おすすめのサンドボックス製品2選|選ぶ際の比較ポイントも解説
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- サンドボックスは、対応するOSやファイルタイプ、検査処理性能に注目して選ぶ
- 未知のマルウェアだけでなく、一度検出したマルウェアをブロックする製品もある
- サンドボックスだけでは対処できない脅威もあるため、他のセキュリティ対策も併用する
サンドボックスは、仮想環境で不審なファイルやプログラムを実行させ、分析・除去できるセキュリティツールです。未知のマルウェアも検出でき、特に標的型攻撃に有効です。この記事では、おすすめのサンドボックス製品や選ぶ際の比較ポイントを解説します。
目次
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サンドボックスで未知のマルウェアに備えよう
ITにおけるサンドボックスとは、本番環境から隔離された仮想環境でソフトウェアをテストし、不具合やマルウェアを検出するセキュリティツールです。これにより、ランサムウェアや標的型攻撃などによる自社システムへの被害を未然に防ぐことができます。
サンドボックスでプログラムを実行すると、システムが不審な動作や不正な挙動を監視しながら、マルウェアの有無を判断します。実際の挙動をもとに脅威を判断するため、シグネチャに登録されていない未知のマルウェアも検出できる点が大きな特徴です。
標的型攻撃には未知のマルウェアが使用されることが多く、シグネチャベースのウイルス対策ツールでは対応できないリスクもあります。その点、未知のマルウェアにも有効なサンドボックスは、標的型のサイバー攻撃にも効果的といえます。
実際にマルウェアの攻撃を受けた場合でも、その影響はサンドボックス内に留まり、自社システムへの被害はほとんど心配ありません。高度なサイバー攻撃の脅威が高まっている現在、安全な環境で動作テストを行えるサンドボックスは重要な意味を持つでしょう。
サンドボックスにはさまざまな製品があるため、自社の運用体制に適したものを選ぶ必要があります。本記事では、サンドボックスのおすすめの選び方について解説します。
サンドボックスとは?|メリットやデメリットをわかりやすく解説
近年、攻撃性を増しているサイバー攻撃へのセキュリティ対策として、サンドボックス技術が注目を集めています。本記事では、サンドボックスの仕組みや機能について解説し、導入するメリット・デメリットの他、導入効果を高める方法についても紹介します。
サンドボックス製品は対応範囲や処理性能に注目して選ぶ
サンドボックスによって、対応するOSやファイルタイプ、検査処理性能、検出済みのマルウェア遮断の可否が異なります。セキュリティ性能に大きく関わるポイントであるため、自社基準を満たしているかを確認しましょう。
サンドボックス製品を選ぶ際に重要なポイントについて、次の章から解説していきます。
【重要なポイント3つ】
- 対応するOSやファイルタイプなどを確認
- 検査処理性能は十分か
- 検出済みのマルウェアを遮断できるか
【その他の比較ポイント】
- クラウド型かオンプレミス型か
- サポート体制は充実しているか
サンドボックス製品の選び方で重要な3つのポイント
サンドボックス製品を選ぶ際は、対応するOSやファイルタイプ、検査処理性能、検出済みのマルウェアの遮断の可否に注目しましょう。ここでは、各ポイントについて解説します。
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サンドボックス製品の選び方で重要な3つのポイント
対応するOSやファイルタイプなどを確認
サンドボックス製品によって、対応しているOSやファイルのタイプ、通信プロトコルが異なります。そのため、自社環境に対応している製品であるかをしっかりと確認しましょう。
自社環境に対応していない場合は、マルウェアのタイプに適応できず、導入効果が下がる恐れがあります。ツールの導入費用の無駄を防ぐためにも、自社環境で問題なく動作するか確認しておきましょう。
検査処理性能は十分か
検査できるメールやファイル、プログラムの数、ユーザー数といった検査処理性能は、製品ごとに大きく異なります。検査規模が大きいほど、処理性能が高い製品が必要になるため、自社の規模をあらかじめ具体的に想定してツールを選びましょう。
しかし、一般的に検査処理性能が高い製品はコストも高額なため、検査規模に対して処理性能と費用が適切であるかは慎重に検討すべきポイントです。予算と合致しない場合は、検査対象を絞るなどの工夫も必要でしょう。
検出済みのマルウェアを遮断できるか
サンドボックスによっては、過去に検出したマルウェアの侵入を自動で遮断します。同一のマルウェアによる感染リスクを低減し、自社システムの安全性を高めます。
また、担当者の確認作業が初回だけで済み、業務工数の削減につながる点もメリットです。必要に応じて、このような機能を備えた製品を検討しても良いでしょう。
サンドボックス製品のその他の比較ポイント
サンドボックス製品を導入する際は、次のようなポイントにも注目するのがおすすめです。ここでは、各ポイントについて解説します。
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サンドボックス製品のその他の比較ポイント
クラウド型かオンプレミス型か
サンドボックスの導入形態は、クラウド型とオンプレミス型の2種類があります。クラウド型はインターネット経由で利用するのに対し、オンプレミス型は自社サーバーにソフトウェアをインストールし、閉鎖ネットワークで運用するのが特徴です。
一般的にクラウド型は導入費用が安く、システム管理はベンダーが行うため、運用・保守の手間も少ない傾向にあります。そのため、近年はクラウド型のサンドボックスが主流になっています。
オンプレミス型はカスタマイズ性とセキュリティ性が高い一方で、導入に莫大な期間と費用がかかります。それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、自社のニーズに満たした導入形態を検討しましょう。
サポート体制は充実しているか
システムの運用に不安がある場合は、ベンダーのサポート体制が充実した製品を選びましょう。例えば、システム障害や通信障害の復旧サポートがあると安心です。また、ベンダーによっては、最新のマルウェア情報の収集・分析サポートを行っています。
近年は未知のマルウェアを利用した標的型のサイバー攻撃が増加しており、高度なセキュリティ対策には最新のマルウェア情報の分析が欠かせません。情報分析サポートがある製品を選ぶことで、最新情報を反映させたサイバー攻撃対策が可能になります。
おすすめのサンドボックス製品2選
テクマトリックス株式会社
Trellix Intelligent Sandbox
GOOD
ここがおすすめ!
- マルウェア対策に必要な「検出」「被害の最小化」「修復」を標準装備
- WindowsやAndroidなど、幅広い環境に対応
- サンドボックス解析を補完する「静的コード解析」により、正確に未知のマルウェア検知を実現
MORE
ここが少し気になる…
- 詳細な費用は問い合わせで確認する必要がある
トレンドマイクロ株式会社
Deep Discovery Inspector
GOOD
ここがおすすめ!
- すべてのネットワーク、100種類以上のプロトコルを監視
- さまざまな脅威イベントと関連付け、対応に優先順位をつけられる
- 利用環境にあわせてOS・言語・ドライバ・アプリケーションなどのカスタムが可能
MORE
ここが少し気になる…
- 価格やどのようにカスタムできるかは問い合わせで確認
サンドボックス導入時のポイント
サンドボックスは適切に導入することで、導入効果を高めることができます。ここでは、サンドボックス導入時のポイントについて解説します。
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サンドボックス導入時のポイント
導入目的を明確にする
サンドボックスの導入目的によって、企業ごとに必要な機能が異なります。自社に必要な機能を備えた製品を選ぶために、まず導入目的を明確にしましょう。
例えば、標的型攻撃への対策には、仮想環境の構築やマルウェア検知に関する機能が強化されたものが有効です。自社が強化したいセキュリティ分野を明確にし、ニーズに合った製品を選定しましょう。
他の対策と併用する
サンドボックスは全てのマルウェアに有効ではないため、これ1つでは企業のセキュリティ対策は不十分です。そのため、ファイアウォールやIDS/IPSといった他のセキュリティツールも併用しましょう。
マルウェアの中には、仮想環境を検知して動作を止め、本番環境に移行してから活動を始めるものがあります。複数のセキュリティツールを併用することで、他ツールをすり抜けたマルウェアを見逃すリスクが減り、高度なセキュリティ対策を実現できます。
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セキュリティ教育を実施する
セキュリティ対策を強化するには、対策ツールの利用とあわせて、従業員のセキュリティ意識を高めることも大切です。従業員がセキュリティ対策の重要性を理解していない場合、どれほど高性能なサンドボックスを導入しても、有効活用されない恐れがあります。
従業員の意識向上のために、定期的なセキュリティ教育を実施しましょう。具体的には、パスワードの使い回しや、不審なファイルの開封を止めさせるような意識付けが大切です。
まとめ
サンドボックスは、ソフトウェアやプログラムの不具合やウイルスの検知を安全に行うための仮想環境です。シグネチャベースのパターンマッチングと異なり、未知のマルウェアにも対応でき、特に標的型攻撃に有効です。
サンドボックスによって、対応できるOSやファイル、通信プロトコル、検査処理性能が異なるため、自社の利用環境に適した製品を選びましょう。トラブル発生時の対応やマルウェア情報の分析といったサポートサービスがあると、ツールを効率的に運用できます。
また、サンドボックスを過信するのではなく、他ツールとの併用や従業員のセキュリティ意識向上といった対策も必要です。本記事のポイントを参考に、自社に適したサンドボックスを導入し、高度化するサイバー攻撃に備えましょう。