オンデマンドとは|意味・特長・メリット・事例をわかりやすく解説
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- オンデマンドとは、利用者の要求に応じてサービスが提供されることを意味する
- オンデマンド配信は、あらかじめ撮影した動画を配信するサービスである
- オンデマンド配信では、視聴者のタイミングで動画を視聴できるというメリットがある
オンデマンドとは利用者の需要に応じてサービスを差し出すことで、オンデマンド配信では、配信者と受信者の双方にとってメリットがあります。本記事では、オンデマンドの意味や他の配信方法との違い、メリット・デメリット、活用事例などについてわかりやすく解説します。
オンデマンドとは
オンデマンドとは、英語のOn-demandが由来であり、日本語では「要求に応じて」という意味です。つまり、利用者の要求に応じてサービスが提供されることを意味します。
そして、あらかじめ撮影した動画を配信することを、オンデマンド配信といいます。Googleが提供しているYouTubeもオンデマンド配信です。他にも、書籍や学校・企業の教育などで活用されているケースもあります。
オンデマンド配信のメリットは、視聴者が好きな時間に動画を視聴できることです。配信者にとっては、納得のいく仕上がりを目指して何度も撮り直しできる点や、企業であれば永久的な資産として保存できることもメリットと言えます。
オンデマンドの対義語
オンデマンドの対義語は、オンプレミス(on-premises)です。オンプレミスとは、日本語で「店内」「自社」「現場で」などの意味がありますが、自社で機器を設置して運用することを指すIT用語としても使用されています。
システム自体に使われる用語であるため、動画配信に対して使う場合は、「オンプレミス型の動画配信システム」と使います。
オンデマンド配信とその他の配信方法の違い
最近ではYouTubeを筆頭に無料で使用できるプラットフォームが人気を集めており、オンデマンド以外の配信方法を活用している配信者も増えています。ここでは、オンデマンド配信と間違えやすいライブ配信やアーカイブ配信について解説します。
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オンデマンド配信とその他の配信方法の違い
ライブ配信との違い
ライブ配信とは、生放送で動画を配信することです。オンデマンド配信は視聴者が好きな時間に視聴できるのに対し、ライブ配信はリアルタイムで動画を視聴してもらう必要があります。
配信中に視聴者とコミュニケーションを取れることや、最新情報を伝えられる点がメリットです。ただし、配信前は集客に力を入れる必要がある上に一発勝負のため、発言する内容や情報に誤りが無いように徹底する必要があります。
アーカイブ配信との違い
アーカイブ(archive)とは、日本語で「記録」「保管所」などの意味があります。つまりアーカイブ配信とは、ライブ配信を録画し、後からでも視聴できる動画配信のことです。
オンデマンド配信は、撮影後に編集して配信されるのに対し、アーカイブ配信はライブ配信の撮影のみで編集が不要という点が異なります。ただし、ライブ配信されずアーカイブ配信のみのケースもあります。
視聴者にとっては、ライブ配信に都合がつかない場合でも視聴でき、何度も見られることがメリットです。配信者も、ライブ配信を録画することで資産として保管でき、動画を再利用できます。
オンデマンド配信のメリット
動画配信には、ライブ配信やアーカイブ配信のようにさまざまな手法があります。それぞれ特徴が異なることから、メリットも違いがあります。ここでは、オンデマンド配信を活用するメリットを解説します。
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視聴者のタイミングで動画を視聴できる
オンデマンド配信のメリットは、視聴者の好きな時間に動画が視聴できることです。ライブ配信とは異なり、自分の都合に合わせて何度でも視聴でき、巻き戻しや早送りもできるため利便性高く感じてもらえます。
配信形式にもよりますが、インターネット上やSNS、アプリケーションで配信すれば、多様なデバイスで視聴できるため、より気軽に視聴してもらえる点もメリットです。
配信者側の場合、ライブ配信では多くの視聴者に見てもらえる曜日や時間を設定しなければなりませんが、オンデマンド配信では設定する必要がありません。
納得の仕上がりを目指せる
オンデマンド配信は視聴者だけでなく、配信者側にもメリットがあります。それは、撮影時に何度も撮り直しができ、撮影した後に編集すれば、クオリティが高い動画を制作できることです。
ライブ配信は撮影している動画がリアルタイムで視聴者に届くため、プレッシャーを感じて失敗しやすいです。また、誤った情報を伝えたり、アクシデントが起こったりした場合に、内容が残ってしまうリスクもあります。
一方で、オンデマンド配信は納得ができるまで撮り直しが可能です。編集でカットしたり、字幕や効果音、アニメーションを入れたりすることで、ライブ配信よりもクオリティが高い動画を制作できます。
会社の永続的な資産になる
制作した動画は削除しない限り永久的に保存ができるため、会社の資産としてビジネスで活用できます。近年では、新卒採用の会社説明や営業ツールとして動画を制作しているケースもあります。
たとえば、営業マンが顧客訪問時に動画で製品を紹介したり、プレゼンテーションの冒頭で会社紹介動画を見せたりする方法です。
また、動画はコンテンツマーケティングと相性がよいため、一度制作してWebサイトやSNSに公開すれば、自動的に見込み客の醸成ができ、宣伝効果も期待できます。
あらゆるコンテンツ形式に対応できる
前述で解説したように、動画はエンターテインメントに限らずビジネスでの活用も広がっており、さまざまなコンテンツに対応できる点がメリットです。
たとえば、顧客との商談や新卒採用で使える会社紹介動画や製品・サービスを紹介する説明動画、社内教育用の講座動画やセミナーの実施などがあげられます。
動画は紙媒体と比べると映像や音声が使えることから、理解度が深まりやすいです。また、コンテンツを細分化しておけば、短時間で必要な情報だけ見られる点もメリットです。
YouTubeやSNSで配信できる
オンデマンド配信は、YouTubeなどの動画配信プラットフォームや各種SNSで動画を配信できることもメリットです。これらの媒体は、近年さらに利用が拡大されており、拡散性に非常に優れています。
うまく拡散されれば動画制作コストを大きく上回る宣伝効果を期待できるため、マーケティング活動の一環としても有用です。
オンデマンド配信のデメリット
オンデマンド配信のメリットは多くありますが、デメリットも存在します。ここでは、オンデマンド配信のデメリットを3つ解説します。
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オンデマンド配信のデメリット
視聴者とコミュニケーションが取りにくい
オンデマンド配信の大きなデメリットとして、視聴者が動画を見ているタイミングでコミュニケーションが取れないことが挙げられます。配信者と視聴者のコミュニケーションが取れないことはもちろん、視聴者同士の交流もありません。
そのため、動画の感想をリアルタイムで共有できず、視聴すること自体のモチベーションが維持しにくいです。また、講座やセミナーといった学習にオンデマンドを活用する場合、視聴者の質問に答えることができないため、講座自体の満足度にも影響します。
視聴を後回しにされやすい
オンデマンド配信はライブ配信と異なりいつでも視聴できるため、視聴が後回しにされる可能性があります。いつでも視聴できるというメリットは大きいものの、「今視聴しなければならない」といった緊急性は低いです。
そのため、「後で見よう」と後回しにされてしまい、結果的に視聴されずに終わるケースも多々あります。
動画の作成に時間がかかる
オンデマンドで動画を配信するには、撮影や編集に時間がかかります。時間をかければクオリティが高い動画を制作できますが、ライブ配信に比べて時間も労力もかかってしまいます。
また、制作に時間をかければかけるほど人件費などがかさみ、時間や労力だけでなくコストも必要になります。そのため、完璧を求めすぎず少しずつ成長していくという姿勢で取り組みましょう。
オンデマンド方式による事例
オンデマンド配信は、メリットを活かしてビデオやゲーム、書籍や学習など、さまざまな場面で活用されています。ここからは、活用法の事例について詳しく解説します。
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オンデマンド方式による事例
ビデオ・オンデマンド
ビデオ・オンデマンドとは、映画やドラマ・アニメなどが見られる動画配信サービスのことです。たとえば、NetflixやAmazonプライム、Huluなどがあげられます。
会員登録をして月額費用を支払うことで動画が見放題になるサービスもあれば、コンテンツごとに料金を支払うものもあります。好きな時間にコンテンツが見られるため、通勤時や家事の合間など、テレビよりもビデオ・オンデマンドを視聴している人も多いです。
従来は、テレビで放送された番組は自分で録画しなければ後日視聴できませんでした。しかし、オンデマンド配信が普及したことで、見逃した方向けにビデオ・オンデマンドで配信される流れも主流になりつつあります。
ゲームオンデマンド
ゲームオンデマンドとは、クラウドゲームとも呼ばれます。インターネット上にあるデータを受信しながらプレーできるゲームです。ゲームカセットやゲーム機が必要なく、ダウンロードする必要もありません。
また、インターネットの通信環境があれば、PlayStation®5やスマートフォン、PCなど多様なデバイスでプレーできる点がメリットです。そのためゲームに馴染みがない方でも、気軽にゲームが始められる特徴があります。
オンデマンド書籍
オンデマンド書籍とは、書籍の内容をデータで保存し、注文が入ってから印刷・製本することをいいます。データで保存はしますが、データ販売がない点が電子書籍とは異なります。たとえば、出版社のホームページやAmazonで利用可能です。
一定の冊数を印刷して在庫を抱える方法に比べて、余分に紙を使ったり印刷したりする必要がないため、資源もコストもカットできます。また、データで保存されていれば、流通されていない本も手に入れられる点がメリットです。
オンデマンド授業
オンデマンド授業とは、録画された授業を視聴者が好きな時間に受講できる教育サービスで、「eラーニング」とも呼ばれます。スマートフォンやタブレット、PCなどからアクセス可能です。
学校や企業が制作して視聴者を限定しているコンテンツもあれば、料金を支払って誰でも視聴できるコンテンツもあります。移動中やスキマ時間に受けられるため、自己学習に向いています。
配信者側は、動画に限らずテキストや画像などを組み合わせることも可能で、受講生のためのスペースを確保する必要がない点がメリットです。
マーケティング
オンデマンド配信は、企業のマーケティングにも広く活用されています。動画は画像や文章よりも情報を分かりやすく視覚的に伝えられるため、自社の商材の魅力を見込み顧客にアピールするために有効です。
また、ライブ配信とは異なり、時間や場所の制約なく視聴者のタイミングで視聴できます。そのため、企業の営業時間内に限らず、常時集客を行う体制を構築でき、マーケティング活動の効率化に繋がります。
オンデマンドの今後
オンデマンドは視聴者が好きな時間に視聴でき、配信者は一度動画を制作すれば見込み顧客の醸成を自動でできるため、双方にメリットがある配信方法です。
近年ではスマートフォンや5Gの普及によって、情報共有のスピードが加速し、必要なものを必要な分だけ利用できるサービスの需要が増しています。オンデマンドは、そのニーズに応えられる配信方法です。
デジタル化や効率化、一人ひとりの需要に合わせたサービスが求められる現代において、オンデマンド配信は今後も需要を伸ばすと考えられます。
まとめ
オンデマンドとは、「要求に応じて」という意味があり、利用者の要求に応じてサービスが提供されることを指します。また、事前に撮影した動画を配信することを、オンデマンド配信と呼び、視聴者にとっては好きな時間に動画を視聴できることがメリットです。
提供者にとっては、クオリティの高い動画を制作できる点や、教育・書籍・製品説明などさまざまなコンテンツに対応できること、永久的な資産として保存できることがメリットです。視聴者と配信者の、どちらにもメリットがあり、今後も需要が高まる分野です。