入退室管理システムとは?機能やメリット・デメリット、選び方を解説

Check!

  • 入退室管理システムでは、いつ・誰が・どこに入室したかを管理・記録できる
  • 入退室管理システムの導入で、部外者の侵入防止や機密情報の強化に繋がる
  • 入退室管理システム導入の際は、自社に合う認証方法やコストを確認して検討する

入退室管理システムとは、いつ・誰が・どこに入室したかを管理・記録できるシステムで、不法侵入や情報漏洩を防げます。本記事では、入退室管理システムについて詳しく知っていくために、必要性や目的の他、機能やメリット・デメリット、選び方について解説します。

目次

開く

閉じる

  1. 入退室管理システムとは?
  2. 入退室管理の必要性
  3. 入退室管理システム導入の目的
  4. 入退室管理システムの認証方法
  5. 入退室管理システムの機能
  6. 入退室管理システムのメリット
  7. 入退室管理システムのデメリット
  8. 入退室管理システムの選び方
  9. まとめ

入退室管理システムとは?

入退室管理システムとは、「誰が」「いつ」「どこに」入退室したのかを管理できるシステムです。本人確認をするためのシステムや監視カメラ、管理に必要なPCやソフトウェアなども含めた一連のシステムを入退室管理システムと呼びます。

「アクセスコントロールシステム」などとも呼ばれ、システムが導入されている場所は本人確認をしなければ入室が行えません。会社や事務所などに入退室する人物を管理し、セキュリティを強化するために使います。

また、部外者の侵入を防ぐだけでなく個人情報の保護や労働時間の把握にも役立てられるシステムです。社内のさまざまな問題を解決するために役立てられており、近年では導入している企業が多くなってきています。

入退室管理の必要性

Pマーク(Privacy Mark)やISMS(Information Security Management System)の認証を取得する際や、上場準備やオフィス移転時・従業員数の急増や変動といった際に、入退室管理の必要性が増します。ここでは入退室管理の必要性を解説します。

「物理的安全管理措置」への対策

2015年に個人情報保護法が改正され、「物理的安全管理措置」の対策を講じなければならなくなったことにより、企業の入退室管理の必要性が高まりました。物理的安全管理措置には以下の事項が記されています。

①入退館(室)管理の実施

②盗難等に対する対策

③機器・装置等の物理的な保護 

なお、マイナンバーの保管と管理にも「物理的安全管理措置」が必要とされているため、入退室管理の必要性は、今後ますます高まっていくでしょう。

参考:人的安全管理措置|厚生労働省

法令遵守

働き方改革関連法が2019年より施行されており、従業員の適正な労働時間が法律で定められるようになりました。企業は従業員の勤怠管理の正確な把握が必要になり、それに伴い、入退室管理の重要性も増しています。

参考:働き方改革特設サイト|厚生労働省

参考:労働基準情報:労働基準に関する法制度|厚生労働省

入退室管理システム導入の目的

入退室管理システム導入の目的はセキュリティ面の強化と思われがちですが、実際にはセキュリティ以外にも目的があります。ここでは、詳しい目的について見ていきましょう。

不法侵入の防止

入退室管理システムでは、個別に入退室の権限を付与することが可能です。監視カメラやID・ICカード・生体認証などの認証システムを使えば、入退室の許可・拒否を簡単に管理できます。特に生体認証は個人を特定できるため、不法侵入の防止に役立つでしょう。

また、仮に社内でトラブルがあった場合でも、入退室を管理しておけば迅速に対応できます。いつ、誰が入退室したか分かるだけでもトラブルの解決に役立つはずです。会社や事務所内には多くの人が出入りするため、システムがなければ管理が難しくなります。

外部への情報漏洩の防止

入退室管理システムは、外部への情報漏洩の防止にも役立ちます。社内には不特定多数の人が出入りする可能性があり、社内外の人間が外に情報を漏らしてしまうケースも少なくありません。入退室管理システムがあれば、そのような状況も防ぎやすくなります。

出入り口で入退室を管理するのはもちろん、社外秘や機密性の高い文書を管理するエリアにシステムを設置すれば、大切な情報を漏洩させるのを防ぐことが可能です。担当者や特定の人物しか入室できないように設定するだけで、セキュリティが強化されます。

正確な勤怠管理

入退室を管理すれば、「誰が」「いつ」「どこに」入ったのかを細かく管理できるため、従業員が何時から何時までオフィスにいたのかを正確に把握できます。ICカードやスマートフォンによる管理と並行して行えば、より正確な管理ができるでしょう。

正確な勤怠管理を行うことで過度な残業を防ぐなど、働く環境の整備にも繋げられます。社員が働きやすく、快適に仕事ができる環境を整えるためにも導入しておくのがおすすめです。

入退室管理システムの認証方法

入退室管理システムには、さまざまな認証方法があります。ここでは、以下の4つの主な認証方法について見ていきましょう。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

暗証番号

暗証番号を用いた認証方法では、入り口でテンキーなどを用いて指定の番号を入力するとドアが開きます。古くから使われている方法で低コストで利用できる一方、セキュリティ面ではやや弱い部分があるでしょう。

特定の番号を入力するだけなので、暗証番号自体が漏洩すると簡単に侵入されてしまいます。暗証番号のタイプを使う場合には、入力しているところを盗み見られたり、番号を複数箇所にメモして情報を残したりしないように気を付けてください。

盗み見などを防ぐためにも、暗証番号を入力するテンキーは奥まった場所に設置するのがおすすめです。ほとんどの製品が手元が見えないようになっていますが、自社でも工夫をしておきましょう。

ICカード

近年、主流となっているのがICカードを用いた認証方法です。ICカードを指定の位置にかざすだけで、簡単に入退室の管理ができます。社員証や交通系のICカードなどと併用できるものなら、導入費用を安く抑えられるでしょう。

中には入退室の管理だけでなく、プリンターやPCなどの認証デバイスとして使えるものもあります。用途に応じてさまざまな活用ができるのは、ICカード認証の大きなメリットです。

薄型のカードが主流なので、財布やスマートフォンのケースなどに入れて持ち運べますが、紛失や盗難にあわないように注意しましょう。また、盗難や紛失があった際は、すぐに利用停止などの措置を取る必要があります。

スマートフォン

スマートフォンを用いた認証方法は近年増加しており、専用アプリをインストールするなどして認証します。QRコードやスマートフォン本体を機器にかざすものはもちろん、アプリさえ入れていれば無線通信で認証してくれるタイプも便利です。

スマートフォンを持っていない社員は使用できませんが、現代においてスマートフォンは必須アイテムになりつつあります。持っていない方の方が圧倒的に少ないので、それほど気にする必要はないと言えるでしょう。

仮にスマートフォンを持っていない社員がいる場合には、会社で支給するなどの工夫をするのがおすすめです。認証に使うだけであれば、支給するための費用もそれほどかかりません。

指紋や顔などによる生体認証(バイオメトリクス)

指紋や顔を使った認証は生体認証、バイオメトリクスなどと呼ばれています。特に機密性の高い情報がある場所などに用いられる認証方法で、顔や指紋のほかに静脈・網膜・虹彩・掌形などが用いられる認証システムもあります。

どの生体認証も高精度で部外者の立ち入りなどをしっかり阻止できますが、ほかの認証方法に比べて導入費用が高くなると覚えておきましょう。個々に指紋や顔を登録するのにも時間がかかるため、導入スケジュールは余裕を持って設定してください。

入退室管理システムの機能

入退室管理システムは部屋の入退室を管理するだけでなく、さまざまな機能が利用可能です。主な機能としては、以下のようなものが挙げられます。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

機能主な内容
システム使用者管理・システムにログインできる管理者を設定
・管理レベルに応じた操作権限を付与
入室者登録・指定エリアに入室する個人を登録
・機密性の高いエリアへの入室権限を設定
カレンダー設定・社員ごとの出勤日や就業時間を設定
・休日や残業を把握
状態監視・ドアの開閉状況を監視
警報監視・異常の際に管理画面に警報を表示
・不正・異常・長時間のドア開放を検知して通知
履歴管理・入退室の履歴を管理
・検索やトラブル時の調査も可能
残留者表示・部屋に残留する個人を特定
・残留時間を監視

システム使用者管理

システム使用者管理では、入退室管理システムにログインできる使用者を設定できます。限られた人物にのみログインできる権限を与えれば、不正利用を防げるでしょう。また、それぞれの使用者の管理レベルにあわせた権限を付与することも可能です。

複数人体制で管理する場合は、それぞれの管理レベルにあわせた権限を付与するようにしましょう。また、システム使用者管理は管理を外部業者に委託する場合にも便利です。

入室者登録

入室者登録では、その部屋に入室できる個人を設定できます。普段、仕事をしているオフィスでは全社員を登録するのが基本ですが、より機密性の高い資料や情報がある部屋においては、限られた人物のみが入室できるように設定するのがおすすめです。

個別で設定をしておけば、トラブルや機密情報の漏洩などがあった際の調査もしやすくなります。誰が、いつ情報を持ち出したのか把握するためにも、慎重に設定を行いましょう。

カレンダー設定

カレンダー設定では各個人の休日や出勤日、勤務時間の設定が可能です。それぞれの社員の勤務状況が分かれば、事前申請のない時間外労働や休日出勤も一目で把握でき、勤怠管理に役立てられます。また、会社に誰も出勤していない日時の不審者チェックも行えます。

状態監視

状態監視では、ドアの開閉状況を常に監視可能です。例えば、長時間ドアが開けっ放しになっている場合、認証システムに関係なく不審者が入室できてしまう可能性があります。その際、状態監視機能があればドアの異常をすぐに察知できるでしょう。

ドアが開けっ放しになっているだけでなく、完全に閉まらないように何か物を挟んでいる場合もすぐに分かります。状態監視は、セキュリティの向上に役立つ便利な機能です。

せっかく入退室管理システムを導入しても、開けっ放しにされては意味がありません。システムを最大限活用するためにも、状態監視機能があるシステムを選ぶと便利です。

警報監視

警報監視は何かシステムに異常などがあった際、管理画面に警報を表示してくれる機能です。管理システムへの不正ログインや不正認証、長時間のドアの開放などがあると、管理画面に警報を表示して管理者に知らせてくれます。

状態監視とあわせて活用することで、セキュリティの向上が期待できるでしょう。入退室に関するセキュリティはもちろん、システム自体の監視ができるのも特徴です。

履歴管理

履歴管理は、「いつ」「誰が」入退室したのかを履歴として残してくれる機能です。特定の人物の履歴を検索することもできるため、トラブルがあった際の解決にも役立ちます。残されている履歴は個人ごとに検索、日時を指定しての検索も可能です。

細かな設定をした上で検索ができるため、欲しい情報がすぐに手に入ります。情報漏洩があった際も、履歴を見れば漏洩したタイミングで誰が部屋に入っているのかすぐに分かり、トラブルを最小限に抑えられるでしょう。

残留者表示

残留者表示は部屋に残っている人物を表示し、管理できる機能です。残留可能な時間なども設定でき、設定した時間よりも長く部屋に残っている場合は、警報を鳴らすなどして知らせてくれます。

長く居座ってはいけない部屋や重要な情報のある部屋、執務エリアなどに便利な機能です。不正行為や情報の持ち出しなど、さまざまなリスクを軽減できます。

入退室管理システムのメリット

入退室管理システムの導入では部屋への入退室を管理できるのはもちろん、多くのメリットが得られます。部外者の侵入防止や勤怠管理など、主なメリットを見ていきましょう。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

部外者の侵入防止・警備コスト削減

入退室管理システムの大きなメリットとして、部外者の侵入を防止できる点が挙げられます。個別に入室権限を付与しておけば、部外者の立ち入りを防ぐことが可能です。同時に防犯カメラを設置すれば、1回の認証で複数人が入室する「共連れ」も防止できます。

入退室管理システムでは個々に入室権限を付与していても、同時に複数人で入室してしまうケースがよくあるため、よりセキュリティを強化するなら監視カメラの同時設置がおすすめです。

また、セキュリティ対策として警備員を配置する企業も多くありますが、入退室管理システムを使えば基本的に警備員は必要ありません。そのため、コストを削減できるのも入退室管理システムの大きなメリットと言えるでしょう。

勤怠管理を正確に行える

入退室管理システムの中にある「カレンダー設定」や「残留者表示」などの機能を使えば、勤怠管理システムとして併用可能です。入退室の管理によって勤務時間を正確に把握できるほか、残業のしすぎや休日出勤の有無も簡単に確認できます。

残留者表示機能があれば残業時間をリアルタイムで把握でき、過度な残業防止にも繋げられるでしょう。従業員や会社にとって、健全な勤怠管理をするために役立てられます。

ISMSや機密情報管理の強化

入退室が把握できると、機密情報の管理を強化できます。「誰が」「いつ」「どこで」どれくらいの時間滞在していたのかが分かるため、不正利用をすぐに見つけられるのがメリットです。

情報セキュリティを確保するための企業ごとの取り組み「ISMS(Information Security Management System)」は、情報セキュリティマネジメントシステムの略で、主に機密性・完全性・可用性の3つの要素を指します。

入退室管理システムでは、このような要素の強化も可能です。特に執務エリアや機密情報の多いエリアではトラブルが起こったときのリスクも高いため、できるだけセキュリティを強化しておきましょう。

入退室管理業務の効率化

入退室管理システムでは、過去の入退室履歴や鍵の貸し出し履歴が一元管理でき、合鍵の発行や回収もシステムを通じて行えます。今までは直接会って鍵を貸し出し、回収する必要がありましたが、そのような手間もかかりません。

また、入退室管理システムでは物理的な鍵の管理がないため、紛失や盗難のリスクを大きく減らすことができます。鍵を返却して貰った際の施錠確認なども必要なくなり、入退室管理業務の効率化がはかれるでしょう。結果として、コストの削減にも繋がります。

災害時の対策になる

入退室管理システムは地震や火災などが起こった際、室内に誰が取り残されているのかをリアルタイムで把握できます。まだ退室していない社員や関係者がいる場合、すぐに応援や救助を呼ぶことができるため、災害時の対策としても有効です。

特に社員数の多い企業の場合、全員が脱出したかどうか把握するのは困難なため、システムを最大限活用しましょう。

シェアビジネスができる

入退室管理システムでは、Web上で入室の権限付与や剥奪が簡単に行えるため、レンタル会議室やシェアオフィスなどへの導入もおすすめです。時期によって利用者が違う場合でも、その都度Web上で権限を管理すれば問題なくオフィスや会議室の貸し出しができます。

入室の権限管理については、システム使用者管理で権限を付与されている方のみが変更可能です。そのため、シェア運営をしている方が管理すれば、セキュリティ面も問題ありません。利用時間が決められている場合でも、残留者表示などを使えば随時確認可能です。

入退室管理システムのデメリット

入退室管理システムには多くのメリットがある一方で、実は環境整備や認証方法によるデメリットがいくつかあります。ここでは、以下の2つのデメリットを見ていきましょう。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

環境の整備に手間がかかる

入室管理システムを使うためにはICカードの準備や指紋の登録、アプリのインストールなどが必要になり、中には手間に感じる方もいます。特に生体認証に関しては、顔や指紋を1人ずつ登録する必要があり、時間がかかるケースが多いでしょう。

また、準備段階で時間を取られてしまうと導入するまでに、思った以上の時間を要します。そのため、環境の整備をする時間も考慮した上で、余裕を持って導入のスケジュールを立てることをおすすめします。

暗証番号のタイプは導入までの時間や手間が少ない利点がありますが、その分だけセキュリティが甘くなる可能性があります。機密文書などがある部屋においては、環境整備に時間がかかっても生体認証やICカード認証を取り入れるようにしましょう。

認証方法ごとにデメリットがある

入退室管理システムは環境整備に時間がかかるほか、認証方法ごとのデメリットも存在します。それぞれの認証方法のデメリットを詳しく見ていきましょう。

【暗証番号】盗み見されるリスクがある

暗証番号タイプは、入力中に横から盗み見されるリスクがある点が大きなデメリットです。番号を一度知られてしまうと、簡単に室内に侵入されてしまいます。

暗証番号が流出した場合には、暗証番号を変更することで対処ができますが、頻繁に暗証番号を変更する場合、社内共有に手間がかかるというデメリットが生じます。

ICカードや生体認証を使った認証とは異なり、個人を特定できないケースも多いため、仮に不正利用や不法侵入があった場合もトラブルの解決に遅れが出てしまいます。

暗証番号を使って入退室を管理する場合は、盗み見られない工夫をしましょう。例えば、番号を入力するテンキーを奥行きのある場所に設置し、周りから見られないようにするなどの方法が有効です。

【ICカード】社員間で貸し借りできる・紛失や盗難の可能性がある

ICカードは生体認証のように個人を特定するわけではなく、カードそのものを読み取って認証するシステムで、簡単に貸し借りできてしまうのがデメリットです。そのため、社員間でICカードを貸し借りしてしまった場合、入退室をした個人の特定が難しくなります。

ICカードの貸し借りをすると紛失や盗難などといったトラブルが起きやすくなり、不正利用も増えてしまうでしょう。紛失や盗難があった際は利用停止の手続きを行った上で、再発行をしなければなりません。再発行の手間や時間、コストがかかるので注意してください。

【スマートフォン】忘れたりバッテリーが切れると解錠できない

スマートフォン認証は、当然スマートフォン本体がなければ認証できません。家にスマートフォンを忘れたり、バッテリーが切れたりすると、使えなくなってしまうのが大きなデメリットです。

普段から持ち歩いている方が多いものの、忘れるリスクもあると覚えておきましょう。また、そもそもスマートフォンを持っていない方は利用できない点もデメリットの1つです。

近年ではほとんどの方が所有していますが、中には持っていない方もいるので、会社で支給するなどの工夫が必要になる可能性もあります。

【生体認証】コストや手間がかかる・認証精度に個人差が出る場合がある

生体認証は指紋や顔などを個々に登録しなければならず、導入までに時間がかかってしまいます。認証機器の設置にも時間やコストがかかるため、すぐに導入したい方には不向きです。ただし、セキュリティ性は非常に高いので、導入する価値は十分にあります。

また、生体認証は認証制度に個人差が出る可能性もあり、使用の際は注意が必要です。顔認証ではマスクや眼鏡の有無によって結果が変わったり、認証されなかったりするケースもあります。指紋は年を重ねるごとに摩耗し、変化する可能性があると覚えておきましょう。

このような場合に備えて定期的に情報を更新するなど、誤認が起きないようにすることも重要です。顔認証の場合にはマスクや眼鏡は外し、素顔で登録をすると誤認を防げます。

入退室管理システムの選び方

入退室管理システムは自社に合う認証方法、設置方法などで選ぶのがおすすめです。また、予算に応じた導入・運用コストかどうかも確認しましょう。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

自社に合う認証方法を確認

入退室管理システムには複数の認証方法があるため、企業の規模や利用シーンなどを把握し、適切なものを選ぶ必要があります。例えば、小規模で機密情報の少ない企業なら、導入しやすいICカードやスマートフォンを用いる認証方法がおすすめです。

一方で、大規模で機密情報の多い企業なら、セキュリティ面で安全性の高い生体認証を選ぶと良いでしょう。より強固なセキュリティ対策を施すことが前提の場合、暗証番号で認証するタイプを選んでしまうと、大きなトラブルになりかねません。

また、設置場所によって使い分ける方法もあります。基本はICカードやスマートフォン認証のタイプを使い、機密性の高い文書や情報がある場所のみ生体認証を導入する方法もおすすめです。

鍵の設置方法は交換か後付けか

入退室管理システムの設置方法には、鍵自体を交換するタイプと既存の鍵に後付けするタイプがあります。自社にはどちらが合うのか、よく検討しながら選びましょう。

鍵自体を交換するタイプ

鍵自体を交換するタイプは、既存の鍵を外して取り換える必要があり、初期費用が高額になる場合が多いです

また、故障やトラブルがあった場合の原状回復にも時間と費用がかかります。鍵自体を交換するタイプでは、基本的に現状復帰に費用がかかるものと考えましょう。

ただし、一度設置すれば永続的に利用可能です。オフィスを移転せず、1つの場所で長期間システムを使用する予定の場合は、鍵自体を交換するタイプが向いています。初期費用はかかるものの、耐用年数を気にせず長く使えるのが大きなメリットです。

既存の鍵に後付けするタイプ

既存の鍵に後付けするタイプは初期費用が安く、原状回復費もほとんどかかりません。導入費用を安く抑え、システムを導入したい場合におすすめです。ただし、耐用年数は数年から数十年に設定されており、永続的な使用はできません。

初期費用が安く、原状回復費がかからない点を考えると、後付けするタイプは短期間でオフィスを移転する可能性のある企業に向いています。同じ場所に長く留まる可能性が低い場合には、導入を検討してみてください。

耐用年数については商品ごとに違いがあるので、必ず導入前に確認しておきましょう。法定耐用年数は6~8年とされています。

導入・運用コストを確認

入退室管理システムは、認証方法や鍵の交換方法によって初期費用や導入・運用コストが異なります。生体認証や鍵の交換タイプは特に初期費用が高いものの、セキュリティが強化できたり永続的に使えたりと、ランニングコストが低い傾向です。

一方で、鍵を後付けするタイプは初期費用が安いものの耐用年数が設定されており、運用コストが高くなる可能性があります。そのため、自社の状況を把握しながら見合ったコストのものを選んでみてください。

他システムと連携できるか

入退室管理システムの中には、勤怠管理システムや設備管理システム、セキュリティシステムなどと連携できるものがあります。さまざまなシステムと連携することで、コストの削減や労務の効率化に繋げられるのが特徴です。

自社の労働体型や導入しているシステムなどを確認しながら、連携できるシステムについても確認しておきましょう。特に、勤怠管理システムと連携させると、社員の勤務実態を正確に把握できるようになります。

また、警備システムなどと連携できれば、警備員を配置する必要性が減るため人件費も削減できるでしょう。他システムと連携した場合のランニングコストなども考慮し、選んでみてください。

サポート体制は充実しているか

入退室管理システムは会社のセキュリティに関わるシステムのため、トラブルが発生した際にサポートしてくれる体制が整っているかどうかも確認しておきましょう。

導入や運用に不安がある場合には、トラブルだけでなく質問に回答してくれるような体制が整ったサービスを選ぶのがおすすめです。

その際、サポートの対応時間や緊急時にどのようなサポートをしてくれるのかなどもチェックしてください。中には、24時間体制でサポートを受け付けているサービスもあるので、自社の業務形態に合うものを選びましょう。

まとめ

入退室管理システムは、社員や関係者の入退室を管理できるだけでなく、セキュリティ対策や勤怠管理、災害時にも役立てられる便利なシステムです。認証方法にはさまざまな種類があるため、無料トライアルなどを活用しながら、自社に合ったものを選ぶと良いでしょう。

Web上で管理できるため、物理的な鍵の管理が不要でシェアビジネスなどにも活用しやすい一方、認証方法によっては環境整備に時間を要す場合もあります。メリット・デメリットを踏まえた上で、コストや他システムとの連携なども確認しながら選んでみてください。

入退室管理システムがあれば健全な勤怠管理やセキュリティ面の向上ができ、働く環境をより良いものにしていくこともできます。ぜひこの機会にシステムの導入を検討し、健全で安全な環境づくりをしてみましょう。

Share

top