社会福祉法人におすすめの会計ソフト2選|選ぶ際のポイントも解説

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  • 社会福祉法人の会計業務は、特有の会計基準や改正社会福祉法などへの対応が必要
  • 会計ソフトを導入することで、複雑な会計業務の効率化や内部統制強化が図れる
  • 導入の際は、社会福祉法人向けの機能を搭載したクラウド型の会計ソフトがおすすめ

会計ソフトには、社会福祉法人向けのものもあります。社会福祉法人の会計業務には独自のルールがあり手間がかかりますが、会計ソフトの活用により効率化が可能です。この記事では、社会福祉法人におすすめの会計ソフトや導入メリット、選ぶ際のポイントを解説します。

目次

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  1. 社会福祉法人における会計業務の特徴
  2. 社会福祉法人に会計ソフトを導入するメリット
  3. 社会福祉法人が会計ソフトを選ぶ際のポイント
  4. 社会福祉法人におすすめの会計ソフト2選
  5. その他の会計ソフトの選び方
  6. まとめ

社会福祉法人における会計業務の特徴

社会福祉法人は、社会福祉事業を目的とする非営利法人です。公共性の高さから、原則として法人税が非課税などの社会的優遇措置を受けることが多く、「社会福祉法人会計基準」に準拠した会計業務が求められます。

そのため、社会福祉法人における会計業務は、一般企業とは異なる特徴がみられます。ここでは、社会福祉法人における会計業務の特徴を解説します。

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特有の会計ルールがある

社会福祉法人の会計業務では会計情報を3つの区分に分け、それぞれに会計書類を作成する必要があります。

【会計区分】

  1. 事業:社会福祉事業・公益事業・収益事業
  2. 拠点:場所
  3. サービス:事業ごとの法律・制度

【会計書類】

  1. 貸借対照表
  2. 事業活動計算書
  3. 資金収支計算書

社会福祉法人では、上記のような会計書類に加えて、注記や附属明細書、財産目録の作成も必要です。一般的な株式会社の場合は、法人全体で1つの会計区分であり、「貸借対照表」「損益計算書」「株主資本等変動計算書」「個別注記表」などの会計書類を作成します。

これらは、法人が獲得した利益情報の提供を目的として作成される一方で、社会福祉法人は、一般企業のように利益を追求しません。

そのため、事業活動の成果や資金収支を計算し、事業の継続性や安定性などの情報提供に主眼が置かれており、上記のような独自の会計書類の作成が必要です。

改正社会福祉法への対応が必要

社会福祉法人の会計業務は、2019年に改正された「社会福祉法」の会計基準に準拠して行わなければなりません。対して一般企業の会計業務は、「会社計算規則」にしたがって行います。

社会福祉法人会計基準に準拠した会計業務には、高度な専門知識が求められ、業務の難易度も高いです。そのため会計業務担当者は、改正社会福祉法に精通する必要があります。

参考:社会福祉法|e-Gov 法令検索

情報公開の義務がある

社会福祉法人は非営利団体であることから、運営の透明性の証明のために決算情報の公開義務があります。具体的には、社会福祉法人の財務諸表等開示システムである「WAM NET」に計算書類や財産目録などを公開しなければなりません。

WAM NETでは、日本全国の社会福祉法人の決算情報や財務状況を閲覧できるため、組織間の財務状況の比較が容易です。情報公開が義務付けられているため、特に社会福祉法人は決算書類の正確性に留意しなければなりません。

参考:WAM NET

社会福祉法人に会計ソフトを導入するメリット

会計ソフトとは、事業収支の複雑な計算から決算書を含めた各種帳票の作成を自動化し、日々の会計業務を楽にするツールです。社会福祉法人に会計ソフトを導入して業務を自動化することで、さまざまなメリットに期待できます。

ここでは、社会福祉法人に会計ソフトを導入するメリットを解説します。

会計ソフトとは?使い方やメリットを解説【初心者・個人事業主も】

会計ソフトとは、企業におけるお金の動きが管理でき、帳簿や決算書などの作成もできるシステムのことです。利用したいとは思いつつも、使い方がわからない、どのソフトを選んだらいいかわからない、といった方も多いでしょう。この記事では、会計ソフトの使い方やメリット、選び方などを解説します。

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会計業務を効率化できる

会計ソフトの導入により、社会福祉法人の煩雑な会計業務が効率化します。会計ソフトには、取引データの自動取込や仕訳の自動化、各種帳票の自動作成などの機能が備わっています。

これらの機能の活用により、従来は手作業で行っていた膨大な会計作業を自動化でき、仕訳ミスなどのエラーも削減できます。会計業務にかかる時間と手間を削減しつつ、正確な業務遂行が実現します。

税理士や会計士と情報共有できる

会計ソフトによっては、クラウドを利用して税理士・会計士との会計データの共有が可能です。従来のように、紙の稟議書の回覧やファイルを添付したメールの送信、電話での確認が不要で、関係各所との情報共有が円滑化します。

リアルタイムでデータを共有できることにより、会計上の不備があってもすぐに指摘を受けて修正できます。会計上の不正を防止できるだけでなく、会計業務の承認プロセスも迅速化し、内部統制の強化につながります。

予算管理がしやすくなる

会計ソフトによっては、予算管理を自動化する機能を備えています。予算と実績が自動で管理されるため、組織における収支状況をリアルタイムで把握でき、急な収益低下などにもいち早く対応できます。

予算にもとづく経営分析データをグラフやガントチャートなどで、分かりやすく表示できる会計ソフトもあり、会計業務の知識が少ない人でも自組織の財務状況の把握が容易です。事業に関する意思決定を即座に行え、安定的な事業運営につなげやすいです。

社会福祉法人が会計ソフトを選ぶ際のポイント

社会福祉法人が会計ソフトを選ぶときは、必要な機能の有無や提供形態、他システムとの連携性に注目するのがおすすめです。ここでは、社会福祉法人が会計ソフトを選ぶときのポイントを解説します。

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社会福祉法人向けの機能があるか

社会福祉法人は、社会福祉法人会計基準に対応できる機能を備えた会計ソフトの導入がおすすめです。例えば、会計基準に則った自動計算や会計書類の自動作成WAM NET連携などの機能が代表的です。

これらの機能の活用により、煩雑な計算や帳票作成、開示データの電子化といった手作業を自動化でき、業務担当者の負担を大幅に軽減できます。手動の会計作業を削減することで、会計ルールが複雑な社会福祉法人においてもミスのない会計業務が実現します。

複数拠点を持つならクラウド型がおすすめ

会計ソフトの提供形態は、次の2つに大別されます。

  1. インストール型:ソフトウェアを端末にインストールして利用
  2. クラウド型:インターネットを通じてソフトを利用

複数拠点を持つ社会福祉法人には、クラウド型がおすすめです。自社におけるサーバーの管理は不要で、すべての施設の会計データがクラウド上に集約されるため、施設ごとに予算の執行状況を確認する手間がかかりません。

これにより、複数の施設を持つ法人でも業績管理が効率化します。また、各施設の会計データがリアルタイムで更新されることにより、組織全体の財務状況の分析や拠点ごとの財務比較が容易になり、的確な意思決定にもつなげられます。

会計ソフトの種類|クラウド型とインストール型の違いを解説

仕訳や決算書作成などの経理作業を効率化できる会計ソフトの種類には、クラウド型とインストール型が存在します。本記事では、会計ソフトのクラウド型とインストール型のメリット・デメリットを交え、それぞれの違いを比較表を使って分かりやすく解説します。

他システムと連携できるか

会計ソフトを選ぶ際は、給与計算ソフトや経費精算ソフトなどの他システムとの連携可否を確認しましょう。金融機関サービスと連携して、口座の入出金状況やクレジットカードの利用明細を自動取得できる会計ソフトもおすすめです。

他システムとの連携により、会計処理に必要なデータが自動で会計ソフトに取り込まれるため、手作業のデータ入力を削減できます。また、人的ミスも防げるため、少ない人員でも効率的かつ正確な会計業務を実現できます。

自組織に導入済みの他システムと、連携可能な会計ソフトの導入が望ましいです。

社会福祉法人におすすめの会計ソフト2選

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その他の会計ソフトの選び方

会計ソフトを選ぶ際は、上記のようなポイントに加えて、次のようなポイントにも注目するのがおすすめです。

帳簿の知識が少ない人でも使いやすい操作性を備えた会計ソフトであれば、新人でも正確かつスムーズに会計処理を行うことができ、人手不足の解消につなげられます。

シンプルな入力画面や分かりやすいメニュー配置などは、入力が簡単であり、誰でも操作しやすいでしょう。その他にも、電子帳簿保存法やインボイス制度といった法令への対応可否、申告方法の種類などに注目することで、自組織に最適な会計ソフトを導入できます。

【重要なポイント】

  1. 帳簿の知識が少なくても使いやすい操作性か

【その他の比較ポイント】

  1. 電子帳簿保存法・インボイス制度に対応しているか
  2. 自身の申告方式や電子申告に対応しているか
  3. 使用するデバイスやOSに対応しているか
  4. サポート体制・セキュリティ対策は万全か
  5. 無料トライアルがあるか

まとめ

社会福祉法人には独自の会計ルールが存在し、一般企業と比べても会計業務が複雑です。社会福祉法人の会計ルールに対応した会計ソフトの導入により、煩雑な計算や帳票の作成、決算データの電子開示にかかる作業を自動化でき、会計業務が効率化します。

また、会計士などともリアルタイムで会計データを共有できるため、不備や不正をすぐに発見でき、透明性が求められる社会福祉法人の内部統制を強化できます。クラウド型の会計ソフトであれば、複数拠点の業績管理もしやすく、事業の変化への素早い対応が可能です。

社会福祉法人向けの会計ソフトを導入し、高度な専門性が求められる社会福祉法人の会計業務を楽にしましょう。

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