ファクタリングに関わる犯罪とは|安全に利用するポイントも解説

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  • ファクタリングを利用する際は、貸金業登録なしで融資を行う違法な業者に注意する
  • 架空の請求書発行や水増し、債権の二重譲渡は犯罪であるため、絶対に行ってはいけない
  • 利用する際は、ファクタリング会社の実績や手数料の相場を確認しておくことが大事

ファクタリングは売掛金を売買することで資金調達できる便利なサービスですが、提供・利用の仕方によっては犯罪になり得るため注意が必要です。この記事では、ファクタリングの提供・利用で犯罪になるケースや、安全に利用するためのポイントを解説します。

目次

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  1. ファクタリングに関わる犯罪とは
  2. ファクタリングで犯罪が発覚するとどうなるか
  3. 安全にファクタリングを利用するためのポイント
  4. まとめ

ファクタリングに関わる犯罪とは

ファクタリングは、売掛金を売却して資金調達を行う便利なサービスです。しかし、その提供・利用方法によっては犯罪行為につながるリスクがあります。特に、悪質な業者や利用者の不正行為が原因でトラブルが発生する可能性があるため注意が必要です。

この記事では、ファクタリングに関する犯罪行為の具体例と、その防止策について解説します。安全にサービスを利用するためには、正しい知識を持ち、信頼できる業者を選ぶことが重要です。

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ファクタリングに関わる犯罪とは

  1. 悪質業者による犯罪
  2. 利用者による犯罪

悪質業者による犯罪

ファクタリングを謳いながら、貸金業登録を行っていない業者が融資行為を行うケースがあります。これは違法な貸金業であり、被害者となる企業が高額な利息や不当な契約条件を押し付けられることがあります。

また、給与ファクタリングも同様の問題を抱えています。給与ファクタリングとは、個人の給与を担保に資金を貸し付ける形態のサービスですが、これも貸金業法に違反する場合が多いです。

このような悪質業者からの被害を防ぐには、事前に業者の登録状況を確認し、契約内容を十分に理解することが大切です。

参考:ファクタリングの利用に関する注意喚起|金融庁

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利用者による犯罪

ファクタリングの利用者側が行う不正もまた、犯罪として扱われます。不正行為はファクタリング会社だけでなく、ビジネスの信頼を損ない、法的な責任を問われる原因にもなります。以下では、利用者による具体的な犯罪行為について解説します。

架空の請求書発行

架空の請求書発行とは、実際には存在しない取引を記載した偽造の請求書を作成し、ファクタリング会社に提出して不当に資金を得ようとする行為を指します。このような行為は詐欺罪に該当し、厳しい刑事責任を問われる可能性があります。

取引がないにもかかわらず架空の請求書を作り、ファクタリング会社に売却して資金を引き出すことが典型例です。また、実際に存在する請求書の金額を本来よりも大きく上乗せして提出し、より多くの資金を得ようとすることも犯罪です。

こうした行為は一時的な資金調達に見えるかもしれませんが、発覚すれば企業の信用を失うだけでなく、損害賠償や法的制裁を受ける重大なリスクを伴います。

債権の二重譲渡

債権の二重譲渡とは、同じ売掛金を複数のファクタリング会社に売却する行為を指します。この行為は、売掛金の所有権を複数の相手に譲渡することになり、ファクタリング会社に大きな損害を与えるため、詐欺罪に該当します。

例えば、ある売掛金をA社に売却した後、同じ売掛金をB社にも売却することで両社から資金を得ることは、重大な不正行為とみなされます。このような行為が発覚すれば、刑事罰や損害賠償請求など厳しい法的責任を負う可能性があります。

粉飾した決算書の提出

粉飾した決算書の提出とは、企業が意図的に不正な会計処理を行い、事実とは異なる内容の決算書を作成し、それを外部に提出する行為を指します。

このような行為は、ファクタリング会社に対して自社や売掛先の信用力を不当に高く見せ、多額の資金を調達する目的で行われる場合があります。

しかし、虚偽の情報で取引を行うことは詐欺罪に該当する可能性が高く、刑事責任を問われるだけでなく、会社の社会的信用も大きく損なわれます。ファクタリングでは、正確な情報を提示して適正な審査を受けることが重要であり、粉飾行為は絶対に避けるべきです。

売掛金の使い込み

2者間ファクタリングにおいて、売掛先から回収した金額をファクタリング会社への支払い以外に流用することは、横領罪に該当します。この行為により、資金繰りが悪化し、事業継続が困難になるケースもあります。

売掛金を適切に管理し、契約通りにファクタリング会社へ支払うことで、リスクを回避することが可能です。また、適切な資金管理を行い、トラブルを防ぐ努力が必要です。

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ファクタリングで犯罪が発覚するとどうなるか

ファクタリングにおいて犯罪が発覚した場合、企業には多大なリスクが伴います。例えば、売掛金が回収できないだけでなく、法的責任を追及され、損害賠償を請求される可能性があります。

また、詐欺や横領などが認定されると、懲役刑などの刑事罰が科されることもあります。さらに、犯罪行為が公になることで、自社の社会的信用が大きく損なわれ、取引先や顧客からの信頼を失い、事業継続が困難になる場合もあります。

不正行為は企業にとって大きなリスクをもたらすため、正しい取引を心がけましょう。

安全にファクタリングを利用するためのポイント

ファクタリングを安全に利用するためには、リスクを避けるための事前確認や注意が必要です。適切なファクタリング会社を選び、正しい手続きを踏むことで、安心してサービスを利用できます。

以下では、安全にファクタリングを利用するためのポイントを解説します。

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ファクタリング会社の実績を確認する

ファクタリング会社を選ぶ際には、信頼できる会社を見極めるためにこれまでの実績や評価を確認しましょう。公式サイトに掲載された取引実績やサービス内容を調べたり、利用者の口コミや評判をチェックしたりする方法があります。

また、その会社が業界団体に登録されているかや、適切な資格を保有しているかも信頼性を判断するポイントです。実績のある会社を選ぶことで、不正業者に騙されるリスクを減らし、安心して取引を進められます。

反対に実績や評価が不明瞭な会社に依頼すると、法外な手数料を請求されたり、契約トラブルに巻き込まれる可能性があります。信頼性をしっかり確認し、安全な取引環境を整えることが大切です。

「金利」はないことを理解しておく

ファクタリングにおいてかかる費用は手数料であり、金利ではありません。もし金利を設定している業者がいれば、それは貸金業法違反である可能性が高いため注意が必要です。ファクタリングは売掛金の売買であるため、融資ではありません。

この基本的な仕組みを理解していないと、悪質業者の被害に遭うリスクが高まります。手数料の明確な説明がない場合や、金利に関する記載がある場合は、その業者を避けるべきです。

手数料の相場を把握しておく

ファクタリング会社を利用する際には、手数料の相場を把握することが重要です。一般的には売掛金額の1〜20%が手数料の目安ですが、これを大きく超える場合、その会社は悪質である可能性があります。

高額な手数料を請求する会社は、取引の透明性が低いことが多く、トラブルに発展するリスクが高まります。複数の会社を比較し、適正な条件を提示している会社を選ぶことがリスク回避につながります。

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まとめ

ファクタリングは、売掛金を売却することで資金調達を可能にする便利なサービスですが、不適切な利用や提供は犯罪に繋がるリスクがあります。

また、貸金業登録のない違法な業者や高額な手数料を請求する悪質な会社を利用すると、トラブルに巻き込まれる可能性があります。そのため、安全にファクタリングを利用するためには、取引先となるファクタリング会社の実績や評判をしっかり確認することが大切です。

さらに、手数料の相場を把握し、不当な条件を回避することも重要です。公正な取引を心がけて適切に利用することで、ファクタリングを有効な資金調達手段として活用できるでしょう。

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