更をリアルタイムで把握でき、進捗の確認ミスや漏れを防ぐこともできます。
代表的なワークフローエンジン
ワークフローエンジンにはさまざまな種類があります。以下に、その中でも代表的なものを4つ紹介します。
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代表的な4つのワークフローエンジン
Airflow
Airflowは、グラフ理論を基に作成されたOSS(オープンソース)のワークフローオーケストレーションツールで、データ処理やタスクの自動化を支援します。Airflowはタスクの依存関係を柔軟に定義し、複雑なワークフローを効率的に管理できます。
タスクのスケジューリングやモニタリングも容易に行え、タスクの進捗状況や実行履歴を可視化することができます。多様なタスクタイプをサポートし、Pythonで拡張・カスタマイズできるため、各種プロセスの統合が容易です。
スケーラビリティにも優れ、分散型ワークロード管理により大規模なデータ処理にも対応します。
データエンジニアリングやデータサイエンスの分野で頻繁に使用され、データパイプラインやETLプロセスの構築、バッチ処理、定期的なデータ処理など、さまざまなシナリオで活躍しています。
Airflowの柔軟性と拡張性は、データエンジニアやデータサイエンティストにとって強力なツールとなっています。
Digdag
DigdagはOSSのワークフローオーケストレーションツールで、データパイプラインの自動化とスケジューリングをサポートします。YAMLファイルを用いた簡潔な定義により、複雑なデータパイプラインを効率的に管理できます。
多様なタスクをサポートし、シェルコマンドの実行からPythonスクリプトの実行まで柔軟に組み込むことができます。タスクのスケジューリングやリトライも自動的に管理され、失敗した場合には指定回数までリトライします。
Webコンソールを通じてワークフローの実行状況とタスクのログをリアルタイムに監視でき、タスクの進捗状況を把握しやすくなります。分散型のワークロード管理をサポートし、複数のワーカーノードを使用して大規模なデータ処理に対応できます。
データエンジニアリングやデータサイエンスの分野で特に優れたツールとされ、データのETLプロセスの自動化を強力にサポートします。簡潔な定義と自動化されたスケジューリングにより、データ処理の効率性と信頼性が向上します。
Prefect
PrefectはOSSのワークフローオーケストレーションフレームワークで、データエンジニアリングやデータサイエンスの分野で広く利用されています。
Pythonで記述されたシンプルなDeclarative APIにより、タスクの依存関係や実行スケジュールを明確に定義でき、複雑なデータ処理を効率的に管理します。
Webダッシュボードによる可視化と監視により、ワークフローの実行状況やタスクのログをリアルタイムに監視できます。多様なタスクをサポートし、Python関数、シェルコマンド、HTTPリクエストなどを柔軟に組み込めます。
フローのバージョニング機能もあり、変更の履歴を追跡することが可能です。分散型のワークロード管理をサポートし、複数のワーカーノードを使用して大規模なデータ処理に対応します。
クラウド環境やコンテナ化された環境でのデータ処理に優れたツールとして、データエンジニアやデータサイエンティストにとって強力なサポートツールとなっています。
Prefectにより、データパイプラインの自動化とスケジューリング、可視化と監視による効率的なワークフロー管理が可能となり、データ処理の信頼性と効率性が向上します。
Argo Workflow
Argo Workflowは、Kubernetes上で動作するOSSのワークフローエンジンで、主にコンテナベースのアプリケーションやマイクロサービスのデプロイメント・データ処理・機械学習のワークロードなどを自動化します。
YAMLベースのDeclarative DSLにより、タスクの依存関係やパラメータを簡潔に定義できます。タスクの並列実行やスケジューリング、リトライ機能により、複雑なワークフローを効率的に実行できます。
タスク間でデータを渡すことも可能で、柔軟なデータパッセージが実現されます。Webダッシュボードによる可視化と監視がサポートされ、ワークフローの実行状況やログをリアルタイムに把握できます。
Argo WorkflowはKubernetesリソースを利用してスケーラビリティを高め、コンテナベースのアプリケーションやデータ処理の自動化に優れたツールとなっています。
まとめ
ワークフローエンジンは組織内の業務プロセスを自動化・統制化するツールであり、タスクの実行順序や依存関係を定義して業務のスケジューリング、監視、実行を自動化します。
ワークフローエンジンの導入により、業務効率が向上する上に人的ミスが防止され、業務プロセスの透明性と監査性が向上します。また、柔軟性と拡張性があるため、リソースの最適化も行えます。
代表的なワークフローエンジンには、Airflow・Digdag・Prefect・Argo Workflowなどがあります。これらのツールは、さまざまな業界や分野でワークフローの自動化と効率化に活用され、生産性と信頼性を向上させます。
ワークフローエンジンの導入により、組織はよりスマートな運用を実現し、競争力を高めることができます。
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